• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z25
管理番号 1369107 
審判番号 取消2018-300508 
総通号数 253 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-01-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-07-05 
確定日 2020-11-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第4396135号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4396135号商標(以下「本件商標」という。)は、「ENVY」及び「エンビー」の文字を2段に横書きしてなり、平成10年11月30日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同12年6月30日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成30年7月17日であり、この登録前3年以内の期間を以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第25類「被服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標の指定商品中、第25類「被服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」(以下「取消に係る商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証
「製品規格仕様書」(乙1)には、「作成日」欄、「製品品番」欄の記載があるが、取消に係る商品のいずれかについて、本件商標の使用を直接的に示すものではない。また、乙第2号証及び乙第3号証について、被請求人は、両書類に記載された「伝票No」、「店コード」、「納品日」等の情報を根拠として、要証期間内に、製品番号「HJD528」に相当する「ENVY」ブランドのドレスシャツをイオンリテール株式会社(以下、「イオンリテール株式会社」及び後述の「イオン北海道株式会社」等のイオングループの会社を総称して「イオン社」という。)に納品し、受領された旨を主張しているが、製品番号「HJD528」が「ENVY」ブランドのドレスシャツであることの根拠となる書類は乙第1号証のみであるところ、当該書類は、被請求人作成の書類であり、客観性が充分に担保された証拠ではなく、乙第1号証、乙第2号証及び乙第3号証とを組み合わせたとしても、要証期間内に本件商標を付したドレスシャツを納品した証拠とはなり得ない。
(2)乙第2号証及び乙第3号証
「受領リスト」(乙2)には、「得意先名称」欄、「処理日」欄、「伝票No」欄、「店コード」欄、「納品日」欄、「発注数量」欄等の記載があり、「WMS出荷実績」(乙3)には、「納期」欄、「得意先名」欄、「店CD」欄、「店名」欄、「伝票NO」欄等の記載があるが、いずれの書類も、取消に係る商品のいずれかについて、本件商標の使用を直接的に示すものではない。
また、上記(1)のとおり、仮に、乙第2号証及び乙第3号証の「納品日」欄に記載された日付に、製品番号「HJD528」の商品が納品された事実があったとしても、製品番号「HJD528」と「ENVY」ブランドとを結びつける唯一の証拠である乙第1号証が客観的な証拠として機能しない以上、要証期間内に本件商標を付したドレスシャツを納品した証拠とはなりえない。
(3)乙第4号証の1及び乙第4号証の2について
乙第2号証及び乙第3号証同様、乙第4号証の1及び乙第4号証の2の写真についても、いずれも被請求人が準備したものであり、客観性のある証拠とはいえず、これらの写真が撮影されたのは、平成30年9月21日であるから、取消に係る商品のいずれかについて、要証期間内における本件商標の使用を証明するものではない。
また、乙第4号証の1及び乙第4号証の2は、イオン社の京橋店及び同店舗発行の領収書であり、京橋店への納品の日付等を確認するための乙第2号証及び乙第3号証に相当するような書類が提出されていないことが不自然であり、仮に要証期間内の京橋店への納品を示す書類の提出があったとしても、当該書類は被請求人作成のものである以上、製品番号「HJD528」と「ENVY」ブランドとの結びつきを客観的に証明するものとはいえない。
(4)乙第6号証について
「証明書」(乙6)には、「商品」欄、「商標」欄、「製品品番」欄等の記載があるが、取消に係る商品のいずれかについて、本件商標の使用を直接的に示すものではない。
なお、被請求人は、乙第6号証について、乙第2号証及び乙第3号証に記載された「納品日」、「伝票No」、「数量」等の情報と一致することから、被請求人が要証期間内に商品「ドレスシャツ」を納品したことが明らかである旨主張しているが、「証明書」と題された乙第6号証の出所が明らかでなく、客観性のある証拠といえず、記載された商品が、記載された日に納品された事実を証明するものではない。
