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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W18
審判 全部申立て  登録を維持 W18
管理番号 1364226 
異議申立番号 異議2019-900332 
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-11-15 
確定日 2020-07-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6174005号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6174005号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6174005号商標(以下、「本件商標」という。)は、「NORA RICCI」の欧文字を標準文字で表してなり、平成30年6月5日に登録出願、第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,毛皮」を指定商品として、令和元年7月12日に登録査定され、同年8月23日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれも現在有効に存続しているものである。
(1)国際登録第1192240号商標(以下、「引用商標1」という。)
商標の態様 STEFANO RICCI(別掲1のとおり)
指定商品及び指定役務 第3類、第8類、第9類、第11類、第12類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類ないし第26類、第33類ないし第35類、第37類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務
国際商標登録出願日 2013年(平成25年)8月5日
優先権主張 Italy 2013年2月20日
設定登録日 平成27年11月27日
(2)登録第4095296号商標(以下、「引用商標2」という。)
商標の態様 STEFANO RICCI(別掲2のとおり)
指定商品 第3類に属する商標登録簿に記載の商品
登録出願日 平成7年12月11日
設定登録日 平成9年12月19日
(3)登録第4206393号商標(以下、「引用商標3」という。)
商標の態様 STEFANO RICCI(別掲2のとおり)
指定商品 第18類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成7年12月11日
設定登録日 平成10年10月30日

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の3の規定により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第29号証(枝番号を含む。)を提出した(以下、証拠については、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。)。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標の指定商品及び指定役務の比較
本件商標と引用商標の指定商品について比較すると、「愛玩動物用被服」は、引用商標1の第21類及び引用商標3の第18類の指定商品と同一又は類似する。「かばん類,袋物」は、引用商標1における第18類の指定商品及び第35類の指定役務並びに引用商標3の第18類の指定商品と同一又は類似する。「携帯用化粧道具入れ」は、引用商標1における第3類及び第21類の指定商品、引用商標2の指定商品並びに引用商標3の第18類の指定商品と同一又は類似する。「傘」は、引用商標1における第18類の指定商品及び第35類の指定役務並びに引用商標3の第18類の指定商品と同一又は類似する。「ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」は、引用商標1における第18類の指定商品及び引用商標3の第18類の指定商品と同一又は類似する。「毛皮」は、引用商標1における第18類の指定商品及び引用商標3の第18類の指定商品と同一又は類似する。
(2)本件商標と引用商標の比較
本件商標は、「NORA RICCI」の標準文字からなるところ、「NORA」の文字と「RICCI」の文字とが間隔を開けて配置されているため、本件商標からは「ノラリッチ」の他、「ノラ」及び「リッチ」の称呼が生じる。
引用商標は、何れも、「STEFANO RICCI」の文字からなる文字商標であり、「STEFANO」の語と、「RICCI」の語とを間隔を開けて表示しており、全体として称呼する場合「ステファノリッチ」という比較的冗長な称呼が生じるものであるから、需要者、取引者が、これを「STEFANO」又は「RICCI」の部分に略して「ステファノ」又は「リッチ」と称呼することも十分にあることから、引用商標からは、「ステファノリッチ」に加えて、「ステファノ」及び「リッチ」の称呼が生じる。
ここで、本件商標と引用商標とを比較すると、両者は何れも「リッチ」の称呼が生じるものであるから、両商標は同一の称呼が生じる類似商標である。
そして、上記したように、本件商標の指定商品は、何れも、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)「STEFANO RICCI」は世界的に著名な商標である
「STEFANO RICCI」は、イタリア人デザイナー、ステファノ・リッチによって、1972年にフィレンツェで創業したブランドの名称であり、ステファノ・リッチは、1987年からクラシコイタリア協会の初代会長を努め、イタリアファッション界の発展に貢献し、それらの活躍により「STEFANO RICCI」は、アメリカ・ヨーロッパを中心に世界中で高級ブランドとして地位を確立しているブランドである。
申立人会社は、「STEFANO RICCI」が、世界中で高級ブランドとして地位を確立した後も、なお、積極的に広告宣伝活動を行い、現在では、世界24カ国(トルコ3店舗、フランス2店舗、ドイツ、イタリア5店舗、スイス3店舗、イギリス、モナコ、チェコ、オーストリア、カザフスタン、アゼルバイジャン2店舗、ロシア8店舗、ウクライナ、ジョージア、アルメニア、アメリカ5店舗、カナダ、中国15店舗、インドネシア、インド2店舗、カンボジア、韓国、シンガポール、UAE店舗)まで販売店を展開している(甲29)。
また、申立人会社は、同社のホームページで公開しているように「STEFANO RICCI」のブランドを、衣料品だけでなく、食器、家具、寝具に加えて、ジュエリー、レザー製品、インテリア製品、さらにワインまで広げ、今後も様々な商品及び役務に「STEFANO RICCI」のブランドを拡大していく計画を持っており、これに連動して、「STEFANO RICCI」のブランド広告を積極的に行っている。
甲5は、2001年から2017年までの申立人の「STEFANO RICCI」のブランド宣伝広告費用を示す表であり、この表に示すように、申立人は、2015年度が225万ユーロ、2016年度が283万ユーロ、2017年度が320万ユーロと宣伝広告費用を年々増加させており、この広告費の増加に比例して、「STEFANO RICCI」の世界での著名度が上がり、様々な雑誌等で取り上げられるようになってきている。
イタリア国内の新聞雑誌に、広告だけでなく、取材記事等が取り上げられている。また、イタリア国以外の国における新聞雑誌に、広告だけでなく、取材記事などが取り上げられている。新聞雑誌等で取り上げられた記事の一部を甲6ないし甲26として提出する。甲6ないし甲26に加え、Forbesの記事を閲覧することも可能である。甲27は、申立人が所有している「STEFANO RICCI」の商標権の一覧を示すリストであり、このリストに示すように,出願人は,58カ国(イタリア,南アフリカ,トルコ,英国,サウジアラビア,カタール,日本,シンガポール,クウェート,アラブ首長国連邦,インドネシア,中国,台湾,マカオ,インド,アルゼンチン,ブラジル,ベネズエラ,米国,タイ,イラク,コロンビア,パナマ,イラン,ウガンダ,香港,フィリピン,マレーシア,メキシコ,ブルネイ,ミャンマー,パラグアイ,コソボ,ヨルダン,バージン諸島,ウルグアイ,ペルー,チリ,パラグアイ,エルサルバドル,ベリーズ,ベネズエラ,ボリビア,イエメン,アルゼンチン,エクアドル,ナイジェリア,アフリカ広域商標,パキスタン,アフガニスタン,コンゴ,リビア,マダガスカル,韓国,ドミニカ,ウクライナ,レバノン,エチオピア)の国で商標「STEFANO RICCI」に関する436件もの商標権を取得しており、さらに、「STEFANO RICCI」について41カ国の指定国を含む国際登録第767523号、78カ国の指定国を含む国際登録第1192240号及び74カ国の指定国を含む国際登録第1402542号を所有している。
さらに、甲28は、2005年から2018年4月15日までの申立人のブランド「STEFANO RICCI」に関する商品の世界での販売実績を示す表であり、この表に示すように、販売実績は年々上昇し、2017年には約9500万ユーロに達している。
上記したように、申立人は、自社ブランドである「STEFANO RICCI」の商標を世界的に著名にするために長年に亘って多くの宣伝広告を行い、多くの国で商標登録を行っている。
(2)誤認混同が生じる理由
上記したように、「STEFANO RICCI」は、世界的に著名なブランドの名称である。
これに対して、本件商標は、世界的に著名なブランドの名称である「STEFANO RICCI」の「RICCI」の部分と同一の文字を含み、しかも、標準文字であるため、デザイン的に特別な差異がなく、かかる商標が本件商標の指定商品に使用されると、需要者、取引者は、その商品があたかも世界的に著名な「STEFANO RICCI」に関連する企業等の商品であると誤認する可能性が極めて高い。
以上、本件商標は、世界的に極めて著名となっているブランド「STEFANO RICCI」と誤認混同を生じさせる可能性が高い商標であり、国際取引の観点からみても、かかる商標は早期に取り消されるべきである。
3 上記したように、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録がなされたものである。

