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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W29 審判 全部申立て 登録を維持 W29 審判 全部申立て 登録を維持 W29 審判 全部申立て 登録を維持 W29 |
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管理番号 | 1362563 |
異議申立番号 | 異議2019-900275 |
総通号数 | 246 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-06-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-09-24 |
確定日 | 2020-05-14 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6157278号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6157278号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6157278号商標(以下「本件商標」という。)は、「sedia」の欧文字を別掲1のとおりの態様で表してなり、平成30年7月27日に登録出願、第29類「肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,加工卵,お茶漬けのり,ふりかけ」を指定商品として、令和元年5月20日に登録査定され、同年6月28日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1241461号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様 別掲2のとおり 指定商品 第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」及び第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」 登録出願日 昭和48年12月10日 設定登録日 昭和51年12月13日 書換登録日 平成20年2月13日 (2)登録第4027952号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様 別掲3のとおり 指定商品 第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,ブラジル料理としてのフェジョアーダ,カレー・シチュー又はスープのもと,乳製品,食用油脂」 登録出願日 平成6年10月3日 設定登録日 平成9年7月11日 (3)登録第5754560号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様 SADIA(標準文字) 指定商品 第29類「チーズ,マーガリン,バター,ベーコン,ソーセージ,レバー,食肉,塩漬肉,豚肉,ハム,冷凍肉,鶏肉,牛肉,七面鳥肉,フランクフルトソーセージ,冷凍野菜,加工野菜」及び第30類「ピザ,チーズバーガー,パスタ,スパゲッティのめん,ハンバーガー,ラザニア」 登録出願日 平成26年12月12日 設定登録日 平成27年3月27日 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。 (1)本件商標について 本件商標は、やや図案化された欧文字「sedia」を横書きしてなり、その文字構成に相応し「セディア」の称呼が生じる。 (2)引用商標について 引用商標1及び2は、ややデザイン化された欧文字で「Sadia」と横書きしてなり、引用商標3は欧文字「SADIA」を標準文字で横書きしてなり、いずれもそれらの構成文字に相応し「サディア」の称呼が生じる。 (3)商標法第4条第1項第11号について ア 商標の類似について (ア)本件商標の称呼「セディア」と引用商標の称呼「サディア」を比較すると、ともに3音で構成され「ディア」は共通するから、相違する音は「セ」と「サ」のみであり、これらはともにサ行の音であって母音も「エ」と「ア」で近似する。 さらに、「セ」と「サ」は比較的弱く聴取される音であるのに対し、後続する「ディア」は濁音と相まって強く印象づけられるから、これらを一息に称呼した場合には聴別しがたいものとなり、需要者に与える称呼の全体印象が相紛らわしいものとなる。 したがって、本件商標と引用商標は称呼上類似する。 (イ)外観について検討するに、本件商標がやや図案化された欧文字で「sedia」と横書きされてなり、引用商標は「Sadia」もしくは「SADIA」と横書きされたものであり、そのつづりは2番目の「e」と「a」もしくは「A」において異なるにすぎず、また、本件商標と引用商標1及び2の図案化の程度も高くなく、引用商標3は標準文字で構成されるから、文字の共通性、図案化の程度と相まって外観上極めて近似した印象を与える。 したがって、本件商標と引用商標は外観上相紛らわしい類似の商標といえる。 イ 商品の類似性について 本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と抵触する。 ウ 小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似の商標であって、類似の商品について使用されるものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、「PERDIGAO ASIA PTE.LTD.」と「BRF BRASIL FOODS PTE.LTD.」を前身とする法人であり(甲5)、ブラジルに本社を置く食品メーカー「Brasil Foods S.A.」(通称:BRF。以下「BRF」という。)傘下において、アジアにおける事業を行っている。 BRFは、ブラジル国内では32の工場、20の配送センターを、国外でも5の工場、27の配送センターを所有し、2018年の売上高は340億ドル超、販売総量は約5000トンにおよび、そのうち売上高の53パーセント、販売総量の54パーセントがブラジル国外への輸出で占められ、鶏肉の製造販売では世界シェアの11.3パーセントを占める世界第2位の鶏肉加工メーカーであって、グループ全体の従業員数は約11万人にのぼる(甲6、甲7)。 