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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z29
管理番号 1364086 
審判番号 取消2016-300708 
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-10-12 
確定日 2020-05-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第4595611号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4595611号商標(以下「本件商標」という。)は、「Nature’s Way」の文字と「ネイチャーズ ウェイ」の文字とを上下二段に書してなり、平成13年11月22日に登録出願、第29類「動物性エキス又は植物性エキスを主成分とする粉末状・顆粒状・粒状・錠剤状・カプセル状・液状・ゼリー状の加工食品,食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成14年8月16日に設定登録され、その後、平成24年5月15日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成28年10月26日にされたものであるから、商標法第50条第2項にいう「その審判の請求の登録前三年以内」とは、同25年10月26日ないし同28年10月25日(以下「要証期間」という場合がある。)である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第29類「動物性エキス又は植物性エキスを主成分とする粉末状・顆粒状・粒状・錠剤状・カプセル状・液状・ゼリー状の加工食品」に係る登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると主張し、その理由を審判請求書、弁駁書、口頭審理陳述要領書、平成29年6月13日付け上申書及び同30年1月19日付け回答書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第29類「動物性エキス又は植物性エキスを主成分とする粉末状・顆粒状・粒状・錠剤状・カプセル状・液状・ゼリー状の加工食品」(以下「本件請求に係る指定商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用していないから、商標法第50条第1項の規定により、その商品についての登録は取消しを免れない。
2 答弁に対する弁駁
被請求人は、乙第1号証ないし乙第10号証を提出して、自ら運営する通販サイトに「NATURE’S WAY」の文字(以下「使用商標」という場合がある。)を掲載したことをもって、本件請求に係る指定商品について、要証期間に日本国内において、本件商標の使用をしている旨主張するが、以下に述べるとおり、その提出に係る全証拠を総合しても、要証期間に本件商標を使用した事実があるとはいえない。
(1)被請求人の通販サイト
被請求人は、乙第1号証ないし乙第4号証におけるホームページの先頭に記載された「NATURE’S WAY」(使用商標)が、被請求人による本件商標の使用に相当すると主張する。
しかし、乙第1号証ないし乙第4号証をみると、使用商標は、各商品の写真付近には表示されておらず、個別の商品との関連性はない。その商品名は、それぞれ、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」、「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ」、「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド」であり、これらの名称及び「ナチュラリーノバスコシア」が、個別の商品について使用されている商標と認識されるものである。
したがって、使用商標は、個別の商品について使用されているとはいえず、被請求人が自認するように、通販サイトにおいて小売を行っている主体を示すものとして、すなわち、各商品の小売役務について使用されているとみるのが相当である。
また、乙第1号証ないし乙第4号証の各ページの右下にある「2016/11/23」の記載から、これらが本件審判の請求の登録後である平成28年11月23日に印刷されたことは明らかであるから、そのホームページ(乙1?乙4)が要証期間に閲覧可能であったとはいえない。
(2)商品の管理画面の印刷物
被請求人は、乙第2号証ないし乙第4号証に掲載された商品に対応して、乙第5号証ないし乙第7号証を提出し、各商品が掲載されたウェブサイト(乙2?乙4)が、2014年7月4日に登録され、その後、閲覧可能になっていると主張する。
しかし、乙第5号証ないし乙第7号証については、そのうちの「掲載開始日」が閲覧可能となった日とみるのが自然であり、登録日が2014年7月4日であることをもって、同日に閲覧可能になったとはいえず、また、使用商標が掲載されていたとするウェブサイトとの関連についても、証明されていない。
さらに、管理画面の印刷物(乙5?乙7)は、被請求人が作成したものであって、容易に真実と異なる日時を表示することができるし、その内容を容易に訂正することもできる。
したがって、上記管理画面の印刷物のみをもって、使用商標が掲載された通販サイトが2014年7月4日以後に閲覧可能であったということはできない。
(3)商品の販売実績
被請求人は、乙第2号証ないし乙第4号証に掲載された商品に対応して、乙第8号証ないし乙第10号証を提出し、各商品の販売実績を表で示している。
しかし、乙第8号証ないし乙第10号証からは、被請求人が上記各商品を継続して販売していたことはうかがえても、各商品について、本件商標が上記表中の期間(2014年7月から2016年10月までの間)に使用されていた事実は証明されていない。
また、上記表は、被請求人が作成したものであって、容易に真実と異なる日時を表示することができるし、その内容を容易に訂正することもできる。
したがって、本件商標が要証期間に使用されていたことは、証明されていない。
(4)被請求人が販売する商品
仮に、使用商標が要証期間に被請求人が運営する通販サイトに掲載されていたとしても、これは、本件請求に係る指定商品について使用されたものではない。
すなわち、「エキス」とは、「薬物または肉・骨・植物などの有効成分を水・アルコールなどに溶かし出して濃縮したもの」をいうところ(甲3)、乙第2号証ないし乙第4号証に掲載されている商品は、その商品説明文中に、動物性エキス又は植物性エキスである動物又は植物の有効成分を水・アルコールなどに溶かし出して濃縮したものを主成分とすることを示す記載が一切ない。
そして、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」(乙2)は、その説明文中の「ベリーの爽やかな酸味と軽やかな甘さのスムージー」、「ハーブとフルーツが中心の自然由来100%特別ジュース」の記載によれば、第32類「果実飲料」に属するものであり、「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ」(乙3)は、その説明文中の「一般的な青汁とは、次の日の爽快感が違います。」の記載によれば、第32類「飲料用野菜ジュース」に属するものであり、「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド」(乙4)は、その説明文の記載によれば、ビルベリーを主成分とした粉末状の果実飲料であり、第32類「果実飲料」に属するものである。
3 口頭審理陳述要領書
(1)被請求人が本件商標を使用していると主張する商品について
被請求人の主張に係る「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」については、食品表示法が適用されるところ、同法第4条第1項は、「内閣総理大臣は、内閣府令で、食品及び食品関連事業者等の区分ごとに、次に掲げる事項のうち当該区分に属する食品を消費者が安全に摂取し、及び自主的かつ合理的に選択するために必要と認められる事項を内容とする販売の用に供する食品に関する表示の基準を定めなければならない。」と定めており、これを受けて、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第3条は、食品関連事業者が容器包装に入れられた加工食品を販売する際に表示すべき事項及び方法を定めている(甲4)。
