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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W30 |
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管理番号 | 1361619 |
審判番号 | 不服2019-5598 |
総通号数 | 245 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-05-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-04-25 |
確定日 | 2020-03-26 |
事件の表示 | 商願2017-121005拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「東京551」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成29年9月12日に登録出願され、その後、本願の指定商品については、原審における同30年6月18日付け手続補正書により、第30類「東京都で製造又は販売される菓子,東京都で製造又は販売されるパン,東京都で製造又は販売される豚まん,東京都で製造又は販売される中華まんじゅう」と補正されたものである。 2 原査定における拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、商品の産地、販売地の『東京都』を表す『東京』の文字と『551』の数字(文字)から構成される結合商標を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中の『551』の数字(文字)は、拒絶理由通知及び本査定において提示した新聞記事やウェブサイトに係る情報によれば、本願の指定商品に含まれる商品『豚まん』等との関係においては、大阪府大阪市所在の『株式会社蓬莱』が当該『豚まん』等について使用し、本願商標の登録出願前より、『551蓬莱』の愛称として、需要者に広く知られている『551』という商標を認識させるものである。そうすると、本願商標の構成中の『東京』の文字部分が、本願の指定商品との関係において、『東京都』という商品の産地、販売地を表したものと認識されることから、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標の構成中の『551』の文字(数字)部分に注目し、それから『株式会社蓬莱』に係る周知の商標(以下『周知商標』という。)を連想するとみるのが相当である。したがって、本願商標は、周知商標と同一又は類似する商標であって、周知商標に係る商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審においてした審尋 当審において、審判長は、令和元年11月29日付けで、別掲に示すとおりの用例を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するとする旨の見解を示した審尋を発し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。 4 審尋に対する請求人の回答 請求人は、前記3の審尋に対し、令和2年1月10日付け回答書を提出した。その内容の要旨は、以下のとおりである。 (1)本願商標は、「東京551」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同書、同大、等間隔で、外観上、まとまりよく一体に表されており、そこから生じる称呼も、よどみなく一連に称呼可能である。 また、本願商標の構成中、「東京」の部分は、「日本国の首都」の意味を有する語(株式会社岩波書店「広辞苑第7版」)であり、「551」の部分は、3桁のアラビア数字で構成されている。 (2)審尋において提示された用例は、いずれも数字の近くに「品番」、「型番」の文字があるものであるから、当該文字があって初めて数字を「品番」、「型番」であると認識できるのであり、当該文字がなければ、数字を「品番」、「型番」と必ずしも認識することはできない。 そうすると、「東京」の文字と一体的に表され、「品番」、「型番」の文字を付随しない「551」の数字は、本願の指定商品との関係において、「品番」、「型番」を表すものとみるべき合理的理由はない。 (3)上記(1)及び(2)によれば、本願商標の構成中の「551」の数字部分は、取引者、需要者により、「品番」、「型番」とは理解されず、「東京」の文字と合わせて、全体として、特定の意味合いを有しない一種の造語であると認識されるものである。 してみれば、本願商標は、商標全体として、まとまりよく一体的に表され、一連に称呼可能であることから、一体不可分の造語として理解されるものであり、これをその指定商品について使用した場合、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当するものではない。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、前記1のとおり、「東京551」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、同じ書体及び大きさをもって、等間隔に表されたものであるものの、その文字構成に照らせば、看者をして、容易に「東京」の語と「551」の数字とを結合してなるものと看取、把握されるものであり、また、その構成態様によれば、外観上、看者に強い印象を与える特徴を有するものなどとはいえない。 そして、本願商標の構成中、「東京」の文字部分は、本願の指定商品との関係においては、商品の製造地又は販売地を表したと認識されるものといえる一方、「551」の数字については、特定の意味合いを想起させるとはいい難いものであり、また、本願商標が、その構成全体をもって、まとまりある一体的な意味合いを想起させるなどといった特段の事情も見いだせない。 ところで、本願の指定商品と同種の商品を始めとする様々な産業分野においては、自己の製造、販売に係る各種商品について、その商品の管理又は取引の便宜性等の事情から、数字が、本願商標の構成中の「551」の数字と同じものを含め、商品の品番又は型番等を表示するための記号、符号として、取引上、普通に採択されているという実情がある(別掲1及び2参照)。 