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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1362564 
異議申立番号 異議2019-900327 
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-06-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-11-08 
確定日 2020-05-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第6172526号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6172526号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6172526号商標(以下「本件商標」という。)は,「極潤桜肌」の文字を標準文字で表してなり,平成30年5月22日に登録出願,第3類「せっけん類,化粧品,香料,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として,令和元年8月1日に登録査定,同月16日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり(以下,それらをまとめて「引用商標」という。),いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5160072号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 極潤(標準文字)
指定商品 第3類「化粧水,保湿クリーム,その他の保湿用化粧品,保湿効果を有するせっけん類」及び第5類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成20年2月21日
設定登録日 平成20年8月15日
(2)登録第4991403号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 「極潤」と「ゴクジュン」の文字を2段に横書きしてなるもの
指定商品 第3類「化粧水,保湿クリーム,その他の保湿用化粧品,保湿効果を有するせっけん類」
登録出願日 平成16年6月14日
設定登録日 平成18年9月29日
(3)登録第4846467号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 gokujyun(標準文字)
指定商品 第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,つや出し剤,研磨紙,靴クリーム,塗料用剥離剤」
登録出願日 平成16年6月14日
設定登録日 平成17年3月11日
(4)登録第5021768号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 「極潤」と「gokujyun」と「ヒアルロンクリーム」の文字を3段に横書きしてなるもの
指定商品 第3類「ヒアルロン酸を配合して成る保湿クリーム」
登録出願日 平成17年4月27日
設定登録日 平成19年1月26日
(5)登録第5021769号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 「極潤」と「gokujyun」と「ヒアルロン液」の文字を3段に横書きしてなるもの
指定商品 第3類「ヒアルロン酸を配合してなる化粧水」
登録出願日 平成17年4月27日
設定登録日 平成19年1月26日
(6)登録第5194587号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様 「極潤」と「gokujyun」と「肌吸着型ヒアルロン酸」の文字を3段に横書きしてなるもの
指定商品 第3類「ヒアルロン酸を配合したせっけん類,ヒアルロン酸を配合した歯磨き,ヒアルロン酸を配合した化粧品」
登録出願日 平成19年12月7日
設定登録日 平成21年1月9日
(7)登録第5445916号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品 第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,化粧用コットン,化粧用綿棒,つけづめ,つけまつ毛」
登録出願日 平成23年5月6日
設定登録日 平成23年10月21日
(8)登録第5445917号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,化粧用コットン,化粧用綿棒,つけづめ,つけまつ毛」
登録出願日 平成23年5月6日
設定登録日 平成23年10月21日
(9)登録第5626937号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品 第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン,化粧用綿棒」
登録出願日 平成25年6月20日
設定登録日 平成25年11月1日
(10)登録第5751609号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の態様 別掲4のとおり
指定商品 第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,マスク状のパック用化粧品,香料,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン,化粧用綿棒」
登録出願日 平成26年7月1日
設定登録日 平成27年3月20日
(11)登録第5803553号商標(以下「引用商標11」という。)
商標の態様 別掲5のとおり
指定商品 第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン,化粧用綿棒」
登録出願日 平成27年5月25日
設定登録日 平成27年10月30日
(12)登録第5919305号商標(以下「引用商標12」という。)