また、乙第6号証と、乙第1号証ないし乙第3号証とを組み合わせたとしても、要証期間内に本件商標を付したドレスシャツを納品した証拠とはなり得ない。
(5)まとめ
上述のとおり、被請求人により、本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標が要証期間内に我が国において、取消に係る商品のいずれかについて使用された事実は何ら立証されていない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
被請求人(商標権者)は、本件商標を要証期間内に、日本国内において、取消に係る商品中の「被服(ドレスシャツ)」について使用している。
2 本件商標の使用
(1)使用の事実を証する証拠について
ア 商標「ENVY」を付した商品ドレスシャツの「製品規格仕様書」(乙1)には、「作成日」の項目に「2016-09-20」、「製品品番」の項目に「HJD528-001」(「-001」はカラー番号)、「ブランド」の項目に「ENVY」と印字されている。
イ 被請求人の「受領リスト」(乙2)は、被請求人がイオン社に商品を納品し、同社が当該商品を受領したことを示す被請求人の現実の取引実績を記録した書面である。なお、イオン社は近年ペーパーレス化が進んでいることから、紙媒体の納品書又は受領書等は存在せず、被請求人との取引は、全て電子データによって取引されている。
当該「受領リスト」における得意先名称の項目に「イオン」、処理日の項目に「2017/02/27」と印字されている。また、当該「受領リスト」の最下行には、伝票Noの項目に「1455650」、店コードの項目に「00100」、納品日及び計上日の項目に「2017/02/23」、商品コード(発注用)の項目に「2315188032018」、発注数量、出荷数量及び受領数の項目に「128」と印字されている。さらに、当該「受領リスト」の下から4行目には、伝票Noの項目に「1455624」、店コードの項目に「00205」、納品日及び計上日の項目に「2017/02/23」、商品コード(発注用)の項目に「2315188032018」、発注数量、出荷数量及び受領数の項目に「128」と印字されている。
なお、ここでいう得意先名称の項目の「イオン」とは、「イオンリテールストア株式会社」を略記して表示したものである。
ウ 被請求人のWMS(倉庫管理システム)の出荷実績(乙3)は、現実の商品の流通の実績を記録した書面であり、当該「WMS出荷実績」は、被請求人の倉庫から、イオン社の運営する各店舗に商品を出荷したことを示す書類である。
当該「WMS出荷実績」の最上行には、納期の項目に「2017/02/23」、出荷確定日の項目に「2017/02/22」、得意先名の項目に「イオン」、店CD(店コード)の項目に「000100」、店名の項目に「オオタカ」、伝票NOの項目に「1455650」、商品CD(商品コード)の項目に「HJD528」、インストアコードの項目に「2315188032018」、相手先商品CD(コード)の項目に「HJD528」、出荷実績数の項目に「128」と印字されており、「受領リスト」(乙2)に印字された伝票NO、店名CD(コード)、納品日及び出荷数量が一致する。
当該「WMS出荷実績」の26行目には、納期の項目に「2017/02/23」、出荷確定日の項目に「2017/02/22」、得意先名の項目に「イオン」、店CD(店コード)の項目に「000205」、店名の項目に「カガミハラ」、伝票NOの項目に「1455624」、商品CD(商品コード)の項目に「HJD528」、インストアコードの項目に「2315188032018」、相手先商品CD(コード)の項目に「HJD528」、出荷実績数の項目に「128」と印字されている。
乙第3号証の最上段及び26行目に印字された伝票NO、店CD、納期、出荷実績数は、「受領リスト」(乙2)の最下段及び下から4行目に印字された伝票No、店コード、納品日及び出荷数量が一致する。
なお、ここでいう得意先名称の項目の「イオン」とは、「イオンリテールストア株式会社」を、店名の「オオタカ」とは、「イオン大高店」を、店名のカガミハラとは、「イオン各務原店」を略記して表示したものである。
エ 被請求人の製造・販売に係る「ENVY」を表示したドレスシャツの販売のための展示状況を表す写真(乙4の1)の第2ページないし第4ページは、イオン京橋店の入り口から4階フロア及び陳列棚での販売状況を示しており、第4ないし7、及び9ないし11ページには、商品「ドレスシャツ」の包装に「ENVY」の欧文字を明朝体で一連に表示され、黒い下げ札には、「ENVY」の「EN」が上段に、「VY」が下段に明朝体で表示されている。また、第3、4、6、7、9及び12ページには、ドレスシャツの衿ネーム部分及びドレスシャツの衿部分の留め具(厚紙)に「ENVY」の「EN」が上段に、「VY」が下段に明朝体で表示されている。
