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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W14
審判 全部申立て  登録を維持 W14
審判 全部申立て  登録を維持 W14
管理番号 1361755 
異議申立番号 異議2018-900246 
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-09-01 
確定日 2020-04-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第6050970号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6050970号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6050970号商標(以下「本件商標」という。)は、「IK Colouring」の文字を標準文字で表してなり、平成30年3月30日に登録出願、第14類「時計,腕時計」を指定商品として、同年5月29日に登録査定、同年6月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する標章
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する標章は、別掲に示すとおりの構成からなる標章(以下「使用標章1」という。)、「IK COLOURING」の欧文字よりなる標章(以下「使用標章2」という。)及び「ikcolouring」の欧文字よりなる標章(以下「使用標章3」という。)であり、申立人の業務に係る商品「腕時計」に使用していると主張するものである(以下、これらをまとめて「使用標章」という。)。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第49号証(なお、甲各号証の表記にあたっては、「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第10号について
ア 申立人の業務に係る商標について
申立人は、本件商標の出願日前から現在に至るまで、日本国内において、使用標章を申立人の業務に係る「腕時計」に使用している(甲2、甲9ないし甲13、甲29、甲30ないし甲32)。
イ 商標の類否について
本件商標と使用標章1は、同一の英文字から構成されていることから、両者は、同一の称呼及び観念が生じることは明らかである。また、両者の外観の違いは、フォント及び1段書きか2段書きかにすぎず、両者は明らかに類似している。
使用標章2及び使用標章3と本件商標との違いは、大文字と小文字又はスペースの有無にすぎないため、使用標章2及び使用標章3も本件商標と外観が類似し、称呼及び観念が同一であり、類似商標といえる。
以上のとおり、本件商標と使用標章とは、外観上の差異を有するとしても、称呼及び観念において同一であるから、これらを総合考慮した場合、全体として互いに紛らわしい関係にあり類似する商標というのが相当である。
ウ 本件商標と使用標章の商品の同一又は類似性について
使用標章を使用している申立人の業務に係る商品「腕時計」は本件商標の指定商品「時計,腕時計」と同一又は類似である。
エ 使用標章の周知性について
(ア)甲2ないし甲8に示すとおり、申立人の子会社である「広州市阿佛士貿易有限公司(Afoshi Trading Company Limited)」(以下「Afoshi社」という。甲39)は、平成29年1月23日ないし26日に、東京で開催された「第28回国際宝飾展」において、使用標章が付された腕時計を展示し、使用標章を付したパンフレット(甲2)を多数配布し、その期間に、カスタマーから多くの問い合わせを受けている(甲6)。
(イ)甲9ないし甲16に示すとおり、使用標章1を付した腕時計の包装用箱や保証カード等は、10万件以上印刷されており、申立人の関連会社である「広州市新新精誠礼品有限公司(GUANGZHOU XXJC WATCH MANUFACTORY LTD.)」により使用されている。
(ウ)甲29ないし甲32に示すとおり、使用標章1が付された腕時計は、申立人により独占販売許可された日本アマゾンの店舗「GUTE」において数多く販売され、需要者から高い評判を受けている。
甲47は、2018年3月から同年6月の日本アマゾンサイトにおける使用標章を付した申立人の業務に係る時計の販売データ(データ数が多いため、一部を掲載)である。また、甲49には、日本アマゾンサイトにおける使用標章を付した申立人の業務に係る時計の販売数量と売上高を示すものである。
平成29年12月19日から本件商標の出願日である同30年3月30日の間の3ないし4か月の間だけでも、使用標章を使用した申立人の業務に係る時計は、少なくとも約1,700個が販売され、その売上高は約900万円であり、本件商標の出願後も使用標章を付した申立人の業務に係る時計の販売数最は順調に推移し、平成29年12月19日から同30年6月30日の間の販売数量は、約3,300個、売上高は、約1,750万円となっている。
(エ)以上のとおり、使用標章が付された腕時計は、申立人らの使用により、本件商標の出願日前から現在に至るまで、日本の需要者に広く知られていると解されるべきである。
したがって、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、使用標章は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、日本の需要者に広く認識されていたと認めることが相当であり、本件商標は使用標章と類似のものであり、かつ、その商品も同一又は類似するものである。
オ よって、本件商標は、商標法第4条1項10号に該当するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上述のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、使用標章は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国及び外国の需要者に広く認識されており、本件商標と使用標章は類似している。
