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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W36
審判 全部申立て  登録を維持 W36
管理番号 1364234 
異議申立番号 異議2019-900354 
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-12-06 
確定日 2020-07-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第6179676号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6179676号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6179676商標(以下「本件商標」という。)は、「代用貸株」の漢字を標準文字で表してなり、平成30年10月2日に登録出願、第36類「有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,有価証券の募集又は売出しに関する情報の提供,株式市況に関する情報の提供,金融・財務分析,金融又は財務に関する助言,金融商品・株オプション及び他の金融派生商品のオンラインによる取引,オンラインによる金融又は財務取引,ウェブサイト経由による金融又は財務に関する情報の提供,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,有価証券の貸付けの媒介・取次ぎ又は代理,資金の貸付けに関する情報の提供,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,商品代金の徴収の代行,商品市場における先物取引の受託,信用購入あっせん,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,税務相談・税務代理に関する情報の提供,慈善のための募金」を指定役務として、令和元年8月27に登録査定、同年9月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)本件商標の構成
本件商標は、「代用貸株」の漢字4文字により構成され、第36類の役務を指定役務とするものであるが、「代用」の語も「貸株」の語も証券業界では日常的に使用される用語であり、これらの組み合わせからなる「代用貸株」の語は、証券業界において「株式等の売買,株式等の貸付けの媒介・取次ぎ又は代理,株式の貸付けに関する情報の提供」等のサービスを表すものとして、直ちにその内容を直感する語であり、商標として識別力を欠くものである。
よって、かかる商標につき、特定の証券会社に独占使用を認めることは、証券業界取引の安全を阻害し、業界の共通の利益を阻害するものといわなければならず、商標として独占使用を認める適格性を欠くものといわねばならない。
(2)本件商標の識別性について
ア 「代用」の語は、「他のものにかえて使用すること」(甲2)、「その物の代わりに用いること」(甲3)等の一般的な意味が説明され、その後に、必ず、その使用例の説明として、「代用証券」、「代用有価証券」の語が引き合いに出されている。
この「代用証券」、「代用有価証券」は、信用取引などで委託証拠金の代わりに預託される有価証券(株式等)のことをいい、証券業界では、「代用」といえば、直ちに「代用証券」、「代用有価証券」等が想起されるほど、日常的に使用される用語である。
イ 「貸株」の用語は、「信用取引において、証券会社が売方顧客に対して貸し付ける株式のこと」(甲4)であり、「貸株」や「貸株サービス」といった用語は、証券業界での一般用語である。
ウ 「代用貸株」の用語について
証券業界が提供する新たなサービスとして2008年2月(カブドットコム証券、現在は、AUカブコム証券)、2008年4月(SBI証券)から始められた「株式の貸付」がある。
本件商標権者は、2018年10月4日付けのホームページにおいて、「信用保証金代用有価証券を貸付する『代用貸株』を提供開始」と記載しているが、本件商標権者が「代用貸株」の名称の下に提供しようとするサービスは、つまるところ、顧客が所有する「株式」について、証券会社に対し「貸付の申し込み」を行った場合、証券会社がこれを借り受け、機関投資家等に対し、当該借り受けた株式の「貸付」を行い、当該機関投資家等から得た貸株料の全部又は一部を顧客に「貸株料」として支払うサービスである。
この、「代用有価証券」には、「株式、ETF、REIT」等があり、「株式」は、その代表的なものである。
したがって、証券会社による「代用有価証券を貸与」といった場合には、直ちに、証券会社が行う「株式の貸付」サービスを連想されるものといってよい。
また、「貸株」の語は、証券業界での一般用語であることは明らかである(甲4)。
「代用」の語は、証券業界では取引上用いる日常用語である。
しかるところ、本件商標は、この「代用」の語と、証券会社が提供する貸株サービスにおける「貸株」の語とを結合したにすぎないものであり、自他役務識別力を欠き、「株式の貸付」サービス以外の役務について用いられるときは、サービスの内容の誤認を生じるおそれがある。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 本件商標は、上記1のとおり、「代用貸株」の文字を標準文字で表してなるものである。