第5ページのバーコードが付された白い下げ札の下部及び第7ページの下げ札の上部には、被請求人の製造・販売するドレスシャツに係る製品品番「HJD528」が表示されており、また、第8及び11ページの写真の衿部分には、「HJD528-070」(「-070」はカラー番号)が表示されている。
オ 被請求人の製造・販売に係るドレスシャツの商品写真(乙4の2)の第2ページ右上は、イオン社のドレスシャツ「ENVY」3着分の領収書であり、第1、5、9ページには、商品「ドレスシャツ」の包装に「ENVY」の欧文字を明朝体で一連に表示され、第4ページには、衿ネーム部分、ドレスシャツの衿部分の留め具(厚紙)部分及び黒い下げ札に明朝体で「ENVY」の「EN」が上段に、「VY」が下段に表示されている。また、衿部分に「HJD528-070」(「-070」はカラー番号)が表示され、第4ページのバーコードが付された白い下げ札の下部及び第5ページの下げ札の上部に「HJD528」が表示され、これには、商品ドレスシャツの裾の裏部のタグに、「山喜株式会社」及び該社の住所並びに「HJD528」の文字が表示されている。
カ イオン社のメンズ商品部のドレスシャツ ディストリビューターであって、メーカーからの商品の仕入れを担当するK氏の証明書(乙6)は、同氏が、2017年2月23日付けで山喜株式会社から商標「ENVY」を付した「ドレスシャツ」の納品を受け、「イオン大高店」及び「イオン各務原店」を始めとする乙第2号証及び乙第3号証に記載された各店舗で販売したことを証する書面であり、これをもって、被請求人が、商標「ENVY」を表示した製品番号「HJD528」の商品ドレスシャツをイオン社が運営するスーパーマーケット、イオン大高店及び各務原店に要証期間内の2017年2月23日付けで納品し、それを当該店舗が受領したことを立証する。
(2)乙第7号証ないし乙第10号証について
追加の証拠として、乙第7号証ないし乙第10号証を提出する。
ア 商標「ENVY」がドレスシャツに表示されていたことを証する書面として、一般財団法人ボーケン品質評価機構東京事業所(以下「ボーケン品質評価機構」という。)が発行した「品質検査報告書」(乙7)及びイオン社が発行した「ODBMS用発注書」(乙8)を提出する。
(ア)乙第7号証は、被請求人が、商標「ENVY」を付した商品ドレスシャツ(品番「HJD528」)をイオン北海道株式会社等に納入する前に、当該製品がイオン社の要求する品質基準を満たすか否かの品質検査をボーケン品質評価機構に依頼し、その結果を記載した品質検査報告書である。
乙第7号証の「品名・品番」の欄において、「品名」の欄に「ENVY ドレスシャツ 紳士 形態安定」と印字され、「品番」の襴には「HJD528」と印字されており、また、「受付」の襴には、「2016年12月22日」と印字され、「発行」の欄には、「2016年12月28日」と印字されている。
(イ)乙第8号証は、製造品番を「HJD528」とする商標「ENVY」を付した商品ドレスシャツを被請求人に対し発注したことを証するイオン社が発行する「ODBMS用発注書」であり、その第2ページ目「ODBMS用発注書」は、第1ページ目のイオン社の在庫メンテナンスシステムによりデータ出力されたものである。
乙第8号証の第1ページ目及び第2ページ目の「品名」の欄には、「ENVYドレスシャツ」と印字されており、また、第2ページ目の備考欄には、「121メンズ17年春夏 151ドレスシャツ基準」と印字され、同ページの「着荷日」の欄には、「2月23日」と印字されており、「ケースID」の欄には「HJD528」と印字されているところから、乙第8号証の発注書は2017年2月23日を納期とするものであることがわかる。
(ウ)小括
上記から、要証期間内に、商標「ENVY」がドレスシャツに表示されていたことを証明する。
また、乙第7号証及び乙第8号証における商標「ENVY」の文字は、本件商標「ENVY\エンビー」と欧文字部分が共通し、下段の片仮名文字は上段の欧文字の音を表記したものにすぎないから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。
イ 本件登録商標と社会通念上同ーと認められる商標を付した商品「ドレスシャツ」が「イオン大高店」及び「イオン各務原店」に実際に納品され、販売された事実を証明する。
(ア)乙第8号証がイオン社が発行する電子データ(発注書)であることの証明
乙第8号証の第1ページ目には、「在庫メンテナンスーAEON-P410APPAREL PRODUCTION」の文字が表示されており、当該文字中「AEON」の文字は「イオン社」のことを指し、乙第8号証の第2ページ目には、「仕入先名」、「山喜(株)」の印字及び「ODBMS用発注書」の印字があることから、乙第8号証がイオン社が発行する電子データ(発注書)であることは明らかである。
(イ)乙第8号証の1ページ目及び2ページ目の品名の欄には、「ENVYドレスシャツ」と印字されており、当該「ENVY」の文字は、本件商標「ENVY\エンビー」とは欧文字部分が共通し、下段の片仮名文字は上段の欧文字の音を表記したにすぎないから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。
