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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W091820212532
審判 全部申立て  登録を維持 W091820212532
管理番号 1369161 
異議申立番号 異議2020-900064 
総通号数 253 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-01-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-03-05 
確定日 2020-12-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第6203251号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6203251号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6203251号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成30年10月9日に登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」並びに第9類、第18類、第20類、第21類及び第25類に属する商標登原簿に記載の商品を指定商品として、令和元年9月27日に登録査定され、同年12月6日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)。
1 登録第5431413号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第5類、第29類、第30類、第32類及び第33類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成22年10月27日
設定登録日 平成23年8月12日
2 登録第5788675号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品 第9類、第16類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成26年12月25日
設定登録日 平成27年8月28日
3 登録第6191020号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 別掲4のとおり
指定商品 第5類、第9類、第12類、第14類、第16類、第18類、第25類及び第32類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成30年11月7日
優先権主張 2018年5月8日 欧州連合知的財産庁
設定登録日 令和元年10月18日

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第388号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 引用商標の周知性について
(1)申立人の使用に係る爪の図柄と取扱い商品
ア 申立人は、1930年代に創業した米国の飲料メーカーであり、創業以降、アルコールを含有しない飲料、すなわち、炭酸飲料、フルーツジュース、エネルギー補給用飲料等の様々な飲料製品の企画、開発、製造、マーケティング、販売の事業に従事していたが、2015年(平成27年)6月からはエネルギー補給飲料(エナジードリンク)の事業に注力している(甲2、甲58)。
イ 申立人の使用に係る爪の図柄(引用商標又はその構成中の図形部分。以下「申立人図形商標」という場合がある。)は、申立人が2002年(平成14年)に創設した「MONSTER」なるエナジードリンクのブランドの製品シリーズの出所識別標識としてブランド創設時から現在に至るまでの長年にわたり継続して使用されているものであり、同ブランドのエナジードリンク(以下「MONSTERエナジードリンク」という。)は、2002年(平成14年)に米国で最初に販売を開始後、日本では2012年(平成24年)5月から販売を開始し、現在では日本を含む世界130以上の国及び地域で販売中である。申立人は2002年(平成14年)以降、現在まで継続して、MONSTERエナジードリンクには一貫して「MONSTER」の文字を基調とする個別商品名が採用されており、各々の個別製品には、Monsterの頭文字「M」をベースとしてモンスターの爪を象ったロゴマーク(申立人図形商標)が包装容器の中央に最も大きく目立つ態様で表示され、その下方には特徴的な書体で表示した「MONSTER」の文字が付されている。
このように、申立人図形商標及び「MONSTER」の文字を付した包装容器と個別製品名を使用したMONSTERエナジードリンク事業の成功は、経済界でも高い評価を受けている(甲2?甲33、甲51?甲58)。
ウ 2012年5月以降に、我が国において販売されたMONSTERエナジードリンク(リニューアル製品及び季節限定製品を含む。)は次のとおりである。
(ア)「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー 缶355ml)」(甲5、甲7、甲12、甲258、甲264)、「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー ボトル缶473ml)」(甲353?甲356)