そこで、被請求人が本件商標を使用していると主張する商品が、「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」に該当するか否かについて、当該商品の包装に印刷された表示に基づいて、以下検討する。
ア 「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」について
(ア)食品表示基準第3条第1項は、加工食品の名称として、その内容を表す一般的な名称を表示することとしており、また、使用した原材料を次のように表示することとしている(甲4)。
a 原材料に占める重量の割合の多いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示する。
b 2種類以上の原材料からなる原材料(以下「複合原材料」という。)を使用する場合については、当該原材料を次に定めるところにより表示する。
複合原材料の名称の次に括弧を付して、当該複合原材料の原材料を当該複合原材料の原材料に占める重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示する。
(イ)「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」についてみると、乙第20号証に記載された「原材料名」に「ハーブ(チーア種子、パイナップル、ブラックカラント(カシス)、有機ワイルドブルーベリー、・・・、レッドラズベリー)」と記載されていることから、当該商品は、複合原材料である「ハーブ」を使用し、その原材料は、「チーア種子、パイナップル、ブラックカラント(カシス)、有機ワイルドブルーベリー、・・・」の順に重量の割合が高いことを示している。
他方、本件請求に係る指定商品は、「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」を含むところ、当該商品に係る「エキス」とは、既述のとおり、「薬物または肉・骨・植物などの有効成分を水・アルコールなどに溶かし出して濃縮したもの」をいう(甲3)。
そして、上記商品の複合原材料である「ハーブ」は、「薬草、香味料とする草の総称」をいう(広辞苑第6版)が、その語自体が、上記製造工程を示唆するものではなく、また、複合原材料中の原材料の記載として、「濃縮ブルーベリー」、「濃縮ラズベリー」、「濃縮緑茶」があるが、「濃縮」の方法には、高温で加熱し水分を蒸発させる「煮沸濃縮」、フリーズドライと同じ原理で、低温化(審決注:「低温下」の誤記と認める。)で減圧し真空状態で水分を蒸発させる「真空濃縮」、含まれる水分を凍結させ、氷の結晶を分離して取り出す「凍結濃縮」等、種々のものがあり(甲5)、「有効成分を水・アルコールなどに溶かし出し」たものとは限らない。
さらに、仮に、「濃縮ブルーベリー」等が有効成分を水・アルコールなどに溶かし出す方法で製造されたとしても、上記商品の原材料に占める割合は不明であるから、これをもって、当該商品が「植物性エキスを主成分とする」とはいえない。
そうすると、上記商品の包装に表示された原材料名から、その商品の主成分が「植物性エキス」であると認識することはできないから、乙第2号証及び乙第20号証をもって、当該商品が本件請求に係る指定商品中の「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」の範ちゅうに属する商品であると証明したものとはいえない。
イ 「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ」及び「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド」について
上述のとおり、被請求人が本件商標を使用していると主張する商品が、「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」に該当するか否かについては、当該商品の包装に印刷された表示に基づいて判断するのが相当であるところ、「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ」及び「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド」については、いずれも包装に印刷された表示が証拠として提出されていない。
そうすると、被請求人は、上記各商品が、それぞれ本件請求に係る指定商品中の「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」の範ちゅうに属する商品であると証明したとはいえない。
また、仮に、上記各商品の原材料が被請求人のウェブサイト(乙3、乙4)に記載されている「配合成分」のとおりであったとしても、商品の原材料に占める重量の割合、製造工程等が不明であるから、当該各商品が「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」であるということはできない。
(2)被請求人のウェブサイトが閲覧可能であったことを証明する書面について
ア 被請求人は、インターネット・アーカイブ社が、同社のウェブサイト上に記録及び保存している被請求人のウェブページを印刷したもの(乙11?乙16)を提出しつつ、不使用取消審判において、同社のウェブサイトに保存されているウェブページの印刷物に登録商標の使用した日付を立証する能力があることを認めた審決例(取消2009-300510)を挙げている。
しかし、上記審判事件において提出された証拠は、本件とは異なり、その事件の被請求人ではなく、第三者のウェブページを印刷したものであって、審決では、他の事実「を併せみれば、コムネットは、・・・CADソフトウェアについて、広告していたと推認して差し支えないものと認められる。」と判断している。
イ 被請求人は、乙第8号証ないし乙第10号証を提出して、これらには各商品の販売実績が示されており、その販売の事実は、サイト上で当該商品の広告が掲載されていたことに対する間接的な証拠である旨主張する。
しかし、上記各商品が販売されたからといって、被請求人のウェブサイト上で本件商標が使用されていたことには限られないから、乙第8号証ないし乙第10号証は、そこに実績として示された期間(2014年7月から2016年10月までの間)に、本件商標が使用されていた事実を証明していない。
また、上記販売実績を示すもの(乙8?乙10)は、被請求人が作成したものであって、容易に真実と異なる日時を表示することができるし、その内容を容易に訂正することもできる。
したがって、本件のように、インターネット・アーカイブ社のウェブサイトに保存されているウェブページの印刷物以外に当該ウェブページの閲覧可能時期を直接証明するものがない場合、当該印刷物に登録商標を使用した日付を立証する能力があるとはいえない。
なお、インターネット・アーカイブ社の利用規約には、「インターネット・アーカイブ社は、ウェブページその他のデジタルコンテンツのコレクションの正確性、最新性、完全性、信頼性又は有用性について何ら保証又は表明をしない」と記載されており(甲6)、また、知財高裁は、平成18年(行ケ)第10358号に係る平成19年3月26日判決において、インターネット・アーカイブ社に保存されているウェブページの印刷物について、証明力を否定している。
(3)小括
上記(1)及び(2)によれば、被請求人が新たに提出した証拠(乙11?乙19)も、本件商標を使用した事実を認めるに足りるものではない。
4 平成29年6月13日付け上申書
(1)被請求人は、乙第8号証ないし乙第10号証の販売実績表に記載されている者が本件商標の使用に係る被請求人のウェブサイトを通じて該当する商品の注文をしたことが明確になる証拠(既に提出している乙第8号証ないし乙第10号証を差し替えるもの)として、乙第8号証の1、乙第8号証の2、乙第9号証及び乙第10号証を提出しているところ、これらの書類は、いずれも被請求人の社員の作成によるものであって、事実を確認できる公的な書類ではなく、かつ、購入者が作成に関わった取引書類でもないため、実際に顧客が注文したことを証する書類としては、不十分である。
