• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W1820212425
審判 全部申立て  登録を維持 W1820212425
審判 全部申立て  登録を維持 W1820212425
管理番号 1365194 
異議申立番号 異議2019-900365 
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-12-16 
確定日 2020-08-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第6181214号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6181214号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第6181214号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1に示すとおりの構成よりなり,平成30年8月9日に登録出願,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,愛玩動物用被服類」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,愛玩動物用ベッド,座椅子」,第21類「家事用手袋」,第24類「織物,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,織物製椅子カバー,テーブル掛け,スリーピングバッグ,毛布,クッションカバー」及び第25類「被服,寝巻き類,エプロン,アイマスク,ネクタイ,バンダナ」を指定商品として,令和元年8月5日に登録査定,同年9月20日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして,登録異議の申立ての理由において引用する商標は,以下の(1)及び(2)の2件である。また,本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するとして,登録異議の申立ての理由において引用する商標は以下の(2)であり,いずれも登録商標として現に有効に存続しているものである(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)。
(1)国際登録第777048号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
国際登録日:2002年(平成14年)3月19日
事後指定日:2006年(平成18年)2月27日
設定登録日:2007年(平成19年)5月25日
指定商品及び指定役務:第18類「Leather and imitations of leather, and goods made of these materials and not included in other classes, namely bags, suitcases; wallets, boxes of leather, cases of leather, card cases, key cases (leatherware), purses, rucksacks, briefcases, school satchels; umbrellas, parasols and walking sticks.」,第25類「Clothing, footwear, headgear, socks.」及び第35類「The bringing together, for the benefit of others, of a variety of goods (excluding the transport thereof), enabling customers to conveniently view and purchase those goods.」
(2)国際登録第1171878号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
国際登録日:2013年(平成25年)4月16日(優先権主張:2013年3月13日 Turkey)
設定登録日:2015年(平成27年)6月12日
指定商品及び指定役務:第18類「Processed or unprocessed leather and hides, artificial leather, cowhide, lining leather; leather, unworked or semi-worked; imitation leather; stirrup leathers; girths of leather; chin straps, of leather; bags [envelopes, pouches] of leather, for packaging; leather leads; bags; tool bags of leather, empty; leather and stout leather boxes and trunks, key cases; umbrellas, parasols, walking sticks; whips, harness, saddlery, stirrups and saddle belts.」,第25類「Clothing (inner and outer clothing) made from all kinds of material, except clothing for protective purposes, socks; footwear; headgear.」及び第35類「Services relating the advertising, marketing and public relations including the organization of exhibitions and fairs for trade purposes; office services; business administration, management and consultancy services related with accounting services; import-export agency services; providing information and advice to consumers regarding the selection of products and items to be purchased; organization and arrangement of public auctions; retail services or wholesale services for leather, unworked or semi-worked, imitation leather, stirrup leathers, girths of leather, chin straps of leather, bags [envelopes, pouches] of leather for packaging, leather leads, bags, tool bags of leather, empty, all above mentioned goods used for carrying purpose; retail services or wholesale services for leather and stout leather boxes and trunks, key cases, ornaments, umbrellas, parasols, watches and time measurement apparatus, home textile products, fabrics, glasses, sun glasses, their boxes, cases, parts and accessories, clothing (inner and outer clothing) made from all kinds of material, except clothing for protective purposes, socks, footwear, headgear, perfumery and cosmetic products.」

