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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W35
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W35
審判 査定不服 外観類似 登録しない W35
管理番号 1368313 
審判番号 不服2020-5771 
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-04-28 
確定日 2020-11-06 
事件の表示 商願2018-129546拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第35類「広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報編集,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,新聞記事情報の提供,自動販売機の貸与」を指定役務とし、平成30年7月12日に登録出願された商願2018-90614に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年10月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5944559号商標(以下「引用商標1」という。)は、「KANSAI」の欧文字を標準文字で表してなり、平成28年8月26日に登録出願、第35類「電子メールによる広告物の配布,ポイントカード会員の募集及び会員の管理,販売促進又は役務の提供促進のためのポイントカード・クーポン券の発行・管理,顧客優待プログラムのためのトレーディングスタンプの管理,トレーディングスタンプの発行,会員組織の管理及び運営,コンピュータによる顧客の管理,フランチャイズ事業の管理及び運営,フランチャイズシステムに基づく飲食店経営の診断又はフランチャイズシステムに基づく飲食店経営に関する助言及びこれらに関する情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,商品の販売に関する情報の提供,インターネット・携帯電話を利用した通信販売の注文・受付・配送に関する事務処理の代行,一般事務処理の代行,請負による商品の仕入れ事務の代行,輸出入に関する事務の代理又は代行,オンライン上の広告スペースの貸与」を指定役務として、同29年5月12日に設定登録されたものである。
(2)登録第5944560号商標(以下「引用商標2」という。)は、「かんさい」の平仮名を標準文字で表してなり、平成28年8月26日に登録出願、第35類「電子メールによる広告物の配布,ポイントカード会員の募集及び会員の管理,販売促進又は役務の提供促進のためのポイントカード・クーポン券の発行・管理,顧客優待プログラムのためのトレーディングスタンプの管理,トレーディングスタンプの発行,会員組織の管理及び運営,コンピュータによる顧客の管理,フランチャイズ事業の管理及び運営,フランチャイズシステムに基づく飲食店経営の診断又はフランチャイズシステムに基づく飲食店経営に関する助言及びこれらに関する情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,商品の販売に関する情報の提供,インターネット・携帯電話を利用した通信販売の注文・受付・配送に関する事務処理の代行,一般事務処理の代行,請負による商品の仕入れ事務の代行,輸出入に関する事務の代理又は代行,オンライン上の広告スペースの貸与」を指定役務として、同29年5月12日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)商標の類否判断について
商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかも、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最三小判昭和43年2月27日民集22巻2号399頁参照)。
また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められる場合には、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、原則として許されないが、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものと解される(最一小判昭和38年12月5日民集17巻12号1621頁、最二小判平成5年9月10日民集47巻7号5009頁、最二小判平成20年9月8日集民228号561頁参照)。
上記の観点から、本願商標と引用商標との類否について判断する。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、緑色のグラデーションで表された6本の曲線を組み合わせた図形を表し、その下に「KANSAI」の欧文字をオレンジ色で横書きした構成からなるものである。
そこで、本願商標の構成中の図形部分についてみるに、当該図形は、我が国において特定の事物を表したもの又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないものであるから、これよりは、特定の称呼及び観念を生じないものである。
また、本願商標の構成中の文字部分についてみるに、「KANSAI」の欧文字は、一般的な英語の辞書等に掲載されていない語であって、本願の指定役務との関係からすると、直ちに特定の観念を想起させるとはいい難く、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
そして、本願商標において、図形部分と文字部分とは、やや間隔が空いていることに加え、図形部分は緑色のグラデーションからなるのに対し、文字部分はオレンジ色からなるものであるから、両者は、視覚上、分離して看取されるものであり、また、観念上のつながりもなく、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいい難いものであるから、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たす要部となり得るといえるものである。
そうすると、本願商標から「KANSAI」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して「カンサイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標1について
引用商標1は、上記2(1)のとおり、「KANSAI」の欧文字からなるところ、当該欧文字は、一般的な英語の辞書等に掲載されていない語であって、引用商標1の指定役務との関係からすると、直ちに特定の観念を想起させるとはいえないものである。
