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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1361743 
異議申立番号 異議2019-900244 
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-08-30 
確定日 2020-03-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第6149797号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6149797号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6149797号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおり,背景に菱形を組み合わせた様な地模様を配した赤色の横長長方形内に,白抜きで「MOKUMO」(決定注:2文字目と6文字目の「O」の文字は,それぞれの文字の中心部から上方向に突き抜ける1本の線が描かれている。以下,同じ。)の欧文字を横書きした構成からなり,平成30年10月26日に登録出願,第5類「サプリメント」を指定商品として,令和元年5月21日に登録査定,同年6月7日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由に引用する商標(以下「申立人商標」という。)は,別掲2に示した商品包装上部のあかね色の横長長方形内に,白抜きで表示されている「MOKUMO」(決定注:2文字目と6文字目の「O」の文字は,それぞれの文字の中心部から上方向に突き抜ける1本の線が描かれている。以下,同じ。)の欧文字を横書きしてなるものであり,商品「ビワ葉エキス末加工食品」について使用しているというものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第28号証を提出した。
1 申立ての理由の要約
本件商標は,その出願前から申立人の1社であるカーンインダストリーズリミテッド(以下「カーン社」という。)及び申立人の1社である小林株式会社(以下「小林社」という。)が協働して,日本及び韓国において製造・販売している商品の商標と酷似している。
したがって,商標権者が本件商標に係る出願を行い,登録することは,商取引における秩序を乱すものであり,商標法第4条第1項第7号に該当する。
2 具体的理由
(1)申立人について
カーン社は,香港において設立された法人であり,設立当初の商号はSayurijapan Limitedであったが,平成29年12月6日に商号変更登記をしている(甲2)。同社は,主として日本製の商品を韓国において販売するオンラインストア「SAYURI・JAPAN」を運営している(甲3)。
また,小林社は,平成28年7月28日に日本において設立された法人であり,設立当初の商号は,galaxy market株式会社であったが,同29年6月8日に商号変更登記をしている(甲4)。同社は,日本においてサプリメントや化粧品の商品企画を行い,これら企画商品の製造を日本国内のOEM製薬会社に委託したうえで,最終商品を韓国に輸出・販売することを事業の中心としている。
申立人は,健康機能食品について韓国を対象とする独占販売契約を平成28年8月1日に締結しており(甲5),小林社が日本における商品製造及び韓国への輸出を,カーン社が韓国内での商品販売を担う関係にある。
(2)本件商標と申立人商標との酷似性について
本件商標と,小林社が日本において製造し,カーン社が韓国において販売するサプリメント(以下「申立人商品」という。)に使用された申立人商標(甲6)とは,同一又は酷似しているものである。
さらに,本件商標に係る商品の包装についても(甲7),申立人商品と酷似している。
すなわち,両商標とも,同一の欧文字「MOKUMO」からなり,その書体や文字間隔に加え,構成文字「O」の部分に毛髪に似せた線状デザインが付加されている点において共通する。
また,これら商標を使用した商品包装についても,いずれも上部が赤一色で,下部が白一色で着色されており,共通する商標「MOKUMO」の配置位置が同一である。
そして,両商品包装において,商品包装最下部において赤色その他色彩による帯状図形の構成及び配置位置においても共通する。
加えて,本件商標権者の商品において商標「MOKUMO」と併記されたメッセージ「強く、太く、そして育てる」は,申立人商品の「強く、太く、そして長く」は類似するものである。
さらには,申立人商品「ビワ葉エキス末加工食品」は,本件商標の指定商品「サプリメント」に相当するものであり,また,いずれの商品も同一の「育毛に関するもの」である点で共通する。
(3)申立人商品の販売時期について
申立人は,独占販売契約に基づき,小林社が日本で製造した「ビワ葉エキス末加工食品」(商品名「MOKUMO」)を,遅くとも平成28年末にはカーン社に向けて輸出し,カーン社は「SAYURI・JAPAN」において,現在に至るまで同商品を販売している(甲6)。
それを裏付ける証拠として,カーン社(当時の社名はSayurijapan Limitedである。)における平成28年12月17日以降の「MOKUMO」の受注書類(甲8)及びカーン社が小林社に対して「MOKUMO」を500個発注した発注書(甲9)が存在する。
また,その当時より,上記した商品包装が用いられていることは,例えば韓国における個人ブログの記事(平成29年10月19日付)によっても明らかである(甲10)。
一方,小林社の商標登録出願第2018-146519号に対して本件商標権者が提出した刊行物提出書によれば(甲11),本件商標権者の商品の販売開始は平成29年7月である。
すなわち,商標「MOKUMO」を使用した申立人商品は,本件商標の出願日である平成30年10月26日,又は本件商標権者の商品の販売開始日である同29年7月よりも先行して,遅くとも同28年末には日本及び韓国で製造・販売が行われていた事実がある。
(4)韓国での対応出願について
カーン社は,申立人商品の韓国内での販売後,これが軌道に乗ったところで,商標「MOKUMO」について,第5類の「サプリメント」等を指定商品として,本件商標よりも先行する平成30年2月6日に韓国において出願し,同31年1月16日付にて登録されている(甲12)。かかる韓国出願の出願日は,本件商標に先行するものである。