イ 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(ア)「代用」の語は、「他のものにかえて使用すること」、「その物の代わりに用いること」(甲2、甲3)の意味を有し、その使用例として、「【代用証券】信用取引等において委託証拠金の代りに預託される有価証券」(甲2)、また、「【代用有価証券】信用取引などで委託証拠金の代わりに預託される有価証券。国際証券・地方債証券・株式など。代用証券。」(甲3)と説明されている。
(イ)野村證券株式会社のホームページ上の「証券用語解説集」において、「貸株(かしかぶ)」の語は、「信用取引において、証券会社が売方顧客に対して貸し付ける株式のこと。」(甲4)と説明され、「貸株サービスとは」という表題の下、「投資家が、保有している株券等を証券会社に貸し出すことで、証券会社からこれに見合う貸株金利を受け取ることができるサービスです。」旨説明され、「代用有価証券の貸株利用」の項には、「信用取引の委託保証金や先物・オプション取引の取引証拠金の代用有価証券も、以下の二つの方法により、保証金等として活用しながら(委託保証金・取引証拠金の評価額を減少させることなく)貸株にも利用することができます。」と説明されている(甲4)。
(ウ)申立人は、2019年12月25日付けの「陳述書」(甲5)において、「代用貸株」の用語は、2018年5月に東京証券取引所株式部が「代用有価証券の貸株利用」について複数の証券会社に対する訪問説明時に用いた資料に「顧客が証券会社に差し入れた代用有価証券を貸株するサービス(以下(代用貸株)という。)」との記載がある旨陳述しているが、当該説明に用いられた文書においてのみ言い換えているものであって、ほかに証券業界において一般に「代用貸株」の語が使用されている事実は見いだせない。
また、2019年8月19日打ち出しの本件商標権者のホームページ(甲6)には、「代用貸株(代用貸付制度)」、「カブコムの代用貸株」等の表示があり、「代用貸株」についての説明があるが、本件商標の登録出願後の本件商標権者に係る使用である。
(エ)以上からすると、証券業界において、「代用有価証券」、「貸株」及び「貸株サービス」の語が使用されていることは認められるものの、申立人提出の証拠によっては、「代用貸株」の文字が、「株式の貸付」等の役務の質を表示するものとして一般的に用いられている事実、並びに申立人が主張するような意味合いを想起、認識させることを認め得る証左は見いだせず、また、当該文字が、申立人が主張するような意味合いを表すものとして、本件商標の指定役務を取り扱う業界において、一般に使用されていると認め得る証左、及び取引者、需要者が認識するというべき事情も見いだせない。
ウ 小括
そうすると、「代用貸株」の文字からなる本件商標を、例えば「有価証券の貸付け」等の役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、特定の意味合いを想起、認識させることのないものであり、当該役務の具体的な質などを表示するものでなく、自他役務識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
エ なお、申立人は、「代用貸株」の語の最初の使用は、本件商標の登録出願の5か月前に、東京証券取引所が複数の証券会社に対し、「株式の貸付」サービスの仕組みを説明する資料において用いられた用語である旨主張している。
しかしながら、前述のとおり、証券業界において、「代用貸株」の語が「株式の貸付」サービスを表すものと定義付けられている証拠もなく、かかる意味合いで一般に使用されているというような事情も見いだせないことからすれば、たとえ当該資料において「代用貸株」の語が使用されたとしても、そのことをもって、直ちに証券業界において一般的に使用されているともいい難く、申立人のかかる主張は採用することはできない。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、上記(1)のとおり、「有価証券の貸付け」等の役務の質を具体的に表示するものでないから、これをその指定役務中「有価証券の貸付け」に関する役務以外の役務に使用しても、役務の質の誤認を生ずるおそれのないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同法第3条及び第4条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
異議決定日 2020-07-02 
出願番号 商願2018-124321(T2018-124321) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W36)
T 1 651・ 13- Y (W36)
最終処分 維持 
前審関与審査官 滝口 裕子高橋 梨理子 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 鈴木 雅也
冨澤 美加
登録日 2019-09-13 
登録番号 商標登録第6179676号(T6179676) 
権利者 auカブコム証券株式会社
商標の称呼 ダイヨーカシカブ 
代理人 橋本 良樹 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 幡 茂良 
代理人 小出 俊實 
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