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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W25
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W25
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W25
管理番号 1367078 
審判番号 不服2020-8357 
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-16 
確定日 2020-10-13 
事件の表示 商願2019-82884拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「anana」の欧文字を標準文字で表してなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品として、令和元年6月12日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4744693号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ANANAS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年5月29日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、平成16年1月30日に設定登録、その後、同26年2月12日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第5127544号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ANANAS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年4月11日に登録出願、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同20年4月11日に設定登録、その後、同30年4月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第6204556号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ANANNA」の欧文字を横書きで表してなり、令和元年5月20日に登録出願、第25類「下着,被服,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」及び第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,商品の販売に関する情報の提供,販売を目的とした各種通信媒体による商品の紹介,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供」、並びに第3類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月6日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、「anana」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該欧文字は辞書等に成語として掲載されていないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものであるから、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って、「アナナ」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1及び引用商標2
引用商標1及び引用商標2は、「ANANAS」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該欧文字は、「パイナップル科アナナス属の植物の総称」の意味を有する英語であるとしても、当該語が我が国において一般的に親しまれ知られているとはいえず、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものであるから、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って、「アナナス」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標3
引用商標3は、「ANANNA」の欧文字を横書きしてなるところ、当該欧文字は辞書等に成語として掲載されていないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものであるから、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って、「アナンナ」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標と引用商標1及び引用商標2の類否
本願商標と引用商標1及び引用商標2の類否を検討すると、外観においては、語尾の「S」の有無及び小文字か大文字かの差異を有しており、これらの差異が、5文字と6文字という比較的短い文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいないから、両者は相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
次に、本願商標から生じる「アナナ」の称呼と引用商標1及び引用商標2から生じる「アナナス」の称呼を比較すると、両者は、語尾において「ス」の音の有無という差異を有し、前者は3音、後者は4音という短い音構成においては、「ス」の音の有無の相違が両称呼全体に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が相違し、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較できないものである。
そうすると、本願商標と引用商標1及び引用商標2とは、観念において比較できないものの、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は非類似の商標と判断するのが相当である。
イ 本願商標と引用商標3の類否
本願商標と引用商標3の類否を検討すると、外観においては、1文字目から4文字目までは同じつづりであるものの大文字と小文字の差異を有し、5文字目及び6文字目は「a」と「NA」の差異を有しているところ、これらの差異が、5文字及び6文字という比較的短い文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえないから、両者は相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
次に、本願商標から生じる「アナナ」の称呼と引用商標3から生じる「アナンナ」の称呼を比較すると、両者は、3音目において「ン」の音の有無という差異を有しているところ、前者は3音、後者は4音という短い音構成において、「ン」の音の有無の相違が両称呼全体に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が相違し、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから比較できないものである。
そうすると、本願商標と引用商標3とは、観念において比較できないものの、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は非類似の商標と判断するのが相当である。
ウ さらに、他に本願商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
(4)以上により、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品又は指定役務の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2020-09-25 
出願番号 商願2019-82884(T2019-82884) 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W25)
T 1 8・ 263- WY (W25)
T 1 8・ 262- WY (W25)
最終処分 成立  
前審関与審査官 内田 直樹鈴木 優佳 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 山田 啓之
庄司 美和
商標の称呼 アナナ 
代理人 杉浦 健文 

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