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第19号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
本件商標は,欧文字「koto」と欧文字「koton」の間にスペースを挟むものであるため,「koton」部分のみが分離観察され,これより「コトン」の称呼が生じ得る。
引用商標1は,その構成上,下方部分が分離して観察されるところ,花図形は,欧文字「O」であると認識されるため,その他の欧文字部分「K」「T」「N」も含め「KOTON」として認識され,これより「コトン」の称呼を生ずる。また,引用商標2は,引用商標1と同様の理由から,引用商標2も「KOTON」として認識され,これより「コトン」の称呼を生ずる。
そして,本件商標と引用商標について比較すると,その外観において近似し紛らわしい類似の商標であるといえ,称呼上聞き誤るおそれがある類似の商標であるといえる。
そうすると,本件商標と引用商標は,外観及び称呼においても類似しており,いずれも相互に類似する商標である。また,本件商標の指定商品は全て,引用商標の指定商品又は指定役務に類似する。よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第19号の該当性について
申立人は,引用商標2を使用した「被服,ベルト,履物,かばん」等の商品を世界中の小売企業,申立人の直営店,フランチャイズによる店舗及びオンラインショッピングウェブサイト等を利用して多数販売し,申立人の直営店,フランチャイズによる店舗においては,引用商標2を付したカタログを頒布している(甲4?甲10)。また,申立人は,引用商標2を世界各国で商標登録している(甲11?甲13)。
そうすると,引用商標2は,申立人に係る商品「被服,ベルト,履物,かばん」及びこれらに関する小売等役務の出所を表示するものとして,遅くとも本件商標の登録出願時には,外国における需要者の間で広く認識されていたものである。また,上記(1)のとおり,本件商標は,引用商標2に類似する。加えて,本件商標権者は,京都織物卸商業組合に所属しており(甲14),織物に関する一定の知識を有している。
以上のことからすると,本件商標権者は,外国において周知な引用商標2を知り,当該引用商標2の業務上の信用にフリーライドする意図,又は,申立人のわが国への進出を阻む目的で,引用商標2に類似する本件商標の登録出願に及んだものと思われる。
したがって,本件商標は,その登録出願時及び登録査定時において,他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして外国における需要者の間に広く識認されている商標と同一又は類似の商標であって,不正の目的をもって使用をするものであるから,商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,円形内に縦横3行のマス目を配し,1行目のマス目に「コ」「ト」「・」の文字と記号,2行目のマス目に「コ」「ト」「ン」の文字を配した図形(以下「本件図形」という。)と,その右側に「koto*koton」の文字(「ko」の「o」は左上,「to」の「o」は右下が切れている。以下同じ。)及び「*」(アスタリスク)の記号を配し,その上部を「t」の文字の横線と一体になるように通過する横線(水平線)を引いた構成からなるものである。
そして,右側に配された「koto*koton」の文字等の部分は,「koto」と「koton」の二つの単語の間に「*」(アスタリスク)を介して結合した構成よりなるが,その構成文字は,それぞれ同じ書体,同じ大きさであることに加え,構成文字等の上部を通過する横線によって,全体としてまとまりよく表されている。
また,これより生ずる「コトコトン」の称呼も5音という簡潔な音構成であって,よどみなく一連に称呼することができるものである。
さらに,本件図形内のマス目に配された文字も,まとまりよく「コト・コトン」と表されており,右側に配された文字等を片仮名等で表記したものと無理なく理解できるものである。
そして,欧文字「koto koton」及び片仮名「コト コトン」は,いずれも親しまれた既成語ではなく,指定商品との関係において直ちに何らかの意味合いを理解させるものでもないから,特定の意味合いを生じない一種の造語として認識し把握されるというべきである。
また,「koto」及び「koton」並びに「コト」及び「コトン」のいずれかの文字が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として,強く支配的な印象を与えるものと認めるに足る事情も見いだせない。
したがって,本件商標は,構成中の文字部分より「コトコトン」の称呼のみを生じ,また,特定の観念を生ずるものではない。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は,別掲2のとおり,二つに区切った長方形の上段に,4弁の花模様の内部中央に星形を配した図形(以下「引用図形」という。)を大きく表し,下段に「K」「T」「N」のえんじ色の文字と,それぞれの文字の間に小さい引用図形(以下「文字部分図形」という。)を配した(以下「引用文字等部分」という。)構成よりなるものである。そして,その構成中,顕著に表された引用文字等部分についてみるに,「K」「T」「N」の文字の間に配された引用図形は,その態様から欧文字「O」を図案化したものとして把握され得るというよりは,むしろ一種の幾何図形と認識されるものとみるのが自然である。
そうすると,当該引用文字等部分は,その構成文字に相応して,「ケイテイエヌ」の称呼のみを生ずるとみるのが相当であり,また,特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標2は,引用商標1の引用文字等部分と同様の文字等部分(末尾の文字が小文字「n」で表されている。)を太字黒色で表してなるものであるから,上記(ア)と同様の理由により,「ケイテイエヌ」の称呼のみが生ずるとみるのが相当であり,また,特定の観念を生じないものである。
(ウ)したがって,引用商標からは,「ケイテイエヌ」の称呼のみが生じ,特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標の類否について検討するに,本件商標と引用商標は,外観においては,上記ア並びにイ(ア)及びイ(イ)のとおりの構成からなるところ,その全体の構成において,顕著な差異を有するものであるから,本件商標と引用商標は,外観上,明確に区別できるものである。