SadiaはBRFが展開する食品ブランドの一つであるが、同ブランドはBRFの前身である「Sadia S.A.」の1944年の設立以来継続して展開されており、その商品は日本を含む140の国々で販売されている。 申立人はブラジルのみならず、南米、欧米、アジア、中東の国々でSadia関連商標の登録を多数所有している(甲8、一部である。) また、申立人はリオデジャネイロで開催された2016年(平成28年)夏のオリンピックでは公式サプライヤーも務めており(甲9)、申立人及び申立人が展開するSadiaブランドは世界的に著名となっている。 さらに、本件商標が「肉製品,加工水産物」などに用いられるのに対し、引用商標も食肉等をはじめとする食品に用いられるものであるところ、これら商品は商社や卸売業者を通じて取引され、スーパー、デパート、食料品店などにおいて一般需要者に販売されるから、流通や販売経路、取引者、需要者は共通する。 このように、引用商標は世界的に著名な商標であって、本件商標は引用商標と類似するところ、流通・販売経路、取引者、需要者の層など取引実情が共通するから、本件商標が使用されると申立人の商品と混同が生じるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標は、上記1のとおり、「sedia」の欧文字を別掲1のとおりの態様で表してなるところ、当該文字は、辞書等に載録されているものではなく、特定の意味を有しない造語と認められるから、その構成文字に相応し「セディア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標1及び2は、「Sadia」の欧文字を別掲2及び3のとおりの態様で表してなり、また、引用商標3は、上記2(3)のとおり、「SADIA」の文字を標準文字で表してなしてなるところ、これらの文字は、辞書等に載録されているものではなく、特定の意味を有しない造語と認められるから、いずれもそれらの構成文字に相応した「サディア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ そこで、本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、両者は、2文字目において「e」と「a(A)」の差異をし、この差異が共に5文字という短い文字構成からなる両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえず、また、両者は、それらの書体やデザイン化などによる構成態様が異なるものであるから、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。 次に、本件商標から生じる「セディア」と引用商標から生じる「サディア」の称呼を比較すると、両者は、語頭において「サ」と「セ」の音の差異を有し、この差異音は同行音であるものの、該差異が共に3音という短い音構成からなる両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、かれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。 さらに、観念においては、両商標は共に特定の観念を生じないものであるから比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。 エ 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似であるとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 引用商標の周知性について 申立人は、同人はブラジルに本社を置くBRF傘下においてアジアにおける事業を行っている、BRFは鶏肉の製造販売では世界第2位の鶏肉加工メーカーである、「sadia」はBRFが展開する食品ブランドの一つである、同ブランドの商品は日本を含む140の国々で販売されているなどとして、引用商標は世界的に著名な商標である旨主張するとともに、「BRF SUSTAINABILITY REPORT 2018の抜粋(写)」などの証拠(甲5?甲9)を提出している。 しかしながら、申立人提出の証拠によっては、引用商標を使用した商品の我が国における販売額などの取引実績はもとより、引用商標が我が国において何らかの商品に使用されたことを示す証左は見いだせない。 また、申立人とBRFとの関係も不明である。 そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、いずれも申立人及びBRF(以下、両者を合わせて「申立人等」という。)の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 イ 出所の混同のおそれについて 上記アのとおり、引用商標は、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(1)のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標であって別異の商標というべきものであり、両者の類似性の程度は低いものである。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人等)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 ウ 以上よりすると、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) 別掲2(引用商標1) 別掲3(引用商標2) |
異議決定日 | 2020-04-27 |
出願番号 | 商願2018-96443(T2018-96443) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(W29)
T 1 651・ 261- Y (W29) T 1 651・ 271- Y (W29) T 1 651・ 262- Y (W29) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 馬場 秀敏 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
大森 友子 平澤 芳行 |
登録日 | 2019-06-28 |
登録番号 | 商標登録第6157278号(T6157278) |
権利者 | セキセイ株式会社 |
商標の称呼 | セディア |
代理人 | 特許業務法人川口國際特許事務所 |