(イ)「MONSTER KHAOS(モンスターカオス 缶355ml)」(甲6、甲7、甲14、甲128、甲130、甲259、甲264)
(ウ)「MONSTER ABSOLUTELY ZERO(モンスターアブソリュートリーゼロ 缶355ml)」(甲10、甲13、甲15、甲252?255、甲260、甲264)
(エ)「MONSTER ENERGY M3(モンスターエナジーM3 ワンウェイびん150ml)」(甲59、甲61、甲127、甲129、甲131、甲261、甲264)、「MONSTER ENERGY M3(モンスターエナジーM3 缶160ml)」(甲361)
(オ)「MONSTER COFFEE(モンスターコーヒー 缶250ml)(甲60、甲62)
(カ)「MONSTER ENERGY ULTRA (モンスターウルトラ 缶355ml)」(甲101?甲103、甲118、甲262、甲264)
(キ)「MONSTER ENERGY THE DOCTOR(モンスターロッシ缶355ml)」(甲256、甲257、甲263、甲264)
(ク)平野歩夢コラボ缶 「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー スペシャルデザイン缶355ml)」及び「MONSTER ENERGY ULTRA(モンスターウルトラ スペシャルデザイン缶355ml)」(甲58、甲291)
(ケ)「MONSTER CUBA LIBRE(モンスターキューバリブレ 缶355ml)」(甲323?甲326)
(コ)「MONSTER PIPELINE PUNCH(モンスターパイプラインパンチ 缶355ml)」(甲353、甲357?甲360)
(サ)本件商標の登録出願時までに発売された各製品全てに申立人図形商標が顕著に表示されている(甲258?甲264、甲291、甲323?甲356)。
(2)広告及び販売促進活動
申立人によるMONSTERエナジードリンクの広告及び販売促進活動は、世界の有名アスリート、レーシングチーム、スポーツ競技会、アマチュアスポーツ選手、音楽祭及びミュージシャンに対するスポンサー提供、スポーツ、音楽、コンピュータゲーム(eスポーツ)などの娯楽イベントの開催、米国ラスベガスの公共交通機関モノレールの「モンスター列車」の走行、これらのイベント開催などと関連して頻繁に実施されるエナジードリンク販売キャンペーン、各イベント会場におけるサンプリング(サンプル配布)、販売プロモーションキャンペーンの応募当選者に対する様々な「モンスター限定グッズ」の提供、「MONSTER」の文字を付したポスター・商品ネームプレート・チラシ・陳列棚・冷蔵庫などの店舗用什器の使用及び展示などを行っているほか、新商品発売・懸賞キャンペーン・イベント開催情報などを掲載したプレスリリース、申立人ウェブサイト及びソーシャルメディアを通じ、2002年(平成14年)から現在まで世界規模で継続的に実施されている。これらの広告物及び販売促進物には、極めて顕著な表示態様で申立人図形商標が継続的に使用されてきた(甲7?甲17、甲34?甲91、甲101?甲133、甲136?甲168、甲225?甲256、甲265?甲274、甲279?甲296、甲323?甲326、甲331?甲352、別紙2)。
(3)ライセンスによる引用商標の使用
申立人は、2002年(平成14年)から、ブレスレット、ラベルピン、キーホルダー、Tシャツ、スウェットシャツ、帽子、レーシングジャケット、手袋などのアパレル製品、運動用ヘルメット、バッグ類、ステッカー、傘、ビデオゲームなどの「MONSTER」ライセンス商品の製造販売を第三者に使用許諾している。当該ライセンス商品のカタログやオンラインショッピングサイトは、ブランド名及び個別商品名として「MONSTER」「Monster」の文字の表示に加えて、申立人図形商標を大きく表示し、販売及び宣伝広告している。これらのライセンス商品は、国内の実店舗のほか、オンラインショップや通信販売を介して国内の一般消費者にも販売されている(甲47、甲48、甲58、甲92?甲100、甲134、甲135)。
これらのライセンス商品の人気の高さに便乗して、海外で製造された模倣品が日本の税関で輸入差止される事案が遅くとも平成25年7月から現在に至るまで継続して度々発生している(甲169?甲224、別紙1)。
(4)世界における商標出願及び登録
申立人は、エナジードリンク等の飲料製品及び上記ライセンス商品等について、引用商標をはじめ、申立人図形商標を基調とする「申立人図形商標とMONSTER ENERGY」など様々な構成の商標について日本を含む世界150を超える国及び地域で商標出願し、登録を取得している(甲58、甲362?甲386)。
(5)申立人のMONSTERエナジードリンクの国内市場占有率など
第三者による市場調査報告書やエナジードリンクの市場に関する記述によれば、2013年(平成25年)時点で申立人のMONSTERエナジードリンクの国内市場占有率は既に25%を超えており、それ以降も着実に売上げを伸ばし、男子若年層を中心とした従来の主要需要者層に止まらず、女性層にも知名度、人気を拡大している。また、実際の市場で申立人のエナジードリンクは「モンスター」と呼ばれ、「モンスター」の表記で認知されている(甲311?甲322)。
(6)小括
以上の事柄に照らせば、申立人の使用に係る申立人図形商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人の業務に係る商品及び役務、とりわけ商品「エナジードリンク」の出所識別標識として国内外の取引者、需要者の間で広く認識されていたことが明らかである。
2 商標法第4条第1項第11号該当性