乙第8号証の2ページ目の「ケースID」の欄には、「HJD528」と印字され、「仕入先名」として「山喜(株)」と印字され、備考欄には、「121メンズ17年春夏151ドレスシャツ基準」と印字されており、同ページの「着荷日」の欄には、「2月23日」と印字されている。また、乙第8号証の第2ページ目の「a アソート別数量」の欄には、アソート別の発注数量が定められており、例えば、当該発注書の2ページ目のアソートの数字が01及び03の場合は、128枚が1つの発注単位となっている。また、2ページ目中央の一覧表には、イオン社の各都道府県に存在する「店名」、「店コード」及び「アソート」が一覧表として表示されており、大高店の場合は、店名の項目に「大高」、店コードの項目に「100」、アソートの項目に「03」(発注単位128枚を示す。)と印字され、これらの店名、店コード及びアソート(発注単位128枚)の記載、上記のケースID「HJD528」の記載及び着荷日(2017年2月23日)の記載は、乙第3号証及び後述の第9号証「WMS出荷リスト」の第1ページ目第1行目に記載の納期「2017/02/23」、店CD「000100」、店名「オオタカ」、商品CD「HJD528」及び出荷実績数「128」と一致する。また、各務原店についても、同様の記載があり、当該記載は、乙第3号証及び後述の第9号証の記載と一致する。
(ウ)小括
以上のとおり、乙第8号証の各記載から要証期間内にイオン社が被請求人に対し、2017年2月23日を着荷日(納期)として、製造品番を「HJD528」とする商標「ENVY」が表示されたドレスシャツ128枚の納品を発注し、乙第3号証の記載から、被請求人が大高店及び各務原店を含むイオン社の各店舗に対し商品を納品したことは明らかである。
ウ「WMS出荷実績」(乙3)は、被請求人の営業秘密保護の観点から必要最小限のページ(第1ページ目)のみを提出していたが、イオン京橋店の記載のある「WMS出荷実績」の残りのページの中の第1ページ目及び第4ページ目を乙第9号証として新たに提出する。なお、乙第9号証の第1ページ目は、既に乙第3号証として提出したWMS出荷実績と同じである。
乙第9号証の一覧中には、「店CD」(店コード)の項目に「080235」、「店名」の項目に「キョウバシ」、「商品CD」(商品コード)の項目に「HJD528」、「出荷実績数」の項目に「128」と印字されている。一方、乙8号証「ODBMS用発注書」第2ページ目には、「店名」の項目に「京橋」、「店コード」の項目に「80235」、「アソート」の項目に「01」(発注単位128枚を示す。)と印字されている。
これらの記載及び着荷日「2017年2月23日」は、第9号証の第4ページ目第17行目に記載と一致する。
したがって、要証期間内にイオン社が被請求人に対し、2017年2月23日を着荷日(納期)として、製造品番を「HJD528」とする商標「ENVY」が表示されたドレスシャツの納品を発注し(乙8)、被請求人が当該商品をイオン社に対し出荷したこと(乙9)は明らかであり、また、このように被請求人からイオン社に出荷された当該商品が、乙第4号証の1に記載の写真のように、イオン京橋店において陳列販売されていたことも明らかであるといえる。
エ 乙第10号証について
(ア)乙第10号証の1について
乙第10号証の1は、イオン社の入荷実績等に係るデータ(乙10の2)が、イオン社の従業員から、被請求人の従業員に提供されたことを示すメール文書である。
(イ)乙第10号証の2について
乙第10号証の2は、乙第10号証の1のメールに添付して提供されたイオン社の入荷実績等に係るデータであり、当該データは文字が小さいため、これを拡大したものを第10号証の3として添付している。
a 第1ページ目には、「AEON-P410 APPAREL PRODUCTION」の文字が表示されており、当該「AEON」の表示から、当該データがイオン社のものであることがわかり、同ページの「出荷元名称」の項目には、「ヤマキ(カ)」と表示されているところ、当該表示は、被請求人の名称である「山喜」を片仮名表記し、かつ、「株式会社」を「(力)」と略称していることが明らかであるから、商品の出荷元は被請求人であることがわかり、また、同ページの「取引先番号」の項目には、「3492ヤマキ(力)」と表示されており、当該番号は、乙第8号証「ODBMS用発注書」の2ページ目の「取引先番号」の項目に記載の「0003492」と一致し、さらに、「商品階層」の項目には、「151 シンシドレス」と表示されており、当該「シンシドレス」の記載は、「紳士ドレスシャツ」を略称したものであることは明らかである。
b 乙第10号証の2の「開始日」の項目には、「2017/2/20」と表示され、「終了日」の項目には、「2017/2/25」と表示されており、当該「開始日」及び「終了日」の項目から、要証期間に、被請求人とイオン社の間に取引があったことが明らかである。
