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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W11
審判 一部申立て  登録を維持 W11
審判 一部申立て  登録を維持 W11
審判 一部申立て  登録を維持 W11
管理番号 1360727 
異議申立番号 異議2019-900280 
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-04-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-09-30 
確定日 2020-03-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第6160315号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6160315号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6160315号商標(以下「本件商標」という。)は,「PANERA LIGHTING」の欧文字を横書きした構成からなり,平成30年9月4日に登録出願,第11類「ランプ,照明用器具及び装置,シャンデリア,天井灯,照明用発光管,クリスマスツリー用電気式ランプ,探照灯,街灯,ダイビング用ライト,LED照明用器具,祭りの飾り用飾りランプ,乗物用ライト,自動車用ライト,照明用カンテラ,加熱調理用の器具及び装置,フリーザー,冷蔵庫,空気清浄装置,厨房用レンジフード,暖房装置,蛇口,衛生器具及び装置,暖房用太陽集熱器,浄水用機器,電気式ラジエーター」並びに第9類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,令和元年6月6日に登録査定,同年7月5日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1257048号商標(以下「引用商標」という。)は,「PATERA」の欧文字を横書きした構成からなり,2015年(平成27年)3月24日にDenmarkにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,同年4月21日に国際商標登録出願,第11類「Apparatus for lighting, including lighting fixtures, lighting apparatus and installations, electrical lamps, light bulbs, lamp chimneys, lamp mantles, lamp globes, overhead lamps, chandeliers, fluorescent lamps for lighting.」及び第35類「Advertising services, business management and business administration, retail services for lighting apparatus, including retail services for lighting apparatus via global networks.」並びに第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として,平成29年1月20日に日本国において設定登録されたものであり,現在有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第11類の全指定商品について,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであり,同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標の要部について
本件商標は,「PANERA LIGHTING」の殴文字を一般的な書体により表してなるところ,本件商標の構成中,後半の「LIGHTING」の文字部分は,一般的なインターネット英和辞典によれば,「照明」等の意味を有する文字であり(甲3),本件商標の第11類の一部の指定商品(「ランプ,照明用器具及び装置,シャンデリア,天井灯,照明用発光管,クリスマスツリー用電気式ランプ,探照灯,街灯,ダイビング用ライト,LED照明用器具,祭りの飾り用飾りランプ,乗物用ライト,自動車用ライト,照明用カンテラ」,以下「本件照明関連指定商品」という。)との関係においては,商品の普通名称を表したものと認められ,商品の出所識別標識としての機能が極めて弱いか,又はその機能を発揮するものではないといえる。
一方,前半の「PANERA」の文字部分は辞書類に載録された既成語ではないため,特定の意味を有しない一種の造語として理解され,特定の観念を生じるものではない。
してみれば,本件商標は,本件照明関連指定商品については,その構成中,前半の「PANERA」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから,当該文字部分が要部として抽出され,この部分のみが引用商標との類否の判断に供されるといえる。
(2)本件商標と引用商標との類否
ア 称呼上の比較
本件商標「PANERA LIGHTING」の要部である「PANERA」部分からは,その構成から,「パネラ」との称呼を生じる。
一方,引用商標「PATERA」からは,その構成から,「パテラ」との称呼を生じる。
本件商標の「パネラ」の称呼と引用商標の「パテラ」の称呼を比較するに,両者は,商標の称呼識別において重要な位置を占める語頭の「パ」の音を共通にするものである。相違する「ネ」と「テ」の音は,いずれも明瞭に聴取し難い中間に位置するばかりでなく,母音の「e」を共通にし,強く響く破裂音の「パ」に続く,響きの弱い歯茎音であって,明確に聴取し難い程の近似音であるといえる。よって,当該差異が称呼全体に及ぼす影響は極めて小さいというべきである。