(2)被請求人が乙第2号証ないし乙第4号証に係る各サイト画面の管理情報を印刷したものとして提出した乙第5号証ないし乙第7号証において、商品の画像の情報に「ショップURL」として表示されている各URLは、乙第2号証ないし乙第4号証に表示されている各URLと一致している。
しかし、URLが一致するからといって、そのサイト全体の画面が同一不変であるとは限らず、むしろ、時間の経過に伴って、画面の構成に変更が加えられるのが通常である。すなわち、商品の画像が2014年7月4日にサーバーにアップロードされたとしても、乙第2号証ないし乙第4号証に係る各サイト画面と同一の画面が、同日に閲覧可能であったとはいえない。
そして、被請求人が提出した乙第5号証ないし乙第7号証の管理画面は、専ら乙第2号証ないし乙第4号証に係る各サイト中の商品の画像及び説明に関するものであり、通販サイトのロゴが表示された上部、商品のブランドやカテゴリ等が表示された左部を含め、サイト全体を管理する画面は、何ら提出されていない。
また、被請求人は、上記通販サイトについて、およそ通販サイトに通販会社のロゴが記載されていないこと自体が非常識なことであり、当該サイトには通販会社であることを示す自社の「NATURE’S WAY」のロゴが常に記載されている旨主張する。
しかし、被請求人の通販サイトに記載されたロゴが、本件商標と同一(社会通念上同一と認められる商標を含む)であるか否かは、個別具体的に比較検討すべきものである。ロゴを数年の間に変更して使用することは少なくないし、現に、被請求人は、乙第25号証、乙第28号証、乙第31号証及び乙第34号証に係る段ボール箱と乙第36号証に係る段ボール箱とに異なるロゴを使用しており、「段ボール箱は、デザイン等の変更がある」と自認している。
そして、通販サイトに記載されたロゴは、通販会社の社名又はその略称であるとは限らない(甲7、甲8)。
そうすると、仮に、商品「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」が2014年7月4日から通販サイトに掲載されていたとしても、画面の左上部にロゴが表示された乙第2号証に係るものと同一の画面が、同日から閲覧可能であったとは限らないし、当該ロゴが、同日から要証期間において継続的に表示されていたともいえない。
(3)乙第5号証に係る管理画面には「掲載開始日」の項目があることから、商品「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」が2014年7月4日から掲載されたのであれば、当該項目にその日付が記入されているのが自然である。
しかし、被請求人は、自己の常務取締役による陳述書(乙22)において、「通販サイトの業界では、乙第5号証にあるように、『掲載開始日』と『掲載終了日』の項目により商品の掲載期間を管理する方法があります。しかし、『掲載開始日』の登録がなくても、商品情報を登録して、乙第5号証にある『一覧画面有無(検索除外フラグ) 有り』、『詳細画面有無 有り』、『状態(掲載フラグ) 通常』に設定すると、お客様が買い物できる状態になります。」旨陳述するところ、業界一般と異なる方法により掲載期間の管理をしている理由を何ら示していない。
また、被請求人は、商品「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」について、実際に2014年7月4日に通販サイトに掲載された後、乙第8号証の1に示すように、7月の20日、26日及び27日と売り上げている旨主張するとともに、自己の常務取締役による陳述書(乙22)において、「この日付の関係性を見て常識的に考えれば、登録日以降に通販サイトで購入されたお客様は、本件商標の使用された当社の通販サイトを通じて商品を購入なさっているはずです。」旨陳述している。
しかし、上記商品の掲載開始日である2014年7月4日と、売上日の7月20日が時間的に近接しているとはいえず、掲載開始された月の注文は3件にすぎず、また、乙第8号証の1において、2014年7月20日以前のデータが省略されている可能性があり、さらに、顧客が、当該商品が掲載された別の広告媒体(上記サイト以外のもの)を見て注文した可能性も否定できない。
したがって、被請求人は、上記商品について、通販サイトへの掲載を契機として注文が入ったこと、ひいては、乙第8号証の1の販売実績表に記載されている者が本件商標の使用に係る通販サイトを通じて商品の注文をしたことを証明していない。
(4)被請求人は、乙第22号証ないし乙第37号証を提出して、登録商標について、要証期間に商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」を行っていたと主張するとともに、自己の常務取締役による陳述書(乙22)において、「当社が通販サイトを通して販売した商品は全て『NATURE’S WAY』のロゴが付された段ボールに梱包されて、お客様にヤマトロジスティックス株式会社により配送されます。」旨陳述している。
しかし、段ボール箱に表示されたロゴが、本件商標と同一(社会通念上同一と認められる商標を含む)であるか否かは、個別具体的に比較検討すべきものである。ロゴを数年の間に変更して使用することは少なくないし、現に、被請求人は、乙第25号証、乙第28号証、乙第31号証及び乙第34号証に係る段ボール箱と乙第36号証に係る段ボール箱とに異なるロゴを使用しており、「段ボール箱は、デザイン等の変更がある」と自認している。
また、乙第23号証は段ボール箱の発注書、乙第24号証はその版下、乙第25号証は実際の段ボール箱の写真とするが、いずれも被請求人が作成したものである上、乙第24号証及び乙第25号証は、作成日及び作成者も不明であって、乙第23号証に係る発注書により発注した段ボール箱と同一であるかどうか、段ボール箱が使用された時期についても証明されていない。そして、これらは、乙第26号証ないし乙第36号証についても同様である。
さらに、乙第37号証は、ヤマトロジスティックス株式会社(以下「ヤマトロジスティックス」という場合がある。)から被請求人へ宛てた請求書の写しであるが、乙第2号証ないし乙第4号証に係る各サイト中の商品の名称は記載されていない。
したがって、実際に、どの商品が、どの段ボールに、いつ包装され、購入者に配達されたのか、何ら証明されていない。
5 平成30年1月19日付け回答書
(1)被請求人は、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティプログラム」を被請求人の公式通販サイトに掲載するための管理画面の全体として、乙第39号証及び乙第40号証を提出している。
しかしながら、乙第39号証及び乙第40号証は、上記商品の管理画面の全体であっても、乙第2号証に係るサイト全体を管理するための画面ではない。すなわち、それらの証拠は、専ら商品の画像及び内容に関する表示にとどまり、乙第2号証に係るサイト上にある他の各種表示、たとえば、被請求人が使用したと主張する本件商標が表示された上部、商品のブランドやカテゴリなどが表示された左部に照応するものは見当たらない。
(2)被請求人は、自己の公式通販サイトの制作及び稼働を委託した株式会社ecbeing(以下「ecbeing社」という。)(乙42)の社員による陳述書(乙41)によれば、乙第2号証に係る画面は、当該サイトに2014年7月4日13時2分16秒より掲載されていたことは明白であり、当該画面が同日以降閲覧可能であったことは明白である旨主張する。
しかしながら、乙第41号証には、「製品をホームページに掲載するときに、添付する画面に示すように、『掲載開始日』と『登録日』との項目が存在します。」と陳述されているところ、当該陳述書には何も添付されていないから、この陳述が乙第2号証に係る画面についてのものであるか不明である。
また、商品がある時点でホームページのどこかに掲載されたことと、乙第2号証に係る画面のような特定のサイト画面が閲覧可能であったこととは、直ちに結び付くものではない。
(3)被請求人は、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」が掲載されたサイトへのアクセス記録(乙43)を提出して、乙第2号証に係る画面を被請求人の公式通販サイトへ掲載した時刻(2014年7月4日13時2分16秒)から5分31秒後に最初のアクセスがあった旨主張する。
