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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W36
審判 全部申立て  登録を維持 W36
管理番号 1369150 
異議申立番号 異議2020-900114 
総通号数 253 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-01-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-04-24 
確定日 2020-11-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第6223514号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6223514号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6223514号商標(以下「本件商標」という。)は,「MACSELL」の文字を標準文字で表してなり,平成31年3月22日に登録出願,第36類「携帯電話機械器具・スマートフォン・パーソナルコンピュータ及びタブレット型コンピュータの買取価格の評価,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価」を指定役務として,令和2年1月20日に登録査定,同年2月6日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標に係る登録異議申立ての理由において,引用する商標(以下「引用商標」という。)は,「MAC」の欧文字であり,申立人が「パーソナルコンピュータ,オペレーティングシステム」について使用し,我が国の取引者,需要者に広く認識されていると主張するものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第15号及び同項第7号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきと申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標の著名性について
ア 申立人について
申立人は,米国カリフォルニア州に本社を置き,GAFAと称されるデジタル市場の巨大企業の4つのうちの一社であり,「MacBook」,「iMac」等のパーソナルコンピュータ「Mac」シリーズ,スマートフォン「iPhone」,タブレット型コンピュータ「iPad」,腕時計型コンピュータ「Apple Watch」等を製造販売し,音楽・映像配信サービス「Apple Music」等を提供する米国の法人である。同社は,「世界の最も価値あるブランドランキング」で首位を獲得するなど,高い知名度を誇り,当該ランキングにおいては,2011年から9年連続で首位の座を維持し,ブランド価値が2000億ドルを超えた唯一の企業と評価されている(甲2)。
イ 引用商標について
申立人の製品の中でも特に「Mac」シリーズ(甲4)は,申立人の代表製品の一つであって,ラップトップ型コンピュータ「MacBook Air」「MacBook Pro」,デスクトップ型コンピュータ「iMac」「iMac Pro」,コンピュータハードウェア「Mac Pro」「Mac mini」といった製品名で販売されている。これらは通称「Mac (マック)」と呼ばれ(甲5?甲7),我が国においても広く知られている。
そして,マイクロソフト社のオペレーティングシステム「Windows」に対する申立人のオペレーティングシステムの名称としても「Mac」が使用されている(甲8)。
また,申立人の「Mac(マック)」を題材とした書籍も多数販売されている(甲9)。
さらに,申立人は「MAC」の語を含む商標について数多くの登録を有している。
以上のとおり,「MAC」は,申立人のコンピュータないしオペレーティングシステムを示す商標として我が国において広く知られている。
なお,引用商標が周知・著名であるところは異議2016-900386においても認められている事実である(甲10)。
ウ 商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は,「MACSELL」の文字からなり,その構成中「MAC」の文字は申立人の著名な商標と同一であり,「SELL」は“売却”を意味する英単語で「買取価格の評価」に関する役務では,役務の内容を示す記述的な言葉である。上記のとおり「MAC」の語が申立人の商標として広く一般に理解されているものであることから,本件商標中の「MAC」の文字は即座に申立人の著名商標「MAC」を想起させ,“売却”を意味する英単語「SELL」より,本件商標は全体として「申立人のコンピュータの売却」に関する役務を想起させ,申立人と何らかの関係があるかのように誤認・混同させるおそれが高いと考える。
ちなみに,本件商標権者は,現に本件商標を申立人の「Mac」シリーズコンピュータの買取役務の商標として使用しており,本件商標中の「MAC」の文字部分が申立人の「Mac」コンピュータを意図していることは明らかである(甲11)。また,甲第12号証によれば,「Mac買取専門店Macsell」と表示されており,本件商標権者は申立人の「Mac」コンピュータの専門買取業者であると解される。
他方,申立人も「Mac」コンピュータの買取役務を行っており,「Mac」コンピュータの他,iPhoneスマートフォン,iPadタブレット型コンピュータ,Apple Watchスマートウォッチ等を下取りに出すと新しい機器の購入価格が割引になる役務を「Apple Trade In」の名称の下で行っている(甲13)。