商標の態様 極潤α ハリ化粧水
指定商品 第3類「化粧水」
登録出願日 平成28年8月9日
設定登録日 平成29年2月3日
(13)登録第5919306号商標(以下「引用商標13」という。)
商標の態様 極潤α ハリ乳液
指定商品 第3類「乳液状のせっけん類,乳液」
登録出願日 平成28年8月9日
設定登録日 平成29年2月3日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号,同項第10号及び同項第15号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第66号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号に該当する理由
ア 本件商標と引用商標の構成
本件商標は,上記1のとおり,漢字「極潤」と漢字「桜肌」を横一連に結合してなる商標である(甲1)。
引用商標1は,上記2(1)のとおり,漢字「極潤」という標準文字からなり(甲2),引用商標2は,上記2(2)のとおり漢字「極潤」と片仮名文字「ゴクジュン」を2段に表示してなる商標である(甲3)。
引用商標3ないし13は,それぞれ上記2(3)ないし(13)のとおりの構成態様からなるものである(甲4?甲14)。
イ 称呼上の比較
本件商標「極潤桜肌」からは,以下の理由により「ゴクジュン」と略称されることがあり,単に「ゴクジュン」の称呼も生じ,引用商標からは,「ゴクジュン」の称呼が生じるから,両商標は称呼上類似する。
(ア)「極潤」の自他識別力
本件商標中の「極潤」は,申立人が採択した造語であり,申立人が発売するスキンケア(女性向け化粧品)シリーズ「肌研(ハダラボ)」の主力シリーズの名称であって,それ自体自他識別力を有するものである(甲15,甲16)。
また,「極潤」は,「肌ラボ」の主力シリーズとして,「極潤」や「極潤」を含む引用商標2ないし13などの態様で使用された結果(甲16),後述のとおり,申立人の商標として広く知られているものである。
(イ)本件商標の称呼
本件商標は「極潤」と「桜肌」とが横一連に結合してなる商標であるが,「極潤」が自他識別力を有するものであるのに対し,「桜肌」は出願人(商標権者)が意見書において述べているとおり,「透き通るような白さの中にほんのり色づくサクラの花のような肌」を意味するもので,識別力がないか極めて弱い部分である。したがって,本件商標において,「極潤」が要部であり,つまり支配的な部分である。
「つつみのおひなっこや」最高裁判決に照らしても,本件商標においては,「極潤」がその強く支配的な印象を与えるものであるから,かかる「極潤」の部分のみで「ゴクジュン」と称呼されることがあると認識される。
(ウ)引用商標の称呼
引用商標1ないし3は「ゴクジュン」の称呼が生じることが明らかであり,引用商標4ないし13についても,いずれも「極潤」の部分が支配的印象を与えるから「ゴクジュン」とも称呼されると認識される。
(エ)称呼上の比較
上述のとおり,本件商標と引用商標1及び2をはじめ,引用商標のいずれからも「ゴクジュン」の称呼が生じるため,両商標は称呼上類似であることが明らかである。
ウ 観念上の比較
本件商標の「極潤」の部分から高保湿の意味が暗示され,本件商標が「極潤」と略称される場合には,観念上同一となり,結局両商標は類似すると考えられる。
エ 小括
上記アないしウを総合的に勘案すれば,本件商標は,引用商標1及び2をはじめ,引用商標と類似し,商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)商標法第4条第1項第10号に該当する理由
ア 「極潤」の周知性
「極潤」(引用商標1)は,以下に示すように,化粧品業界において広く知られている。
(ア)雑誌における使用
申立人は「極潤」を化粧水について使用し,各種雑誌に掲載し広告し2004年(平成16年)から今日に至るまで使用を展開してきた(甲20?甲24)。
(イ)広告費
「極潤」に関する商品についての広告費は,2004年(平成16年)から2017年(平成29年)上期までで合計180億を超えている(甲25)。「肌ラボ」商品の大半,つまり少なくとも6割以上は「極潤」商品であるから,「極潤」についての広告費も約108億円に上ると考えられる。
また,「肌研(ハダラボ)」のテレビ広告のGRP数値は,2013年(平成25年)には1万399ポイントである等,かなり高い数値を示している(甲26)。GRPはテレビCM投資の規模や効果を考える際の代表的な指標であって,上記の1万399ポイントとは,平均視聴率10%の番組で1年間に1039本のCMを打ったことを示すものである。そして,「肌ラボ」商品の少なくとも6割以上は「極潤」商品であるから,「極潤」についてのテレビ広告も,平均視聴率10%の番組で1年間に1039本の少なくとも約60%の600本のCMを打ったことになる。
さらに,「Google」で「極潤CM」をキー検索すると,「極潤」に関する多くのCMが放映されていることが示されている(甲62)。
(ウ)販売数量及び販売額
2004年(平成16年)ないし2019年(令和元年)の引用商標にかかる販売数量は2億個を超え,販売額は1115億円を超えるに至っている(甲27)。
(エ)新聞記事及びウェブ情報など
a 2014年(平成26年)9月の新聞記事(甲28)では,「ロート製薬の化粧品『肌研(ハダラボ)』が発売10周年を迎えた。」,「幅広い世代から支持を集めて売上高は年100億円を超え,目薬や胃薬のイメージが強い同社の主力商品へと成長した。」,「今では定番となった化粧水『極潤(ごくじゅん)ヒアルロン液』」として説明されている。
ウェブページにおいても,「ロートは平成16年8月にハダラボブランドを立ち上げ,化粧水『極(ごく)潤(じゅん)ヒアルロン酸』など4品目の販売を始めた」,「極潤のほかにも,・・・『極潤α』といった豊富な商品群を展開」,「ロートは平成16年ハダラボの海外展開を推し進め,中国やタイなどアジア中心に11か国で発売し,2013年度の売上高は64億円と国内市場に迫る勢いだ。」,「肌ラボ(肌研)などスキンケア事業の売上高は1,019億円と全体の67%も占めている」などと記載されている(甲29,甲30)。
引用商標にかかる化粧水などが,売上げなどのランキングにおいて第1位をはじめ上位にランクされていることが紹介されている(甲31?甲33,甲35,甲36,甲58?甲61)。
