ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W36 審判 査定不服 観念類似 登録しない W36 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W36 審判 査定不服 外観類似 登録しない W36 |
---|---|
管理番号 | 1362520 |
審判番号 | 不服2019-3200 |
総通号数 | 246 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-06-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-03-07 |
確定日 | 2020-05-08 |
事件の表示 | 商願2017-150813拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「長期事業サポートローンつなぐ」の文字を標準文字により表してなり、第36類「資金の貸付け,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,前払式支払手段の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,商品代金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,慈善のための募金」を指定役務とし、平成29年11月16日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5853497号商標(以下「引用商標」という。)は、「つなぐ」の文字を標準文字により表してなり、平成27年12月22日に登録出願、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,商品代金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機の貸与,現金自動預け払い機の貸与」を指定役務として、同28年5月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和元年11月28日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。 4 証拠調べ通知に対する請求人の意見 「長期事業サポートローン」の文字部分からは、「長期事業をサポートするローン」、「長期的に事業をサポートするローン」及び「長期的な(事業をサポートする)ローン」の3つの解釈が生じ、結果、役務の質を直接的又は具体的に表示するものとはいい難く、本願商標「長期事業サポートローンつなぐ」から、「長期事業サポートローン」のみを捨象し、「つなぐ」の部分のみを抽出することは許されない。 5 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標について 本願商標は、上記1のとおり、「長期事業サポートローンつなぐ」の文字からなるところ、その構成中、「長期」の文字は「長い期間」を、「事業」の文字は「一定の目的と計画とに基づいて経営する経済的活動」を、「サポート」の文字は「支援」を、「ローン」の文字は「貸付」を意味するものである(いずれも株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)。 加えて、別掲における証拠調べ通知によって示した事実によれば、本願指定役務のうち「資金の貸付け」の分野においては、長い期間の貸付を「長期○○ローン」と称することが一般的であり、かつ、事業資金の貸し付けの分野において、「事業サポート」の文字が普通に用いられている事実が認められる。 そうすると、本願商標構成中、「長期事業サポートローン」の文字からは、「長い期間事業を支援するための貸付」程の意味合いを理解させるというのが相当であって、本願商標に接する需要者をして、「資金の貸付け」に係る役務の内容、すなわち、質を認識させるにとどまることから、当該文字部分は、役務の出所識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものといえる。 してみれば、本願商標の構成中「長期事業サポートローン」の文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものである。 一方、本願商標構成中、「つなぐ」の文字は「切れたり離れたりしているものを続け合わせる。」等の意味を有するものであり(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)、本願指定役務との関係において、役務の質等を認識させるものではないから、本願商標は、その構成中「つなぐ」の文字部分が、自他役務の識別標識としての機能を発揮する部分であるとみるのが相当であって、取引者、需要者に対し強く印象付けられる要部であるといえ、本願商標は、その構成中「つなぐ」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 そうすると、本願商標は、その構成文字全体から「チョウキジギョウサポートローンツナグ」の称呼を生じるほか、その構成中の「つなぐ」の文字に相応して「ツナグ」の称呼を生じ、また、当該文字は、「切れたり離れたりしているものを続け合わせる。」の意味を有する語として一般に親しまれているといえるから、「切れたり離れたりしているものを続け合わせる。」の観念を生じるものである。 イ 引用商標について 引用商標は、上記2のとおり、「つなぐ」の平仮名からなるところ、当該文字に相応して「ツナグ」の称呼及び「切れたり離れたりしているものを続け合わせる。」の観念を生じるものである。 ウ 本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標の類否を検討すると、本願商標の要部である「つなぐ」の文字部分と引用商標とは、外観を同一にするものであって、「ツナグ」の称呼及び「切れたり離れたりしているものを続け合わせる。」の観念を同一にするものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観及び称呼において差異を有するとしても、本願商標の要部と引用商標の比較においては、外観、称呼及び観念を同一にするものであるから、これらを総合して考察すると、両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 エ 本願の指定役務と引用商標の指定役務について 本願の指定役務と引用商標の指定役務は、それぞれ上記1及び2のとおりであり、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一の「資金の貸付け」を含むものであると認められる。 