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審決分類 審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 W19
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W19
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W19
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W19
管理番号 1364171 
審判番号 不服2020-1589 
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-02-05 
確定日 2020-07-27 
事件の表示 商願2018-135994拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「GUARDIAN」の文字を標準文字で表してなり,第19類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成30年11月1日に登録出願,その後,本願の指定商品については,原審における令和元年6月16日受付の手続補正書により,第19類「土木構造物用大型コンクリートブロック」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第4861644号商標(以下「引用商標」という。)は,「ガーディアン」の片仮名と「GUARDIAN」の欧文字を上下二段に横書きしてなり,平成16年6月24日に登録出願,第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,建築用補強材料(金属製のもの)」,第19類「建築用補強材料(金属製・ガラス製・ゴム製・非金属鉱物製のものを除く)」及び第37類「建築工事に関する助言,木造住宅の修理又は保守又は補強工事」を指定商品及び指定役務として同17年4月28日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。

3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は,本願商標と引用商標とは,「ガーディアン」の称呼及び「保護者」との観念を共通にするものであり,また外観についても,本願商標と引用商標中の「GUARDIAN」の文字とは,その綴り字を共通にするものであり,近似した印象を与えるから,互いに類似する商標というべきであり,かつ,本願に係る指定商品は,引用商標に係る指定商品とは類似のものである。したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。

4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,「GUARDIAN」の文字を標準文字で表してなるものであるところ,当該文字は,「保護者」(小学館 プログレッシブ英和中辞典)の意味を有する英語として知られているものであるから,本願商標は,構成文字に相応して,「ガーディアン」の称呼及び「保護者」程の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は,「ガーディアン」の片仮名と「GUARDIAN」の欧文字を上下二段に横書きしてなるものであるところ,上段の片仮名は,下段の欧文字の読みを表したものと無理なく把握させるものであるから,その構成文字に相応して,「ガーディアン」の称呼を生じるものである。
そして,引用商標を構成する「ガーディアン」及び「GUARDIAN」の各文字は,上記(1)のとおり,「保護者」(前掲書)の意味を有する英語として知られているものであるから,引用商標は,構成文字に相応して,「ガーディアン」の称呼及び「保護者」程の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
ア 本願商標と引用商標との類否について検討すると,両者は,外観において,その構成全体としては相違するものの,本願商標と引用商標の「GUARDIAN」の文字部分を比較すると,同じ文字種(欧文字)であり,両者はつづりを同一にするから,外観上,互いに近似した印象を与えるものといえる。
イ 称呼においては,本願商標と引用商標からは,ともに「ガーディアン」の称呼を生じるものであるから,称呼上,両者はその称呼を共通にするものである。
ウ 観念においては,本願商標と引用商標からは,ともに「保護者」程の観念を生じるものであるから,観念上,両者はその観念を共通にするものである。
エ 以上によれば,両者は,外観において,それぞれの構成全体としては相違するものの,本願商標と引用商標の「GUARDIAN」の文字部分とは,互いに近似した印象を与えること,そして,「ガーディアン」の称呼及び「保護者」程の観念を共通にすることから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,全体的に考察すれば,両者は,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否
ア 本願指定商品である第19類「土木構造物用大型コンクリートブロック」と,引用商標の指定商品中,第19類「建築用補強材料(金属製・ガラス製・ゴム製・非金属鉱物製のものを除く)」(以下「引用指定商品」という。)が類似する商品であるか否かについて,以下検討する。
本願指定商品は,たとえば,擁壁等の土留め構造物,海岸堤防等の海岸構造物,護岸等の河川構造物等の土木構造物に用いるためのコンクリート製の角塊であり,大型のものを指す。専ら,道路,鉄道,河川,橋梁,港湾などを造る土木工事を行う際に用いられるものであるため,地方公共団体などの行政機関や土木工事の請負業者が主な取引者,需要者であり,主として,対象となる土木構造物に合わせて受注生産するものである(審判請求書の主張及び株式会社小学館 大辞泉第一版<増補・新装版>【土木】の項を参照。)。
他方,引用指定商品の上位概念である「建築用補強材料」は,たとえば,木造住宅などの建築物を構成する各部材の強度,剛性を高めるために用いる各種の部品や材料である。
「建築用補強材料」には,一般に,セメントを材料とするコンクリートを使用する部品や材料も含まれるものの,引用指定商品は,その一部の商品が除外されているものであり,そのうちの「非金属鉱物製のもの」について,日本標準商品分類(総務省)によれば,「非金属鉱物製」とされる商品は「セメント及びセメント関連製品」を含む概念であり,そして「セメント及びセメント関連製品」には「コンクリートブロック」が含まれるものとされていることよりすれば,「非金属鉱物製のもの」が除外されている引用指定商品からは,すなわち「コンクリートブロック」を含む「セメント及びその製品」及びこれに含まれるものが除かれているものと解するのが相当である(甲9)。
また,引用指定商品は,家屋などの建物の新築,増築,改築を行う建築工事に用いられる部品や材料であるため,建築工事の請負業者,建築物の所有者が,主な取引者,需要者であり,主として広く流通するものが該当する。
そうすると,本願指定商品と引用指定商品とは,生産部門,販売部門,原材料及び品質,用途又は需要者の範囲が一致するものとはいえず,完成品と部品の関係にあるものでもないから,互いに非類似の商品というべきである。
イ 本願指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務中,引用指定商品以外の商品及び役務とは,非類似の商品及び役務であることが明らかである。
ウ したがって,本願商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務とは,同一又は類似するものではない。
(5)まとめ
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似する商標であるとしても,本願商標の指定商品は引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似するものではないから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。


別掲
審決日 2020-06-30 
出願番号 商願2018-135994(T2018-135994) 
審決分類 T 1 8・ 264- WY (W19)
T 1 8・ 263- WY (W19)
T 1 8・ 261- WY (W19)
T 1 8・ 262- WY (W19)
最終処分 成立  
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 小松 里美
山根 まり子
商標の称呼 ガーディアン 
代理人 栗本 博樹 

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