しかしながら、上記時刻は、「乙第2号証に係る画面を被請求人の公式通販サイトに掲載した時刻」ではなく、「『ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム』をホームページに掲載した時刻」というのが相当である。
また、販売実績表(乙8の1)によると、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」を購入した者は、2014年7月から2016年9月までの間が月当たり3ないし4人(2015年5月から7月までの間は購入者無し)であり、購入しなかった者を含めても、上記公式通販サイトへの訪問者は、それほど多いとは考えられないところ、当該商品を当該サイトに掲載した直後に需要者が閲覧したというのは不自然である。
(4)被請求人は、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」が掲載されたサイトへのアクセスに係るデータ(乙43)の項目中、「セッション」とは、「ユーザーが最初にサイトにアクセスした際に、システムで発行している連番」であって、システムがユーザーを特定するための番号である旨主張するところ、そうであれば、当該データからは、被請求人の主張する「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」が掲載されている画面(乙第2号証に係る画面とは限らない。)に多くのユーザーがアクセスしたように見える。
しかしながら、多くのユーザーは、まず、商品が掲載されている画面を閲覧し、時間がたってから、商品をカートに入れ、購入するという行動をとるから、「セッション」の番号がユーザーを特定しているのであれば、時系列的に並べた場合、数字がランダムになる箇所が出てくるのが自然であるが、被請求人によれば、上記データ(乙43)中の「セッション」の数字は、連番、すなわち、連続している番号である。
したがって、「セッション」の番号によって、ユーザーが特定されるとはいえない。
また、上記サイトにアクセスしたユーザーは、(外部の者が閲覧できない)サイトの確認、保守点検のために訪れた被請求人又はサイトの運営を受託した会社の社員その他の者である可能性がある。
さらに、上記データ中の日時は、作成者が使用するコンピュータで設定した日時に依存して表示されるものであって、容易に真実と異なる日時を表示したり、訂正することができるものである上、乙第43号証及び乙第44号証が、被請求人が対価を払ってサイトの運営を委託した会社により作成されたものであることをも勘案すると、直ちに信用できるものではない。
(5)被請求人は、乙第43号証に係るデータにおいて、「30913444」の番号をもって特定されるユーザーが、2016年9月24日11時35分10秒に乙第2号証に係る画面にアクセスし、その後、同日の11時35分56秒に当該画面に係る商品を購入カートに入れ、同日の11時46分に当該商品を購入したのであり、また、乙第40号証に係るデータは2016年11月29日に更新されているところ、乙第2号証に係る画面は同月23日に更新されていることから、「30913444」の番号をもって特定されるユーザーが注文した時点では、乙第2号証に係る画面が被請求人の公式通販サイトに表示されていたことは明らかである旨主張する。
この点について、被請求人が乙第2号証に係る画面が掲載されたサイトの管理画面であると主張する乙第5号証の「更新日」の項目には、「2016/03/07 16:00:57」の表示があるから、その主張に基づくと、乙第2号証に係る画面は、2016年3月7日から同年11月29日までの間掲載されていたことになるが、当該更新日(2016年3月7日)以降、上記ユーザーの注文日(同年9月24日)以前に更新がなかったことについて、被請求人は何ら主張及び立証をしていないから、当該注文日に乙第2号証に係る画面が表示されていたとはいえない。
また、被請求人の公式通販サイトは、現在、甲第9号証に示すとおりであり、平成28年11月23日に印刷された乙第2号証に係る画面上の商標とは態様を異にする商標が表示されていることからすれば、当該サイトの画面は、頻繁に変更されているということができる。
したがって、被請求人は、自己の公式通販サイト上に、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」の注文がされた時点において、どのような画面が表示されていたか立証していない。
なお、EC(電子商取引)サイトにその運営会社の社名又はその略称である商標が表示されるとは限らないことは、上記4(2)において述べたとおりである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、審判事件答弁書、平成29年4月14日付け及び同年5月16日差出しの口頭審理陳述要領書、同年5月30日付け上申書及び同年11月21日付け回答書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第44号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
被請求人は、第29類「動物性エキス又は植物性エキスを主成分とする粉末状・顆粒状・粒状・錠剤状・カプセル状・液状・ゼリー状の加工食品」について、要証期間に日本国内において、本件商標を使用している。
具体的には、以下のとおりである。
(1)被請求人の運営する公式通販サイトについて
被請求人は、「会社概要」(乙1)に記載されているとおり、公式通販サイトを運営しており、当該サイトの1ページ目左上には、「(デザインされた)NW」の文字と、その下に「NATURE’S WAY」の文字が表示されている。
したがって、上記サイトの先頭に掲載された「NATURE’S WAY」は、被請求人による登録商標の使用に相当する。
(2)「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」について
被請求人の公式通販サイトには、商品「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」が掲載されている(乙2)ところ、当該商品は、「植物の幅広い栄養素、酵素も補うスーパーフード」と表示されているように、植物性エキスを主成分とするものであり、また、「チアシードは水を含むとゼリー状に膨らむ特性を持っていて」と表示されているように、粉末状のジュースであり、粉末状の加工食品である。
そして、上記商品に係るサイトの管理画面(乙5)によれば、当該サイトは、2014年7月4日に登録され、その後、閲覧可能となっている。
また、上記商品の2014年7月から現在までの販売実績は、乙第8号証に係る表のとおりである。
(3)「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ」について
被請求人の公式通販サイトには、商品「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ」が掲載されている(乙3)ところ、当該商品は、「植物の新芽が持つエネルギーをチャージ」と表示されているように、植物性エキスを主成分とするものであり、また、「内容量:5g×30袋」と表示されているように、粉末状の加工食品である。
そして、上記商品に係るサイトの管理画面(乙6)によれば、当該サイトは、2014年7月4日に登録され、その後、閲覧可能となっている。
また、上記商品の2014年7月から現在までの販売実績は、乙第9号証に係る表のとおりである。
(4)「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド」について
被請求人の公式通販サイトには、商品「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド」が掲載されている(乙4)ところ、当該商品は、「野生のベリー類、グレープシード、ザクロなど100%NOPオーガニック」と表示されているように、植物性エキスを主成分とするものであり、また、「内容量:5g×30袋」(審決注:「内容量3.5g×30袋」の誤記と認める。)と表示されているように、粉末状の加工食品である。
そして、上記商品に係るサイトの管理画面(乙7)によれば、当該サイトは、2014年7月4日に登録され、その後、閲覧可能となっている。