b 申立人の報道関係宛の多数のウェブページ(甲37?甲53)では,引用商標1にかかる化粧水が売上げランキング1位になったこと(甲40),同化粧水の売上げは初年度の15億円から2008年度87億円へと順調に伸ばしていること(甲42),同化粧水の売上げは2010年度136億円(出荷金額)となり,国内を代表するスキンケアブランドへと成長したこと,「肌研(ハダラボ)」のブランド認知率は約90%,化粧水市場では売上げ個数No.1であること(甲44)などが報じられている。
c 申立人の商品情報サイト(甲54?甲56)では,2019年(令和元年)には「肌ラボ」が12年連続で化粧水の販売個数第1位であり,申立人が12年連続売上げNo.1の「日本で一番売れてる化粧水シリーズ」のプロモーションを行ったことが紹介されているが,これはまさに「肌ラポ」の主カシリーズの「極潤」である。
(オ)他社有名ブランドとのコラボレーションなど
a 2011年(平成23年)には,申立人が「100億円ブランド『肌研(ハダラボ)』より,高保湿化粧水市場売上金額・個数No.1の『極潤(ゴクジュン)ヒアルロン液』などのディズニーデザインボトルを全国の薬局・薬店等で個数限定発売する」ことが報じられ(甲63?甲65),実際に販売され,好評を博した。
また,引用商標「肌研(ハダラボ)」に関し「ハローキティ」キャラクターと連携し,化粧水入りの「ハローキティ デザインボトル」を2014年(平成26年)8月に全国の薬局・薬店等で個数限定で新発売したことが紹介されている(甲66)。
これらのミッキーマウスやハローキティのような世界的に有名なキャラクターとのコラボレーションにより,引用商標はさらに広く知られるに至った。
b 2019年(令和元年)10月には「メーカーとマツキヨが共同販促『Matsukiyo Ads』-来店・売上ともにアップ」として,「ロート製薬肌ラボ化粧水」シリーズは1600店舗で展開,と旨紹介されている(甲57)。
イ 本件商標と引用商標,及び両商標の指定商品との類似性
本件商標と引用商標,特に引用商標1及び2とを比較するに,上記(1)で述べたとおり,両者は類似するものである。
また,本件商標と引用商標の指定商品は,同一又は類似するものである。
ウ 小括
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号に該当する理由
本件商標と引用商標とが万が一類似しないと仮定しても,同一又は類似の商品について使用された場合,引用商標は,広く知られて著名であると認識されるから,両者は出所の混同を生じるおそれがある。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証,同人の主張及び職権調査(インターネット情報,新聞記事情報など)によれば,以下のとおりである。
(ア)申立人は,2004年(平成16年)8月にスキンケアブランド「肌研(ハダラボ)」(以下「肌ラボ」という。)シリーズを創設し,化粧水「極潤ヒアルロン液」の販売を開始し,それ以降現在まで,化粧水のほか,乳液,石けんなどの商品について,「極潤」の文字を種々の態様で使用している(甲20,甲22?甲24,甲28?甲31ほか,職権調査)。
(イ)「肌ラボ」シリーズの商品には,「極潤」シリーズのほかに「白潤」及び「極水」などのシリーズがある(甲16,甲43,甲54ほか,職権調査)
(ウ)「肌ラボ」シリーズの商品の売上げ(出荷金額ベース)は,2004年(平成16年)度ないし2008年(平成20年)度が,毎年15億円,34億円,42億円,58億円,87億円であり,2010年(平成22年)度が136億円であった(甲42,甲44)。
(エ)「肌ラボ」シリーズの商品中「極潤」の文字が付された商品(以下「極潤商品」という。)は,雑誌「MAQUIA」2017年5月号の美白オールインワン部門で第1位,雑誌「サンキュ!」2017年6月号の口コミ・名品ランキングの化粧水部門で第1位,「@cosme」の2013年上半期ベストコスメの化粧水で第2位,「カスタマー・コミュニケーションズ」の化粧水の売上ランキング/2014年1?3月で第1位,同売上ランキング/2015年1?3月で第1位など,上位にランキングされている(甲22,甲23,甲31?甲33,甲59?甲61)。
(オ)しかしながら,極潤商品の市場シェアなど販売実績を裏付ける証左は見いだせない。なお,申立人は販売数量及び販売額表(甲27)を提出しているが,かかる表は容易に作成できるものであり,その数値を裏付ける証左を見いだせないから,採用することはできない。
また,極潤商品に係る広告費を裏付ける証左は見いだせず,テレビCMの放送内容,回数も確認できない。
イ 上記アのとおり,申立人は極潤商品を平成16年から現在まで継続して販売していること,極潤商品がその時期や手法などは限られているものの各種ランキングにおいて第1位となっていることなどから,極潤商品は,需要者の間である程度知られているといい得るものの,極潤商品の市場シェアなど販売実績を裏付ける証左は見いだせず,当該商品に係る広告費を裏付ける証左もなく,テレビCMの放送内容,回数は確認できないから,極潤商品は,需要者の間で広く認識されているものと認めることはできない。
そうすると,極潤商品に付され及び使用されている「極潤」の文字は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
ウ してみれば,「極潤」の文字からなる引用商標1は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
また,引用商標2ないし13についても,それら商標を使用した商品の販売実績が確認できないなど,それら商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めるに足る証左は見いだせない。
したがって,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,いずれも申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標と引用商標1及び2との類否
申立人の主張の主旨に鑑み,まず,本件商標と引用商標1及び2との類否を検討することとする。