申立人図形商標は、「MONSTER」の語の頭文字「M」とヴェロキラプトル(恐竜)の爪の形から着想を得た創造標章であり、MONSTERエナジードリンクの缶を、引き裂く「爪」のイメージを喚起させるデザインとして考案されたもので、商品出所識別力が極めて強い商標ということができる。
本件商標は、薄茶色の輪郭線で赤色に着色された細く尖った両端部を有し、若干長さが異なる細長い帯様図形4本を均等間隔で並べ、その4本のうち中央の2本を両端の2本よりも長くし、さらに当該中央2本のうち右側に位置するものを最も長くしたものより構成される。
本件商標は、帯様図形のうち、中間に位置するものを長くして構成されている点、各帯様図形の輪郭線が不規則な形状の微細な突起を多数有する点で、申立人図形商標(すなわち、引用商標1、引用商標2及び引用商標3の構成中の黒色長方形の背景を除いた図形部分)と構成の軌跡を同じくするものであり、外観の印象が極めて近似する。また、本件商標は、複数の不規則な輪郭線と細く尖った先端部を有する図形を並べ、中央に位置するものを両端に位置するものよりも若干長くした外観が、モンスター、恐竜などの「鋭く尖った強靭な爪」の観念及び印象を喚起させる点で、申立人図形商標から想起連想される観念及び印象と類似する。
したがって、本件商標は、引用商標と類似のものである。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号該当性
(1)上記2のとおり、本件商標は、申立人図形商標と外観の印象及びこれより想起連想される観念が類似するものであるから、両者の類似性の程度は極めて高い。
(2)本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものを包含することに加えて、申立人及びその商標ライセンシーが申立人図形商標を実際に使用している一般消費者向けの商品と同一又は類似の商品を多く含む。
本件商標の指定商品の最終的な需要者は一般消費者を含むから、通常の需要者の注意力の程度は高いものとはいえない。
(3)申立人図形商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間で広く認識されていた。
(4)したがって、本件商標が本件指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者は、申立人図形商標及び申立人を想起連想し、申立人又は申立人と経済的又は組織的関係を有する者の取り扱いに係るもの(例えば、申立人商標のライセンシーの取り扱いに係る商品)であると誤信し、その出所について混同を生じるおそれがある。
また、本件商標の使用は、申立人の商品の出所識別標識として広く認識されている申立人図形商標の出所識別力希釈化するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 申立人図形商標の周知性について
(1)申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査(インターネット情報、新聞記事情報など)によれば、次のとおりである。
ア 申立人は、米国の飲料メーカーであって、我が国においてはアサヒ飲料株式会社を通じて2012年(平成24年)5月にエナジードリンク「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー)」及び「MONSTER KHAOS(モンスターカオス)」の販売を開始し、その販売量は同年9月には累計100万箱を超え、12月には累計157万箱となった(甲7?甲9)。
イ 申立人は、我が国において2013年(平成25年)5月に「MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO(モンスターアブソリュートリーゼロ)」(甲10、甲13、甲15)、2014年(平成26年)8月に「MONSTER ENERGY M3(モンスターエナジー M3)」(甲59、甲61)、同年10月に「MONSTER COFFEE(モンスターコーヒー)」(甲60、甲62)、2015年(平成27年)7月に「MONSTER ENERGY ULTRA(モンスターウルトラ)」(甲101?甲103、甲118、甲262、甲264)、2017年(平成29年)6月に「MONSTER ENERGY THE DOCTOR(モンスターロッシ)」(甲256、甲257、甲263、甲264)、2018年(平成30年)4月に「MONSTER CUBA-LIBRE(モンスターキューバリブレ)」(甲323?甲326)、2019年(平成31年)4月に「MONSTER PIPELINE PUNCH(モンスターパイプラインパンチ)」(甲353、甲357?甲360)の販売を開始し、製品によってはリニューアルしたり、コラボ缶の製品を販売した(甲127、甲128、甲291 ほか)(以下、これら商品と上記アの商品をまとめて「申立人商品」という。)。
ウ 申立人商品のうち、「MONSTER ENERGY」、「MONSTER KHAOS」(2016年(平成28年)5月から)、「MONSTER ENERGY ABSOLUTELY ZERO」、「MONSTER ENERGY M3」、「MONSTER ENERGY ULTRA」、「MONSTER ENERGY THE DOCTOR」及び「MONSTER PIPELINE PUNCH」の容器には、別掲5のとおりの商標(色彩が異なるものを含む。以下「別掲5商標」という。)又はこれと共に別掲2ないし別掲4の図形部分である申立人図形商標が表示されている(甲7、甲10、甲59、甲101、甲130、甲257?甲263、甲357ほか)。
