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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0940
審判 全部申立て  登録を維持 W0940
管理番号 1360725 
異議申立番号 異議2019-900251 
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-04-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-09-06 
確定日 2020-03-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第6151831号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6151831号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6151831号商標(以下「本件商標」という。)は、「Crystal Clear Coat」の欧文字を標準文字で表してなり、平成30年7月24日に登録出願、第9類「眼鏡」及び第40類「眼鏡レンズの撥水コーティング処理,眼鏡レンズの反射防止コーティング処理,眼鏡レンズの引っかき傷防止コーティング処理,眼鏡レンズの耐衝撃コーティング処理,眼鏡レンズの防汚コーティング処理,眼鏡レンズの帯電防止コーティング処理,眼鏡レンズの紫外線防止コーティング処理,眼鏡レンズの近赤外線防止コーティング処理,眼鏡レンズの染色処理,眼鏡レンズの研磨,眼鏡レンズの仕上げ加工,眼鏡用レンズの高エネルギー可視光線をカットするコーティング処理,眼鏡用レンズの高エネルギー可視光線をカットする染色処理」を指定商品及び指定役務として、令和元年5月22日に登録査定され、同年6月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、「Crystal Clear Coat」の欧文字からなる標準文字商標であり、「クリスタルクリアコート」の称呼を生ずるものである。
本件商標を構成する各英単語は非常によく知られた英単語であり、小学館ランダムハウス英和大辞典(甲2)によると、「Crystal」は「水晶」であり、「Clear」は、眼鏡又は眼鏡レンズの加工との関係では「透明な、澄んだ、透き通った」という意味合いに理解され、これら二つの単語を結合してなる「Crystal clear」は既成の英語であって、「水晶のようによく澄んだ、よく透き通った、非常に明瞭な」といった意味合いを有している。しかも、「Crystal clear」は比較的よく用いられる英語である(甲3)。
「Coat」は表面を覆うもの、層、被膜、コーティングすることを意味する(甲2)が、本件指定商品・役務との関係ではレンズ表面に施された被膜を「コート」や「コーティング」と普通に称している事実があり(甲4?甲6)、レンズ表面にそのような皮膜を形成する加工が「コーティング処理」に他ならない(甲2)。
したがって、本件商標全体からは、「水晶のようによく澄んだ被膜、非常に澄んだコーティング処理」といった意味合いが直感され、「非常に明瞭な視界が得られるコート」であることを容易に認識させる。
(2)「Crystal」単独では水晶を意味するよく知られた英単語であり、水晶は非常に透明で透き通った物質である。水晶そのものでないが、非常に透き通った素材でクリスタルガラスと呼ばれるものが存在する(甲2、甲3)。「クリスタル」は水晶そのものだけでなく、非常に透き通ったものの比喩表現としても使用される言葉である(甲2)。
よって、「Crystal Clear」という既成の英語を知らない者であっても、水晶のように非常によく澄んだという意味合いを理解することは極めて容易である。
(3)ところで、現在市販されている眼鏡に使用されるレンズには、各種のコーティングが施されていることは周知の事実である(甲4?甲6)。それらのコーティングは大別すると、レンズを傷や汚れから守るタイプと、視界をクリアにすることで目を保護し、疲れを軽減するタイプがある(甲7)。この後者が「クリアコート」と称され、青色光をカットする「ブルーカットコート」、「ブルーライトカットコート」や、ぬれた路面や白線が見やすくなり安全運転をサポートする「ロードクリアコート」など様々な種類があるが、眼鏡レンズメーカーの間では普通に「クリアコート」と総称されている(例えば、甲8、甲9)。
よって、少なくとも眼鏡業界の当業者の間では、「クリアコート」はクリアな視界を得るためのコーティングを表すものとして普通に用いられている。
(4)本件商標中の「Clear Coat」は、上述した意味合いで普通に用いられている「クリアコート」を欧文字で表したにすぎない。一方、「Crystal clear」は上述のように、「非常に明瞭な」といった意味合いを有する既成の英語であるが、眼鏡レンズについては「非常に明瞭な視界が得られるレンズ」との意味合いで用いられている(一例として、甲10?甲12)。