そうすると、本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、商品の製造地又は販売地を表してなる「東京」の文字に、商品の品番又は型番等を表示するための記号、符号の一類型と看取、理解され得る「551」の数字を結合してなるものとして認識するにとどまり、これを商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきである。 してみれば、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は、本願商標について、外観上、まとまりよく一体に表されたものであり、かつ、その構成全体から生じる称呼もよどみなく称呼できるものである上、その構成中の「551」の数字が、本願の指定商品との関係において、品番や型番等として認識されるとみるべき合理的な理由はないから、その構成全体をもって、特定の意味合いを有しない一体不可分の造語として理解されるものであり、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである旨主張する。 しかしながら、本願商標は、その構成態様を踏まえれば、特徴のない書体をもって表された「東京」の語と「551」の数字とを結合してなるものと看取、把握されるものであること、また、当該「東京」の文字部分は、本願の指定商品との関係において、商品の製造地又は販売地を表したと認識されるものといえる一方、当該「551」の数字については、特定の意味合いを想起させるとはいい難く、これらを結合してなる本願商標の構成全体からまとまりある一体的な意味合いを想起させるともいえないこと、さらに、本願の指定商品を含む様々な産業分野において、数字が、商品の品番又は型番等を表示するための記号、符号として、取引上、普通に採択されているといった取引の実情等を鑑みれば、当該「551」の数字がそのような記号、符号の一類型として看取、理解され得ることから、これらを総合勘案すれば、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、その構成全体をもって、商品の製造地又は販売地を表す文字(東京)に、商品の品番又は型番等を表示するための記号、符号の一類型といえる数字(551)を結合してなるものと認識するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきであること、上記(1)のとおりである。 したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであって、登録することができない。 なお、原査定は、原審において示した本願商標についての拒絶の理由(商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号、同法第4条第1項第10号、同法第4条第1項第15号、同法第4条第1項第11号)のうち、商標法第4条第1項第10号に該当するとの理由をもってなされたものであるが、本件審判においては、審理をした結果、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するとするのが適当との見解に至ったため、上記のとおり、請求人に対する審尋をし、その回答を得た上で、判断をすることとした。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(別掲) 1 「551」の数字が商品の品番又は型番等を表示するための記号、符号として用いられている例 (1)「MISUMI-VONA」のウェブサイトにおいて、「アルミ角パイプ551?558・564・565」と称する商品に係る型番リスト中に「551」の記載がある。 (https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221300250869/?Tab=codeList) (2)「Unifice」のウェブサイトにおいて、「XEBEC ジーベック」と称する商品(コート防水防寒)の品番として、「551」の記載がある。 (https://www.unifice.com/UNIFICE/search.php?action=syousai&code=XEB551) (3)「MAIDO-YA.COM」のウェブサイトにおいて、「ツータックスラックス」と称する商品の型番として、「551」の記載がある。 (https://maido-ya.com/working_wear/pants/slacks/109361.html) (4)「有限会社 庄屋」のウェブサイトにおいて、「甘塩たらこ(真子)1kg(無着色)」と称する商品の品番として、「551」の記載がある。 (http://syouya.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=50&transactionid=9ae22c7744c3c51970c9545cf833067e0f746623) (5)「中嶋直営店」のウェブサイトにおいて、「中日販売(株) OVハイカウンター W90XD60XH90cm ライトグレー」と称する商品の品番として、「551」の記載がある。 (http://muchsupremewebautmarket.xyz/index.php?main_page=product_info&products_id=21977) 2 数字が商品の品番又は型番等を表示するための記号、符号として用いられている例 (1)「御菓子処 安礼郷」のウェブサイトにおいて、次のとおり、各商品の品番の記載がある。 ア 黒豆おかき「二見の里」と称する商品について、「品番12」、「品番13」、「品番17」。 イ 海苔せんべい「ひくまの詩」と称する商品について、「品番1」、「品番2」、「品番3」、「品番4」。 ウ 雅味さざ波あられ「しの島の里」と称する商品について、「品番71」、「品番72」、「品番73」。 エ 洋風せんべい「三河八橋」と称する商品について、「品番41」、「品番42」、「品番43」、「品番44」。 オ アーモンド・フロランタン「すさの入江」と称する商品について、「品番81」、「品番82」、「品番84」。 カ 海老せんべい「伊らの波」と称する商品について、「品番32」、「品番33」、「品番34」。 