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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W30
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W30
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W30
管理番号 1362501 
審判番号 不服2019-12695 
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-09-25 
確定日 2020-05-07 
事件の表示 商願2018- 64509拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第30類「茶,茶飲料,コーヒー,ココア,和菓子,洋菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,香辛料,スパゲッティの麺,マカロニ」を指定商品として,平成30年5月7日に登録出願されたものである。

第2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5997570号商標(以下「引用商標」という。)は,「長閑」の文字を縦書きで書し,その右隣に「のどか」の文字を縦書きで書した構成からなるものであり,平成29年3月1日に登録出願され,第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品「抹茶,その他の茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」を指定商品として,同年11月17日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1) 商標の類否について
ア 本願商標について
(ア) 本願商標は,別掲のとおり,円の中に3枚の葉と思しきものを描いた図形部分と,図形部分に比べて大きく,太い黒線で表してなる「NODOKA」の文字部分とを間隔を空けて上下に配した構成からなる結合商標である。
(イ) 本願商標において,図形部分と文字部分とは,視覚上,分離して看取,把握されるものであり,また,全体として,特定の観念を生じるものでもないうえに,他に,両部分を常に一体不可分なものと認識しなければならないような特段の関連性は認められない。
そうすると,本願商標は,その構成中の図形部分と文字部分とを分離して観察することが,取引上,不自然と思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないことから,両部分がそれぞれ独立して,取引者,需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
(ウ) 以上からすると,本願商標は,その構成中の「NODOKA」の文字部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきであり,該文字は,その読みとあいまって,「のんびりと,おちついて静かなさま。ゆっくりと,あわてないさま。」を表す語として一般に広く知られた「長閑(のどか)」を想起させるものであって,それを欧文字表記したものと看取,理解されるといい得るものである。
したがって,本願商標は,その構成中の「NODOKA」の文字部分に相応して,「ノドカ」の称呼及び「のんびりと,おちついて静かなさま。ゆっくりと,あわてないさま。」という観念を生じるものといえる。
イ 引用商標について
引用商標は,上記第2のとおり,「長閑」の文字を縦書きで書し,その右隣に「のどか」の文字を縦書きで書した構成からなるところ,「長閑」の文字及びその読みを表したものと理解される「のどか」の文字とを組み合わせた構成からなるものと看取,把握されるものであり,その構成文字に相応して「ノドカ」の称呼を生じる。
また,「長閑」及び「のどか」の文字は,「のんびりと,おちついて静かなさま。ゆっくりと,あわてないさま。」の意味を有する語として一般に広く知られているものであり,その語義どおりの観念を生じる。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標の構成中の「NODOKA」の文字部分と引用商標とを比較すると,本願商標に係る「NODOKA」の文字は,上記ア(ウ)で検討のとおり,「ノドカ」の称呼及び「のんびりと,おちついて静かなさま。ゆっくりと,あわてないさま。」という観念を生じるものであり,また,引用商標も,上記イで検討のとおり,「ノドカ」の称呼及び「のんびりと,おちついて静かなさま。ゆっくりと,あわてないさま。」という観念を生じるものであるから,両者は,称呼及び観念を同一とするものである。
また,本願商標の構成中の「NODOKA」の文字部分と引用商標を構成する「長閑」及び「のどか」の文字とは,文字の種類において,欧文字と平仮名,漢字という差異はあるものの,いずれも特徴のない一般に用いられる書体をもって表されていることから,外観上,両者におけるその差異は,看者に対し,さほど強く印象付けられるとはいい難い。
そうすると,本願商標の構成中の「NODOKA」の文字部分と引用商標は,称呼及び観念を同一とするものである上,外観における差異が両商標の類否に大きく影響を及ぼすものともいえないから,これらを総合勘案すれば,両者は,同一又は類似する商品について使用するときは,相紛れるおそれがあるというべきである。
したがって,本願商標と引用商標とは,互いに紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(2) 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品中「抹茶,その他の茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,香辛料,穀物の加工品」と同一又は類似のものである。
(3) 小括
以上のとおり,本願商標と引用商標とは,互いに紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1) 請求人は,本願商標は「ノドカ」「葉っぱ」の称呼を生じる旨主張する。
そこで検討するに,上記主張は結合商標である本願商標が分離観察できないことを前提とするものであるといえるところ,図形部分について,特定の称呼が生じるほどに,我が国において特定の事物を表したもの又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことに加え,上記1(1)アで検討のとおり,本願商標から「NODOKA」の文字を要部として観察することは許されるといえるのであるから,上記主張はその前提において採用できない。
(2) 請求人は,引用商標は「ノドカノドカ」の称呼を生じ,「心がくつろいでのびのびしているさま。また,天気がよく穏やかなさま。」の観念が「2つ」生じる旨主張する。
しかし,上記1(1)イで検討のとおり,引用商標は「長閑」の文字及びその読みを表したものと理解される「のどか」の文字とを組み合わせた構成からなるものと看取,把握できると解するのが合理的である。
なお,請求人は,本願商標の「NODOKA」の文字から「心がくつろいでのびのびしているさま。また,天気がよく穏やかなさま。」の観念が生じる旨を主張しつつ,引用商標の「長閑」あるいは「のどか」の文字からも「心がくつろいでのびのびしているさま。また,天気がよく穏やかなさま。」の観念が生じる旨主張しており,本願商標の「NODOKA」の文字から生ずる観念と,引用商標の「長閑」あるいは「のどか」の文字から生ずる観念とは同一であることを認めているところである。
(3) 請求人は,引用商標の商標権者「一保堂」は京都市に本社を構える茶の老舗であり,引用商標は春限定の抹茶に使用されている事実が認められるところ,需要者は引用商標の商標権者の商品「のどか」を購入する場合,縦書きの平仮名「のどか」と「一保堂」を明確に認識して購入するはずであり,誤って,英文字で「NODOKA」と記載され洋風のパッケージを備えた本願商標を付した商品を購入するようなことはない旨主張する。
しかしながら,商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは,その指定商品全般についての一般的,恒常的なそれを指すものであって,単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的,限定的なそれを指すものではないところ(最判昭49年4月25日(昭和47年(行ツ)第33号)),請求人の上記主張は,まさに本願商標及び引用商標が現在使用されている商品について単に説明するにすぎず,本願商標と引用商標とが類似するとした判断に影響するものではなく,請求人の上記主張は,採用できない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲 別掲(本願商標)


審理終結日 2020-03-04 
結審通知日 2020-03-10 
審決日 2020-03-24 
出願番号 商願2018-64509(T2018-64509) 
審決分類 T 1 8・ 264- Z (W30)
T 1 8・ 262- Z (W30)
T 1 8・ 263- Z (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀内 真一 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 石塚 利恵
須藤 康洋
商標の称呼 ノドカ 
代理人 下田 一徳 
代理人 中川 慶太 
代理人 辻田 朋子 
代理人 樋口 頼子 

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