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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W3043
審判 一部申立て  登録を維持 W3043
審判 一部申立て  登録を維持 W3043
審判 一部申立て  登録を維持 W3043
管理番号 1368386 
異議申立番号 異議2020-900137 
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-05-14 
確定日 2020-11-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6230027号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6230027号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6230027号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成31年3月11日に登録出願,第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,コーヒー豆」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として,令和2年1月27日に登録査定,同年2月27日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標に係る登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は,以下の4件であり,いずれも,現に有効に存続しているものである(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)。
(1)登録第5244350号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「COSTA」(標準文字)
登録出願日:平成20年4月21日
設定登録日:平成21年7月3日
指定商品:第30類「コーヒー,茶,ココア,代用コーヒー,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,べんとう,サンドイッチ,イーストパウダー,ベーキングパウダー,フレーバーコーヒー,アイスコーヒー,ココア飲料,コーヒー飲料,紅茶飲料,チョコレート飲料,ミルク入りココア飲料,ミルク入りコーヒー飲料,コーヒー豆,食用麦芽,食用麦芽エキス,麦芽入りコーヒー及びココア,コーヒーエキス」及び第32類「ミネラルウォーター,炭酸水,アルコール分を含まない飲料,果実飲料,フルーツジュース,飲料製造用シロップ及びその他の調製品(但し、ビール製造用調製品を除く),飲料用シロップ,ボトル入り飲料水,飲料製造用調製品(但し、ビール製造用調製品を除く),アルコール分を含有しない果実エキス,アルコール分を含有しない果実飲料,ミネラルウォーター飲料,ミネラルウォーターを使用してなる清涼飲料」
(2)登録第5360157号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「COSTA」(標準文字)
登録出願日:平成20年4月21日(商願2008-31260を原出願とする分割出願)
設定登録日:平成22年10月15日
指定役務:第43類「喫茶店における飲食物の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供,レストランにおける飲食物の提供,軽食堂における飲食物の提供,バーにおける飲食物の提供,ケータリング,セルフサービス式レストランにおける飲食物の提供」
(3)登録第5244351号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成20年4月21日
設定登録日:平成21年7月3日
指定商品:第30類「コーヒー,茶,ココア,代用コーヒー,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,べんとう,サンドイッチ,イーストパウダー,ベーキングパウダー,フレーバーコーヒー,アイスコーヒー,ココア飲料,コーヒー飲料,紅茶飲料,チョコレート飲料,ミルク入りココア飲料,ミルク入りコーヒー飲料,コーヒー豆,食用麦芽,食用麦芽エキス,麦芽入りコーヒー及びココア,コーヒーエキス」及び第32類「ミネラルウォーター,炭酸水,アルコール分を含まない飲料,果実飲料,フルーツジュース,飲料製造用シロップ及びその他の調製品(但し、ビール製造用調製品を除く),飲料用シロップ,ボトル入り飲料水,飲料製造用調製品(但し、ビール製造用調製品を除く),アルコール分を含有しない果実エキス,アルコール分を含有しない果実飲料,ミネラルウォーター飲料,ミネラルウォーターを使用してなる清涼飲料」
(4)登録第5360158号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成20年4月21日(商願2008-31261を原出願とする分割出願)
設定登録日:平成22年10月15日
指定役務:第43類「喫茶店における飲食物の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供,レストランにおける飲食物の提供,軽食堂における飲食物の提供,バーにおける飲食物の提供,ケータリング,セルフサービス式レストランにおける飲食物の提供」

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標の指定商品及び指定役務中,第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆」及び第43類「飲食物の提供」について,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)引用商標の周知著名性について
申立人であるコスタ リミテッドは,1971年に設立されて以来,世界各国に展開し,現在,イギリスでは最大,全世界でも第2位の規模を誇るカフェチェーン店である(甲8?甲10)。また,2018年の日本経済新聞の記事において,申立人がコカ・コーラ社の傘下になったことが報じられている(甲10)。