また、「MONSTER COFFEE」の容器にはその中央に別掲5商標の上段のデザイン化された「MONSTER」の文字部分(以下「MONSTERロゴ」という。)と「COFFEE+ENERGY」の文字が2段に表示され、「MONSTER CUBA-LIBRE」の容器には、「MONSTERロゴ」が表示されており、さらにこれらの文字と共に申立人図形商標も表示されている(甲60、甲324ほか)。
エ 申立人は、我が国で開催される各種のスポーツ競技会、イベントにおいて、看板、ユニフォーム、車体など多種多様なものに、別掲5商標又はこれと共に申立人図形商標を表示している(甲73?甲80、甲82ほか)。
オ 我が国において、別掲5商標又はこれと共に申立人図形商標が表示されたステッカー、衣類、帽子、ヘルメットなどが販売されている(甲47、甲48、甲98ほか)。
カ 平成25年7月以降、我が国の税関において、申立人の商標権(国際登録第1048069号など)を侵害する疑いがある貨物(帽子、ショートパンツ、Tシャツなど)が多数発見されている(甲169?甲224、別紙1)。
キ JMR生活総合研究所による消費者調査 No.196「エナジードリンク(2014年(平成26年)7月版)」によれば、ブランド認知率の1位は「レッドブル・エナジードリンク」で45%、2位が「モンスターエナジー」で31%であった(甲311)。また、同消費者調査 No.232「エナジードリンク(2016年(平成28年)8月版)」でも、ブランド認知率の1位は「レッドブル・エナジードリンク」であり、2位は「モンスターエナジー」であったと推認できる(甲312)。
ク 飲料総研の調査によれば、我が国における2013年(平成25年)のエナジードリンクの出荷数は約950万ケース(1ケース30本換算)であり、首位のレッドブルが550万ケース、2位のモンスターエナジーは240万ケースであった(甲317、甲318、甲320)。
ケ ジャストシステムによるエナジードリンクに関する調査(2014年(平成26年)4月)によれば、認知度が高い商品の1位は82.8%の「RedBull」、2位は47.6%の「MONSTER ENERGY」であった(甲319)。
コ JMR生活総合研究所による消費者調査データ No.269「エナジードリンク(2018年(平成30年)5月版)」には、「モンスター、レッドブル、リアルゴールド 寡占化すすむエナジードリンク市場」のタイトルのもと、「今回の調査では、『リアルゴールド(日本・コカコーラ)』『レッドブル・エナジードリンク(レッドブル・ジャパン)・・・』『モンスターエナジー(アサヒ飲料)』の3ブランドがほとんどの項目で上位3位を独占した。」の記載がある。
(職権調査:https://www.jmrlsi.co.jp/trend/mranking/02-drink/mranking269.html)
また、同消費者調査データ No.293「エナジードリンク(2019年(令和元年)5月版)」には、「リアルゴールド、レッドブル、モンスターエナジー。3強上位独占」のタイトルのもと、「エナジードリンクの市場は、2桁の伸びの後に、2016年(平成28年)は対前年比5%増、2017年(平成29年)は同じく8%増とやや落ち着いたものの、依然として成長を続けている。」の記載がある。
(職権調査:https://www.jmrlsi.co.jp/trend/mranking/02-drink/mranking293.html)
サ 申立人及びアサヒ飲料株式会社は、本件商標の登録出願の日前から、申立人商品のキャンペーンに係るニュースリリース、ポスター、ウェブサイト等には、申立人商品の画像又は別掲5商標若しくは「モンスターエナジー」の文字若しくはこれらの文字と共に申立人図形商標が表示又は掲載されている(甲69、甲71、甲79、甲101?甲103、甲111、甲113、甲115、甲118、甲119、甲124ほか)。
(2)上記(1)のとおり、申立人は、我が国において、2012年(平成24年)5月からエナジードリンク「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」の販売を開始し、その後現在まで、計9種の申立人商品を販売するとともに、各種のスポーツ競技会、イベント及びキャンペーンなどを通じ、申立人商品の広告宣伝を行っていたこと、2013年(平成25年)のエナジードリンクの出荷数約950万ケースのうち、申立人商品の出荷数は240万ケースで第2位であったこと、申立人商品の認知度が2014年(平成26年)において、その数値は31%と47.6%と差異はあるものの、いずれの調査でも第2位であったことが認められ、2016年(平成28年)の認知度はその数値は不明であるものの2位であったと推認できることに加え、2018年(平成30年)及び2019年(令和元年)の調査において、いずれも申立人商品はエナジードリンクで3強の一つとされ、また、エナジードリンクの市場は2017年(平成29年)において成長を続けているとされていることを併せみれば、申立人商品は、本件商標の登録出願の日(平成30年10月9日)前から、登録査定日(令和元年9月27日)はもとより現在においても継続して、我が国のエナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものと判断するのが相当である。