加えて,本件商標の指定役務は,申立人の製品・業務と関連性のある第36類「携帯電話機械器具・スマートフォン・パーソナルコンピュータ及びタブレット型コンピュータの買取価格の評価」が含まれており,申立人の「MAC」商標が特に知られているコンピュータに関する役務であって,その需要者の範囲も一致し,混同が生ずる可能性が極めて高いといえる。
また,上記のとおり,申立人も「Mac」コンピュータの買取役務を行っており(甲13),下取りに出した機器を査定評価している当該役務は,本件商標権者の指定役務と完全に一致しており,「Mac」コンピュータが対象となっている点,現実の取引における一致も見られる。
以上のとおり,本件商標がその指定役務に使用されると,係る指定役務分野における需要者は,それらの役務が申立人の業務に係る商品・役務ないし申立人と何らかの関係がある者の業務に係る商品・役務であると誤認し,出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかであって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
なお,申立人の商標「MAC」が周知・著名であることが認定された上記異議2016-900386においても,対象となった商標「マックリンクス/MAC-Links」は,商標法第4条第1項第15号に該当する旨認定されている(甲10)。
2 商標法第4条第1項第7号について
本件商標からは,「申立人の(Mac)コンピュータの売却」の意味が看取されるが,これより「MACを売ってしまおう」というニュアンスが想起される。SELLがSELLSであれば,「MACは売ります」となるが,単純に2つの単語が並べられている場合,それはとても強い語調に捉えられ,これが商標として方々に使用されると,これに接した需要者は申立人のMAC製品を手放そうというメッセージを読み取り,申立人の製品のボイコット等につながるおそれがある。このようなネガティブキャンペーン化しかねない商標を半永久的に維持できる商標権として認めて自由な使用を認めることは,健全な商取引を法目的とする商標法の精神に反するものである。
申立人は,このような企業イメージを損なうおそれのある商標の存在を大変懸念しており,本件商標は,公序良俗に反する商標として取り消されるべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の主張及び提出した証拠によれば,以下のことが確認できる。
(ア)申立人は,米国カリフォルニア州に本社を置く,GAFAと称されるデジタル市場の巨大企業4つのうちの一社であり,パーソナルコンピュータ,スマートフォン,タブレット型コンピュータ等を製造販売するとともに,音楽・映像配信サービス等も提供している米国の法人である。申立人は,フォーブスが2019年5月22日に発表した「『世界で最も価値あるブランド』100社ランキング」において,9年連続のトップとなり,ブランド価値が2000億ドルを越えた唯一の企業と評価されている(甲2)。
(イ)申立人の販売する代表製品の一つである「Mac」シリーズ(甲4)は,ラップトップ型コンピュータを「MacBook Air」「MacBook Pro」,デスクトップ型コンピュータを「iMac」「iMac Pro」,コンピュータハードウェアを「Mac Pro」「Mac mini」といった製品名で販売されており,これらは通称「Mac(マック)」と呼ばれている(甲5?甲7)。また,申立人のオペレーティングシステムの名称としても「Mac」が使用されている(甲8)。そして,申立人の「Mac(マック)」を題材とした書籍も販売されている(甲9)。
また,申立人は,構成中に「MAC」又は「Mac」の文字を有する商標について商標登録を複数している。
イ 職権による調査によれば,次のとおりである。
(ア)辞典,書籍等
a 「日経パソコン用語事典 2009年版」(日経BP社 2008年(平成20年)10月20日発行)の「Mac/マック」の項には「Macintoshの略称。Macintosh用のソフトやハードは,Mac OSやiMac,MacBookなどのように,この略称を用いた製品名が多い。」の記載がある。
b 「標準パソコン用語事典 最新2009?2010年版」(株式会社秀和システム 2009年(平成21年)1月15日発行)の「Mac(マック)」の項には「米国Apple社で製造,販売するパーソナルコンピュータMacintoshシリーズの略称,または愛称。」の記載がある。
c 自由国民社発行の「現代用語の基礎知識」(2013年(平成25年)1月1日発行及び2015年(平成27年)1月1日発行)の「マック(マッキントッシュ)[Mac;Macintosh]」の項及び「大字版 現代用語の基礎知識2016」(2016年(平成28年)1月1日発行),「現代用語の基礎知識2017 大字版」(2017年(平成29年)1月1日発行),「現代用語の基礎知識2018」(2018年(平成30年)1月1日発行),「現代用語の基礎知識2019」(2019年(平成31年)1月1日発行)の「マック(Mac)」の項には「アップル社が発売している独自仕様のパソコン。マックOS(現在は単にOS Xという)という独自のOSを使い,ウィンドウズが普及する前からアイコンとマウスによる操作(GUI)を実現してきた。」旨の記載がある。
(イ)新聞記事情報
a 2005年3月8日付け毎日新聞東京夕刊2頁には,「特集WORLD:アップルコンピュータ,続く大攻勢 その背景と行方は」の見出しの下,「『04年10?12月期だけで全世界のマック(Mac)の出荷台数が初めて100万台を突破しました』とアップル日本法人の竹林賢(たかし)広報部長。マックは104万6000台(前年同期比26%増),iPodは458万台(同525%増)。米アップルはこの時期に売上高で過去最高の34億9000万ドル(前年同期比74%増)を達成した。」の記載がある。
b 2010年2月11日付け日刊工業新聞13頁には,「主要地区・中古パソコン/東京-『Mac』販売好調」の見出しの下,「【東京】1月の東京地区はアップルの『Mac』デスクトップパソコンが好調だった。」の記載がある。