してみれば、引用商標1は、その構成文字に相応して「カンサイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標2について
引用商標2は、上記2(2)のとおり、「かんさい」の平仮名からなるところ、当該文字は、「現今では東京地方を関東と称するのに対して京阪神地方をいう。」等を意味する「関西」の語の読みとして国語辞書に掲載があるとしても、同様に「かんさい」を読みとする語として、「甘菜」、「完済」、「簡裁」、「艦載」など(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)の複数の語があり、また、引用商標2の指定役務との関係からすると、地域名としての「関西」のみを想起させるとはいい難いことから、直ちに特定の観念を想起させるとはいえないものである。
してみれば、引用商標2は、その構成文字に相応して「カンサイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
エ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否について検討すると、外観においては、その全体の構成において差異を有するものであるが、本願商標の要部である「KANSAI」の欧文字と引用商標1との比較においては、両者は、いずれも一般的に使用されている書体をもって表されており、そのつづりを共通にするものであるから、外観上、類似するものである。
また、本願商標の要部である「KANSAI」の欧文字と引用商標2との比較においては、両者は、欧文字と平仮名の差異があるとしても、いずれも一般的に使用されている書体をもって表されており、商標の構成文字を同一の称呼の生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われていることからすると、それぞれの文字を置き換えたものとして、取引者、需要者に認識されるものであるから、この文字種の相違が出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいえないものである。
次に、称呼においては、本願商標と引用商標とは、共に「カンサイ」の称呼を生じるものである。
そして、観念においては、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、称呼を共通にし、外観において、本願商標は、引用商標1とは類似するものであり、引用商標2とは称呼を共通にすることによる称呼上の類似性を凌駕するほどの顕著な差異があるとはいえないものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
オ 本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願の指定役務中、「広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,輸出入に関する事務の代理又は代行,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報編集,広告用具の貸与」と引用商標の指定役務とは、同一又は類似の役務である。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、「図形の下に文字がある構成からなる商標にあって、その図形の下に書された文字が、自己の取扱いに係る『商品の産地販売地』、『役務の提供場所』又は『店舗の所在地』等を表わすためのもの、あるいはそれらを認識させるためのものとして表記されている事例があり、そして、本願商標は、『関西みらい銀行』のハウスマークであり、当該銀行の提供に係る『銀行業務』及びこれと密接な関連性を有する本願指定役務等の提供について付されるものである。そうすると、本願商標の構成中の『KANSAI』の欧文字は、『関西みらい銀行』にかかる『関西』の語の読みをローマ字書きしたものと容易に認識されるから、取引者、需要者をして、単に役務の提供の場所を表したものとして理解し認識されるにとどまり、自他役務を区別するための識別標識としての機能を有しないか、あるいは極めて弱いものとして認識される。」旨主張する。
しかしながら、上記の請求人の主張を裏付けるような証拠の提出はなく、上記(2)アのとおり、本願商標の構成中の「KANSAI」の文字は、一般的な英語の辞書等に掲載されていない語であり、本願の指定役務との関係からすると、直ちに地域名としての「関西」を想起するとはいい難いものであるから、特定の観念を生じないものであり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
イ 請求人は、実際の取引の実情等として、「本願商標は、主として銀行業務に付随して提供される役務等について使用されるものであり、これに接する取引者・需要者は、提供に係る役務が公共性の高い『関西みらい銀行』により提供されるものであるかどうか、という観点において非常に高い関心をもって認識されるものであるところ、引用商標1及び引用商標2にあっては、お好み焼き等の飲食物の提供に係る業務に付随して提供される役務等について使用されるものであり、これに接する取引者及び需要者が、それら役務の提供の出所について混同を生ずるおそれがあるとする事情は認められない。」旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断において考慮することのできる取引の実情とは、単に当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではなく、その指定商品全体についての一般的・恒常的な実情を指すものと解すべきであり(最高裁昭和47年(行ツ)第33号参照)、役務についても同様に解されているところ、請求人の主張する上記実情は、商標を実際に使用している具体的な役務についての実情であるから、特殊的、限定的な取引の実情といわざるを得ないものであり、商標の類否判断にあたり考慮すべき一般的、恒常的な取引の実情ということはできない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲 本願商標(色彩については、原本参照。)



審理終結日 2020-08-27 
結審通知日 2020-09-02 
審決日 2020-09-16 
出願番号 商願2018-129546(T2018-129546) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W35)
T 1 8・ 262- Z (W35)
T 1 8・ 263- Z (W35)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 内藤 順子 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 小田 昌子
木住野 勝也
商標の称呼 カンサイ 
代理人 特許業務法人あーく特許事務所 
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