申立人とコカ・コーラボトラーズジャパン株式会社(以下「コカ・コーラボトラーズ日本社」という。)の提携契約に基づき,日本国内においても,コカ・コーラボトラーズ日本社,グーグル日本社,THE NEW YORK BAYSIDE KITCHEN,テレビ東京の食堂などにも「COSTA」の商標が表示されたコーヒーが提供されている(甲11,甲12)。さらに,本年7月からは,銀座ロフト内に路面店もオープンしている。申立人の日本での本格的な事業展開は2020年からではあるが,2019年までに,日本から海外への渡航者数は年2000万人近くとなっており(甲13),世界第2位のコーヒーチェーンである「COSTA」を海外で利用した日本人需要者が数多くいることは,個人のプログ等の書き込みを見ても明らかである(甲14)。そのため,本件商標の査定時である2020年2月時点までには,毎年来日する3000万人近くの外国人のみならず,日本人の需要者も「COSTA」コーヒーに接する機会が多くあったといえる。
したがって,「COSTA」商標は,申立人のコーヒー等を表す商標として,日本国内の需要者にも広く知られた商標である。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標を構成する「Caffe」(「e」の文字にはアクサンテギュが付されている。以下同じ。)はイタリア語であり,もともとは「コーヒー」の意味であるが,転じてコーヒーなどを提供する飲食店を意味することもある。これらの意味を表す言葉として,「カフェ」はすでに日本語として定着し,辞書にも掲載されている言葉である。
また,我が国においては,コーヒーショップやそこで提供されるコーヒー飲料などの商品について,「コーヒー」や「カフェ」などの言葉を省略して呼称されることが多い。すなわち,「スターバックスコーヒー」は「スターバックス」あるいは「スタバ」と,「ドトールコーヒーショップ」は「ドトール」と,「エクセルシオールカフェ」は「エクセルシオール」と,「タリーズコーヒー」は「タリーズ」と,「喫茶室ルノアール」は「ルノアール」などと呼称されることが広く一般に行われている。よって,本件商標の指定商品及び指定役務中,第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆」及び第43類「飲食物の提供」についてみると,一般需要者においては「コーヒー」や「カフェ」「喫茶室」など,自他商品及び自他役務の識別力の弱い部分を省略して要部のみで呼称することが一般的に行われているといえる。
したがって,本件商標からは「カフェラコスタ」の一連の称呼の他,本件商標の指定商品及び指定役務中,第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆」及び第43類「飲食物の提供」との関係においては,「Caffe la」を省略し,「コスタ」のみの称呼も生じる。また,本件商標は「コスタというコーヒー」の観念を生じる。
イ 引用商標
(ア)引用商標1及び引用商標2
引用商標1及び引用商標2は,申立人の登録商標であり,本件商標の出願前において出願・登録された商標であり,標準文字で「COSTA」と表され,いずれも「コスタ」の称呼を生じる。
また,これらの指定商品及び指定役務は,本件商標の指定商品及び指定役務中,第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆」及び第43類「飲食物の提供」と同一又は類似の商品又は役務を含む。
(イ)引用商標3及び引用商標4
引用商標3及び引用商標4は,申立人の登録商標であり,本件商標の出願前において出願・登録された商標であり,円の上下に大きく目立つ文字で「COSTA」と「COFFE」(決定注:「COFFEE」の誤記と認める。)の文字を配し,中心にコーヒー豆の図形を,また,標章を横断するように横書きで「SINCE1971」の文字を配するものである。引用商標3及び引用商標4の指定商品及び指定役務中,「コーヒー」「コーヒー豆」「喫茶店における飲食物の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供」等との関係において,引用商標3及び引用商標4の要部は「COSTA」の部分と把握され,「コスタ」の称呼を生じるものである。また,引用商標3及び引用商標4は「コスタというコーヒー」の観念を生じる。
ウ 本件商標と引用商標の類否
(ア)本件商標と引用商標1及び引用商標2
本件商標と引用商標1及び引用商標2は,それぞれ「コスタ」の称呼を生じるから,称呼において共通する。また,外観上は本件商標の要部のつづり「COSTA」を共通する。さらに,観念上は,指定商品及び指定役務中,「コーヒー」や「飲食物の提供」においては,本件商標と引用商標1及び引用商標2との差異部分である「Caffe la」の存在によって明確に区別できるものではない。したがって,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,称呼・外観及び観念を総合的に判断した場合,互いに紛らわしく,類似する商標である。
また,本件商標と引用商標1及び引用商標2の指定商品及び指定役務は,互いに同一又は類似するものである。
以上より,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,互いに類似する商標であり,その指定商品及び指定役務も互いに類似するものであるから,本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に反して登録されたものである。
(イ)本件商標と引用商標3及び引用商標4
本件商標と引用商標3及び引用商標4は,それぞれ「コスタ」の称呼を生じる。また,いずれの商標も「コスタというコーヒー」程の観念が生じる。したがって,本件商標と引用商標3及び引用商標4とは,称呼及び観念を共通にする,互いに類似する商標である。
また,本件商標の指定商品及び指定役務と,引用商標3及び引用商標4の指定商品及び指定役務とは類似するものである。
