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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0307
審判 全部申立て  登録を維持 W0307
審判 全部申立て  登録を維持 W0307
管理番号 1363308 
異議申立番号 異議2019-900185 
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-07-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-07-04 
確定日 2020-06-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第6135149号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6135149号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6135149号商標(以下「本件商標」という。)は、「L.LEYBOLD」の文字を標準文字で表してなり、平成29年4月4日に登録出願、第1類「化学品」及び第7類「金属加工機械器具,化学機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,ガラス器製造機械,半導体製造装置,レンズ加工機械器具,セラミック製品製造機械」を指定商品として、同31年3月19日に登録査定され、同年4月5日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次のとおり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2015259号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 LEYBOLD
指定商品 第6類、第7類、第9類及び第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和60年7月17日
設定登録日 昭和63年1月26日
書換登録日 平成21年5月13日
(2)国際登録第767060/A号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品及び指定役務 第4類、第7類、第9類、第11類、第37類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 2001年(平成13年)7月5日(優先権主張 2001年(平成13年)1月25日 Germany)
設定登録日 平成15年7月4日
(3)国際登録第772842/A号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様 LEYBOLD
指定商品及び指定役務 第4類、第7類、第9類、第11類、第37類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 2001年(平成13年)11月20日
設定登録日 平成16年6月11日
(4)国際登録第864382/A号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品及び指定役務 第4類、第7類、第9類、第11類、第37類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 2005年(平成17年)1月14日(優先権主張 2004年(平成16年)7月31日 Germany)
設定登録日 平成19年3月23日
(5)国際登録第1364403号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品及び指定役務 第4類、第6類、第7類、第9類、第11類、第16類、第17類、第37類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 2016年(平成28年)12月14日(優先権主張 2016年(平成28年)9月13日 Germany)
設定登録日 平成30年12月14日
(6)国際登録第1368784号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様 LEYBOLD
指定商品及び指定役務 第4類、第6類、第7類、第9類、第11類、第16類、第17類、第37類、第40類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 2017年(平成29年)2月4日(優先権主張 2016年(平成28年)9月13日 Germany)
設定登録日 平成30年12月7日
(7)国際登録第1391584号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品及び指定役務 第4類、第6類、第7類、第9類、第11類、第16類、第17類、第37類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 2016年(平成28年)12月14日(優先権主張 2016年(平成28年)9月13日 Germany)
設定登録日 令和元年5月24日

