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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W2930
審判 査定不服 観念類似 登録しない W2930
審判 査定不服 外観類似 登録しない W2930
管理番号 1365098 
審判番号 不服2020-713 
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-01-18 
確定日 2020-07-27 
事件の表示 商願2017- 72856拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,別掲2のとおりの商品を指定商品として,平成29年5月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下に掲げるとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4565105号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成13年7月4日登録出願,第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として,同14年5月10日に設定登録されたものである。
(2)登録第4565106号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成13年7月4日登録出願,第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として,同14年5月10日に設定登録されたものである。
以下,引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,赤色の9つの楕円形を横3列,縦3列に並べ,左側と下側を若干削った図形(以下「図形部分」という。)の右側に,「ダイショー」の文字を赤色の太文字(以下「文字部分」という。)で書してなるところ,その構成中,「ダイショー」の文字は,辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを想起させることのない,一種の造語として理解されるものであるから,当該文字部分からは,「ダイショー」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
一方,図形部分は,我が国において特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないことから,該図形部分からは,特定の称呼及び観念は生じないものである。
そして,本願商標は,その構成上,図形部分と文字部分とは,間隔をあけて表記されており,それぞれが視覚上分離して看取されるものであって,図形部分と文字部分とが,観念的に密接な関連性を有しているとは考え難いし,一連一体となった何らかしらの称呼が生じるともいえない。また,図形部分及び文字部分は,指定商品との関係で,当該商品の品質等を表すものともいえない上,このほかに各部分が単独では出所識別機能を有しないと認めるに足りる的確な証拠も見あたらない。
これらの事情を総合すると,図形部分及び文字部分は,これを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認めることはできない。
そうすると,本願商標は,その構成中の図形部分と文字部分とが,それぞれ独立して,取引者,需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえるから,文字部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって,本願商標は,その構成中,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「ダイショー」の文字部分に相応して,「ダイショー」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標1及び引用商標2は,別掲3のとおり,2文字目の「A」及び3文字目の「I」の上部を尖らせ,6文字目の「o」の文字には白色の斜め線を施した「DAIsyo」の文字を横書きしてからなるところ,当該文字は辞書等に掲載のないものであって,特定の意味合いを想起させることのない,一種の造語として理解されるものである。そして,特定の語義を有しない欧文字からなる商標については,我が国において広く親しまれているローマ字風又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから,引用商標は,その構成文字に相応して「ダイショー」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標の構成中の「ダイショー」の文字部分と引用商標とを比較すると,外観においては,構成文字の種類,数,書体及び色彩において異なるものである。
次に,称呼においては,両者は共に「ダイショー」の称呼を生じるものであるから,称呼上,両者は同一である。
そして,観念においては,両者は,特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができないものである。
以上からすると,本願商標と引用商標とは,外観においては,両者は,文字の種類が片仮名と欧文字とで異なり色彩が相違するものであるが,称呼においては,本願商標と引用商標から生ずる「ダイショー」の称呼を共通にするものであり,また,観念においては,両者は,いずれも特定の観念を生じないから,比較することができないものである。
そして,商標の使用においては,商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で片仮名及びローマ字を相互に変換して表記したり,デザイン化したりすることが一般的に行われている取引の実情があることに加え,特定の観念を有しない文字商標においては,観念において商標を記憶できず,称呼において記憶し,これを頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当である。