また、上記商品の2014年7月から現在までの販売実績は、乙第10号証に係る表のとおりである。
(5)小括
上記(1)ないし(4)によれば、被請求人が、「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」について、要証期間に日本国内において、「NATURE’S WAY」を使用していることは明らかである。
2 平成29年4月14日付け口頭審理陳述要領書
(1)乙第2号証ないし乙第4号証に係る各サイト画面が2014年7月4日以降閲覧可能であったことについて
被請求人は、乙第2号証ないし乙第4号証に係る各サイト画面が閲覧可能であったことを証明する新たな証拠として、インターネット・アーカイブ社が同社のウェブサイト上に記録及び保存している被請求人のウェブページを印刷したもの(乙11?乙16)を提出する。
なお、不使用取消審判において、インターネット・アーカイブ社のウェブサイトに保存されているウェブページの印刷物に登録商標の使用した日付を立証する能力があることは、例えば、取消2009-300510の審決においても認められている。
ア 乙第11号証は、乙第2号証に示されたURLと同一のURLに係るウェブサイトについて電子保存された日時が明記された画面であり、その画面上には、インターネット・アーカイブ社により、2014年7月27日から2016年8月2日までの間に電子保存されたことが表示されている。
また、乙第12号証は、乙第11号証で示された電子保存がされた年月日の画面であり、その画面上には、要証期間の2015年3月30日に電子保存がされたことが表示されている。
さらに、乙第12号証の画面上には、商品の写真が掲載されていないが、商品名である「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」及び価格が一致するため、同じ商品が掲載されているものといえる。
加えて、乙第12号証の画面上の1ページ目左上には、「(デザインされた)NW」の文字と、その下に「NATURE’S WAY」の文字が表示されている。
イ 乙第13号証は、乙第3号証に示されたURLと同一のURLに係るウェブサイトについて電子保存された日時が明記された画面であり、その画面上には、インターネット・アーカイブ社により、2014年7月27日から2016年8月20日までの間に電子保存されたことが表示されている。
また、乙第14号証は、乙第13号証で示された電子保存がされた年月日の画面であり、その画面上には、要証期間の2015年3月29日に電子保存がされたことが表示されている。
さらに、乙第14号証の画面上の1ページ目左上には、「(デザインされた)NW」の文字と、その下に「NATURE’S WAY」の文字が表示されている。
ウ 乙第15号証は、乙第4号証に示されたURLと同一のURLに係るウェブサイトについて電子保存された日時が明記された画面であり、その画面上には、インターネット・アーカイブ社により、2014年7月27日から2016年8月2日までの間に電子保存されたことが表示されている。
また、乙第16号証は、乙第15号証で示された電子保存がされた年月日の画面であり、その画面上には、要証期間の2015年3月29日に電子保存がされたことが表示されている。
さらに、乙第16号証の画面上の1ページ目左上には、「(デザインされた)NW」の文字と、その下に「NATURE’S WAY」の文字が表示されている。
エ 乙第8号証ないし乙第10号証には、それぞれ、2014年7月23日から現在までの「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」の販売実績(乙8)、2014年7月26日から現在までの「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ」の販売実績(乙9)、2014年8月8日から現在までの「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド」の販売実績(乙10)が示されており、実際に2014年7月から被請求人のウェブサイト上で各商品が広告された結果として、当該商品が販売された事実があるといえるから、その販売の事実は、サイト上で当該商品の広告が掲載されていたことに対する間接的な証拠である。
オ 上記以外で、乙第2号証ないし乙第4号証に係る各サイト上に表示された商品と同じ商品を広告するものとして、2014年7月27日にインターネット・アーカイブ社により電子保存されたことが表示された画面を提出する(乙17?乙19)。
乙第17号証ないし乙第19号証は、それぞれ、乙第2号証ないし乙第4号証に示されたURLと同一のURLに係る各ウェブサイトについて電子保存されたものであり、当該ウェブサイトには、いずれも乙第2号証ないし乙第4号証に表示されている「NATURE’S WAY」とはデザインが異なるものの、本件商標と社会通念上同一と認められる「NATURE’S WAY」の文字からなる商標が表示されている。
そして、上記乙第17号証ないし乙第19号証に係るウェブサイトの画面上には、いずれも要証期間の2014年7月27日に電子保存されたことが表示されている。
(2)乙第2号証ないし乙第4号証に係る各サイト上に表示された商品が本件請求に係る指定商品中の「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」の範ちゅうに属する商品であることについて
ア 乙第2号証に係る商品「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」の原材料は、同号証の2ページ目の【配合成分】の欄に記載されているように、「チーア種子、パイナップル、ブラックカラント(カシス)、有機ワイルドブルーベリー、グリーンバナナ、濃縮ブルーベリー、アセロラ、ケルプ、クランベリー、濃縮ラズベリー、濃縮緑茶、ワイルドビルベリー、ワイルドリンゴンベリー(コケモモ)、アローニア、ザクロ、サワーチェリー、ワイルドエルダーベリー、レッドラズベリー」であって、植物であり、当該商品は、これらを濃縮して粉末状にした食品である。
そして、上記商品は、乙第2号証の2ページ目の【飲み方】の欄に記載されているように、水200ccに溶かし、よくかき混ぜた後に飲むことができるものである。
したがって、上記商品は、本件請求に係る指定商品中の「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」の範ちゅうに属する商品といえる。
イ 乙第3号証に係る商品「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ」の原材料は、同号証の2ページ目の【配合成分】の欄に記載されているように、「パインアップル、パパイヤ、ブルーベリー、スピルリナ、ケルプ、ブラダーラック、ケールスプラウト、パセリ、ほうれん草、コラード、ダルス、キビスプラウト、キヌアスプラウト、ブロッコリースプラウト、小麦若葉汁粉末、大麦若葉汁粉末、オート麦若葉汁粉末、アルファルファ若葉汁粉末、わかめ、サツマイモ、クラマスブルーグリーンアルジー、クロレラ、ラズベリー、レイシ、シイタケ、マイタケ、アガリクス、冬虫夏草、エゾウコギ(根)、クコ(果実)、リコリス(根)、ショウガ、ネトル(葉)、ムラサキツメクサ(花)、ごぼう(根)、イエロードック(根)、スカルキャップ(花、葉)、セイヨウタンポポ(葉)、ミルクシスル(種)、アサイー粉末、グレープシードエキス粉末、ローズヒップ、ザクロ、ビタミンD3、ビタミンA、ビタミンB12」であって、そのうちの「ビタミンD3、ビタミンA、ビタミンB12」以外は植物であり、当該商品は、これらを濃縮して粉末状にした食品である。
そして、上記商品は、乙第3号証の2ページ目の【飲み方】の欄に記載されているように、水、フルーツジュース又はヨーグルトに混ぜた後、飲む又は食べることができるものである。
したがって、上記商品は、本件請求に係る指定商品中の「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」の範ちゅうに属する商品といえる。