(5)したがって、眼鏡レンズについて用いられる「Crystal clear」は、「非常に明瞭な視界が得られるレンズ」であることを表すに止まる。このことと、「clear coat」が「視界をクリアにするためのコート(コーティング)」を表すことからすれば、本件商標「Crystal Clear Coat」は、第9類の指定商品については「非常に明瞭な視界を得るためのコーティングが施されたレンズを備えた眼鏡」であることを、第40類の指定役務については「非常に明瞭な視界を得るためのコーティング処理」であることを、理解させるにすぎないとみるべきである。
そして、それ以外のレンズを有する眼鏡、及びそれ以外のコーティング処理について使用した場合は、商品の品質、役務の質(内容)について誤認を生じさせるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当する。
あるいは、眼鏡において明瞭な視界を得ることは本来的な性能であるから、商品の品質・役務の質を誇張しているにすぎないともいえ、その場合には商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 本件商標は、上記1のとおり「Crystal Clear Coat」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
イ 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、「Crystal」が「水晶」などの、「Clear」が「透明な、透き通った」などの、「Crystal Clear」が「水晶のようによく澄んだ、非常に明瞭な」などの、「Coat」が「表面を覆うもの」などの意味を有する英語であること(甲2、甲3)、及び眼鏡レンズの被膜又は被膜を施すことを「コート」又は「コーティング」と称していること(甲4?甲7)が認められる。
しかしながら、「Crystal Clear Coat」の文字及び「Crystal Clear」の文字が、本件商標の指定商品の品質や指定役務の質を表示するものとして一般的に用いられている事実、並びに申立人が主張するような意味合い及び何らかの特定の意味合いを想起、認識させるというべき事情は発見できなかった。
ウ そうすると、「Crystal Clear Coat」の文字からなる本件商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、特定の意味合いを想起、認識させることのないものであり、商品の品質及び役務の質を具体的に表示するものでなく、自他商品・役務識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
エ なお、申立人は、「Crystal Clear」の語は比較的良く用いられている、及びその意味を知らなくとも「Crystal」及び「Clear」の各語の意味から「水晶のように非常によく澄んだ」という意味合いを理解することは容易であるなどとし、辞書類の写し及びレンズに係る使用例(甲2、甲3、甲10?甲12)を提出するとともに、本件商標は「非常に明瞭な視界を得るためのコーティングが施されたレンズを備えた眼鏡」及び「非常に明瞭な視界を得るためのコーティング処理」であることを理解させるにすぎない旨主張している。
しかしながら、「Crystal」及び「Clear」の語は、それぞれ「水晶」及び「澄んだ、きれいな」などの意味を有する我が国で親しまれた英語といえるものの、「Crystal Clear」の語は、我が国で親しまれた英語とはいい難く、また、上記のとおり、申立人が主張するような意味合いを想起、認識させるというべき事情は発見できない上、レンズに係る該語の使用例(甲10?甲12)は3件にすぎず、その3件中2件が英語によるものであり、我が国において、「Crystal Clear」の語が、レンズの質を表すものとして一般的に使用されていることを裏付ける証拠とみることもできないから、申立人のかかる主張は採用することができない。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について、
本件商標は、上記(1)のとおり本件商標の指定商品の品質及び指定役務の質を具体的に表示するものではないから、これをその指定商品及び指定役務に使用しても商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれのないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当せず、同法第3条及び同法第4条第1項の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

異議決定日 2020-03-13 
出願番号 商願2018-94702(T2018-94702) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W0940)
T 1 651・ 13- Y (W0940)
最終処分 維持 
前審関与審査官 内藤 順子 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 鈴木 雅也
山田 正樹
登録日 2019-06-14 
登録番号 商標登録第6151831号(T6151831) 
権利者 HOYA株式会社
商標の称呼 クリスタルクリアコート、クリスタルクリア 
代理人 三好 秀和 
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