c 乙第10号証の2の一覧表には、イオン社の各店舗の情報が羅列して表示されており、一覧表の上部には、「伝票番号」、「発注書ステー」、「取引先名称」、「出荷元名称」、「店舗コード」、「店舗名称」、「発注書作成日」、「着荷予定日」、「入荷日」、「親ODBMS商品」、「親商品名」、「ケースパックID」、「発注数量」及び「出荷日」等の項目が列記されている。
そして、大高店については、「伝票番号」の項目に「1455650」、「発注ステー(タス)」の項目に、「仕入済み」、「取引先名称」の項目に「ヤマキ(力)」、「出荷元名称」の項目に「ヤマキ」、「店舗コード」の項目に「100」、「店舗名称」の項目に「オオタカ」、「発注書作成日」の項目に「2017/2/8」、「着荷予定日」の項目に「2017/2/23」、「入荷日」の項目に「2017/2/23」、「親ODBMS商品(番号)」の項目に「2020745304」、「親商品名」の項目に「ENVYドレスシャツ」、「ケースパックID」の項目に「HJD528」、「発注数量」の項目に「128」及び「出荷日」の項目に「2017/2/22」と表示されており、また、各務原店及び京橋店についても同様の記載があり、これらの項目の記載は、乙第1号証ないし乙第9号証の記載と一致する。
(ウ)小括
上記(イ)の記載から、要証期間内に、イオン社が被請求人に対し、2017年2月23日を着荷日(納期)として、製造品番を「HJD528」とする商標「ENVY」が表示されたドレスシャツ128枚の納品を発注し、被請求人が同年2月22日付けで大高店、各務原店及び京橋店を含むイオン社の各店舗に対し商品を納品し、イオン社の各店舗がこれを受領したことは明らかである。
(3)本件商標の使用について
ア 本件商標の使用者について
「製品企画仕様書」(乙1)の左上に山喜株式会社の社章と同社の略称「山喜」のローマ字「YAMAKI」の英文字及び乙第4号証の2のドレスシャツの裾の裏部のタグに「山喜株式会社」の文字が記載されていることから、本件商標は、被請求人である商標権者が商品に付し、譲渡することにより、使用するものであることが明らかである。
イ 本件商標の使用に係る商標の社会通念上の同一性について
「製造規格仕様書」(乙1)には、そのブランドの項目に「ENVY」と表示されており、また、乙第4号証の1及び乙第4号証の2で示されるドレスシャツには、商品の衿ネーム部分や包装に「ENVY」の文字が表示されている。
当該商品及びその包装に表示されている「ENVY」の商標と本件商標は、「ENVY」の欧文字部分を同一にしており、かつ、両商標の書体が明朝体である点で共通し、本件商標の構成中、下段の「エンビー」の文字は、上段の「ENVY」の文字の表音と認められるものである。
また、「ENVY」とは、英語で「ねたみ」又は「うらやみ」の意を有する平易な英単語であって、一般の消費者もよく知っている語であるから(乙5)、使用に係る商標と本件商標とは、構成文字、称呼及び観念を共通にする社会通念上同一の商標に該当する。
ウ 使用商品について
ドレスシャツの写真(乙4の1及び2)の商品の衿ネーム部分や包装に「ENVY」の文字が表示されており、その衿ネーム部分の横に、当該ドレスシャツの記号・番号が、「HJD528」と表示されていることから、本件商標が、記号・番号を「HJD528」とするドレスシャツに使用されていることが明らかである。
エ 本件商標の使用時期について
製品規格仕様書(乙1)には、製品品番の項目に「HJD528-001」(「001」はカラー番号)と印字され、ブランドの項目に「ENVY」の文字が印字され、作成日の項目に「2016-09-20」と印字されていることから、遅くとも2016年9月20日には、製品品番を「HJD528」とする商標「ENVY」を表示した商品ドレスシャツの製造が企画されていたことがわかる。
また、写真(乙4の1及び2)により、要証期間をさほど経過していない2018年9月21日に、被請求人が製造したものと認められる製品品番が「HJD528」である商標「ENVY」の表示がされたドレスシャツが店頭に陳列されており、かつ、その領収書(乙4の2の2ページ)が、同日であることからすると、2016年9月20日から2018年9月21日の間に、被請求人の製造品番「HJD528」のドレスシャツに、「ENVY」が付されていたことは明らかである。
「受領リスト」(乙2)の最下行及び下から4行目に印字された伝票No、店コード、納品日、出荷数量は、「WMS出荷実績」(乙3)の最上行及び第26行目に印字された伝票NO、店CD、納期、出荷実績数の記載と一致することから、被請求人が、製品番号「HJD528」の商品ドレスシャツをイオン社の運営するイオン大高店及びイオン各務原店に要証期間内の2017年2月23日付けで納品し、それを当該店舗が受領したことは明らかである。
オ 小括
以上のことから、商標権者である被請求人は、要証期間内に、我が国において、「ドレスシャツ」について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を付し、かつ、その商品を譲渡した(商標法第2条第3項第2号)ことが明らかである。
(4)弁駁書の主張について