オ 小括 以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務と同一の役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は、「長期事業サポートローン」の文字部分からは一義的な意味が生じず、結果、役務の質を直接的又は具体的に表示するものとはいい難いものであり、本願商標「長期事業サポートローンつなぐ」から、「長期事業サポートローン」のみを捨象し、「つなぐ」の部分のみを抽出することは許されないと主張している。 しかしながら、「長期事業サポートローン」の文字は、上記(1)アのとおり、「長期」、「事業」、「サポート」及び「ローン」の各語の有する意味や、「資金の貸付け」の分野における「長期○○ローン」や「事業サポート」の用語の使用例に照らせば、辞書等に一連一体の一義的な意味が掲載されていないとしても、本願商標に接する需要者、取引者に「長い期間事業を支援するための貸付」程の意味合いを容易に理解させるというのが相当であり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、同機能を発揮するのは「つなぐ」の文字部分にあるとみるのが相当である。 したがって、請求人のかかる主張は採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 証拠調べ通知書において示した事実 1 本願指定役務の分野において、「長期○○ローン」の文字が使用されている例 (1)「株式会社八十二銀行」のウェブサイトにおいて、「資金サポート」の見出しの下、「長期事業ローン あなたの事業に、最高3億円・最長20年の設備資金・長期運転資金を。」の記載がある。 (https://www.82bank.co.jp/hojin/shikin/) (2)「株式会社南都銀行」のウェブサイトにおいて、「長期事業者ローン」の見出しの下、「最高3億円・最長30年の大型の中小企業者向けローンです。」の記載がある。 (http://www.nantobank.co.jp/hojin/tyoutatsu/long) (3)「多摩信用金庫」のウェブサイトにおいて、「たましん長期リフォームローン『リフォーム上手』」の見出しの下、「長期リフォームローン『リフォーム上手』は、ご利用中の住宅ローン(他の金融機関を含む)返済実績が10年以上のお客さまのリフォームを、最大25年・最大1,000万円までサポート。従来のリフォームローンに比べ、返済期間を長期化することで、月々の返済を”らくらく”できる、お客様の声にお応えしたリフォームローンです。」の記載がある。 (https://www.tamashin.jp/01_personal/06_service_list/02_loan/reform.html) (4)「株式会社北洋銀行」のウェブサイトにおいて、「ほくよう長期安心ローン【フラット35】」の見出しの下、「※『ほくよう長期安心ローン』は住宅金融支援機構の証券化支援事業を活用したローンで、住宅金融支援機構の呼称は【フラット35】です。」及び、「※ご返済期間が最長35年の『全期間固定金利』の住宅ローンです。保証料・繰上返済手数料も不要です。」の記載がある。 (https://www.hokuyobank.co.jp/person/loan/house/flat35.html) 2 本願指定役務の分野において、「事業サポート」の文字が使用されている例 (1)「中央労働金庫」のウェブサイトにおいて、「NPO事業サポートローン」の見出しの下、「 <中央ろうきん>では、地域の福祉向上を目指すNPO法人の活動を支援することを目的に、NPO法人専用の融資制度『ろうきんNPO事業サポートローン』を取り扱っています。」及び、「お使いみち」の項目に、「NPO法人の行う特定非営利活動にかかわる事業およびその他事業に必要な以下の資金」の記載がある。 (http://chuo.rokin.com/loan/npo_loan/) (2)「株式会社みなと銀行」のウェブサイトにおいて、「オーダーメイド型事業サポートローン『お誂え』【事業承継版】の取扱開始について」の見出しの下、「本商品は、『不動産担保・個人保証等に過度に依存せず事業特性等に着目した融資』の一つとしてご好評を頂いております『お誂え』の枠組みを活かしながら、新たに借入金額や期間の幅を拡げ、中小企業の皆さまの事業承継に必要な株式取得資金や納税資金など、幅広い資金需要にお応えしていくものです。」の記載がある。 (https://www.minatobk.co.jp/topics/news/file/998/topics20170731.pdf7) (3)「淡陽信用組合」のウェブサイトにおいて、「融資・ローン」の見出しの下、「事業者向けご融資」として、「だんよう事業サポートローン(個人事業主用:証書貸付形式)」「だんよう事業サポートローン(個人事業主用:当座貸越形式)」「だんよう事業サポートローン(法人用:証書貸付形式)」「だんよう事業サポートローン(法人用:当座貸越形式)」の記載がある。 (http://www.danyo.co.jp/kariru/zigyou.html) (4)「AZ株式会社」のウェブサイトにおいて、「事業サポートローン」の見出しの下、「法人名義での融資なら総量規制対象外です。・個人の方でも事業資金目的なら総量規制対象外です。」及び、「資金使途」として「事業資金」の記載がある。 (http://kir112692.kir.jp/az/new/jigyou_loan.php) |
審理終結日 | 2020-03-12 |
結審通知日 | 2020-03-13 |
審決日 | 2020-03-27 |
出願番号 | 商願2017-150813(T2017-150813) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(W36)
T 1 8・ 261- Z (W36) T 1 8・ 264- Z (W36) T 1 8・ 262- Z (W36) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 守屋 友宏 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
綾 郁奈子 鈴木 雅也 |
商標の称呼 | チョーキジギョーサポートローンツナグ、チョーキジギョーサポートローン、サポートローンツナグ、チョーキジギョー、サポートローン、サポート、ツナグ |
代理人 | 安達 友和 |