c 2015年6月27日付け朝日新聞東京朝刊13頁には,「(てくの生活入門)パソコンの夏モデルを選ぶ 無料アップグレードにも対応」の見出しの下,「ウィンドウズパソコンではありませんが,iPhoneやiPadでおなじみのアップル製『Mac』も独自の使いやすさがあります。『オフィス』のMac版も発売されています。」の記載がある。
d 2016年7月28日付け日本経済新聞朝刊14頁には,「スマホ,タブレット,パソコン,アップル,主力に陰り,4?6月売上高15%減,自動車に照準。」の見出しの下,「・・・パソコン『Mac』は11%減と低迷。」の記載がある。
e 2016年8月3日付け日本経済新聞朝刊12頁には,「アップル,貢献アピール,日本国内で3兆円調達を公表,企業・消費者の支持狙う。」の見出しの下「日本国内でiPhoneやパソコン『Mac』などに使うアプリケーションソフトの開発にかかわった人は15年時点で53万2000人に上るとした。・・・15年には日本を拠点とする開発者に合計96億ドルを支払ったという。」の記載がある。
f 2019年7月31日付け産経新聞大阪夕刊6頁には,「アップル3四半期ぶり増収 4?6月 音楽配信,スマホ不振補う」の見出しの下,「米アップルが30日発表した2019年4?6月期決算は,売上高が前年同期比1%増の538億900万ドル(約5兆8千億円)となった。・・・パソコン「Mac(マック)」は11%増,タブレット端末「iPad(アイパッド)」は8%増と,それぞれ好調だった。」の記載がある。
g 2020年7月31日付け日本経済新聞夕刊1頁には,「アップル11%増収,在宅勤務で端末販売好調,4?6月。」の見出しの下,「米IT(情報技術)大手4社が30日、2020年4?6月期決算を発表した。アップルとフェイスブックはいずれも前年同期比11%の増収、アマゾン・ドット・コムの純利益は2倍になった。一方、ネット広告の減少でグーグルの持ち株会社アルファベットは初の減収となった。・・・製品別の売上高の内訳はタブレット端末『iPad』が31%増の65億8200万ドル、パソコン『Mac』が22%増の70億7900万ドルとそれぞれ2桁を超える伸びだった。」の記載がある。
(ウ)インターネット情報
a マイナビニュースのウェブサイトには「WindowsとMacのシェア,27年間の推移を比較したデータが話題に」(2012年7月10日)の見出しの下「1984年の初代Macintosh登場以来,Windowsを含むPCマシンにシェアの差を広げられ続けていたMacだが,2004年からその関係が反転し,その差をピーク時の3分の1まで縮めている。」の記載がある(http://news.mynavi.jp/article/20120710-a043/)。
b ASCIIのウェブサイトには「2015年の全世界のPC出荷台数が明らかに/PC市場でMacのシェアが拡大!Windows10でもPC総出荷台数は伸びず」(2016年1月13日)の見出しの下「さて本日,調査会社であるIDCとガートナーの両者が2015年のPCマーケットシェアを発表しました。・・・Macのシェアは7%強とほぼ同じですね。」の記載がある(http://ascii.jp/elem/000/001/104/1104481/)。
ウ 上記ア及びイより,申立人は,フォーブスが2019年(令和元年)5月22日に発表した「『世界で最も価値のあるブランド』100社ランキング」において1位となり,9年連続で1位をキープしている会社であること,また,申立人の製造に係るパーソナルコンピュータ「Macintosh」及び当該パーソナルコンピュータに使用されているオペレーティングシステムは,遅くとも2004年頃から現在まで「Mac(マック)」と略称されていることを認めることができる。
そして,当該パーソナルコンピュータの我が国における販売実績は確認できないものの,少なくとも2008年(平成20年)頃から辞書類に「Mac」の項が設けられ,当該文字が申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ及びオペレーティングシステムの略称である旨が説明されていること,近年及び本件商標の登録査定の日後もウェブページ,書籍,辞書類,新聞等で申立人の業務に係る商品「パーソナルコンピュータ及びオペレーティングシステム」を「Mac(マック)」と略称していることなどを考慮すれば,「Mac」の文字の2文字目及び3文字目を大文字に変えたにすぎない引用商標「MAC」の文字は,申立人の業務に係る商品「パーソナルコンピュータ及びオペレーティングシステム」(以下「申立人商品」という。)を表示するものとして,本件商標の登録出願時ないし登録査定時において需要者の間に広く認識されている商標と認めるのが相当であり,その著名性は,現在においても継続しているものというのが相当である。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度
ア 本件商標
本件商標は,上記1のとおり,「MACSELL」の文字からなるところ,当該文字は,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものである。
そして,本件商標の各構成文字は同じ書体,同じ大きさで,外観上まとまりよく一体的に表されているものであり,これより生じる「マックセル」の称呼も一連に称呼し得るものである。
したがって,本件商標は,その構成文字に相応して,「マックセル」の称呼のみを生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は,上記2のとおり,「MAC」の文字からなるところ,その構成文字に相応して「マック」の称呼を生じ,上記(1)のとおり,需要者の間に広く認識されている申立人商品の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とを比較すると,本件商標は,上記1のとおり「MACSELL」の7文字からなるのに対し,引用商標は,上記2のとおり「MAC」の3文字からなるものであって,両者は,「SELL」の文字の有無という構成文字及び文字数における明らかな差異があるから,外観上,判然と区別し得るものである。