ア 製品番号「HJD528」が「ENVY」ブランドのドレスシャツであることの根拠について
新たな証拠乙第7号証及び乙第8号証は、被請求人以外の第三者である、ボーケン品質評価機構及びイオン社が作成したものであって、それぞれの書類には製品番号「HJD528」が「ENVY」ブランドのドレスシャツであることを示す記載がある。乙第7号証及び乙第8号証における上記記載と、乙第1号証における製品品番及びブランド名の記載は一致することから、これらの証拠を組み合わせることによって、乙第1号証は、本件審判請求後に被請求人によって改ざんされたものではなく、客観性が十分に担保された証拠であることは明らかでる。
イ 乙第2号証及び第3号証について
請求人は、製品品番「HJD528」と「ENVY」ブランドとを結びつける唯一の証拠である乙第1号証が客観的な証拠として機能しない、と述べているが、証拠が唯一のものであっても証拠として成立し得るものであり、請求人の、唯一の証拠である乙第1号証が客観的な証拠として機能しない、との主張は、論拠のないものといわざるを得ない。
また、上記アのとおり、乙第1号証の製品品番「HJD528」の記載及びブランド名「ENVY」の記載は、第三者によって作成された乙第7号証及び乙第8号証に記載されたものと一致することから、これらの証拠によって、「ENVY」ブランドのドレスシャツに製品番号「HJD528」が付されていたことが客観的に証明されている。
さらに、乙8号証の「店名」、「店コード」、「アソート」(発注単位)、「ケースID」、「着荷日」の項目の記載は、乙第3号証及び乙第9号証「WMS出荷リスト」に記載の「納期」、「店CD」、「店名」、「商品CD」、「出荷実績数」と一致し、また、請求人も認めるように、乙第2号証と乙第3号証に記載された「伝票NO」、「店コード」、「納品日」等の記載は一致する。
したがって、製品品番を「HJD528」とする商標「ENVY」を表示した商品ドレスシャツは、遅くとも2016年9月20日には製造企画され(乙1)、2017年2月23日を納期とするイオン社からの発注書(乙8)を受け、2017年2月22日付けで、被請求人からイオン社に出荷され(乙3)、イオン社に受領されている(乙2)ことが明らかであって、これらの証拠は、本件商標の使用を直接的に示すものである。
ウ 乙第4号証の1及び乙第4号証の2について
(ア)乙第4号証の1は、製品品番を「HJD528」とする商標「ENVY」を表示した商品ドレスシャツが、イオン京橋店で実際に陳列販売されていた状況を撮影したものであって、かつ、乙第4号証の2は、イオン京橋店で購入した当該商品を、イオン京橋店のレシートとともに撮影したものである。イオン京橋店における当該商品の陳列及び販売状況が存在した日時を明確にするため、これらの写真をまとめて、公証人による確定日付を受けたのは被請求人であるが、乙第4号証の1及び乙第4号証の2の写真(イオン京橋店での当該商品の陳列及び販売状況)は、あくまでもイオン京橋店の店舗内の商品(ドレスシャツ)の展示・販売状況を撮影したものであって、被請求人が当該店舗の商品の展示・販売状況を準備したものではない。
したがって、要証期間外ではあるが、当該商品がイオン京橋店において陳列販売されていたという事実は、乙第4号証の1及び2によって客観的に証明される。
(イ)乙第8号証と乙第9号証の記載が一致することによって、要証期間内にイオン社が被請求人に対し、2017年2月23日を「着荷日」(納期)として、「製造品番」を「HJD528」とする商標「ENVY」が表示されたドレスシャツの発注し(乙8)、被請求人が当該商品をイオン社に対し出荷したこと(乙9)は明らかであって、このように被請求人からイオン社に出荷された当該商品が、乙第4号証の1及び乙第4号証の2に記載の写真のように、イオン京橋店において陳列販売されていたことも明らかであるといえる。
(ウ)乙第6号証について
乙第6号証は、製品品番を「HJD528」とする商標「ENVY」を表示した商品「ドレスシャツ」を、被請求人が2017年2月23日付けでイオン大高店及びイオン各務原店に納品し、両店舗が販売したことをイオン社の仕入れ担当者が自印を押印して証明したものである。
このような経緯から、乙第6号証はその出所が明らかであって、これによって、乙第2号証及び乙第3号証が客観性をもって証明されるものといえ、また、製品品番「HJD528」が「ENVY」ブランドのドレスシャツであることは、被請求人が作成した乙第1号証だけでなく、ボーケン品質評価機構作成に係る「品質検査報告書」(乙7)及びイオン社作成の「ODBMS用発注書」(乙8)によっても証明される。
さらに、乙第1号証ないし乙第3号証、乙8号証及び乙第9号証の各記載は一致するから、これらの証拠と乙第6号証を統合してみれば、要証期間内に本件商標と社会通念上同一の商標を付したドレスシャツをイオン社に納品したことは証明される。

第4 当審の判断
1 被請求人提出の証拠の内容
