• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
管理番号 1365195 
異議申立番号 異議2019-900368 
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-12-23 
確定日 2020-08-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第6184076号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6184076号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6184076号商標(以下、「本件商標」という。)は、「CLAIRE」の欧文字を標準文字により表してなり、平成30年9月7日に登録出願、第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として、令和元年7月31日に登録査定され、同年9月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして、引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめていうときは「引用商標」という。)、いずれも現在有効に存続しているものである。
1 登録第2661230号商標(以下、「引用商標1」という)は、「クレアーズ」の片仮名を横書きしてなり、平成4年3月9日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年5月31日に設定登録され、その後、平成16年6月8日及び平成26年3月18日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。そして、指定商品については、平成17年8月17日に、第6類「金属製のバックル」、第8類「ペディキュアセット,マニキュアセット」、第14類「貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」,第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」,第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。)」とする書換登録がされたものである。
2 登録第4173259号商標(以下、「引用商標2」という。)は、別掲1に示したとおりの構成からなり、平成6年6月23日に登録出願、第14類「身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,時計,記念カップ,記念たて」を指定商品として、平成10年7月31日に設定登録され、その後、平成20年7月15日及び平成30年4月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
3 登録第4173260号商標(以下、引用商標3」という。)は、別掲2に示したとおりの構成からなり、平成6年7月4日に登録出願、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,時計,記念カップ」を指定商品として、平成10年7月31日に設定登録され、その後、平成20年7月15日及び平成30年4月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
4 登録第4173261号商標(以下、「引用商標4」という。)は、別掲2に示したとおりの構成からなり、平成6年7月4日に登録出願、第18類「なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,傘,つえ,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成10年7月31日に設定登録され、その後、平成20年7月15日及び平成30年4月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
5 登録第4227498号商標(以下、「引用商標5」という。)は、別掲2に示したとおりの構成からなり、平成6年7月4日に登録出願、第26類「編みレース生地,組みひも,テープ,房類,針類,編み棒,被服用はとめ,靴ひも,造花の花輪,漁網製作用杼」を指定商品として、平成11年1月8日に設定登録され、その後、平成20年12月2日及び平成30年12月25日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
6 登録第4384017号商標(以下、「引用商標6」という。)は、別掲3に示したとおりの構成からなり、平成10年1月28日に登録出願、第9類「眼鏡」、第14類「貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,キーホルダー」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘」及び第25類「被服(但し,和服を除く),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成12年5月19日に設定登録され、その後、平成22年3月9日及び令和2年3月13日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
7 登録第4316622号商標(以下、「引用商標7」という。)は、別掲4に示したとおりの構成からなり、平成10年4月27日に登録出願、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」を指定商品として、平成11年9月17日に設定登録され、その後、平成21年9月24日及び令和元年7月30日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
8 登録第5255217号商標(以下、「引用商標8」という。)は、別掲5に示したとおりの構成からなり、平成19年12月7日に登録出願、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,頭飾品及びその他の身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,フォトフレームの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,携帯電話用のストラップの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ピアス用収納容器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ネックレス用収納具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同21年8月7日に設定登録され、その後、令和元年7月30日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