次に,称呼においては,本件商標から生じる「マックセル」の称呼と引用商標から生じる「マック」の称呼とは,後半部における「セル」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから,それぞれを称呼するときは,明瞭に聴別し得るものである。
さらに,観念においては,本件商標からは,特定の観念は生じないのに対し,引用商標からは,申立人商品の観念が生じるものであるから,観念上,紛れるおそれはない。
そうすると,本件商標と引用商標は,外観,称呼,観念のいずれにおいても相紛れるおそれがないものであるから,両者の外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。
(3)引用商標の独創性について
引用商標の「MAC」の文字は,辞書によれば,男性名及び名前を知らない男性に対する呼びかけに用いる語であり,成語であるから,引用商標の独創性は,高いものといえない。
(4)本件商標の指定役務と申立人の取扱いに係る商品の関連性,需要者の共通性について
本件商標の指定役務中,「携帯電話機械器具・スマートフォン・パーソナルコンピュータ及びタブレット型コンピュータの買取価格の評価」は,パソコン等の買取業者が買取価格を算出する役務であって,申立人の製造販売する「コンピュータ,スマートフォン,タブレット型コンピュータ」も役務の対象となるものであるから,需要者を共通にする関連性のあるものといえる。
しかし,本件商標の指定役務中,第36類「董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価」と申立人商品については,役務の提供と商品の製造・販売が同一事業者によって行われているとか,役務と商品の用途,役務の提供場所と商品の販売場所が共通するといった事情は見いだせないことから,直ちにこれらの関連性が高いということはできず,需要者の範囲も一致するとはいえない。
(5)出所の混同のおそれについて
以上の(1)ないし(4)を総合勘案すれば,上記(1)のとおり,引用商標が申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く知られており,上記(4)のとおり,たとえ,本件商標の指定役務中「携帯電話機械器具・スマートフォン・パーソナルコンピュータ及びタブレット型コンピュータの買取価格の評価」と申立人商品について,需要者を共通にする関連性のあるものであるとしても,上記(2)のとおり,本件商標と引用商標とは,類似性の程度は低いものであり,上記(3)のとおり,引用商標の独創性も高くはないものであるから,本件商標を,その指定役務に使用しても,他人(申立人)の商標を想起,連想するものとはいえず,これに接する取引者,需要者は,これが申立人又は同人と経済的,若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
その他,本件商標が出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
(6)小括
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は,本件商標からは,「申立人の(Mac)コンピュータの売却」の意味が看取され,「MACを売ってしまおう」というニュアンスが想起されるものであり,申立人の製品のボイコット等につながるおそれがあるものであって,このようなネガティブキャンペーン化しかねない商標を半永久的に維持できる商標権として認めて自由な使用を認めることは,健全な商取引を法目的とする商標法の精神に反するものであるから,本件商標は,公序良俗に反する商標として取り消されるべき旨を主張している。
しかしながら,上記1(1)のとおり,引用商標が申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く知られているとしても,上記1(2)のとおり,本件商標と引用商標とは非類似の商標であって,本件商標をその指定役務に使用しても,申立人に係る引用商標を連想又は想起するものということはできないことは上記1(5)のとおりであるから,本件商標権者が本件商標を商標登録し,その指定役務に使用することが,直ちに健全な商取引を法目的とする商標法の精神に反するものとはいい難いものである。
その他,本件商標が公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標と認める足りる証拠もない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号及び同項第7号のいずれにも該当するものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。

別掲

異議決定日 2020-11-17 
出願番号 商願2019-41506(T2019-41506) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W36)
T 1 651・ 22- Y (W36)
最終処分 維持 
前審関与審査官 池田 光治 
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 平澤 芳行
須田 亮一
登録日 2020-02-06 
登録番号 商標登録第6223514号(T6223514) 
権利者 山内 幸一郎
商標の称呼 マクセル 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
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