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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W42
審判 全部申立て  登録を維持 W42
審判 全部申立て  登録を維持 W42
管理番号 1360705 
異議申立番号 異議2019-900181 
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-04-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-06-24 
確定日 2020-03-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第6134717号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6134717号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6134717号商標(以下「本件商標」という。)は「空中電測」の文字を標準文字により表してなり,平成31年1月18日に登録出願,第42類「電波伝播に関する調査・研究又は試験,電波伝播に関する測定装置の設計,電波伝播に関する測定装置の貸与」を指定役務として,同年3月14日に登録査定,同月29日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は商標法第3条第1項第3号,同法第4条第1項第16号及び同項第10号に該当するものであるから,その登録は,同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は「空中」と「電測」の二つの語を結合したものであるが「空中」とは「地面から離れている上の空間」,「上空」を意味することは明らかであって「空中」において行われる行為について「空中撮影」,「空中写真測量」等と称されている(甲16,甲17)。
また「電測」の語は,電波の測定に関連する業界において,電波強度等の「電波測定」を意味する略語として広く使用されている(甲11?甲15)。
上記より,空中での電波測定は「空中電波測定」であり,これは「空中電測」のように認識され使用されることがあるのは明確である。
よって,本件商標は全体として「『地面から離れた上の空間』,『上空』における電測(電波測定)」ほどの意味合いを容易に認識させる。
また「空中電測」の語は「空中における電波測定」を表示するものとして普通に使用されている事実がある(甲1?甲4)。
(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア 本件商標の識別力
上記(1)から,本件商標は,全体として「地上から離れた空中における電波測定」程の意味合いを需要者等に認識させるに留まり,単に提供される役務の質(内容),特徴を表示した語であると認識される。
また,これを本件商標の指定役務中,地上での「電波伝播に関する調査」等の役務に使用する場合には,役務の質(内容),特徴について誤認を生ずるおそれがある。
イ 独占適応性
現在は,地上での電波測定だけでなく,建造物の高層階付近やドローンを飛ばす空域等の電波測定の必要性が高まり,携帯電話の上空での利用等が求められている。ドローン(「無人航空機」のこと,以下同じ。)の活用が各種分野に広がりつつあり,ドローンを利用した有効な電波利用目的のため,上空(空中)での「電波測定」は,今後ますますその需要が見込まれる分野である(甲18)。そして,ドローンを利用した上空での電波利用の促進,実現のためには,空中での電波測定が必須となる結果,本件商標は「電波伝播に関する調査」等の役務の提供に際し,必要適切な表示として何人もその使用を欲するものである。
よって「空中電測」の語について,特定人による独占使用を認めることは,公益上適切でない。
ウ 小括
本件商標は,これをその指定役務に使用しても,自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
また,「空中電測」の語について特定人による独占使用を認めることは,公益上適切でない。
さらに,本件商標の指定役務中,地上における「電波伝播に関する調査」等の役務に使用する場合には,役務の質(内容),特徴について誤認を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
仮に「空中電測」の商標が識別力及び独占適応性を有するとしても,これは株式会社ブルーストーンリンクアンドサークル(以下「ブルーストーン社」という。)によって使用された結果(甲1?甲10),本件商標の登録出願時には,既にブルーストーン社の業務に係る役務を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたと認められる。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。

3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は,上記1のとおり「空中電測」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は「空中」と「電測」の文字とを結合してなるものと容易に認識されるものといえる。
(2)「空中電測」の文字について
