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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W30 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W30 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W30 |
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管理番号 | 1366151 |
審判番号 | 不服2020-5436 |
総通号数 | 250 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-10-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-04-21 |
確定日 | 2020-09-01 |
事件の表示 | 商願2019- 67683拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,令和元年5月13日に登録出願され,指定商品については,当審における同2年4月21日付けの手続補正書により,第30類「たこ焼き,お好み焼き,調理済み麺類」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定において,拒絶の理由に引用した登録第5598070号商標(以下「引用商標」という。)は,「日本橋桜茶屋」の文字を標準文字で表してなり,平成25年2月5日に登録出願,第35類「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同年7月12日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は,別掲のとおり,「さくら」の文字を毛筆体風の書体で大きく横書きし,その右下には「茶屋」の文字を横書きし,「さくら」の文字部分中「さく」の文字の下に,黒色の角丸長方形内に白抜きで「SAKURA-CHAYA」の文字を横書きしたもの(以下「角丸長方形部分」という。)を配し,「さくら」の文字部分の左右に複数のピンク色の桜の花びらと思しき図形を配してなるものである。 そして,本願商標は,その構成中の「さくら」の文字部分,「茶屋」の文字部分及び角丸長方形部分は近接して配されていることに加え,角丸長方形部分の下端と「茶屋」の文字部分の下端が揃えられていること,また,複数のピンク色の桜の花びらと思しき図形部分は背景図形の一種と認識される態様であることから,全体として外観上まとまりのよい印象を与えるものである。 また,本願商標構成中,「さくら」の文字は,「バラ科サクラ属の落葉高木または低木の一部の総称。」等の意味を,「茶屋」の文字は「製茶を販売する家。葉茶屋。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店発行)であるとしても,これらの文字を結合した「さくら茶屋」の文字は,特定の意味合いを有する語として知られているとも認められない一種の造語を表したものといえる。また,「SAKURA-CHAYA」の文字は,「さくら茶屋」の文字部分の読みを欧文字表記したものと容易に認識できるものである。 したがって,本願商標は,その構成文字に相応して,「サクラチャヤ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は,上記2のとおり,「日本橋桜茶屋」の文字からなるところ,その構成中「日本橋」の文字は「東京都中央区の一地区」等の意味を有する語(前掲書)であるから,引用商標の指定役務との関係において,自他役務の識別標識としての機能は決して強いとはいい難いものである。また,「桜茶屋」の文字は「桜花の咲く頃,花見客をめあてに設けた茶屋」の意味を有する語(前掲書)であるところ,当該文字は,引用商標の指定役務との関係において,店舗の名称やその一部として一般に使用されているものであるから,自他役務の識別標識としての機能がないか極めて弱いものである。 してみれば,引用商標に接する取引者,需要者は,殊更,構成中の「桜茶屋」の文字部分のみに着目することはなく,また,いずれかの文字部分のみが独立して出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえないから,引用商標は一体不可分のものとみるのが相当である。 そして,「日本橋」の文字及び「桜茶屋」の文字がそれぞれ上記の意味を有する語であるとしても,これらを結合した上記構成においては,「日本橋桜茶屋」の文字が特定の意味合いを有する語として知られているとは認められない一種の造語を表したものといえる。 したがって,引用商標は,その構成文字に相応して,「ニホンバシサクラヂャヤ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について ア 外観について 本願商標と引用商標は,上記(1)及び(2)のとおり,桜の花びらと思しき図形部分及び角丸長方形部分の有無,文字種や書体の違いなど明らかな差異があるから,外観上,判然と区別し得るものである。 イ 称呼について 本願商標から生じる「サクラチャヤ」の称呼と,引用商標から生じる「ニホンバシサクラヂャヤ」の称呼とは,前半部における「ニホンバシ」の音の有無という顕著な差異を有することに加え,本願商標の4音目と引用商標の9音目における「チャ」の音と「ヂャ」の音の差異もあることから,それぞれを称呼するときは,明瞭に聴別し得るものである。 ウ 観念について 両者は,特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができないものである。 エ 類否の判断 上記アないしウのとおり,本願商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観においては,判然と区別し得るものであり,称呼においても,明瞭に聴別し得るものであるから,これらが需要者に与える印象,記憶,連想等を総合してみれば,両商標は,相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 (4)まとめ 以上のとおり,本願商標は,その指定商品が引用商標の指定役務と類似であるとしても,引用商標とは非類似の商標であるから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標(色彩は原本参照。) |
審決日 | 2020-08-11 |
出願番号 | 商願2019-67683(T2019-67683) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W30)
T 1 8・ 262- WY (W30) T 1 8・ 263- WY (W30) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 上山 達也、馬場 秀敏 |
特許庁審判長 |
佐藤 松江 |
特許庁審判官 |
須田 亮一 平澤 芳行 |
商標の称呼 | サクラチャヤ、サクラチャ、サクラ |
代理人 | 岡倉 誠 |