第4 当審の判断
1 引用商標などの周知性について
申立人提出の甲各号証、同人の主張によれば、「STEFANO RICCI」の文字からなる商標が使用された商品(被服等)が販売されていることは認められるものの(甲14)、それらの商品の我が国における売上高など販売実績及び広告宣伝の事実に関する主張はなく、申立人の提出に係る「STEFANO RICCI」のブランド宣伝広告費用を示す表(甲5)及び「STEFANO RICCI」に関する世界での販売実績を示す表(甲28)にしても、その記載内容を裏付ける具体的な証拠の提出はないから、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、該商標と同じ綴りからなる引用商標は、いずれも申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
また、「STEFANO RICCI」が申立人のブランドとして、及び「RICCI」がその略称として、需要者の間に広く認識されているものと認めるに足る証左は見いだせないから、それらはいずれも需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標は、上記第1のとおり、「NORA RICCI」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成文字は同書同大でまとまりよく一体的に表され、これから生じる「ノラリッチ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、その構成中のいずれかの文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体をもって、「ノラリッチ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるものといわなければならない。
(2)他方、引用商標は、上記第2並びに別掲1及び2のとおりいずれも「STEFANO RICCI」の欧文字からなり、その構成文字は同じ書体でまとまりよく一体的に表され、これから生じる「ステファノリッチ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、引用商標は、その構成中のいずれかの文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、引用商標は、いずれもその構成文字全体をもって、「ステファノリッチ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるものといわなければならない。
(3)そこで、本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者は、外観においては語頭の「NORA」と「STEFANO」の文字の差異により、また、称呼においては語頭の「ノラ」と「ステファノ」の音の差異により、いずれも相紛れるおそれのないものであって、さらに観念においてはいずれも特定の観念を生じないものであるから比較できないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
(4)したがって、本件商標は、その指定商品中に引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似のものを含むとしても、引用商標と非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号について
上記1のとおり引用商標、申立人のブランド「STEFANO RICCI」及びその一部である「RICCI」は、申立人の業務に係る商品を表すものとして、いずれも需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
そして、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
また、本件商標と申立人のブランド「STEFANO RICCI」とは、上記2と同様の理由で非類似の商標であって別異の商標である。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標などを連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標1)

別掲2(引用商標2及び3)


異議決定日 2020-06-24 
出願番号 商願2018-74202(T2018-74202) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W18)
T 1 651・ 26- Y (W18)
最終処分 維持 
前審関与審査官 吉岡 めぐみ 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 木村 一弘
板谷 玲子
登録日 2019-08-23 
登録番号 商標登録第6174005号(T6174005) 
権利者 株式会社ジュン
商標の称呼 ノラリッチ、ノラ、リッチ 
代理人 浜野 孝雄 
代理人 八木田 智 
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