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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W03 審判 全部申立て 登録を維持 W03 審判 全部申立て 登録を維持 W03 審判 全部申立て 登録を維持 W03 審判 全部申立て 登録を維持 W03 審判 全部申立て 登録を維持 W03 |
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管理番号 | 1359794 |
異議申立番号 | 異議2019-900188 |
総通号数 | 243 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-03-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-07-05 |
確定日 | 2020-01-30 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6136166号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6136166号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6136166号商標(以下「本件商標」という。)は、「AURORA SKY」の欧文字を標準文字により表してなり、平成30年6月7日に登録出願され、第3類「せっけん類,香料,薫料,化粧品」を指定商品として、同31年3月7日に登録査定、同年4月5日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1383193号商標(以下「引用商標」という。)は、「Bella Aurora」の文字を横書きした構成からなり、2017年(平成29年)11月8日に国際商標登録出願、第3類「Perfumery products, essential oils, eau de cologne, cosmetic products and soaps; essential oils; shampoos, dentifrices; depilatory products; cosmetic kits.」を指定商品として、平成30年9月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 1 本件商標は、引用商標と「Aurora」の部分が共通し、申立人の業務を表示するものとして周知な引用商標に類似し、また、商標権者と申立人の扱う商品は類似し、その取引者及び需要者の範囲は一致する。 そうすると、本件商標は、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に違反して登録されたものである。 2 商標権者は、引用商標に化体した信用、顧客吸引力等にただ乗りし、引用商標に類似した構成からなり、引用商標の使用に係る商品を指定商品とする本件商標を不正の目的で出願し、登録を受けたものというべきである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。 3 さらに、本件商標は、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、その登録を認めることは商品の取引において無用の混乱を生じさせ、商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないものである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標は、前記第1のとおり、「AURORA SKY」の欧文字を標準文字により表してなるところ、その構成文字は、同じ大きさ、同じ書体で外観上まとまりよく一体的に表されており、また、本件商標の構成文字全体から生じる「オーロラスカイ」の称呼も、格別冗長なものではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、本件商標は、その構成態様から、「AURORA」及び「SKY」の2語からなるものと理解されるとしても、かかる構成及び称呼においては、本件商標の構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。 さらに、本件商標は、その構成中「AURORA」又は「SKY」の文字部分のいずれかが取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと認めるに足る事情は見いだせない。 そうすると、本件商標は、その構成全体をもって一体不可分のものというのが相当であるから、その構成文字に相応して「オーロラスカイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないというべきである。 (2)引用商標は、前記第2のとおり、「Bella Aurora」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、同じ書体で外観上まとまりよく一体的に表されており、また、引用商標の構成文字全体から生じる「ベラオーロラ」の称呼も、格別冗長なものではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、引用商標は、その構成態様から、「Bella」及び「Aurora」の2語からなるものと理解されるとしても、かかる構成及び称呼においては、引用商標の構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。 さらに、引用商標は、その構成中「Bella」又は「Aurora」の文字部分のいずれかが取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと認めるに足る事情は見いだせない。 そうすると、引用商標は、その構成全体をもって一体不可分のものというのが相当であるから、その構成文字に相応して「ベラオーロラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないというべきである。 (3)そこで、本件商標と引用商標の類否を検討すると、両商標は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、外観においては、構成文字を異にすることから、外観上相紛れるおそれはなく、称呼においても、語調語感が明らかに異なり、称呼上相紛れるおそれはない。また、観念においては、両商標はともに特定の観念は生じないものであるから、比較することはできない。 そうすると、両商標は、観念において比較できないものであるとしても、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきである。 (4)申立人の主張について 申立人は、本件商標の「オーロラ」の称呼が引用商標のそれと同一であるため、本件商標と引用商標とは、「オーロラ」の称呼を共通とする類似の商標である旨主張しているが、両商標は、上記のとおり、いずれも一体不可分のものとみるのが相当であり、ほかに両商標から「オーロラ」の称呼が生じるとすべき事情は見いだせないから、申立人の係る主張は採用することができない。 (5)その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知性について 申立人は、肌の色素沈着予防に特化したスキンケア化粧品のトップブランドであり、1890年に米国のイリノイ州シカゴ、オーロラ市の研究所Stillman&Co.によって開発され、2000年代に、その品質、香り、「若さ、美しさ、新鮮さのために、ベラオーロラを毎日」という特徴的な宣伝文句により有名となり、インターネットのGoogle検索で引用商標を入力して検索すると、検索結果100件中51件が、申立人に関する記述であることから、引用商標は、世界的に一定の周知性を獲得している旨主張する(甲3、甲4)。 しかしながら、申立人は、外国語で記載されてその翻訳文の提出がない証拠(甲3)のほかには、我が国及び外国における引用商標の使用開始時期、使用期間等の使用実績、引用商標を使用した商品の販売数量、売上高等の販売実績、宣伝広告の回数や広告費の額等の広告実績に関する証拠を何ら提出していない。 また、インターネットでの検索結果にしても、引用商標の使用態様、使用方法等具体的な使用状態は不明であり、その検索時期も明らかでないから、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を取り扱う業界において広く認識されていたと認定するに足りない。 してみると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について 上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできず、また、上記1(3)のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 そうすると、本件商標は、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起するものということはできない。 してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第19号該当性について 引用商標は、上記2(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものであり、かつ、上記1(3)のとおり、本件商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第19号を適用するための要件を欠くものである。 また、申立人が提出した証拠からは、本件商標が、引用商標の顧客吸引力や信頼にただ乗りし、不正の利益を得ることや他人に損害を与えること等、不正の目的をもって使用することを認めるに足りる具体的な証左は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第7号該当性について 申立人は、引用商標が周知・著名な商標であることを前提に、本件商標は、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、その登録を認めることは商品の取引の場において無用の混乱を生じさせ、商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないものである旨主張しているが、上記2(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。 また、申立人からは、商標権者が、本件商標を不正の目的をもって出願したと認め得るような証拠の提出はないから、本件商標の登録出願が、引用商標による信用・利益を不正に得る意図で行われたひょう窃的なものということはできず、さらに、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることもできないから、本件商標は、引用商標の周知性に化体した信用、名声及び顧客吸引力へのただ乗りをするものであるということはできない。 そして、申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底認容し得ないような場合に該当すると認めるに足りる具体的事実を見いだすこともできない。 さらに、本件商標を、その指定商品について使用することが、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するということもできず、他の法律によってその使用が禁止されているものでもなく、本件商標の構成自体が、非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような構成態様でもない。 その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足りる証拠の提出はない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 5 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号、同項第19号及び同項第7号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2020-01-22 |
出願番号 | 商願2018-75536(T2018-75536) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(W03)
T 1 651・ 261- Y (W03) T 1 651・ 271- Y (W03) T 1 651・ 263- Y (W03) T 1 651・ 222- Y (W03) T 1 651・ 22- Y (W03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 早川 真規子 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
金子 尚人 小松 里美 |
登録日 | 2019-04-05 |
登録番号 | 商標登録第6136166号(T6136166) |
権利者 | 花王株式会社 |
商標の称呼 | オーロラスカイ、オーロラ、スカイ、エスケイワイ |
代理人 | 田中 陽介 |
代理人 | 佐々木 美紀 |
代理人 | 山尾 憲人 |