(5)不正の目的の存在について
上記のとおり,本件商標権者は,申立人が先に製造・販売した商品に使用され,また,カーン社が韓国において先に出願していた商標と酷似する態様の本件商標を日本において登録出願しており,その登録出願は申立人商標を剽窃する意図をもってなされたというべきである。
そうすると,本件商標の登録出願の経緯について,社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることは,商取引における秩序を乱すものであり,公序良俗に反するおそれがあるといえるから,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 当審の判断
1 申立人提出の証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)カーン社は,香港において設立された法人であり,設立当初の商号はSayurijapan Limitedであったが,2017年(平成29年)12月6日に商号変更登記をした(甲2)。また,小林社は,平成28年7月28日に日本においてgalaxy market株式会社の商号で設立された法人であり,同29年6月8日に小林社に商号変更登記をした(甲4)。
(2)申立人は,健康機能食品について韓国を対象とする独占販売契約を2016年(平成28年)8月1日に締結しており(甲5),小林社が日本における商品製造及び韓国への輸出を,カーン社が韓国内での商品販売を担う関係にある。
しかし,当該契約書には,商標に関する規定がなく,申立人がどのような商標を使用しているのか不明である。
(3)申立人のサプリメント「MOKUMO」の商品販売ページと主張する証拠(甲6)は,外国語で記載されているためその詳細な内容は明らかでなく,かつ,商品の掲載日も不明である。
(4)カーン社は,「MOKUMO」の欧文字を横書きした態様の商標について,韓国において第3類,第5類の商品及び第35類の役務を指定商品及び指定役務として,2018年(平成30年)2月6日に商標登録出願し,その後,2019年(平成31年)1月16日に登録された(甲12)。
(5)本件商標権者と申立人との業務上の関係等について確認できる証拠の提出はない。
2 上記1の事実からすれば,小林社の取扱商品をカーン社が韓国内において独占販売する商品売買契約を締結したことは認められるものの,その契約書には,商標に関する規定がなく,申立人がどのような商標を使用しているのか不明であり,また,申立人商標を付した申立人商品が我が国において具体的に取引されている証拠も見いだせない。
また,本件商標権者が,本件商標の登録出願日前に申立人商標の存在を知り得る状況にあったと認め得るような証拠の提出や不正の目的をもって登録出願したことを示す具体的な証拠の提出はないから,本件商標の登録出願が,申立人商標による信用・利益を不正に得る意図で行われた剽窃的なものということはできない。
そして,申立人提出の証拠及び同人の主張を総合してみても,商標法の先願登録主義を上回るような,本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底認容し得ないような場合に該当すると認めるに足りる具体的事実を見いだすことができない。
さらに,本件商標を,その指定商品について使用することが,社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するということもできず,他の法律によってその使用が禁止されているものでもなく,本件商標の構成自体が,非道徳的,卑わい,差別的,きょう激又は他人に不快な印象を与えるような構成態様でもない。
その他,本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足る証拠の提出はない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
3 申立人の主張について
申立人は,本件商標は,申立人が先に製造・販売した商品に使用され,また,カーン社が韓国において先に出願していた商標と酷似していることに鑑みると,その登録出願が申立人商標を剽窃する意図をもってなされたというべきであり,本件商標の登録出願の経緯について,社会的相当性を欠くものがあるから,登録を認めることは,商取引における秩序を乱すものであり,公序良俗に反するおそれがある旨主張する。
しかしながら,申立人と本件商標権者との間の商標権の帰属等をめぐる問題は,あくまでも,当事者同士の私的な問題として解決すべき問題であるから,そのような場合にまで,「公の秩序又は善良の風俗を害する」特段の事情があると解することはできない。加えて,申立人の上記主張を裏付ける具体的な証拠は提出されていない。
したがって,申立人の主張は採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当するものではなく,その登録は同条第1項の規定に違反してされたとはいえないものであり,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲
別掲1
本件商標(色彩は,原本参照。)


別掲2
申立人商標(色彩は,甲第6号証を参照。)



異議決定日 2020-03-16 
出願番号 商願2018-133876(T2018-133876) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W05)
最終処分 維持 
前審関与審査官 鈴木 駿也 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 薩摩 純一
小松 里美
登録日 2019-06-07 
登録番号 商標登録第6149797号(T6149797) 
権利者 有限会社COREA COMMERCE
商標の称呼 モクモ 
代理人 特許業務法人BORDERS IP 
代理人 福井 孝雄 
代理人 小暮 君平 
代理人 船津 暢宏 
代理人 特許業務法人BORDERS IP 
代理人 福井 孝雄 
代理人 小暮 君平 
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