また,称呼についても,上記ア及びイのとおり,本件商標から生ずる「コトコトン」の称呼と引用商標から生ずる「ケイテイエヌ」の称呼とは,音構成及び構成音数において明らかな差異を有することから,称呼においても互いに紛れるおそれはないものである。
観念については,上記ア及びイのとおり,本件商標及び引用商標からは特定の観念は生じないものであるから,観念において比較することはできない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,観念において比較できないものであるとしても,外観及び称呼において互いに紛れるおそれのないことが明らかなものであるから,本件商標と引用商標は,非類似の商標と判断するのが相当である。
エ 申立人の主張について
申立人は,引用商標から「コトン」の称呼を生ずる旨主張している。
しかしながら,引用商標中の文字部分図形は,上記イ(ア)のとおり,その態様から,一種の幾何図形と認識されるとみるのが自然であるうえに,欧文字「O」と把握しなければならない特段の理由は見当たらないことからすれば,上記イのとおり,引用商標から生ずる称呼は「ケイテイエヌ」のみとするのが相当であるから,申立人の主張は採用することができない。
オ 小括
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,非類似の商標であるから,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似であるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第19号該当性について
ア 引用商標2の外国における周知性について
申立人の提出に係る証拠及び主張によれば,以下のとおりである。
(ア)申立人は,2013年(平成25年)9月及び2015年(平成27年)5月に,引用商標2を使用して,「被服,ベルト,履物,かばん」等をフランス及びフィリピンの小売企業に販売していること(甲4?甲6),トルコほか全25カ国にある直営,フランチャイズ等の店舗において商品を販売していること(甲7,甲8)がうかがえる。また,ウェブサイトにおいて,引用商標2を使用して販売を行っている(甲9)。
(イ)申立人は,商品カタログに引用商標2を使用していることがうかがえる(甲10)。
(ウ)申立人は,引用商標2と同様の構成の商標について,トルコを始め,80以上の国・地域で商標登録を行っている(甲11?甲13)。
(エ)上記(ア)ないし(ウ)からすれば,トルコを始め複数の国において,申立人の業務に係る商品「被服,ベルト,履物,かばん」等が販売され,それらの商品に引用標章2が使用されていることがうかがえるものの,申立人の業務に係る商品の我が国及び外国における販売数,売上高,市場シェア等の販売実績を定量的に確認できる客観的な証拠の提出はないことから,引用商標2の我が国及び外国における周知性の程度を推し量ることができない。
また,商品カタログに引用商標2が使用されているとしても,我が国及び外国における配布期間,地域,規模等の広告実績を定量的に確認できる客観的な証拠の提出はないことから,引用商標2の我が国及び外国における周知性の程度を推し量ることができない。
その他,申立人の提出した証拠から,引用商標2が本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国及び外国の需要者の間で申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたと認めるに足る事実は見いだせない。
なお,引用商標2と同様の構成の商標が外国において商標登録されているとしても,それが,我が国及び外国における引用商標2の周知性の判断において考慮されるものではない。
したがって,提出された証拠によっては,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標2が,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
イ 本件商標と引用商標2との類否について
本件商標と引用商標2は,上記(1)ウのとおり,非類似の商標である。
不正の目的について
申立人が提出した証拠からは,本件商標権者が,引用商標2の信用,名声,顧客吸引力にただ乗りする,引用商標2の出所表示機能を希釈化させるなど不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的,その他の不正の目的をもって本件商標を出願し,登録を受けたと認めるに足る具体的事実を見いだすことはできない。
したがって,本件商標は,不正の目的をもって使用をするものということはできない。
エ 小括
上記アのとおり,引用商標2は申立人の業務に係る商品を表示するものとして外国の需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,上記イのとおり,本件商標と引用商標2とは相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異のものというべきであり,更に上記ウのとおり,本件商標は不正の目的をもって使用をするものと認めることはできないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第19号のいずれにも該当するものではなく,その登録は,同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。

別掲

別掲
1 (本件商標)


2 (引用商標1 色彩は原本参照。)


3 (引用商標2)



特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
異議決定日 2020-08-11 
出願番号 商願2018-106418(T2018-106418) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W1820212425)
T 1 651・ 262- Y (W1820212425)
T 1 651・ 222- Y (W1820212425)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小林 大祐内田 直樹 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 大森 友子
藤村 浩二
登録日 2019-09-20 
登録番号 商標登録第6181214号(T6181214) 
権利者 真和株式会社
商標の称呼 コトコトン、コト、コトン 
代理人 青木 博通 
代理人 青島 恵美 
代理人 中田 和博 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