(ア)本件商標は,上記1のとおり,「極潤桜肌」の文字を標準文字で表してなり,その構成文字は,同書同大同間隔でまとまりよく一体に表され,その構成文字に相応して生じる「ゴクジュンサクラハダ」の称呼も,格別冗長というべきものでなく,よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして,本件商標は,その構成中「極潤」の文字部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える,又は,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認めるに足りる事情は見いだせない。
したがって,本件商標は,その構成文字全体が一体不可分のものであって,「ゴクジュンサクラハダ」のみの称呼を生じ,特定の観念を生じないものといわなければならない。
(イ)引用商標1は,上記2(1)のとおり,「極潤」の文字を標準文字で表してなり,引用商標2は,上記2(2)のとおり,「極潤」と「ゴクジュン」の文字を2段に横書きしてなり,いずれもそれら構成文字に相応し「ゴクジュン」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(ウ)そこで,本件商標と引用商標1及び2との類否を検討すると,外観において,両者の上記のとおりの構成文字は,本件商標と引用商標1とは後半部に「桜肌」の文字の有無という差異を,また,本件商標と引用商標2とは「桜肌」と「ゴクジュン」の文字の有無の差異をそれぞれ有し,それらの差異が本件商標と引用商標1及び2の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく,両者は外観上,相紛れるおそれはない。
次に,本件商標から生じる「ゴクジュンサクラハダ」と引用商標1及び2から生じる「ゴクジュン」の称呼を比較すると,両者は後半部において「サクラハダ」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから,それぞれを称呼するときは,明瞭に聴別し得るものである。
さらに,観念においては,両商標は共に特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると,本件商標と引用商標1及び2とは,外観,称呼において相紛れるおそれがなく,観念において比較できないものであるから,両者の外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
イ 本件商標と引用商標3ないし13との類否
本件商標は,上記1のとおり,「極潤桜肌」の文字を標準文字で表してなり,引用商標3ないし13は,上記2(3)ないし(13)のとおりの構成態様であって,上記アのとおり,本件商標と引用商標1及び2が非類似の商標であることからすれば,本件商標と引用商標3ないし13とは非類似の商標であること明らかである。
ウ 申立人の主張について
申立人は,「極潤」が同人の商標として広く知られており,本件商標の構成中「桜肌」が識別力がないか極めて弱い部分であるとして,本件商標はその構成中「極潤」が要部であり,強く支配的な印象を与えるもの部分であって,本件商標は引用商標と類似する旨主張している。
しかしながら,「極潤」が申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないことは上記(1)のとおりであり,また,「桜肌」が識別力がないか極めて弱いと認めるに足る証左,及び本件商標の構成中「極潤」が強く支配的な印象を与えるというべき事情は,いずれも見いだせない。
したがって,申立人のかかる主張はその前提において理由がないから,採用することはできない。
エ 小括
以上のとおり,本件商標と引用商標は非類似の商標であるから,両商標の指定商品が同一又は類似のものであるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(1)のとおり,引用商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,上記(2)のとおり,本件商標と引用商標は非類似の商標である。
そうすると,本件商標の指定商品と引用商標が使用される商品(化粧水など)が同一又は類似のものであるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(1)のとおり,引用商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,上記(2)のとおり,本件商標と引用商標は非類似の商標であって別異の商標といえる。
そうすると,本件商標は,商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他,本件商標が出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号,同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲
別掲1 引用商標7


別掲2 引用商標8(色彩は,原本参照。)


別掲3 引用商標9(色彩は,原本参照。)


別掲4(引用商標10)


別掲5(引用商標11)


異議決定日 2020-04-27 
出願番号 商願2018-67648(T2018-67648) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W03)
T 1 651・ 271- Y (W03)
T 1 651・ 263- Y (W03)
T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
最終処分 維持 
前審関与審査官 渡辺 悦子小林 郁内藤 順子 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 大森 友子
平澤 芳行
登録日 2019-08-16 
登録番号 商標登録第6172526号(T6172526) 
権利者 株式会社アクティフ
商標の称呼 ゴクジュンサクラハダ、ゴクジュン、キョクジュン、サクラハダ 
代理人 竹内 耕三 
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