以上より,本件商標の「PANERA」部分と引用商標「PATERA」は,全体の語調語感が近似し,称呼上,互いに聴き誤るおそれのある類似する商標というべきものである。
イ 観念上の比較
本件商標の要部「PANERA」も,引用商標「PATERA」も,辞書類に載録された既成語ではなく,一種の造語として理解,認識されるため,観念上,比較することはできない。
ウ 外観上の比較
本件商標の要部「PANERA」と,引用商標「PATERA」の外観を比較すると,いずれも一般的な書体の欧文字で,横書きに表されてなり,両商標の差異は,第3文字目の「N」と「T」のみである。最も取引者,需要者の目をひく語頭の2文字及び末尾の3文字を共通にしていることに加え,両商標がいずれも既成語ではなく,取引者,需要者の見慣れた語からなるものではないことから,第3文字目の差異が他の共通部分に埋没し,外観上,非常に近似した印象を与えるといえる。
以上より,本件商標の「PANERA」部分と引用商標「PATERA」とは,外観上の印象が非常に近似し,互いに見誤るおそれがある類似する商標であるといえる。
(3)小括
以上のとおり,両商標は,外観及び称呼において顕著に類似する,互いに紛れるおそれのある商標というべきである。
そして,本件商標は,引用商標よりも後願後登録にかかるものであり,かつ,その指定商品は互いに抵触するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標の周知性
申立人であるルイス・ポールセン・アクティーゼルスカブは,1874年(明治7年)に設立された,電気器具,照明器具の製造販売を業とするデンマーク国法人であって,1967年(昭和42年)から,ドイツ,フランス,スウェーデン,アメリカ,ノルウェー,オランダ,オーストラリア,フィンランド,スイス,及びイギリスの各国に100%子会社の現地法人を設立し,日本においても,1990年(平成2年)に,照明器具の製造,輸出入,卸売を業とする「ルイスポールセン ジャパン株式会社」(旧商号・「タルジェッティポールセン ジャパン株式会社」)を設立した有数の老舗メーカーである(平成30年(行ケ)第10004号判決文から引用)。
また,申立人は,近年注目を浴びた,いわゆる「ランプシェード事件」(平成29年(ワ)第22543号)の原告であって,同判決文によれば,日本においては,申立人や申立人の日本子会社が,昭和47年から平成28年2月28日(申立人の所有する登録商標(登録第5825191号)の登録査定日)まで約40年にわたって,「PH5」と称されるランプシェードについて販売を継続し,平成11年から同26年までの間には,合計7万4627台もの販売実績を誇っている。
さらに,申立人は,「PH5」以外にも様々な商品について販売しており,そのうちの一つである「PATERA」について,一般的なインターネット検索エンジンで検索すると,26万5000件もヒットし,当該検索結果からは,さまざまな販売店において本件商標に係る商品が販売されている事実がうかがえる(甲4)。
以上のことから,申立人の本件商標に係る「PATERA」の周知性は,申立人自身が我が国の需要者間において相当に周知されていることも相まって,相当に確立されており,照明器具の代表格としてそのブランドを不動のものにしている。
(2)本件商標の要部について
本件照明関連指定商品以外の第11類の指定商品については,「LIGHTING」部分が,指定商品の普通名称を表したものではないとしても,本件商標「PANERA LIGHTING」は,外観上,「PANERA」部分と「LIGHTING」部分とが,一文字分のスペースを介して分断されており,「パネラライティング」との称呼も全体で8音と冗長である。
また,上述のとおり,「PANERA」は一種の造語であって,特定の意味合いを生じず,「PANERA LIGHTING」全体として観念上の一体性を有するともいえないことから,引用商標との類否の判断においては,「PANERA」部分と「LIGHTING」部分とに分離して判断され得るといえる。
(3)誤認混同の蓋然性について
上述のとおり,引用商標「PATERA」の周知性は,我が国の需要者間においても確立されており,本件商標の要部「PANERA」と引用商標「PATERA」の類似性については,上記1で述べたとおりである。
したがって,本件商標を,本件照明関連指定商品以外の第11類の指定商品に使用する場合,それが申立人の業務に係る商品であると誤認混同を生ずるおそれがある。
(4)小括
以上より,本件商標を第11類の指定商品中「加熱調理用の器具及び装置,フリーザー,冷蔵庫,空気清浄装置,厨房用レンジフード,暖房装置,蛇口,衛生器具及び装置,暖房用太陽集熱器,浄水用機器,電気式ラジエーター」に使用すれば,それが申立人の業務に係る商品であると誤認されるおそれがあるか,あるいは,本件商標を付した商品が,申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認されるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 その他
中国に住所を有する本件商標の商標権者は,申立人の調べた限り,我が国以外にアメリカ合衆国,中国及び欧州連合において本件商標に係る商標を出願しているが,当該出願は各国で審査された後,全て拒絶されている(甲5?甲7)。
特に,欧州連合では,本件商標の商標権者の出願に対し,引用商標を用いて申立人による異議申立がなされ,その結果,当該出願は拒絶されている(甲8)。
上記諸外国の審査実態は,我が国においても考慮されるべきである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は,上記第1のとおり,「PANERA LIGHTING」の欧文字を横書きしてなるところ,その構成文字は,同じ書体,同じ大きさで,まとまりよく一体的に表され,これよりは「パネラライティング」の称呼を生じるものである。
