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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W35 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W35 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W35 |
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管理番号 | 1365147 |
審判番号 | 不服2020-4898 |
総通号数 | 249 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-09-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-04-10 |
確定日 | 2020-08-25 |
事件の表示 | 商願2018-33698拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類「商品の販売促進又は役務の提供促進のための企画及び実行の代理,インターネット上での広告用スペースの貸与,販売又は営業促進のための商品又はサービス交換用ポイントの管理及び清算,商品の販売に関する情報の提供,インターネットによる商品の売買契約の媒介及び取次,弁当の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務とし、平成29年7月24日に登録出願された商願2017-98276号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同30年3月22日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続している。 (1)登録第4281885号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成10年1月12日登録出願、第30類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同11年6月11日に設定登録、その後、同21年6月16日及び令和元年6月18日に、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 (2)登録第5888101号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成28年4月19日登録出願、第35類に属する商標登録原簿記載の役務を指定役務として、同28年10月14日に設定登録されたものである。 以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。 3 当審の判断 (1)本願商標について ア 本願商標は、別掲1のとおり、薄い茶色の円の中に、枝、葉及び花(枝と葉は薄い茶色からなり、花はやや暗い赤色からなる。)をモチーフとした図形を配してなる図形(以下「図形部分」という。)を表し、図形部分の下方に、横書きした薄い茶色の「yuizen」の欧文字(以下「欧文字部分」という。)を配してなるものである。 イ 欧文字部分と図形部分は、重なること無く間隔を空けて配置されており、視覚上、分離して把握されること、及び両者は観念的に密接な関連性を有しているとはいえないことから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとはいえない。 そうすると、本願商標では、図形部分と欧文字部分が、独立して自他役務の識別機能を果たし得るものといえる。よって、本願商標の構成中、欧文字部分を要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。 ウ 欧文字部分は、上記アのとおり、「yuizen」の欧文字からなるところ、当該欧文字は、辞書類に載録された成語ではなく、本願商標の指定役務を取り扱う分野において、特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられない。そして、そのような欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的である。 そうすると、本願商標は、その要部の一である欧文字部分より、その構成文字に相応して、「ユイゼン」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について ア 引用商標1について 引用商標1は、別掲2のとおり、「ゆいぜん」の平仮名と「唯然」の漢字を、左右両端揃えで上下二段に横書きしてなるものであって、「ゆいぜん」の平仮名は「唯然」の漢字よりもやや小さく表されているものである。そうすると、上段の平仮名は下段の漢字の読みを表したものと理解できるから、引用商標1は、「ユイゼン」の称呼が生じる。 そして、「唯然」の漢字及び「ゆいぜん」の平仮名は、特定の意味を有する成語を表してなるものとは直ちには理解できないが、その構成文字中の「唯」の漢字は、「<ただ>ひとり。それだけ。」の意味(新選漢和辞典第八版(平成23年1月31日、株式会社小学館発行))を有し、「然」の漢字は、「状態を表す語をつくる助字。」(広辞苑第七版(平成30年1月12日、株式会社岩波書店発行))の意味を有する、いずれも平易かつ親しまれた漢字であることから、引用商標1は、商標を構成する「唯」と「然」の漢字から、「それだけの状態」程の意味合いを想起し得るとみるのが相当である。 イ 引用商標2について 引用商標2は、別掲3のとおり、「結膳」の漢字と「ゆいぜん」の平仮名を、上下二段に横書きしてなるものであって、「ゆいぜん」の平仮名は「結膳」の漢字よりも小さく表れているとともに、当該平仮名中の「ゆい」及び「ぜん」の平仮名が、それぞれ、当該漢字中の「結」及び「膳」の漢字の下に配されてなるものである。そうすると、下段の平仮名は上段の漢字の読みを表したものと理解できるから、引用商標2は、「ユイゼン」の称呼が生じる。 そして、「結膳」の漢字及び「ゆいぜん」の平仮名は、特定の意味を有する成語を表してなるものとは直ちには理解できないが、その構成文字中の「結」の漢字は、平易かつ親しまれた漢字であって、この漢字を含み、かつ、引用商標2の称呼を構成する「ユイ」と読む語である「結い」が「結うこと。」を意味し、「結う」とは、「ばらばらになっているものをまとめて一つの形に組み立てる意。」(いずれも、広辞苑第七版(同上))を有する語である。また、その構成文字中の「膳」の漢字も、平易かつ親しまれた漢字であって、「よく料理された食物。」(前掲書)の意味を有するものである。そうすると、引用商標2は、商標を構成する「結」と「膳」の漢字から、「一つにした膳」程の意味合いを想起し得るとみるのが相当である。 (3)本願商標と引用商標の類否について ア 引用商標1について 本願商標の要部の一である欧文字部分と引用商標1とを対比する。 外観については、両者は、文字種、文字数、書体及び色を異にするとともに、一段書きか二段書きかでも異なるものであるから、判然と区別し得るものである。 称呼については、両者は、「ユイゼン」の称呼を同一にするものである。 観念については、本願商標の要部の一は、特定の観念を生じないものであるが、引用商標1は、「それだけの状態」程度の観念を生じるものであるから、観念において相紛れることはない。 以上によれば、本願商標の要部の一と引用商標1とは、その称呼を同一にするとしても、外観が判然と区別し得るものであって、観念上も相紛れることはないから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、本願商標と引用商標1とは、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 その他、本願商標と引用商標1とが類似の商標であるとする理由は、見いだせない。 イ 引用商標2について 本願商標の要部の一である欧文字部分と引用商標2とを対比する。 外観については、両者は、文字種、文字数、書体及び色を異にするとともに、一段書きか二段書きかでも異なるものであるから、判然と区別し得るものである。 称呼については、両者は、「ユイゼン」の称呼を同一にするものである。 観念については、本願商標の要部の一は、特定の観念を生じないものであるが、引用商標2は、「一つにした膳」程度の観念を生じるものであるから、観念上相紛れることはない。 以上によれば、本願商標の要部の一と引用商標2とは、その称呼を同一にするとしても、外観が判然と区別し得るものであって、観念上も相紛れることはないから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、本願商標と引用商標2とは、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 その他、本願商標と引用商標2とが類似の商標であるとする理由は、見いだせない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、その指定役務及び指定商品を比較するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標。色彩については原本を参照。) ![]() 別掲2(引用商標1) ![]() 別掲3(引用商標2) ![]() |
審決日 | 2020-08-05 |
出願番号 | 商願2018-33698(T2018-33698) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
WY
(W35)
T 1 8・ 262- WY (W35) T 1 8・ 261- WY (W35) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 馬場 秀敏 |
特許庁審判長 |
木村 一弘 |
特許庁審判官 |
庄司 美和 山村 浩 |
商標の称呼 | ユイゼン |
代理人 | 大橋 公治 |