ウ 乙第4号証に係る商品「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド」の原材料は、同号証の2ページ目の【配合成分】の欄に記載されているように、「ビルベリー、リンゴンベリー(コケモモ)、ブラックカント(カシス)、アセロラ、アロニア、グレープシードエキス粉末、ザクロ、ブルーベリー、コンコード種ブドウ、サワーチェリー、ワイルドエルダーベリー、ワイルドクランベリー、レッドラズベリー、ラズベリーエキス」であって、植物であり、当該商品は、これらを濃縮して粉末状にした食品である。
そして、上記商品は、乙第4号証の2ページ目の【飲み方】の欄に記載されているように、水、フルーツジュース又はヨーグルトに混ぜた後、飲む又は食べることができるものである。
したがって、上記商品は、本件請求に係る指定商品中の「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」の範ちゅうに属する商品といえる。
(3)上記乙第2号証ないし乙第4号証に係る本件商標の使用は、商標法第2条第3項第8号に該当するものである。
3 平成29年5月16日差出しの口頭審理陳述要領書
「新明解国語辞典 第7版」(2015年1月10日発行、株式会社三省堂)(乙21)によれば、「エキス」とは、「薬や食物の有効(滋養)成分から抽出した濃縮液。」であり、また、「抽出」とは、「多くの物の中から、必要な物だけを選び出すこと。」である。
そして、登録商標に係る指定商品の解釈においては、一般的な国語辞典によることが妥当であるから、「エキス」とは、「食物の有効(滋養)成分の中から必要な物だけを選び出した濃縮液」と理解されるのであって、請求人が争点とする「水・アルコールなどに溶かし出す方法」に限定されるものではなく、「食物(ハーブ等の植物)から成分を選び出した濃縮液を主成分とする加工食品」と解釈することが妥当である。
したがって、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」、「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ」及び「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド」の各商品は、本件請求に係る指定商品中の「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」の範ちゅうに属する商品である。
4 平成29年5月30日付け上申書
(1)乙第8号証ないし乙第10号証の販売実績表に記載されている者が、本件商標の使用に係る被請求人の通販サイトを通じて該当する商品を注文したことについて
ア 被請求人は、既に提出している乙第8号証を差し替えるものとして、新たに乙第8号証の1及び乙第8号証の2を提出する。
乙第8号証の1は、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」に係る販売実績表について、表題、作成年月日及び作成者を記載したものである。
また、乙第8号証の2は、乙第8号証の1に示す販売実績表について、被請求人の社員が被請求人のサーバに保存されている過去の販売に係る商品のリストから作成した手順を説明したものであり、その3ページの5(丸付き)に記載されているように、注文期間を「2014/07/20?2016/10/01」と指定し、6(丸付き)に記載されているように、製品コードとして「52300050」又は製品名として「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」と指定した上で、表示する内容として「注文者カナ(姓)」、「注文者都道府県」、「注文日」、「配達完了日」、「製品コード」及び「価格」を指定して9(丸付き)で検索を実行し、その結果を表示させている。
イ 上記販売実績表(乙8の1)に示された「ご注文No.」のうち、例えば、その1行目に表示された「E160924-014012162」中の始めの「E」は、ウェブから直接注文を受けたケースを意味し、同じく、その下から5行目に表示された「T140811-01181581」中の始めの「T」は、電話で注文を受けたケースを意味する。
そして、被請求人の常務取締役が陳述している(乙22)ように、被請求人の通販サイトには、通販会社であることを示す「NATURE’S WAY」のロゴが常に記載されており、およそ、通販サイトに通販会社のロゴが記載されていないこと自体が非常識なことである。
ウ 商品「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」は、乙第5号証に示すとおり、その登録日である2014年(平成26年)7月4日から通販サイトに掲載されているところ、その後、同月の20日、26日及び27日に売上げがある(乙8の1)ことから、通販サイトで商品を購入した者は、本件商標が使用された被請求人の通販サイトを通じてその購入をしていると考えられる。
したがって、上記販売実績表(乙8の1)に示された購入者のうち、「ご注文No.」の始めに「E」の記載がある購入者は、本件商標の使用に係る本件商標権者の通販サイトを通じて該当製品を発注しているのは明らかである。
エ なお、既に提出している乙第9号証及び乙第10号証についても、新たに差し替え用のもの(乙9、乙10)を提出するが、それらは、乙第8号証についてと同様のものなので、その説明は省略する。
(2)被請求人が、要証期間に、本件商標について商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」を行っていたことについて
ア 通販サイトで注文された商品は、被請求人と契約した運送業者により段ボール箱に梱包され、購入者に配達されているところ、このような段ボール箱には、通販サイトの運営者のロゴマークが付されているのが一般的であり、また、当該段ボール箱は、デザイン等の変更があるため、通販サイトの運営者が製作し、運送業者に使用させることが一般的である。
イ 登録商標を付した段ボール箱について、その発注に係る書面及び実物の写真(乙23?乙36)を提出する。
(ア)平成28年6月1日に発注した段ボール箱(縦90mm、横220mm、高さ110mm)は、その側面に「NATURE’S WAY」のロゴが明確に印刷されており、当該段ボール箱は、運送会社であるヤマトロジスティックスに納品された(乙23?乙25)。
(イ)平成28年6月23日に発注した段ボール箱(縦210mm、横260mm、高さ60mm)は、その側面に「NATURE’S WAY」のロゴが明確に印刷されており、当該段ボール箱は、運送会社であるヤマトロジスティックスに納品された(乙26?乙28)。
(ウ)平成27年12月8日に発注した段ボール箱(縦180mm、横220mm、高さ220mm)は、その側面に「NATURE’S WAY」のロゴが明確に印刷されており、当該段ボール箱は、運送会社であるヤマトロジスティックスに納品された(乙29?乙31)。
なお、商品「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」(乙38)の大きさは、縦10.5cm、横14.0cm、高さ10.5cmであるから、上記段ボール箱に梱包して配送したものと考える。
(エ)平成28年8月5日に発注した段ボール箱(縦250mm、横300mm、高さ100mm)は、その側面に「NATURE’S WAY」のロゴが明確に印刷されており、当該段ボール箱は、運送会社であるヤマトロジスティックスに納品された(乙32?乙34)。
(オ)平成28年9月1日に発注した段ボール箱(縦220mm、横360mm、高さ270mm)は、その側面に「nature’s way」のロゴが明確に印刷されており、当該段ボール箱は、運送会社であるヤマトロジスティックスに納品された(乙35、乙36)。
ウ ヤマトロジスティックスにおける被請求人の商品の運送実績(2016年(平成28年)9月分)によれば、10,648個の商品が2,337個の段ボール箱に梱包され、発送されている(乙37)。
なお、上記運送実績に係る請求書に段ボール箱の代金が含まれていないのは、被請求人がロゴ入りの段ボール箱を支給しているためである。
(3)まとめ
被請求人が通販サイトで注文を受けた商品は、全て「NATURE’S WAY」のロゴが印刷された段ボール箱に梱包されて購入者へ配達される。