そして、申立人商品は、そのほとんどの容器の中央に、「MONSTER ENERGY」の文字が別掲5のとおりの態様で表示されていること、及びニュースリリース、各種記事などにおいて「MONSTER ENERGY」「モンスターエナジー」と表示され、「モンスターエナジー」と称されていることから、「MONSTER ENERGY」及び「モンスターエナジー」の文字は、いずれも本件商標の登録出願の日前から、登録査定日はもとより現在においても継続して、申立人及びアサヒ飲料株式会社の業務に係る商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものといえる。
しかしながら、申立人商品の広告宣伝は、各種のスポーツ競技会、イベント及びキャンペーンなどを通じて行われているものの、老若男女を問わず幅広い需要者層が目にする機会の多い一般的なメディアを通じたものとはいえないばかりか、我が国における申立人商品の清涼飲料に対する市場占有率等も確認することができないこと等を総合的に判断すると、申立人商品は、幅広い需要者層を有する一般的な清涼飲料の分野においてまでも、取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたとまでは認めることができない。
また、申立人図形商標は、ニュースリリース、ポスター、ウェブサイト、販促用商品等において、「MONSTER ENERGY」若しくは「モンスターエナジー」又は別掲5商標と共に表示又は掲載されているように、常に当該文字等と共に表示等されていることからすれば、これに接する需要者は、そのような場合に限って、申立人図形商標を申立人及びアサヒ飲料株式会社の業務に係る商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されることはあるというべきである。
さらに、申立人図形商標は、申立人商品の容器に「MONSTER ENERGY」の文字(別掲5商標)と共に表示されてはいるものの、申立人図形商標のみが表示されている商品は見当たらない。
そうすると、申立人図形商標は、「MONSTER ENERGY」若しくは「モンスターエナジー」又は別掲5商標と関連なく、単独で表示された場合には、需要者においてエナジードリンクを表示するものとして理解されるとはいい難い。
したがって、申立人図形商標のみでは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する理由において、引用商標1ないし引用商標3を引用しているので、本件商標と引用商標1ないし引用商標3との関係について、以下検討する。
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、薄茶色の輪郭線で赤色に着色された両端が細く長さの異なる細長い帯状図形を、右上から左下に向けて湾曲させながらほぼ均等の間隔で4本並べた図形から構成されるものである。
(2)引用商標1ないし引用商標3について
引用商標1ないし引用商標3は、別掲2ないし4のとおり、上端に左向きの突起を設け、下向きに幅が徐々に細くなる不規則な凸凹上の輪郭を有するかぎ裂き状の長さの異なる帯状図形を、3本縦方向に平行に配置してなる図形であって、黒の色彩又は黒地に緑の色彩を施してなるものである。
(3)本件商標と引用商標との比較について
本件商標と引用商標とを比較すると、両者は、突起物の有無並びに帯状図形の描き方及び配置の仕方など、明らかに異なるものであるから、判然と区別することができ相紛れるおそれはない。
その他に、本件商標と引用商標とを類似と認めるに足る証拠はない。
したがって、本件商標と引用商標とは、両者の指定商品の類否について判断するまでもなく、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)申立人の使用に係る商標(申立人図形商標)の周知性について
上記1のとおり、申立人図形商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)本件商標と申立人図形商標との類似性の程度
本件商標と申立人図形商標とは、上記2(3)と同様に、非類似の商標であって、別異の商標である。
(3)出所の混同を生ずるおそれについて
上記(1)のとおり、申立人図形商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないことに加え、上記(2)のとおり、本件商標と申立人図形商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標であることから、本件商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして申立人図形商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲
1 本件商標 (色彩は原本参照)



2 引用商標1



3 引用商標2



4 引用商標3 (色彩は原本参照)



5 申立人商品の容器に表示されている商標


異議決定日 2020-12-01 
出願番号 商願2018-131002(T2018-131002) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W091820212532)
T 1 651・ 261- Y (W091820212532)
最終処分 維持 
前審関与審査官 藤平 良二 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 大森 友子
岩崎 安子
登録日 2019-12-06 
登録番号 商標登録第6203251号(T6203251) 
権利者 日昇商事株式会社
代理人 柳田 征史 
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