したがって、本件商標をその指定商品に使用したとき、需要者は、使用標章を連想又は想起し、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると、出所の混同を生じさせるおそれがあることは明らかである。
よって、本件商標は、商標法第4条1項15号に該当するものである。
(3)商標法第4条第1項第19号について
ア 申立人の使用標章の外国における周知性について
ウィキペディアの中国版に相当する「百度百科」(甲40)において、使用標章1及び使用標章2は、申立人が1993年に創設したブランドであり、韓国やドイツを始め世界各国で好評を得て販売されていることが記載されており、使用標章1と使用標章2は、申立人の業務に係る腕時計を表示するものとして、既に中国ではもちろん、韓国やドイツを始め外国で広く認識されている。
また、申立人のドイツにおける腕時計の販売・宣伝状況(甲33ないし甲35)によれば、使用標章1が付された腕時計は、ドイツアマゾンにおいて既にベストセラーに入っている。さらに、申立人は、当該時計について、ドイツのメディア会社に依頼してモデル写真を撮影し、使用標章1が付された腕時計を宣伝している。
したがって、申立人の使用標章1は、少なくとも中国、韓国及びドイツにおいて広く認識されていることは明らかである。
加えて、申立人は、本件商標の出願日前に、指定商品を腕時計として、使用標章1を、複数の国で商標登録していることからも、申立人の使用標章は、日本のみならず外国でも広く認識されているといえる。
イ 本件商標の商標権者の不正の目的について
使用標章は、申立人の腕時計を表示するものとして、我が国及び外国において、広く認識されているところ、本件商標権者は、申立人の製造販売による商品を使用証拠として提出して、本件商標の早期審査による、早期登録を図り、登録後には、2015年から申立人の腕時計を日本で独占的に販売してきた日本アマゾン店舗「GUTE」に対して、販売差止の申立てを行っている。
このような経緯より、本件商標権者が、図利加害等不正の目的をもって、本件商標の早期登録を図り、使用していることは明らかである。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の出願時及び登録査定時において、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものに該当する。
よって、本件商標は、商標法第4条1項19号に該当するものである。

4 当審の判断
(1)使用標章の周知性について
申立人は、使用標章は、申立人の子会社である「Afoshi社」、申立人の関連会社である「広州市新新精誠礼品有限公司」及び申立人から独占販売許可された日本アマゾンの店舗「GUTE」により、申立人の業務に係る「腕時計」に使用され、広く知られている旨主張している。
以下、使用標章に係る商品「腕時計」を「申立人商品」という場合がある。また、申立人のうち、瑞士新新精▲誠▼国▲際▼(香港)有限公司を「申立人1」、▲エン▼ 林霞を「申立人2」といい、両者を合わせて「申立人」という。
なお、Afoshi社及び広州市新新精誠礼品有限公司は、いずれも申立人1の関連会社であると認められる(甲39)。
ア 甲2ないし甲8は、「第28回国際宝飾展」に関する証拠とされるものであり、Afoshi社が、平成29年1月23日ないし26日に東京で開催された「第28回国際宝飾店」に出店し、使用標章1が付された腕時計を展示したこと、使用標章が表示された腕時計の商品カタログを配布したこと、及びカスタマーから問い合わせを受けたことがうかがわれ、また、2016年(平成28年)11月20日付けで申立人1が作成したパンレットの出庫書には、数量「500」と記載されている。
イ 甲9ないし甲13は、使用標章に係る商品の包装箱、包装袋、使用説明書、保証カード及びマニュアルの写真であり、これらには、いずれも使用標章1が表示されている。また、2016年2月20日付け、同年6月15日付け及び同年11月10日付け包装箱の領収書(甲14)には、数量欄に、それぞれ5万、6万及び8万の記載があり、2016年2月10日付け及び同年5月12日付けの使用説明書及び保証カードの領収書(甲15)には、商品の数量欄にいずれも10万の記載があり、2016年10月25日付けの使用説明書、保証カード及びパンフレットの領収書(甲16)には、数量欄に前者二つは15万、後者は1万の記載がある。
ウ 甲17ないし甲24、甲39及び甲42は、使用標章1又はこれを構成中に含む商標の各国における登録状況を示すものであり、申立人1又は申立人1の関係者が、第14類の腕時計等を指定商品として、中国、米国、欧州、カナダ、スイス及びオーストラリアの6か国・地域において、登録を有している。
エ 甲30ないし甲32及び甲46、甲47及び甲49は、Amazonにおける注文及び販売データ記録、販売記録、口コミ記事及び販売状況とされるものであり、2016年4月26日から販売チャネルを「Amazon.co.jp」として、腕時計「IK Colouring」の注文がされている記載があり、また、2016年7月13日ないし2018年7月13日までの「IK Colouring」の販売データとされものには、注文総数として「8,034」の記載がある。さらに、2017年3月を注文日とする申立人商品の発送用書類と思われるものには、「Amazon.co.jpよりGuTe Tradeの商品をお買い上げいただき、ありがとうございました。」の記載及び出品者名として「GuTe Trade」の記載がある。加えて、日本アマゾンの販売状況によれば、2017年12月19日ないし2018年3月30日の期間の申立人商品の販売個数は、約1,700個、売上高は約900万円である。
なお、Amazonの注文履歴(注文データ)(甲46、甲47)は、いずれも不鮮明といわざるを得ないものであり、その記載内容を明確には確認することができないものである。