そうすると、乙第8号証の1に係る商品「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」についても、要証期間に、本件請求に係る商品の範ちゅうに属する商品について、その商品の包装に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付したものを譲渡する行為を行っていることになる。
5 平成29年11月21日付け回答書
(1)「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」を被請求人の公式通販サイトに掲載するための管理画面について、乙第5号証は、掲載した日付のみを立証することを目的とするものであったため、当該管理画面の一部のみを編集したものであった。
そこで、被請求人は、上記管理画面全体として、乙第39号証を提出し、また、その内容を拡大したものとして、乙第40号証(全3葉)を提出する。
そして、乙第2号証と乙第40号証とを照合すると、次のとおりである。
ア 乙第2号証に表示されている商品画像は、乙第40号証の1葉目にある「画面設定」の欄で設定されている。
イ 乙第2号証に表示されている商品画像の右側にある製品説明のうち、「7日間で生まれ変わる!美容のプロが認めた自然派ダイエット ◆JASまたはNOPオーガニックのこだわり原材料100%使用 ◆ベリーの爽やかな酸味と軽やかな甘さのスムージー・・・」については、乙第40号証の2葉目にある「製品説明」の欄の「製品コメント2(製品画像右説明文)」の項目に記載のとおりである。
なお、上記項目の記載については、画面上でスクロールすることにより、乙第2号証に表示されている商品画像の右側にある製品説明の全てが記載されている。
ウ 乙第2号証に表示されている「4,989円(税込)」については、乙第40号証の2葉目にある「製品価格」の欄の単価として「4989」と記載されているとおりである。
エ 乙第2号証に表示されている「内容量:23g×7袋」については、乙第40号証の1葉目にある「内容量」の欄に「23g×7袋」と記載されているとおりである。
(2)被請求人の公式通販サイトは、ecbeing社にその制作及び稼働を委託しているところ、乙第5号証に係る管理画面も同社が制作したものである。
そして、ecbeing社のEC(電子商取引)開発本部開発部第2部上席部長の陳述書(乙41)によれば、「掲載開始日」は、商品をホームページに掲載する日が入力日(登録日)と異なる場合に使用する欄であり、「掲載開始日」の欄に記入がなく登録された場合には、登録日から商品がECサイトに掲載されるところ、乙第40号証の1葉目に示すように、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」の管理画面においては、「掲載開始日」の欄に記入がなく、「登録日」の欄に「2014/07/04 13:02:16」の表示があることから、乙第2号証に係る画面は、被請求人の公式通販サイトに2014年7月4日13時2分16秒より掲載されていたことは明白であり、当該画面が同日以降閲覧可能であったことは明白である。
(3)被請求人は、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」が掲載されたサイトへアクセスされたデータとして、乙第43号証を提出する。
乙第43号証は、ecbeing社から提供されたデータ(164ページ)の一部を選択して印刷したもの(全7葉)であり、その中の「セッション」とは、「ユーザーが最初にサイトにアクセスした際に、システムで発行している連番」であって、システムがユーザーを特定するための番号である。そして、その1葉目(1/164ページ)にある最初のデータは、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」の製品コード(「52300050」。乙第40号証の1葉目にある「製品コード」欄の記載参照。)への最初のアクセスが2014年7月4日13時7分47秒に行われていることを示しており、これは、乙第2号証に係る画面が被請求人の公式通販サイトに掲載された5分31秒後に最初のアクセスがあったことの記録である。
(4)乙第43号証の6葉目(127/164ページ)においては、「30913444」の番号をもって特定されるユーザーが、2016年9月24日11時35分10秒に乙第2号証に係る画面にアクセスし、その後、同日の11時35分56秒に、「/cart/cart.aspx」が示すように、当該画面に係る商品を購入カートに入れたことが分かる。
また、ecbeing社から提供された「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」の購入に係るデータ(乙44)には、上記ユーザーが、2016年9月24日11時46分に、当該商品を購入したことが示されている。
ところで、乙第8号証の1は、被請求人作成の購入データであるところ、その1行目の記載によれば、2016年9月24日11時46分に、上記ユーザーである「オオカワ」氏(被請求人においては、個人が特定されている。)が「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」を注文したことが明らかであり、当該商品は、同月27日に、「ヤマト運輸」により配達された。
そして、乙第2号証に係る画面は、2016年11月29日に更新(乙40)されているところ、乙第2号証に係る画面の紙出力日は同月23日であることから、上記ユーザーが注文した時点では、乙第2号証に係る画面が被請求人の公式通販サイトに表示されていたことは明らかである。

第4 当審の判断
1 本件商標の使用について
(1)被請求人の主張及び同人の提出に係る乙各号証によれば、以下のとおりである。
ア 本件商標権者である被請求人は、1974年6月11日に設立された会社であって、EC(電子商取引)サイトの構築等を行っているecbeing社に委託して、通販サイトを運営している(乙1?乙4、乙11?乙19、乙22、乙41、乙42)。
そして、被請求人は、上記通販サイトにおいて、遅くとも2014年7月27日に、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」(税込4,989円)と称する商品(URL:http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300050/)、「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ30本」(税込7,045円)と称する商品(URL:http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300080/)及び「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド30本」(税込6,058円)と称する商品(URL:http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300070/)を掲載しており、これらの商品に係る画面のいずれにおいても、その左上に「nature’s way」の文字とその下方に小さく表された「SINCE 1974」の文字を配してなる標章が表示されていることがうかがえる(乙17?乙19)。
また、上記通販サイトにおいては、2015年3月29日に、「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ30本」(税込7,045円)と称する商品(URL:http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300080/)及び「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド30本」(税込6,058円)と称する商品(URL:http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300070/)、同月30日に、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」(税込4,989円)と称する商品(URL:http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300050/)が掲載され、これらの商品に係る画面のいずれにおいても、その左上に図案化してなる「NW」の文字とその下方に「NATURE’S WAY」の文字を配してなる標章が表示されていることがうかがえる(乙11?乙16)。