申立人の提出した証拠によれば「空中電測」の文字の使用状況について,以下の事実が確認できる。
ア ブルーストーン社作成の業務の提案について
(ア)KDDI総合研究所宛ての「ドローン活用業務のご提案につきまして」(2017.3.7)の11頁には「ドローン活用業務の紹介」の見出しの下「空中電測/スマートフォンを搭載し電波測定します。」の記載がある(甲6)。
(イ)KDDI株式会社南関東EC宛ての「新東名高速道路建設予定地の空中電波測定の提案」(2018年2月23日)には,2頁の目次に「1.空中電測概要」があり,3頁に「サービス概要」の見出しの下「開通前の道路の電測」として「空中電測」の記載がある(甲7)。
(ウ)楽天株式会社宛ての「挨拶」(2018/3/20)には,12頁に「ドローン活用サービス 推進中案件」の見出しの下「空中電測/スマートフォン・計測器を搭載し,電波測定を実施」の記載がある(甲2)。
(エ)福島県商工労働部ロボット産業推進室宛ての「無人航空機エリア上空のLTE電波状況調査の提案」(2018/5/10)には,10頁に「ドローン活用サービス」の見出しの下「空中電測/スマートフォン・計測器を搭載し,電波測定を実施」の記載がある(甲4)。
(オ)沖縄セルラー電話株式会社宛ての「ドローン空中電測・災害時支援のご提案」(2018.6.12)には,2頁に「ドローン空中電測」の見出しの下「業務提携」として「測定器を使用した上空の通信品質測定を確立しております。」の記載がある(甲5)。
(カ)株式会社協和エクシオ キャリアビジネス事業本部宛ての「会社紹介」(2018/6/29)には,9頁に「会社基本情報-事業内容(ドローン活用サービス)」の見出しの下「空中電測/スマートフォン・計測器を搭載し,電波測定を実施」の記載がある(甲3)。
(キ)株式会社ドコモCS エリア品質部宛ての「空中電測のご提案」(2018/7/20)には,2頁に「空中電測のご提案」の見出しの下「業務提携」として「測定器を使用した上空の通信品質測定を確立しております。」の記載がある(甲1)。
イ ウェブサイトの掲載について
(ア)ブルーストーン社のウェブサイトには「Interop Tokyo 2018に出展しました。」(2018年6月18日お知らせ)の見出しの下「丸文株式会社ブース内でPCTEL社RFスキャニングレシーバとドローンを用いた空中電測ソリューションを出展致しました。当日は『空のLTE電波測定』と題したテクニカルセミナーを開催」の記載がある(甲8)。
(イ)丸文株式会社のウェブサイトには「Interop Tokyo2018?丸文ブース出展製品のご紹介?」(2018年6月29日)の見出しの下「出展製品一覧」として「ドローンを用いたセルラーネットワーク空中電測ソリューション(参考出展)/セルラーネットワーク通信のエリア品質測定および最適化業務を行うブルーストーンL&C社が提供するPCTEL社RFスキャニングレシーバとドローンを用いた空中電測ソリューションを参考出展。」の記載とともにブルーストーン社のロゴが掲載されている(甲9)。
(ウ)求人レーダーのウェブサイト(掲載日2017-06-27)には,ブルーストーン社の求人概要があり「ドローンに電波測定器を搭載して空中電測を行い,写真や地図上に電波状態を表示」の記載がある(甲10の2)。
(3)「電測」の文字について
申立人の提出した証拠によれば「電測」の文字について,以下の事実が確認できる。
ア アンリツテクニカル(No.85 Sep.2007)には「地上デジタル放送用SFN電測ソフトウェアの開発」の表題の下「要旨」に「国内の地上デジタル放送・・・用の中継局の建設,保守用として,SFN(Single Frequency Network)環境下にて到来波ごとの遅延時間,信号電力,電界強度,DU比を測定するMS8911A/B-032ISDB-T SFN電測ソフトウェアを開発した。」の記載及び「3.2 測定画面の説明」の項において「本ソフトウェアでは到来波ごとの電力測定を行い,個別到来波の電界強度を表示できるようにした。」の記載がある(甲11)。
イ ITmediaのウェブサイトには「電測バスが走る!下り200Mbps超のCA対応WiMAX2+を実況解説」(2015年2月20日)の見出しの下「UQコミュニケーションズは,2月20日にキャリアアグリゲーション(CA)方式によるUQ WiMAX2+の転送速度の電測を公開した。」の記載がある(甲12)。
ウ Heian Software Engineeringが2000.12.7制作とする「PALDIO 331T(-II)“電測モード”」のサイトには「PHS端末の一部には,俗に“電測モード”と呼ばれる機能がある。一般ユーザー用の端末であっても,簡単な操作で“簡易電界強度測定器”に変身するのである。」の記載がある(甲13)。
エ 「シャープ技報」(第88号・2004年4月)には「地上デジタル放送の受信実験」の見出しの下「3・2 受信測定系統図と使用機器」の項において「強電界受信,弱電界受信,アナログ強電界受信では・・・電測車を使用して測定した。」の記載及び「3・3 実験結果」の項において「電測車の八木アンテナにて21ch?27chの各チャンネルの受信電力とC/N値を測定。」の記載がある(甲14)。
(4)上記(2)及び(3)によれば,本件商標の構成中の「電測」の文字は,ブルーストーン社において「電波測定」の意味合いで使用されていることはうかがえるものの「電界強度測定」の意味合いで使用されている事実も認められる。