(1)乙第1号証は、作成日を2016年9月20日とする「YAMAKI 製品規格仕様書」であり、これには、製品品番として「HJD528-001」(被請求人の主張によれば「-001」はカラー番号である。)、ブランドとして「ENVY」の記載があり、前をボタンで留める襟付きシャツの図が記載され、その規格についての記載がある。
(2)乙第2号証は、処理日を2017年2月27日とする被請求人の「受領リスト」であるところ、これには、「得意先名称」に「イオン」の記載があり、「伝票No./店コード」の項目の「1455624/00205」及び「1455650/00100」について、いずれにも「納品日」の項目に「2017/02/23」、「発注数量/出荷数量」の項目に「128」の記載及び「商品コード(発注用)」の項目に「2315188032018」の記載がある。
(3)乙第3号証は、被請求人の「WMS出荷実績」であるところ、これには、「納期」に「2017/02/23」、「出荷確定日」に「2017/02/22」の記載があり、「得意先名」に「イオン」の記載がある。また、店名「オオタカ」について、「店CD」の項目に「000100」、「伝票N0」の項目に「1455650」の記載、店名「カガミハラ」について、「店CD」の項目に「000205」、「伝票NO」の項目に「1455624」の記載があり、これらには、いずれも「商品CD」の項目に「HJD528」、「出荷実績数」の項目に「128」の記載がある。
また、乙第9号証は、乙第3号証に1枚追加したものであり、これには、店名「キョウバシ」について、「店CD」の項目に「080235」、「伝票番号」の項目に「1456980」、「商品CD」の項目に「HJD528」、「出荷実績数」の項目に「128」の記載がある。
(4)乙第4号証の1は、撮影日を平成30年9月21日、撮影場所を「イオン京橋店」とする「写真による証拠物件の存在証明」であり、これは、包装用袋の表面下部に「ENVY」の文字が表され、商品の下げ札及び襟の内側に「HJD528」の表示がある男性用のドレスシャツ(以下「使用商品」という。)が写され、それぞれ、商品の下げ札のバーコードの下部に「2315188032018」の表示がある。
また、乙第4号証の2は、上記と同日に撮影された、使用商品の写真であり、イオン京橋店で購入した「ドレスシャツ」と記載された使用商品の領収書(レシート)が写されているほか、いずれの商品にも、本件商標の商標権者と同一の「山喜株式会社 大阪市中央区上町1-3-1」の表示及び「HJD528」の表示がある商品タグが縫い付けられている。
(5)乙第6号証は、平成30年10月16日付けのイオン社メンズ商品部ドレスシャツ ディストリビューターK氏の証明書であり、これには、被請求人から納品された、商品「ドレスシャツ」、商標「ENVY」、製品番号「HJD528」について、2017年2月23日に、大高店(店舗コード:000100、伝票番号:1455650)及び各務原店(店舗コード:000205、伝票番号:1455624)にそれぞれ128枚を始めとする乙第2号証及び乙第3号証に記載の各店舗で販売したことを証明する旨述べられている。
(6)乙第7号証は、ボーケン品質評価機構による「品質検査報告書」であるところ、これには、「納入先」欄に「イオン北海道(株)・イオン九州(株)」、「納入者」欄に「山喜株式会社」、の記載、及び「品名・品番」欄に「ENVY ドレスシャツ 紳士 形態安定」及び「HJD528」の記載があり、また、「判定」欄の受付及び発行日には、それぞれ、2016年12月22日及び同月28日の記載がある。
(7)乙第8号証は、イオン社が発行する「ODBMS用発注書」であるところ、その1葉目は、コンピュータ画面であり、これには「在庫メンテナンスーAEON・・・」の表示及び「ENVYドレスシャツ」の表示がある。また、2葉目は「ODBMS用発注書」であり、これには、「仕入れ先名」に「山喜(株)」、「品名」に「ENVYドレスシャツ」の記載、「着荷日」欄に「2月23日」、「商品番号欄」に「2020745304」、「ケース/ID」欄に「HJD528」の記載があり、「店名」、「店コード」及び「アソート」について各店舗ごとに記載されている得ところ、「各務原」、「大高」及び「京橋」には、それぞれ「店コード」として、「205」、「100」及び「80235」の記載がある。また、備考欄に「121メンズ17年春夏 151ドレスシャツ基準」の記載がある。
(8)乙第10号証の2及び3はイオン社の入荷実績データであるところ、これには「取引先番号」及び「出荷元名称」に「ヤマキ」の記載があり、「JANコード」に「2315188032018」、「親商品名」に「ENVYドレスシャツ」、「ケースパックID」に「HJD528」、「親ODBMS番号」を「2020745304」について、店舗コード「205」の「カガミハラ」、店舗コード「100」の「オオタカ」及び店舗コード「80235」の「キョウバシ」について、それぞれ、伝票番号「1455650」、「1455624」及び「1456980」の記載があり、その「入荷予定日」及び「入荷」には、いずれも「2017/2/23」の記載があり、出荷日には「2017/2/22」の記載がある。
2 事実認定