そして,本件商標は,その構成中,「LIGHTING」の文字が,本件商標の指定商品中の本件照明関連指定商品との関係において,自他商品の識別標識としての機能が弱いといえるものの,その構成及び称呼においては,それぞれの構成文字全体が一体不可分であって,特定の観念を生じないものとして看取,認識されるというべきであり,殊更,その構成中の「PANERA」の文字のみが,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えると認めるに足る事情は見いだせない。
したがって,本件商標からは,「パネラライティング」のみの称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は,上記第2のとおり,「PATERA」の欧文字を横書きした構成からなるところ,これよりは,「パテラ」の称呼を生じ,該文字は,一般になじみのない語であり,造語として理解されるというのが相当であるから,特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とを比較するに,両者は,それぞれ上記において述べたとおりの構成態様からなるものであるから,外観において,「LIGHTING」の文字の有無,第3文字目の「N」と「T」の差異といった構成上の相違を勘案すると,全体から受ける印象が明らかに異なるものであり,外観上,相紛れるおそれはない。
また,称呼においては,本件商標から生じる「パネラライティング」の称呼と引用商標から生じる「パテラ」の称呼を比較すると,両者は,第2音における「ネ」と「テ」の相違及び「ライティング」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから,本件商標の称呼と引用商標の称呼とは,明瞭に聴別できるものであって,称呼上,相紛れるおそれはない。
さらに,観念において,本件商標と引用商標は,共に特定の観念を生じることのない造語と認識されるものであるから,観念上,比較することができない。
してみれば,本件商標と引用商標は,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから,両者は非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知性について
申立人は,引用商標の周知性について,過去の2件の判決を引用し,申立人及び申立人の日本の子会社が長年「PH5」と称されるランプシェードについて販売し,我が国の需要者間において周知である旨主張しているが,当該判決例からは,申立人会社の沿革及び申立人の業務に係る商品「PH5」と称されるランプシェードに関する販売実績等を把握することができるとしても,本件商標の登録出願日以前の引用商標に係る商業活動を,具体的に(例えば,販売数量,販売金額,市場占有率,広告宣伝の媒体,広告内容・期間・回数・地域・金額など),かつ,客観的な資料に基づいて立証しているものではないから,引用商標の周知,著名性を直接的に裏付けるものではない。
そして,引用商標についての使用開始時期や引用商標が使用された商品についての売上高,市場シェアなどの販売実績並びに引用商標に係る広告宣伝の費用,方法,回数及び期間など,その事実を量的に把握することができる証拠は何ら提出されていない。
したがって,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
なお,申立人は,我が国以外の諸外国の審査実態も,我が国において考慮されるべきである旨主張しているが,諸外国における審査実態が,引用商標の周知,著名性を直接的に裏付けるものではないから,その主張は採用できない。
(2)出所の混同のおそれについて
本件商標と引用商標とは,上記1(3)のとおり,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。
また,上記(1)のとおり,引用商標は,申立人又は申立人の業務に係る商品を表示するものとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたと認めることができないものである。
そうすると,本件商標に接する需要者が引用商標を連想又は想起することはないというべきであるから,本件商標は,これをその指定商品中の第11類の商品について使用しても,当該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり,本件商標は,その指定商品中,登録異議の申立てに係る第11類の全指定商品について,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当せず,その登録は同条第1項の規定に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2020-03-13 
出願番号 商願2018-111055(T2018-111055) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W11)
T 1 652・ 263- Y (W11)
T 1 652・ 261- Y (W11)
T 1 652・ 271- Y (W11)
最終処分 維持 
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 薩摩 純一
小松 里美
登録日 2019-07-05 
登録番号 商標登録第6160315号(T6160315) 
権利者 寧波百立光電有限公司
商標の称呼 パネラライティング、パネラ、ライティング 
代理人 特許業務法人深見特許事務所 
代理人 大上 寛 
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