以上から,本件商標と引用商標3及び引用商標4は互いに類似する商標であり,その指定商品及び指定役務も互いに類似するものであるから,本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
外観上,本件商標と引用商標を直接対比観察した場合に,これらが区別できる場合があるとしても,いずれも要部は「COSTA」の文字であると把握される。また,コーヒー等の提供においては,需要者は「コーヒー」や「カフェ」等を省略し,要部だけで称呼することも一般に行われているため,本件商標からも引用商標からも同一の称呼「コスタ」を生じる。したがって,隔離観察した場合には,要部が一致し,称呼を共通にする本件商標と引用商標は,互いに紛らわしい商標である。
よって,本件商標がコーヒーに関連する商品又は役務に使用された場合には,申立人が提供する商品又は役務であると需要者が認識する可能性が高く,出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。また,世界的にコーヒーについて著名な商標と相紛らわしい商標を我が国において一個人に独占させることは,国際取引に関する一般的信義則からも問題視される可能性がある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号の規定に反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人の主張及び提出に係る証拠によれば,以下のとおりである。
申立人は,1971年に英国において設立されたコーヒーチェーン店である。そして,申立人は,英国では最大手のコーヒーチェーンであり,2400店強の店舗を持ち,英国外でも中国や中東地域を軸に約30か国で事業展開している(甲10)。
そして,我が国において,コカ・コーラボトラーズ日本社,グーグル日本社,New York Bay Side Kitchen,テレビ東京等において,「COSTA」の標章又は引用商標3及び引用商標4の中心に配されている3粒のコーヒー豆と思しき図形からなる標章が付されたコーヒーの自動販売機が設置されている(甲12)。
さらに,申立人は,我が国において,2020年7月31日ないし12月31日の期間限定で,「COSTA COFFEE」の店舗の営業を行っている(甲14の1及び甲14の3)。
しかしながら,提出された証拠からは,申立人の商品又は役務に使用されている引用商標の周知性の度合いを客観的に判断するための資料,すなわち,引用商標に係る申立人の業務に係る商品又は役務の売上高や市場シェアなどの販売実績,メディアを通じた広告・宣伝の程度(例えば雑誌の発行部数,販売地域,販売数量等),取引状況を見いだすことはできず,我が国における客観的な使用事実に基づいて引用商標の使用状況を把握することができないから,本件商標の登録出願時及び登録査定時における引用商標の周知性の程度を推し量ることはできない。
そうすると,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品又は役務を表すものとして,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,「Caffe la Costa」の欧文字(「o」の文字をコーヒー豆と思しき図形で表してなる。)を横書きしてなるところ,その構成中「Caffe」の文字は「コーヒー」等の意味を有するイタリア語であり,「la」の文字はイタリア語の定冠詞である(いずれも「伊和中辞典 第2版」株式会社小学館)。また,「Costa」の文字は,「海岸」等の意味を有するイタリア語(前掲書)であるものの,我が国においては馴染みのない語であるから,特定の観念を生じない一種の造語とみるのが相当である。
そして,本件商標を構成する各文字は同じ書体,同じ大きさで,外観上まとまりよく一体的に表されているものであり,本件商標の構成全体から生じる「カフェラコスタ」の称呼も,格別冗長というべきものでなく,無理なく一連に称呼し得るものである。
さらに,本件商標は,その構成中「Costa」の文字部分が,取引者,需要者に対し,商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りるべき事情は見いだせない。
そうすると,本件商標の上記構成及び称呼からすれば,これに接する取引者,需要者は,殊更に「Costa」の文字部分にのみ着目することなく,本件商標の構成全体をもって,特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識し,把握するというのが自然である。
したがって,本件商標は,その構成文字全体に相応して「カフェラコスタ」の称呼のみを生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1及び引用商標2について
引用商標1及び引用商標2は,上記2のとおり,ともに「COSTA」の文字からなるところ,当該文字は,上記アのとおり,一種の造語として認識されるとみるのが自然である。
したがって,引用商標1及び引用商標2は,各構成文字に相応して,「コスタ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標3及び引用商標4について
引用商標3及び引用商標4は,別掲2のとおり,2重円の中心に,3粒のコーヒー豆と思しき図形を配し,外円の内側中央上部に大きく「COSTA」の文字を,外円の内側中央下部に大きく「COFFEE」の文字を,それぞれ円弧に沿うように横書きし,内円の左側に「SINCE」の文字,右側に「1971」の数字を小さく横書きしてなるものであるから,全体として外観上まとまりのよい印象を与えるものである。
そして,引用商標3及び引用商標4の構成中「SINCE」及び「1971」の文字と数字は,創業時期等を表すものとして普通に採択,使用されている「SINCE」の文字と西暦年の組み合わせの一類型と容易に認識されるものであるから,自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
そうすると,引用商標3及び引用商標4は,「COSTA」の文字及び「COFFEE」の文字が大きく目立つように表されていることに加え,同じ書体,同じ大きさで,外観上まとまりよく一体的に表されているものであって,これらの文字部分全体から生じる「コスタコーヒー」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると,引用商標3及び引用商標4は,「COSTA」の文字及び「COFFEE」の文字に相応して,「コスタコーヒー」の称呼のみを生じるものである。