さらに、上記通販サイトにおいては、2016年11月23日に、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」(税込4,989円)と称する商品(URL:http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300050/)、「ナチュラリーノバスコシア グリーンチャージ30本」(税込7,045円)と称する商品(URL:http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300080/)及び「ナチュラリーノバスコシア ノバレッド30本」(税込6,058円)と称する商品(URL:http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300070/)が掲載され、これらの商品に係る画面のいずれにおいても、その左上に図案化してなる「NW」の文字とその下方に「NATURE’S WAY」の文字を配してなる標章が表示されていることがうかがえる(乙2?乙4)。
イ 被請求人の上記通販サイトに掲載された商品のうち、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」(税込4,989円)と称する商品(URL:http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300050/)(以下「本件使用商品」という場合がある。)については、2016年3月7日に、その掲載情報に係る更新がされたことがうかがえる(乙5)ところ、その更新に係る情報は、同年11月23日に掲載されていた同一の商品に係る画面(乙2)上に表示されている内容と比較すると、商品包装の画像及び価格(4,989円(税込))について同一であり、また、「7日間で生まれ変わる!美容のプロが認めた自然派ダイエット。着色料、香料、保存料、酸化防止剤不使用の自然由来100%のジュースでしっかりとダイエットが出来ます。」の記載についても、当該画面上に表示されている商品説明に同様の記載がある。
また、本件使用商品については、2016年11月29日にもその掲載情報に係る更新がされたことがうかがえる(乙40)ところ、その更新に係る情報は、同年11月23日に掲載されていた同一の商品に係る画面(乙2)上に表示されている内容と比較すると、商品包装の画像、価格(4,989円(税込))及び内容量(23g×7袋)について同一であり、また、「一言コメント」の項目における「7日間で生まれ変わる!美容のプロが認めた自然派ダイエット。着色料、香」の記載、「製品コメント2」の項目における「7日間で生まれ変わる!美容のプロが認めた自然派ダイエット ◆JASまたはNOPオーガニックのこだわり原材料100%使用 ◆ベリーの爽やかな酸味と軽やかな甘さのスムージー」の記載、「製品コメント3」の項目における「【飲み方】本品1袋を200CCのお水に溶かし、良くかき混ぜてお召し上がり下さい。空腹時、特に朝食の置き換えがお勧めのタイミングです。」の記載についても、当該画面上に表示されている商品説明や飲み方に同様の記載がある。
なお、乙第40号証に係る情報においては、本件使用商品の製品コードとして、「52300050」の記載がある。
ウ 本件使用商品については、2016年9月24日に、「ネイチャーズウェイ オンラインショップ」を通じて、愛知県のオオカワ氏により購入されたことがうかがえる。具体的には、同氏は、同日の11時35分に、本件使用商品に係るURL(http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300050/)にある「カートに入れる」を用いたほか、例えば、「チャントアチャーム 薬用アクネ トライアルセット【送料無料】」といった商品等も購入し、最終的に、同日の11時46分に注文をした(注文番号:E160924?014012162)ことがうかがえる。そして、当該注文に係る商品は、同年9月26日に発送され、翌27日に配達が完了したとされる(乙8の1、乙8の3、乙43、乙44)。
エ 本件使用商品は、「ハーブ(チーア種子、パイナップル、ブラックカラント(カシス)、有機ワイルドブルーベリー、グリーンバナナ、濃縮ブルーベリー、アセロラ、ケルプ、クランベリー、濃縮ラズベリー、濃縮緑茶、ワイルドビルベリー、ワイルドリンゴンベリー(コケモモ)、アローニア、ザクロ、サワーチェリー、ワイルドエルダーベリー、レッドラズベリー)」を原材料とし、名称を「ハーブ加工食品」とするものであり、1箱に23gの商品が7包(袋)入っているものであって、水200ccに1包(袋)を入れた後、よくかき混ぜて飲むものとされる(乙2、乙38)。
(2)上記(1)によれば、本件商標権者である被請求人は、自己の運営に係る通販サイトにおいて、遅くとも2014年7月27日以降、「ナチュラリーノバスコシア ベリービューティープログラム」と称する商品についての広告を掲載しているといえる。
また、上記広告が掲載された画面上には、当初、「nature’s way」の文字とその下方に小さく表された「SINCE 1974」の文字を配してなる標章が表示され、その後、遅くとも2015年3月30日以降は、図案化してなる「NW」の文字とその下方に「NATURE’S WAY」の文字を配してなる標章が表示されていたといえるところ、それぞれの標章の構成態様に照らせば、前者については、その構成中の「nature’s way」の文字部分、後者については、その構成中の「NATURE’S WAY」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識として機能し得るものといえ、これらは、「Nature’s Way」の文字と「ネイチャーズ ウェイ」の文字とを上下二段に書してなる本件商標と比較した場合、本件商標において欧文字部分の読みを表したものと看取、理解される片仮名部分の有無や、欧文字部分の表記方法についての相違といった差異はあるものの、社会通念上、同一のものとして認識されるとみるのが相当である。
さらに、少なくとも2016年3月7日以降に、「http://www.naturesway.jp/shop/g/g52300050/」のURLをもって、被請求人の通販サイト上に広告が掲載され、同年9月24日には、その広告に係る画面を通じて商品の注文及び購入がされたといえる本件使用商品は、様々な植物を原材料とする粉末状の「ハーブ加工商品」であって、本件請求に係る指定商品中の「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」の範ちゅうに属する商品とみるのが相当である。
そうすると、本件商標権者である被請求人は、要証期間に、本件商標と社会通念上同一の商標を本件請求に係る指定商品に関する広告に付して電磁的方法により提供したといえ、その行為は、商標法第2条第3項第8号にいう行為に該当する。
2 むすび
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標権者が、その請求に係る指定商品中の第29類「植物性エキスを主成分とする粉末状の加工食品」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
審理終結日 2019-12-27 
結審通知日 2020-01-09 
審決日 2020-01-21 
出願番号 商願2001-104753(T2001-104753) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z29)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 小松 里美
田中 敬規
登録日 2002-08-16 
登録番号 商標登録第4595611号(T4595611) 
商標の称呼 ネイチャーズウエイ、ネーチャーズウエー 
代理人 岡田 稔 
代理人 鈴木 昇 
代理人 坂上 正明 
代理人 特許業務法人コスモス国際特許商標事務所 
代理人 曾我 道治 

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