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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W43
管理番号 1365142 
審判番号 取消2019-300361 
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2019-05-10 
確定日 2020-08-03 
事件の表示 上記当事者間の登録第5814116号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5814116号商標(以下「本件商標」という。)は,「清左衛門」の文字を標準文字で表してなり,平成27年6月18日に登録出願,第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,うま味調味料,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,食用粉類」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として,同年12月18日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録は,令和元年5月30日になされた(以下,当該登録3年以内の平成28年5月30日から令和元年5月29日までを「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張
請求人は,本件商標の指定商品及び指定役務中,第43類「飲食物の提供」についての登録を取消す,審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第43類「飲食物の提供」について継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は,被請求人の答弁に対し,何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標の使用について
本件商標権者は,以前より,本件商標を使用した店舗内にイートインスペースを設けていたが(乙3の1),平成30年10月から,新たに野菜スープ,粕汁及び鮭アラと野菜のスープ等の販売を行い,イートインサービスの拡充を行っている。遅くとも平成30年10月から本件商標権者が本件商標を飲食物の提供の役務に使用している。
(1)営業許可証(乙1)
本件商標権者は,飲食店営業の許可を受けており,その店舗の営業主体は,本件商標権者である。
(2)本件商標権者の店舗を撮影した書面(乙2)
ア 使用日時及び使用場所
本件商標権者の店舗を撮影した写真は,撮影日が2018年(平成30年)10月10日であり,当該書証には,同月11日の確定日付が付されている。
イ 本件商標の使用
店舗の看板等に「清左衛門」と表示されており,これは本件商標と同一である。
ウ 飲食物の提供の実施
本件商標権者の店舗にて,野菜スープが提供され,おにぎり等とともに店内にて飲食可能であり,同店舗において「飲食物の提供」が実施されている。
エ まとめ
以上のとおり,本件商標権者は,平成30年10月10日,店舗において,本件商標を掲示しながら,イートインの野菜スープを提供する等の飲食物の提供を行っていた。
(3)本件商標権者の店舗が紹介されているFacebookのページ(乙3)
ア 本件商標権者の店舗では,一部の客から,おにぎりやお惣菜を店内で食べたいという要望があったため,以前から店内にプチイートインスペースを設けて要望に応じていた(乙3の1)。
イ 上記の通り,本件商標権者は,平成30年10月から,おにぎりや惣菜等と一緒に食せる「野菜スープ」の提供を開始した(乙3の2,乙3の3)。
そして,本件商標権者の店舗においては,イートインスペースによる飲食物の提供が継続的に行われている。
(4)顧客管理システムのスクリーンショット(乙4)
本件商標権者は,レジの販売履歴を顧客管理システムに連携させて保存している。
顧客管理画面から分かるとおり,平成30年10月から11月にかけて,本件商標権者の店内にて「野菜スープ」が提供されており,同店舗においてイートインスペースによる飲食物の提供が継続的に行われている。
(5)本件商標権者の代表者作成の陳述書(乙5)
本件商標権者の代表者は,店舗における,飲食物の提供の経緯等を陳述する。
2 小括
以上のとおり,本件商標権者は,遅くとも平成30年10月から,本件商標を使用した同人の店舗において,飲食物の提供を行っている。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者について
本件商標権者は,兵庫県西宮市に店舗を構え,同店舗において,つくだ煮,煮豆,お茶漬け向け具材,総菜,おにぎり等を販売している(乙2,乙5)。
また,本件商標権者は,平成25年9月4日付けで西宮市より「飲食店営業」についての許可を受けており,当該許可の有効期限は平成31年(令和元年)11月30日である(乙1)。
(2)本件商標権者の店舗について
ア 本件商標権者の店舗の入り口には,「清左衛門」と毛筆体様の文字で表示されている横書きの看板が掲示されている(乙2。以下,当該清左衛門の文字を「本件使用商標」ということがある。)
イ 本件商標権者の店舗の内部には,テーブルと椅子が設置されており,その店舗前に設置された看板及び店舗内部にある「有機野菜のスープ」に係るプレートには「イートイン」の文字が記載されている(乙2)。
ウ 上記ア及びイを示す店舗の写真は,2018年(平成30年)10月10日に撮影された(乙2)。
(3)本件商標権者の顧客による店舗の利用について
2018(平成30年)10月27日及び同年11月3日付けのSNSの記事には,顧客が,本件商標権者の店舗内のイートインスペースを利用した旨の記載がある(乙3の2,乙3の3)。
2 判断
上記1において認定した事実によれば,以下のように判断できる。
(1)本件使用商標について
本件商標は,上記第1のとおり「清左衛門」の文字を標準文字で表してなり,本件使用商標は,上記1(2)のとおり「清左衛門」の文字を毛筆体様で表示しているから,両商標は,字体が異なるものの,いずれも同一の文字(清左衛門)を表してなるものであるため,本件使用商標は,本件商標と社会通念上同一と認められる。
(2)本件使用商標の使用者について
本件使用商標に係る看板は,本件商標権者の店舗に掲示されていることから,本件使用商標の使用者は本件商標権者である。
(3)使用役務及び使用時期について
本件商標権者は,平成25年9月4日付けで飲食店営業の許可を受けて,要証期間内である2018年(平成30年)10月10日時点において,本件商標権者の店舗内にはイートインスペース(テーブル,椅子)を設けており,同月27日及び同年11月3日の数日以内にそのイートインスペースを利用した顧客もいることが認められる。
そうすると,本件商標権者は,要証期間内に,本件審判の請求に係る指定役務である「飲食物の提供」を行っているといえる。
(4)小括
上記によれば,本件商標権者は,要証期間内に,日本国内において,本件審判の請求に係る指定役務である第43類「飲食物の提供」を行う店舗において,本件商標と社会通念上同一と認められる本件使用商標を付した看板を掲示したと認められる。
そして,上記使用行為は,商標法第2条第3項第8号にいう役務に関する広告に標章を付して展示する行為に該当する。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標権者が,その請求に係る指定役務について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明した。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲
別掲
本件使用商標(色彩は乙第2号証を参照。)



審理終結日 2020-06-02 
結審通知日 2020-06-04 
審決日 2020-06-23 
出願番号 商願2015-57845(T2015-57845) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (W43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田崎 麻理恵 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 大森 友子
阿曾 裕樹
登録日 2015-12-18 
登録番号 商標登録第5814116号(T5814116) 
商標の称呼 セーザエモン、キヨザエモン 
代理人 速見 禎祥 
代理人 石田 知里 
代理人 大橋 剛之 
代理人 岩坪 哲 
代理人 狩野 彰 
代理人 古谷 史旺 
代理人 河田 良夫 

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