キ 雅味お詰め合わせ「万葉味くらべ」と「万葉の響」と称する商品について、「品番48」、「品番49」、「品番36」。 (http://www.arenosato.com/shop/) (2)「CYBELE オンラインショップ」のウェブサイトにおいて、次のとおり、各商品の品番の記載がある。 ア 「仕合わせのバトン<4本入>」と称する商品の品番として、「250」。 イ 「焼チョコレート<3個入>」と称する商品の品番として、「278」。 ウ 「クッキー六重奏<S箱>」と称する商品の品番として、「173」。 エ 「追憶のマドレーヌ<8個入>」と称する商品の品番として、「262」。 オ 「ジベールの杜 バウムクーヘン:ミル」と称する商品の品番として、「323」。 カ 「ノートル メチエ詰合せ<8個入>」と称する商品の品番として、「268」。 キ 「焼チョコレート<6個入>」と称する商品の品番として、「277」。 ク 「山形ラ・フランスガレット?女王様のソフトガレット?<7個入>」と称する商品の品番として、「255」。 ケ 「ジベール畑のアップルパイ<5個入>」と称する商品の品番として、「241」。 コ 「ジベール畑のマロンパイ<5個入>」と称する商品の品番として、「243」。 (https://www.ruskfrance.net/shop/items/index/2) (3)「菓子舗 鼓家」のウェブサイトにおいて、次のとおり、各商品の品番の記載がある。 ア 「菓子詰め合せ 1540円(税込)」と称する商品の品番として、「122」。 イ 「菓子詰め合せ 1580円(税込)」と称する商品の品番として、「121」。 ウ 「菓子詰め合せ 2150円(税込)」と称する商品の品番として、「123」。 エ 「菓子詰め合せ 3100円(税込)」と称する商品の品番として、「120」。 オ 「宗像銘菓と梅の実詰合せ」と称する商品の品番として、「124」。 カ 「宗像銘菓詰合せ 3種」と称する商品の品番として、「125」。 (http://www.tudumiya.com/cgi-bin/list.cgi?type=4) (4)「高柳製茶」のウェブサイトにおいて、次のとおり、各商品の品番の記載がある。 ア 「お茶つぶダックワーズ 5個入(包装)」と称する商品の品番として、「001」。 イ 「お茶つぶダックワーズ 10個入(包装)」と称する商品の品番として、「002」。 ウ 「茶つぶダックワーズアソート 8個入(包装)」と称する商品の品番として、「32」。 エ 「お茶つぶリーフクッキー18枚入(包装)」と称する商品の品番として、「003」。 オ 「お茶つぶリーフクッキー36枚入(包装)」と称する商品の品番として、「004」。 カ 「お茶つぶティークッキー 50g」と称する商品の品番として、「005」。 キ 「お茶つぶティークッキー 250g」と称する商品の品番として、「006」。 ク 「お茶つぶようかん 10個入」と称する商品の品番として、「007」。 (http://www.makinohara-cha.com/onlineshop/okashi-series.html) (5)「霧島菓子処 森三」のウェブサイトにおいて、次のとおり、各商品の品番の記載がある。 ア 「島津公 桜島小みかん餡(8個入)」と称する商品の品番として、「1008」。 イ 「島津公 小豆こし餡(8個入)」と称する商品の品番として、「1009」。 ウ 「島津公 白粋(8個入)」と称する商品の品番として、「1010」。 エ 「島津公 2種(桜島小みかん餡・小豆こし餡)(8個入)」と称する商品の品番として、「1011」。 オ 「島津公 桜島小みかん餡(12個入)」と称する商品の品番として、「1012」。 カ 「島津公 小豆こし餡(12個入)」と称する商品の品番として、「1013」。 キ 「島津公 3種(桜島小みかん餡・小豆こし餡・白粋)(12個入)」と称する商品の品番として、「1014」。 ク 「島津公 3種(桜島小みかん餡・小豆こし餡・白粋)(16個入)」と称する商品の品番として、「1015」。 (http://www.morizo.co.jp/online/shimazukou.html) (6)「SKOEDSHOP」のウェブサイトにおいて、「お中元 御中元 食パン ギフト 送料無料 八天堂 とろける食パン3本セット」と称する商品の型番として、「258」の記載がある。 (https://www.skoedshop.xyz/products-508320.html) (7)「天然酵母使用のこだわりのパン専門店 リンデンバウム」のウェブサイトにおいて、「低カロリー天然酵母竹炭食パン」と称する商品の型番・品番として、「100」の記載がある。 (https://www.lindenbaum.jp/item/100/) (8)「パンの街かどや」のウェブサイトにおいて、「究(きわみ)食パン」と称する商品の型番・品番として、「0006」の記載がある。 (http://panyasan.co.jp/item/0006/) (9)「大珍食品公司」のウェブサイトにおいて、「<大珍荳包4個入>(あんまん4個入)」と称する商品の型番として、「502」の記載がある。 (https://daichin-shokuhin.com/SHOP/502.html) (10)「銀座 飛雁閣オンラインショップ」のウェブサイトにおいて、次のとおり、各商品の型番の記載がある。 ア 「回鍋肉包皇(肉まんの大王様)」と称する商品の型番として、「267」。 イ 「粒豆沙包皇」と称する商品の型番として、「265」。 (https://higankaku-shop.com/?pid=135267817) (https://higankaku-shop.com/?pid=97899303) |
審理終結日 | 2020-01-21 |
結審通知日 | 2020-01-28 |
審決日 | 2020-02-10 |
出願番号 | 商願2017-121005(T2017-121005) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
Z
(W30)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 駒井 芳子、上山 達也、堀内 真一 |
特許庁審判長 |
金子 尚人 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 田中 敬規 |
商標の称呼 | トーキョーゴヒャクゴジューイチ、トーキョーゴゴイチ |
代理人 | 有我 軍一郎 |