9 登録第5254831号商標(以下、「引用商標9」という。)は、「クレアーズ」の片仮名を標準文字により表してなり、平成20年1月31日に登録出願、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,頭飾品及びその他の身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,フォトフレームの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,携帯電話用のストラップの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ピアス用収納容器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ネックレス用収納具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成21年8月7日に設定登録され、その後、令和元年7月30日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第96号証(枝番号を含む。)及び参考資料1ないし4を提出した。
1 申立て理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成から「クレア」又は「クレアー」の称呼、「クレア(ー)(女性名)」の観念を生ずる。
引用商標は、いずれも「CLAIRE’S」又は「クレアーズ」部分が分離して観察されるが、当該文字の末尾の「’s」が、英語における所有格を表すことから、その主体を表す「CLAIRE」又は「クレア(ー)」としても認識され、「クレア(ー)」の称呼、「クレア(ー)(女性名)」の観念を生ずるものである。
したがって、両商標は、外観、観念及び称呼の全ての点において類似する商標である。
また、本件商標と引用商標は、その指定商品及び役務も同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
欧文字商標「CLAIRE’S」及び片仮名商標「クレアーズ」は、Claire’s Stores Inc.(以下「米国クレアーズ社」という。)の商標として、広く一般に知られている(甲第12号証ないし甲第90号証)から、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標
本件商標は、「CLAIRE」の欧文字を標準文字により表してなるところ、該文字は、「クレール(女子の名)」又は「明るい、薄い、淡色の」等の意味を有し、「クレール」と発音されるフランス語であるとしても、これが我が国において、一般に親しまれているとはいい難いことから、特定の意味合いを有しない造語として理解、認識されるものとみるのが相当であり、本件商標からは、「クレール」の称呼のほかに、一般的に我が国において親しまれた英語風の発音に倣って、「クレア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1及び引用商標9は、「クレアーズ」の片仮名を横書きしてなるところ、これよりは、「クレアーズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2、引用商標6ないし引用商標8は、「Claire’s」又は「claire’s」の欧文字(引用商標7は、「a」の文字部分が、黒色の丸の中に白抜きで表されている。別掲4参照。)よりなるか、「CLAIRE’S」の欧文字をその構成中に含むものである。
そして、その構成中の「Claire(CLAIRE)」の文字部分が、「明るい、薄い、淡色の」等の意味を有するフランス語であるとしても、これが我が国において、一般に親しまれているとはいい難く、上記各引用商標は、末尾に英語の所有格を表す符号として一般に親しまれている「’s(’S)」を有していることから、これに接する需要者はフランス語というよりは、全体として名詞に所有格を付した英語を表したものと認識するとみるのが自然である。加えて、申立人の提出した証拠によれば、申立人の関連会社であるクレアーズ日本株式会社(以下「クレアーズ日本」という。)は、「Claire’s」の文字を「クレアーズ」と称していることが認められる。
してみると、引用商標2、引用商標6ないし引用商標8からは、英語風の発音に倣って「クレアーズ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標3ないし引用商標5は、「Claire’s」の欧文字と「クレアーズ」の片仮名を二段に横書きした構成からなるものであるところ、下段の片仮名部分は、上段の欧文字の読みを特定したものと容易に理解されるものである。
そして、引用商標3ないし引用商標5は、上記イと同様に特定の意味合いを有しない造語として理解、認識されるものである。
してみると、引用商標からは、「クレアーズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
ア 外観
まず、本件商標と引用商標1及び引用商標9の外観を比較すると、本件商標は、欧文字からなるのに対し、引用商標1及び引用商標9は、片仮名からなるものであるから、両者は、外観上、明確に区別し得るものである。
次に、本件商標と引用商標2、引用商標6ないし引用商標8の外観を比較すると、本件商標は、欧文字の大文字「CLAIRE」からなるのに対し、上記各引用商標は、欧文字の大文字又は小文字とアポストロフィー記号(’)を組み合わせた構成、あるいは、これをその構成中に含むものからなるものであり、それぞれの構成に照らし、外観上、十分に区別できるものである。
そして、本件商標と引用商標3ないし引用商標5の外観を比較すると、本件商標は、欧文字のみからなるのに対し上記各引用商標は、欧文字と片仮名を二段に横書きした構成からなるものであるから、両者は、外観上、明確に区別し得るものである。
イ 称呼
本件商標から生ずる「クレア」又は「クレール」の称呼と、引用商標から生ずる「クレアーズ」の称呼とを比較すると、まず、「クレア」と「クレアーズ」の称呼の差異は、「ア」の音における長音の有無及び語尾における「ズ」の音の有無であるが、「ズ」の音は、その前音が長音よりなる構成にあっては、比較的明瞭に発音されるから、この「ズ」の音の有無の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、かつ、全体としても3音又は5音という短い音構成であることとも相俟って、これらをそれぞれ一連に称呼するときは、その語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものである。
また、「クレール」と「クレアーズ」の称呼は、長音を含めて4音又は5音という短い音構成にあって、語頭の「ク」の音を除く、「レール」と「レアーズ」の音を異にするものであるから、全体の構成音数及び音構成の相違及び相違する音の音質や音感の相違により、それぞれを一連に称呼した場合においても、称呼上、明確に聴別し得るものである。
ウ 観念
本件商標と引用商標は、ともに特定の観念を有しないものであるから、両商標は、観念において比較することができない。
エ そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれがなく、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(4)したがって、本件商標は、その指定商品中に引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似のものを含むとしても、引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標の周知性について
申立人の提出した証拠及び主張によれば、次のとおりである。
ア 米国クレアーズ社は、米国最大のアクセサリー専門店(主に十代を対象にした低価格アクセサリーを取り扱っている。)を展開する米国企業であり(甲第89号証の1及び2、他)、米国クレアーズ社の100%子会社である申立人は、同社の商標を含む全ての知的財産を所有及び管理している(申立人の主張)。1994年9月16日に米国クレアーズ社とイオン株式会社(旧ジャスコ株式会社)との合弁企業として、クレアーズ日本が設立され、我が国におけるビジネスは同社を通じて行われてきた(甲第12号証)。