オ 甲33ないし甲35は、申立人商品のドイツにおける販売記録、宣伝写真等であるところ、「Amazon Fashion」のウェブサイトに使用標章1が表示された申立人商品が掲載されていること及び同ウェブサイトに「Bestseller」の表題の下、「♯13」には、使用標章1が表示された腕時計が掲載されていることが確認できるが、「MEDIA」の表示がある宣伝写真の腕時計に、使用標章の表示があることを確認することができない。
また、甲40は、中国の百度百科のウェブサイトであり、これには使用標章に係るブランドが1993年に設立されたこと、台湾、韓国、ドイツ、欧州等世界中で販売されている旨の記載がある。
カ 上記アないしオによれば、Afoshi社は、平成29年1月23日ないし26日に東京で開催された「第28回国際宝飾展」に出店し、申立人商品が掲載されているパンフレットを配布したことがうかがわれるものの、当該展示会の規模及びパンフレットの配布数は明らかではなく、カスタマー記録とされるものは僅か15枚のみであって、日本語の記載もないものである。
また、申立人商品の包装箱、包装紙、使用説明書、保証カード及びマニュアルの写真には、使用標章1が表示されていることが認められ、平成28年に包装箱が19万、使用説明書が35万、保証カードが35万作成されたことはうかがえるものの、いつ、どこで、どの商品について使用されたものであるのか、我が国において販売された申立人商品に使用されたものであるかも確認できず、使用説明書、保証カード及びマニュアルは、英語及び中国語で作成されており、これが我が国の需要者に向けて作成されたものということもできない。
さらに、Amazonにおいて「GUTE」のウェブサイトを通じて、申立人商品が販売されていることが認められ、申立人は、平成29年12月19日から同30年3月30日の期間に、申立人商品が約1700個販売され、その売上高は約900万円であるとしているが、その市場占有率(シェア)は明らかでなく、その他、上記ウェブサイト以外に申立人商品が我が国において販売されていることを裏付ける証拠及び申立人商品に係る宣伝広告の証拠の提出はない。
加えて、申立人1又は申立人1の関係者が、中国、米国、欧州、カナダ等6か国・地域において、使用標章の登録を有しているとしても、商標を登録していることのみをもって、その周知性を推し量ることはできず、また、提出された証拠によっては、使用標章がドイツにおいて広く知られていることを認めることはできず、中国のウェブサイトにおいて、申立人商品が紹介されているとしても、申立人商品が外国において広く知られていることを裏付ける客観的な証拠の提出はない。
なお、申立人2については、使用標章の使用に関する証拠は何ら提出されていない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、使用標章は、我が国はもとより、外国においても、本件商標の登録出願時ないし登録査定時において、他人(申立人)の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
使用標章は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間で、申立人の業務に係る商品「腕時計」を表すものとして、広く認識されていたとは認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
また、使用標章が上記のように広く認識されていたと認められない以上、本件商標をその指定商品について使用をしても、これに接する需要者が、使用標章を連想、想起して、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように認識することはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
申立人は、使用標章は、申立人の腕時計を表示するものとして、我が国及び外国において広く認識されており、本件商標権者は、申立人の製造販売による商品を使用証拠として提出し、また、本件商標の登録後には、販売差止の申し立てを行っている経緯があることから、本件商標権者が、図利加害等不正目的をもって、本件商標の早期登録を図り、使用していることは明らかである旨主張している。
しかしながら、使用標章は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の取引者、需要者の間で、申立人の業務に係る商品を表すものとして、広く認識されていたとは認められないものであり、また、商品を販売するに当たり、商標権を取得し、当該商品の販売を行うことは一般に行われていることといえ、本件商標の審査において、自己の店舗において申立人商品を販売する証拠を提出したことによって、本件商標権者が不正の目的をもって、本件商標を取得したとまではいい難いものであり、さらに、本件商標権者が自己の所有する商標権に基づき他人に対して警告等をする行為は、そもそも、それ自体何ら違法なものとはいえないものであるから、上記、申立人の主張は、採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲
(使用標章1)


異議決定日 2020-04-09 
出願番号 商願2018-40706(T2018-40706) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W14)
T 1 651・ 271- Y (W14)
T 1 651・ 222- Y (W14)
最終処分 維持 
前審関与審査官 豊田 純一 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 山田 啓之
中束 としえ
登録日 2018-06-08 
登録番号 商標登録第6050970号(T6050970) 
権利者 小野 裕貴
商標の称呼 アイケイカラーリング、カラーリング 
代理人 有馬 百子 
代理人 有馬 百子 
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