そして,「COSTA」の文字は,上記アのとおり,一種の造語として認識されるとみるのが自然である。
したがって,引用商標3及び引用商標4は,「コスタコーヒー」の称呼のみを生じ,特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
(ア)本件商標と引用商標1及び引用商標2について
本件商標と引用商標1及び引用商標2とを比較すると,本件商標の構成中「o」の文字が図案化されていることに加え,「Caffe la」の文字の有無という明らかな差異があることから,外観上,判然と区別し得るものである。
そして,称呼においては,本件商標から生じる「カフェラコスタ」の称呼と,引用商標1及び引用商標2から生じる「コスタ」の称呼とは,前半部における「カフェラ」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから,それぞれを称呼するときは,明瞭に聴別し得るものである。
また,観念においては,本件商標と引用商標1及び引用商標2は,いずれも特定の観念は生じないものであるから比較することはできない。
したがって,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,観念において比較できないとしても,外観においては,判然と区別し得るものであり,称呼においても,明瞭に聴別し得るものであるから,これらが需要者に与える印象,記憶,連想等を総合してみれば,両商標は,相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(イ)本件商標と引用商標3及び引用商標4について
本件商標と引用商標3及び引用商標4は,それぞれ上記ア及びイ(イ)のとおりであるから,両者の外観は明らかに相違するものであり,外観上,明確に区別できるものである。
そして,称呼においては,本件商標から生じる「カフェラコスタ」の称呼と,引用商標3及び引用商標4から生じる「コスタコーヒー」の称呼とは,これらは音構成及び構成音数において明らかな差異を有するものであるから,それぞれを称呼するときは,明瞭に聴別し得るものである。
また,観念においては,本件商標と引用商標3及び引用商標4は,いずれも特定の観念は生じないものであるから比較することはできない。
したがって,本件商標と引用商標3及び引用商標4とは,観念において比較できないとしても,外観においては,判然と区別し得るものであり,称呼においても,明瞭に聴別し得るものであるから,これらが需要者に与える印象,記憶,連想等を総合してみれば,両商標は,相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
エ 小括
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,非類似の商標であるから,本件商標の申立てに係る指定商品又は指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務が同一又は類似であるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
上記(1)のとおり,引用商標は,いずれも本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品又は役務を表すものとして,我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
イ 本件商標と引用商標との類似性の程度について
上記(2)ウのとおり,本件商標と引用商標とは,非類似の商標であり,別異の商標というべきである。
ウ 出所の混同のおそれについて
本件商標の指定商品及び指定役務は,引用商標が使用される商品又は役務とは,互いに関連性を有する商品又は役務といえるとしても,上記アのとおり引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において申立人の業務に係る商品又は役務を表すものとして,我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,また,上記イのとおり,本件商標は,引用商標とは,非類似のものであって,別異の商標というべきものである。
そうすると,本件商標は,商標権者がこれをその指定商品又は指定役務について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品又は役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
他に,本件商標が商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
オ 小括
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。

別掲

別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標3及び引用商標4)



異議決定日 2020-10-30 
出願番号 商願2019-36271(T2019-36271) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W3043)
T 1 652・ 261- Y (W3043)
T 1 652・ 271- Y (W3043)
T 1 652・ 263- Y (W3043)
最終処分 維持 
前審関与審査官 駒井 芳子柿本 涼馬 
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 須田 亮一
平澤 芳行
登録日 2020-02-27 
登録番号 商標登録第6230027号(T6230027) 
権利者 諏訪 朋之
商標の称呼 カフェラコスタ、ラコスタ、コスタ 
代理人 香原 修也 
代理人 古井 かや子 
代理人 特許業務法人秀和特許事務所 
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