3 登録異議申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)本件商標の構成及びその要部について
本件商標は、以下の理由により、「L」と「LEYBOLD」で分離判断され得るものであり、「LEYBOLD」を要部とするものである。
ア 商標の構成中の「ピリオド」は前後を分離する。
ピリオドの前に配された「L」の文字は、ローマ字1字よりなり、「エル」と称呼されるものの、極めて簡単で、かつ、ありふれた記号にすぎず、本件商標の要部を構成しない。
イ 「LEYBOLD」はドイツ系の家系の姓として用いられる既成語である。
本件商標中の「L.LEYBOLD」の語頭にあたる「L」の部分は、ファーストネームを省略させた記号にとどまり、要部は「LEYBOLD」ということになる。
ウ 各構成要素間の識別力における強弱の差異
出願人名称は、「レイボルド株式会社」であって、「エルレイボルド株式会社」ではないから、需要者は、本件商標の後半部分「LEYBOLD」に強い識別力を感じ、「L.」の部分を「LEYBOLD」と同様に強い識別力は感じない。
エ よって、本件商標は、その構成中、強い識別力を発揮するのは「LEYBOLD」の部分であり、かかる部分が本件商標の要部である。
(2)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標は「レイボルド」の称呼を生じる点で共通し、本件商標と引用商標2は「エルレイボルド」の称呼をも共通にする。
本件商標と引用商標とは、その構成において「LEYBOLD」の文字列を含んでいる点において共通し、とりわけ、引用商標1、引用商標3及び引用商標6は「LEYBOLD」を同書同大でシンプルに書している点で、視覚上、本件商標と印象が近い。
本件商標と引用商標は、ドイツ系の姓に由来すると考えられる点で共通するが、日本の需要者においてドイツ語がそれほど広まっているとは考えにくいため、両商標からは特別な観念は生じない。
本件商標の指定商標と引用商標の指定商品とは類似する。
したがって、本件商標は、引用商標と類似の商標であって、その指定商品は引用商標の指定商品と類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
(ア)本件商標は、前記1のとおり「L.LEYBOLD」の文字を標準文字で表してなり、その構成は同書、同大、等間隔でまとまりよく一体に表わされ、これから生じる「エルドットレイボルド」又は「エルレイボルド」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
また、本件商標の構成中の「L」の文字は、極めて簡単、かつ、ありふれた記号であって、商品の品番等を表示するための記号等の一類型として一般に使用される場合があるものの、本件商標は、それに続けて「.」(ピリオド)を有し、その後に「LEYBOLD」の文字を表してなるものであり、このような構成態様においては、語頭にある「L」の文字部分を商品の記号等として認識、把握し、「LEYBOLD」の文字部分のみに着目して取引に当たるというよりは、むしろ本件商標全体をもって一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、「エルレイボルド」又は「エルドットレイボルド」の一連の称呼を生じるというべきである。
そして、本件商標の構成中の「LEYBOLD」の文字がドイツ系の姓を表示する文字であるとしても、我が国におけるドイツ語の普及度を考慮すると、当該文字が直ちに何らかの意味合いを認識させる語とはいい難く、これより特定の観念を生じさせるものではないから、本件商標全体としても特定の観念は生じないものである。
したがって、本件商標は、「エルレイボルド」又は「エルドットレイボルド」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(イ)なお、申立人は、本件商標は、「L」と「LEYBOLD」で分離され、「LEYBOLD」の文字部分が要部となる旨主張しているが、本件商標は、上記(ア)のとおり、一体不可分のものとして認識、把握されるものであり、加えて「LEYBOLD」の文字部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとか、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼及び観念が生じないと認めるに足りる事情は見いだせないことから、申立人の主張を採用することはできない。
イ 引用商標
(ア)引用商標1、引用商標3及び引用商標6は前記2(1)、(3)及び(6)のとおり、「LEYBOLD」の文字を横書きしてなるところ、これより構成文字に相応して「レイボルド」の称呼を生じ、上記ア(ア)と同様に特定の観念は生じない。
(イ)引用商標2は別掲1のとおり、黒塗りの四角形に、L字状の図形及びその周囲を囲む一部開放された円図形を白抜きで表した図形部分(以下「図形部分」という。)と、その下に「LEYBOLD」の文字を配した構成からなるところ、図形部分と文字部分とは、一体で何らかの観念を生じるものではなく、また、視覚上常にこれを一体とみなければならない事情は見いだせないものであるから、図形部分と文字部分とは分離して看取、把握される場合もあり、両部分は、共に自他商品及び自他役務を識別する機能を果たし得るものであるから、いずれかの部分をもって取引に資する場合もあるということができる。
そうすると、引用商標2は、その文字部分を捉えて、その構成文字に相応して「レイボルド」の称呼を生じ、上記ア(ア)と同様に特定の観念は生じないものである。
なお、申立人は、引用商標2から、「エルレイボルド」の称呼をも生じる旨主張するが、図形部分のL字状の部分を「エル」と称呼すべき理由は見当たらないことに加えて、上記のとおり、引用商標2は、観念上及び外観上常に一体とみるべき事情は見いだせないことからすれば、その構成文字部分に相応して「レイボルド」の称呼のみを生じるというべきであるから、申立人の主張を採用することはできない。
(ウ)引用商標4、引用商標5及び引用商標7は、別掲2及び別掲3のとおりの構成からなるところ、その構成中、他の図形や文字よりも極めて大きく表わされた「Leybold」の文字部分が、看者の注意を強くひくというべきであるから、当該文字部分を捉え、この構成文字に相応して「レイボルド」の称呼を生じ、上記ア(ア)と同様に特定の観念は生じないものである。
(2)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、それらの構成態様に明らかな差異を有するものであるから、外観において、相紛れるおそれのないものである。
次に、本件商標から生じる「エルレイボルド」又は「エルドットレイボルド」と引用商標から生じる「レイボルド」の称呼を比較すると、両者は構成音数や語調語感の差異により、明瞭に聴別できるものである。
さらに、本件商標と引用商標からは、共に特定の観念は生じないものであるから、両者は観念において比較することはできないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することはできないとしても、外観及び称呼において、容易に判別できるものであるから、両者は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
その他、両商標が類似するとすべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。

5 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲1 引用商標2



別掲2 引用商標4



別掲3 引用商標5及び引用商標7(色彩は原本参照)



異議決定日 2020-06-08 
出願番号 商願2017-44780(T2017-44780) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W0307)
T 1 651・ 263- Y (W0307)
T 1 651・ 261- Y (W0307)
最終処分 維持  
前審関与審査官 澤藤 ことは和田 恵美 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 大森 友子
岩崎 安子
登録日 2019-04-05 
登録番号 商標登録第6135149号(T6135149) 
権利者 レイボルド株式会社
商標の称呼 エルレイボルド、エルレーボルド、レーボルド、ライボルト 
代理人 石井 明夫 
代理人 佐野 弘 
代理人 豊崎 玲子 

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