以上によれば,本願商標と引用商標は,その外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合し,上記取引の実情を考慮すると,両者の外観が相違し,観念において比較できないとしても,これが,取引上必要な役割を果たす称呼についての共通性を凌駕するほどには顕著なものとは認められないものであるから,両者は商品の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
したがって,本願商標と引用商標とは,互いに紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品は,引用商標1及び引用商標2の指定商品とは,その需要者,用途,販売場所,流通経路等を共通にするものであり,同一又は類似の商品といえるものである。
オ 小括
本願商標と引用商標とは,互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,YouTubeに掲載されている請求人の過去のCM映像1)ないし4)(以下まとめて「CM映像」という。)を示し,その映像の終盤において,本願商標の図形部分が表記されたあとに,「ダイショー」の音が流れ,文字部分が一体的に結合されることを挙げ,需要者・取引者が「ダイショー」と聴き取ると,事業内容と図形部分が瞬間的に,あるいは連想的に結合できるほど不可分な標章である旨述べている。
また,請求人は,原審において,資料1ないし資料3,及び参考資料1ないし参考資料5を示すとともに,当審において,参考資料1及び参考資料2を示し,長年の企業努力によって,本願商標は周知なものとなるとともに,図形部分にも観念が生じており,これによって請求人の事業内容と一体化した観念が生じている旨を述べ,本願商標はその構成中の図形部分と文字部分が不可分一体のものであるから,本願商標の構成中文字部分だけを分離,抽出して引用商標と比較するべきではない旨を主張している。
しかしながら,請求人の示すCM映像において表示される商標は,動きや音を伴って表示されるものである一方,本願商標はそのような商標ではなく,図形と文字とが結合した態様のものである。また,請求人が提出している原審における資料1ないし資料3,参考資料1ないし参考資料5,当審における参考資料1及び参考資料2によれば,請求人のロゴマークへの想いが記載され,請求人が2019年度に九州・沖縄・中国地方を中心に数多くのCM放送の実績及びCM放送の予定があったことは確認できるものの,本願商標がいつから継続的に使用されていたのか,本願商標が付された商品の販売数,売上高,市場シェアなどの販売実績及びCMにおける商標の使用態様は不明であり,本願商標が取引者,需要者にどの程度認識されたものであるかも不明であることに加え,本願商標に接する需要者,取引者が,本願商標の図形部分と文字部分とを不可分一体のものと認識しているかどうかについては,具体的な立証がなく,図形部分から請求人の事業内容と一体化した観念が生じるとする,具体的な立証もない。
したがって,請求人の上記主張を採用することはできない。
イ 請求人は,当審における参考資料3及び参考資料4を示し,請求人と引用商標権者とでは,「事業形態の相違から,同一又は類似の指定商品に接する取引者・需要者等は異なっている。需要者を仔細にみると,請求人の取引者・需要者において,一般消費者は店舗又は通販で直接商品を買い受け,家庭で食する物流が主であるが,一方引用商標の権利者の一般消費者は,居酒屋等にデリバリーされた商品(居酒屋等が直接買い受けた商品)をそのお店に足を運び食する形態の事業モデルであり,形式的な称呼の類似性があったとしても,これらの取引実情を鑑みるに,商品の出所について誤認混同を生じるおそれがあるとはいえない。」旨を主張している。
しかしながら,請求人の主張は,請求人が現在使用している限定された商品,限定された業態における事情を述べるものであるところ,商標の類否判断に当たり考慮すべき取引の実情は,当該商標が現に,当該指定商品に使用されている特殊的,限定的な実情に限定して理解されるべきではなく,当該指定商品についてのより一般的,恒常的な実情を指すものである(昭和47年(行ツ)第33号 昭和49年4月25日最高裁判所第一小法廷判決)と解されるところ,申立人の主張に係る取引の実情は,商標の類否判断に考慮すべき一般的,恒常的な実情ということはできないから,本件商標の上記判断が左右されるものではない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 本願商標(色彩は原本参照。)


別掲2 本願の指定商品
第29類「食用油脂,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,鍋スープのもと,カレー・シチュー又はスープのもと,食肉とスープよりなる鍋料理用詰め合わせ材料,食用魚介類(生きているものを除く。)とスープよりなる鍋料理用詰め合わせ材料,肉製品とスープよりなる鍋料理用詰め合わせ材料,加工水産物とスープよりなる鍋料理用詰め合わせ材料,加工野菜とスープよりなる鍋料理用詰め合わせ材料,豆腐とスープよりなる鍋料理用詰め合わせ材料,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」
第30類「家庭用食肉軟化剤,茶,菓子,パン,調味料,鍋物用のだしつゆ,鍋物用調味液,スープ状の鍋用のつゆ,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,酒かす」

別掲3 引用商標1及び引用商標2



審理終結日 2020-05-11 
結審通知日 2020-05-15 
審決日 2020-06-02 
出願番号 商願2017-72856(T2017-72856) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W2930)
T 1 8・ 262- Z (W2930)
T 1 8・ 263- Z (W2930)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 守屋 友宏駒井 芳子上山 達也馬場 秀敏 
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 平澤 芳行
須田 亮一
商標の称呼 ダイショー 
代理人 本夛 伸介 
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