(1)被請求人は、製品品番を「HJD528」、ブランドを「ENVY」とする、前をボタンで留める襟付きシャツの製品企画仕様書を2016年9月20日に作成した(乙1)。
(2)乙第4号証の1及び乙第4号証の2の写真は、平成30年9月21日に使用商品を撮影したものであり、当該商品の包装用袋に「ENVY」の文字が表され、商品の下げ札等に「HJD528」の表示及びバーコードの下部に「2315188032018」の表示があり、被請求人の名称及び住所が表示されたタグが縫い付けられており、使用商品は上記撮影日にイオン京橋店で販売されていた。
(3)イオン社は、被請求人に対し、平成29年2月23日を入荷予定日として、JANコード「2315188032018」、商品コード「HJD528」とする「ENVYドレスシャツ」をイオン社の「大高店」、「各務原店」及び「京橋店」の各店舗用に各「128枚」発注し、被請求人は、当該商品を同月22日に出荷し、これが同月23日にイオン社に納品された(乙2、乙3、乙6、乙8?乙10)。
そして、上記のイオン社へ納品された商品は、製品企画仕様書(乙1)と製品品番「HJD528」及びブランド名「ENVY」が一致する。
また、上記納品された商品は、製品品番「HJD528」、ブランド名「ENVY」及び「2315188032018」の表示が乙第4号証の1及び乙第4号証の2の写真に写っている使用商品と一致するから、使用商品と同一の商品であることが推認でき、被請求人は、平成29年2月22日に使用商品と同一の商品をイオン社へ出荷し、これが同月23日に納品(販売)された。
3 判断
(1)使用商標
本件商標は、「ENVY」の欧文字と「エンビー」の片仮名を2段に横書きしてなるものであるところ、「ENVY」の文字は、「ねたみ、うらやみ」の意味を有する英語であり、下段の片仮名は上段の欧文字の読みを片仮名で表したものであるから、本件商標からは「エンビー」の称呼及び「ねたみ、うらやみ」の観念が生じるものである。一方、使用商品の包装用袋に表示された「ENVY」の文字(以下「使用商標」という。)からは、「エンビー」の称呼を生じ「ねたみ、うらやみ」の観念が生じる。
よって、使用商標は、本件商標と称呼及び観念を同一にする、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標である。
(2)使用商品
使用商品「ドレスシャツ」は、取消に係る商品中、「被服」の範ちゅうの商品である。
(3)使用時期
被請求人は、使用商品と同一の商品を、要証期間内である2017年(平成)29年2月23日を納期日とするイオン社からの発注を受け同月22日に発送し、これが、同月22日に納品(販売)された。
(4)小括
以上によれば、被請求人である商標権者が、要証期間内に、使用商品の包装用袋に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付し、イオン社に販売(譲渡)したと認めることができる。
上記行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡す行為」に該当する。
4 請求人の主張について
請求人は、乙第6号証の証明書の出所が明らかではなく、客観性のある証拠とはいえないことなどから、要証期間に使用商品を納品したことを証明することはできない旨主張している。
しかしながら、乙第6号証は、イオン社の担当者による証明書であり、その所属部署の記載及び本人の押印もされており、その出所は明らかではないということはできないものであって、被請求人の提出に係る証拠と合わせみても、その記載内容に不自然な点は認められない。
したがって、請求人の上記主張は、認めることができない。
5 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、取消に係る商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしたことを証明したということができる。
したがって、本件商標指定商品中、取消に係る商品の登録は、商標法第50条1項の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

審理終結日 2020-06-22 
結審通知日 2020-06-24 
審決日 2020-07-13 
出願番号 商願平10-102877 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 網谷 麻里子佐藤 正雄加園 英明 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 豊田 純一
中束 としえ
登録日 2000-06-30 
登録番号 商標登録第4396135号(T4396135) 
商標の称呼 エンビー 
代理人 杉村 憲司 
代理人 藤田 隆 
代理人 杉村 光嗣 
代理人 西尾 隆弘 
代理人 門田 尚也 
代理人 中山 健一 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