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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0105
審判 全部申立て  登録を維持 W0105
審判 全部申立て  登録を維持 W0105
管理番号 1367190 
異議申立番号 異議2020-900138 
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-11-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-05-15 
確定日 2020-10-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第6242322号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6242322号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6242322号商標(以下「本件商標」という。)は、「PRDR」の文字を標準文字で表してなり、平成30年10月17日に登録出願、第1類「サプリメント用の原料タンパク質」及び第5類「ミミズの粉末またはその抽出物を主原料とした錠剤状・カプセル状・顆粒状のサプリメント,薬剤」を指定商品として、令和2年3月26日に登録査定され、同年4月3日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項第1号及び同項第3号並びに同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第1号
ア 「PR-DR」及び「PRDR」の語は、「Protein Related compound Derived from Redworm」(赤ミミズ由来タンパク質関連混合物。以下「赤ミミズ混合物」という。)の頭文字を組み合わせた略称であって、赤ミミズ混合物を取り扱う医師などの間で一般的名称として用いられていた(甲1?甲4)。
イ 赤ミミズ混合物は、脳梗塞・認知症・うつ病等の治療補助食品であるから、その需要者はそれら病気の患者であって、それら病気の治療を行う特定の医療機関等に販売されるから、その主な取引者はそれら病気の治療を行う特定の医療機関の医師である。
ウ 提出した証拠(甲1?甲6)によれば、「PRDR」の語は、赤ミミズ混合物の一般的名称(略称)として取引者の間で使用されており、本件商標の登録査定時には、既に普通名称化したものである。特に、脳梗塞・認知症・うつ病等の治療を行う特定の医療機関の医師は、赤ミミズ混合物の冗長な名称を用いず、「PRDR」の略称を用いて患者に説明していたことから、需要者においても、「PRDR」の語は、赤ミミズ混合物の一般的名称であると認識されていたといえる。
エ 以上のとおり、本件商標は、取引者及び需要者において、赤ミミズ混合物の一般的名称(略称)と認識されており、商品の普通名称であるといえる。
したがって、本件商標は、その指定商品中「ミミズの粉末またはその抽出物を主原料とした錠剤状・カプセル状・顆粒状のサプリメント」について、商標法第3条第1項第1号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第3号
ア 本件商標は、赤ミミズ混合物の略語であって、その登録査定日前から、赤ミミズ混合物を取り扱う、脳梗塞・認知症・うつ病等の治療を行う医師の間で、赤ミミズ混合物の略称として広く用いられていた。そのため、本件商標は、赤ミミズ混合物の略称として、商品の原材料又は品質を表示するものと認識されるにすぎない。
イ また、「PRDR」の語は、取引一般において、取引内容を説明するために必要かつ適切な表示であるから、誰もが自由に使用できるようにしておく必要があり、特定人の独占使用を認めることは、円滑な取引を阻害し、公益を害するおそれがある。
ウ したがって、本件商標は、その指定商品中「ミミズの粉末またはその抽出物を主原料とした錠剤状・カプセル状・顆粒状のサプリメント」について、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第16号
本件商標は、赤ミミズ混合物の普通名称又は商品の原材料若しくは品質を表示するものであるから、赤ミミズ混合物と関連しない商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、その指定商品中「サプリメント用の原料タンパク質」及び「薬剤」について、商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審の判断
(1)本件商標について
ア 本件商標は、「PRDR」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、我が国で広く親しまれた成語や外来語、略語からなるものではないから、一般的には、特定の意味を看取させることのない造語と認識、理解されるものである。
また、当審において職権をもって調査するも、本件商標の指定商品を取扱う業界において、「PRDR」の語が、本件商標の登録査定時において、商品の普通名称や品質、原材料等を指称する語として、また取引上不可欠な表示として、広く一般的に使用又は慣用されている実情は見出すことはできず、また、本件商標に接する取引者、需要者が、当該文字を特定の意味を有する語(又は略語)と認識するというべき実情も発見できなかった。
イ したがって、本件商標は、その指定商品に係る需要者及び取引者をして、特定の意味を有さない造語と認識されるというべきで、商品の普通名称、品質又は原材料を表示するものとは直ちに認識、理解できるものではないから、商標法第3条第1項第1号及び同項第3号に該当しない。
また、本件商標は、商品の品質を具体的に表示する語ではないから、その指定商品について使用するときも、商品の品質について誤認を生じるおそれはなく、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)申立人の主張に対し
申立人は、学会誌や医療機関向けの資料に掲載された論文や記事情報など(甲1?甲6)を引用して、「PR-DR」及び「PRDR」の語は、「Protein Related compound Derived from Redworm」(赤ミミズ由来タンパク質関連混合物)の頭文字を組み合わせた略称として、本件商標の登録査定時には、本件商標の指定商品に係る取引者(脳梗塞・認知症・うつ病等の治療を行う特定の医療機関の医師)及び需要者(脳梗塞・認知症・うつ病等の患者)の間で普通名称化していた旨を主張する。
しかしながら、本件商標の指定商品は、主に化学品製造業者や製薬会社、医療機関を取引者や取引先として、最終的には医師や薬剤師を通じて患者に購入されるような商品の他にも薬局やドラッグストア等を通じて一般需要者向けに販売される商品も含まれるものであるから、その需要者及び取引者は、申立人が主張するような極めて限定的な範囲の医師や患者に限られるものではない。
また、申立人提出の証拠は、学会誌や医療機関向けの資料に掲載された論文や記事情報(甲1?甲6)にすぎず、本件商標の指定商品との具体的関係(商品の包装や広告など)をもって「PRDR」の語が使用又は慣用されていることを示す証拠ではなく、当該商品に係る取引業界における取引の実情を示すものでもない。
したがって、申立人提出の証拠を踏まえても、本件商標が、登録査定時において、その指定商品に係る取引者及び需要者の間において、商品の普通名称、品質又は原材料を表示するものとして認識されていたとは認めることはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第1号及び同項第3号並びに同法第4条第1項第16号のいずれの規定にも違反してされたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。


別掲

異議決定日 2020-10-06 
出願番号 商願2018-129561(T2018-129561) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (W0105)
T 1 651・ 11- Y (W0105)
T 1 651・ 272- Y (W0105)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田添 佑奈浦辺 淑絵 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 大森 友子
阿曾 裕樹
登録日 2020-04-03 
登録番号 商標登録第6242322号(T6242322) 
権利者 木野本 充広
商標の称呼 ピイアアルデイアアル 
代理人 前田 健壱 

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