また「電測車」や「電測バス」を使用して転送速度や受信測定を行っていることはうかがえるものの,当該文字中の「電測」の文字が具体的に何を示しているのか認識することはできない。
そうすると「電界強度測定」が「電波測定」の一種であるとしても「電測」の文字が直ちに「電波測定」のみを表すものとして需要者に理解されるとはいい難い。
そして,上記(2)によれば「空中電測」の文字は,本件商標の登録出願日前に,ブルーストーン社が「ドローンを利用した空中での電波測定」ほどの意味合いを示す文字として使用していることはうかがい知れるものの,当該文字の使用は,ブルーストーン社の使用例のみだけであり,当該「空中電測」の文字が広く一般において使用されているとまではいえない。
そうすると「空中電測」の文字が,特定の意味合いを有する語として一般に認知されているとまでは認められない。
(5)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は,上記1のとおり「空中電測」の文字を表してなるものである。
そして,昨今においては「空中撮影」,「空中写真測量」等,空中において行われる行為において「空中○○」と表示されていることは認められる。
しかしながら,上記(4)のとおり「空中電測」の文字が特定の意味合いを有する語として需要者に理解されているとまでは認められない。
また,職権をもって調査するも,本件商標の指定役務を取り扱う業界において「空中電測」の文字が本件商標の指定役務との関係において,具体的な役務の質を表すものとして,広く一般に使用されている事実及び取引者,需要者が,役務の質を表すものと認識し得るという特段の事情も見いだせない。
以上からすると,本件商標は,これをその指定役務について使用しても,役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということができず,かつ,役務の質を表示するものでない以上,役務の質について誤認を生じさせるおそれもないものである。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(6)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(2)アのとおり,ブルーストーン社は,2017年(平成29年)3月以降,自社の業務の提案書において「空中電測」の文字を使用して電波測定や通信品質測定等の事業の説明を行っていることはうかがえる。
また,ブルーストーン社は「Interop Tokyo 2018」に丸文株式会社ブース内でPCTEL社RFスキャニングレシーバとドローンを用いた空中電測ソリューションを出展していることは認め得る。
しかしながら,ブルーストーン社の「空中電測」に係る電波測定や通信品質測定等の役務についての広告方法,回数,範囲や市場シェア等についての確認はできない。
また,ブルーストーン社が展示会に出展したことは認め得るものの,当該展示会に訪れた人数や規模についても確認はできない。
以上のほかに「空中電測」の文字が,本件商標の登録出願時及び登録査定時に,我が国において,特定の者の業務に係る役務を表示するものとして,周知性を獲得していたと認めるに足りる証拠を見いだすことはできない。
したがって,本件商標は「他人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標」の要件を欠くものといわざるを得ないから,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(7)申立人の主張について
申立人は,ドローンの活用が各種分野に広がりつつあり,ドローンを用いた上空での電波利用の促進,実現のためには,空中での電波測定が必須となる結果,本件商標は「電波伝播に関する調査」等の役務の提供に際し,必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから「空中電測」の語について,特定人による独占使用を認めることは,公益上適切でない旨主張している。
しかしながら,本件商標は「空中での電波測定」の意味を有するものとして広く一般に使用されている事実及び本件商標の指定役務との関係においても,役務の具体的な質を表示するものと認めるに足る事実は見いだせない。
したがって,申立人のかかる主張は,採用することができない。
(8)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号,同法第4条第1項第16号及び同項第10号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲
異議決定日 2020-02-28 
出願番号 商願2019-12146(T2019-12146) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W42)
T 1 651・ 13- Y (W42)
T 1 651・ 255- Y (W42)
最終処分 維持 
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 大森 友子
浜岸 愛
登録日 2019-03-29 
登録番号 商標登録第6134717号(T6134717) 
権利者 ユーリ・エイジス株式会社
商標の称呼 クーチューデンソク、クーチュー 
代理人 永田 豊 
代理人 加藤 公延 
代理人 福川 晋矢 
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