イ 米国クレアーズ社は、クレアーズ日本の設立以来、同社に対し、申立人を通じて我が国における欧文字「CLAIRE’S」商標及び片仮名「クレアーズ」商標(以下、前者を「欧文字使用商標」といい、後者を「片仮名使用商標」という。また、2つの商標をまとめていうときは、単に、「使用商標」という。)の使用を許諾してきた(申立人の主張)。
ウ 使用商標は、クレアーズ日本が運営する販売小売店(以下「クレアーズ店舗」という。)名であるとともに、そこで販売される商品のブランド名でもあり、クレアーズ日本のウェブサイト(甲第12号証ないし甲第18号証)において使用商標が使用され、また、クレアーズ店舗の看板(甲第19号証ないし甲第36証)において、欧文字使用商標が使用されている。
エ 我が国における現在のクレアーズ店舗数は、110店舗(甲第38号証)であり、2004年2月16日、2004年11月4日、2005年11月19日、2006年5月16日、2007年12月1日、2015年10月14日、2017年8月15日及び2018年7月31日の時点では、それぞれ、123店舗、134店舗、172店舗、172店舗、203店舗、180店舗、160店舗、130店舗程度存在していたことが窺える(甲第89号証の10ないし甲第89号証の17号証)。
オ クレアーズ店舗全体における売上高は、2004年が約56億円、2006年2月期が約68億円、2007年の上半期が約41億円(甲第89号証の11ないし甲第89号証の14)である。また、申立人は、クレアーズ店舗全体における売上高は、2010年度:69億3、100万、2011年度:63億2、900万円、2012年度:64億5、000万円、2013年度:59億3、800万円、2014年度:54億900万円、2015年度:54億7、000万円、2016年度:50億4、200万円、2017年度:41億4、400万円、2018年度:36億500万円であるとして、甲第39号証を提出するとともに、ここ数年の主な商品分野毎(アクセサリー、頭飾品、被服、バッグ)の売上高として甲第40号証を提出している。
しかし、これらの証拠の作成日、作成者等は不明であり、そこに記載の数値を裏付ける具体的な証拠の提出はない。また、申立人の提出に係る証拠からは、使用商標を使用した商品の市場占有率、広告宣伝の費用等の具体的事実は確認することができない。
カ 申立人は、米国クレアーズ社は、我が国における「claire’s」ブランド商品の販売開始以来、クレアーズ日本を通じて、積極的に同商品及びこれに関する小売等役務に関する宣伝広告を行ってきた(甲第41号証ないし甲第86号証)。具体的には、クレアーズ店舗において、パンフレット(甲第41号証ないし甲第44号証)を配布し、雑誌に特集記事(甲第45号証ないし甲第86号証)を掲載する等の活動であり、甲第42号証ないし甲第44号証のパンフレットは、各々、2015年、2016年及び2017年に配布されたものであり、いずれにおいても、使用商標が付されている旨主張しているが、申立人の提出した雑誌は、主に若年層(若い女性)を対象にしたファッション雑誌記事であるところ、2010年が1回、2014年が数回であり、そのほとんどが2015年のものであり、これによっては、本件商標の出願時まで継続的に掲載されているともいえず、かつ、使用商標に関する記事にしても、他社の商品とともに掲載されているものも多く、使用商標が格別目立つように記載されているものでもない。また、パンフレットにしても、その作成日、作成枚数等は不明である。
キ 申立人は、クレアーズ店舗や当該店舗で販売される商品は、全国紙である産経新聞や読売新聞、全国放送であるNHKニュース、及び、業界紙である繊研新聞等において、度々取り上げられてきたとして甲第89号証の1ないし甲第89号証の17を提出しているが、それらの記事掲載は年に1、2回程度であり、さほど多いとはいえない。
ク 申立人は、米国クレアーズ社は、我が国においても、米国においても、申立人名義で欧文字使用商標に関する商標権を所有しており、さらに、我が国においては、片仮名使用商標に関する商標権も所有している(甲第2号証ないし甲第10号証及び甲第90号証の1ないし甲第90号証の4)旨主張するが、諸外国で商標登録された事例が直ちに、我が国又は外国における使用商標の周知・著名性に結びつくものではない。
ケ 以上のことを総合すれば、使用商標は、米国クレアーズ社が、クレアーズ日本と共に若い女性を対象にした低価格のアクセサリー、頭飾品、被服、バッグ等のいわゆるファッション関連商品及び同商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供について使用をしている商標であり、比較的若い世代を中心に一定程度認識されているといい得るとしても、使用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、米国クレアーズ社又はクレアーズ日本の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものとまでは認めることはできない。
(2)出所の混同のおそれ
上記(1)のとおり使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、米国クレアーズ社又はクレアーズ日本の業務に係る商品及び役務を表示するものとして若い世代を中心とした需要者の間では一定程度知られていたといえるとしても、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
そして、片仮名使用商標は、引用商標1及び引用商標9と綴り字を同一にするものであるところ、前記1のとおり、本件商標と上記各引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であり、本件商標と片仮名使用商標は、同様に、類似性の程度は極めて低いものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者が片仮名使用商標を連想又は想起することはないものである。
また、本件商標と欧文字使用商標は、その綴りの一部を共通にするものであるから、一定程度の類似性を有するといえるものの、上記のとおり、欧文字使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されているとは認められないものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者が欧文字使用商標を連想又は想起するとは考え難いというべきである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして使用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 引用商標2

別掲2 引用商標3ないし5

別掲3 引用商標6

別掲4 引用商標7

別掲5 引用商標8


異議決定日 2020-08-07 
出願番号 商願2018-119700(T2018-119700) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W1825)
T 1 651・ 262- Y (W1825)
T 1 651・ 271- Y (W1825)
T 1 651・ 263- Y (W1825)
最終処分 維持 
前審関与審査官 吉岡 めぐみ 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 木村 一弘
板谷 玲子
登録日 2019-09-27 
登録番号 商標登録第6184076号(T6184076) 
権利者 株式会社リリーバレイ
商標の称呼 クレア、クレール 
代理人 青島 恵美 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