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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1359792 
異議申立番号 異議2019-900073 
総通号数 243 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-03-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-03-06 
確定日 2020-01-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第6104184号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6104184号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6104184号商標(以下「本件商標」という。)は、「CLEAR」の欧文字を標準文字で表してなり、平成27年10月16日に登録出願、第3類「頭髪用化粧品,シャンプー,コンディショナー,ヘアートニック,ヘアローション,髪用トリートメント,ヘアマスク」を指定商品として、同30年10月31日に登録審決、同年12月7日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標はその指定商品について、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第33号証を提出した。
本件商標は、「透明な」、「きれいな」等の意味を有する英語(甲1)であって、本件商標の指定商品を取り扱う化粧品業界において、「CLEAR」あるいは「クリア」の語は、「clear cleansing(クリア クレンジング)」が透明感を与えることを目的とした商品(甲2)、「clear form(クリア フォーム)」がきれいな肌に仕上げることを目的とした商品(甲17)、「CLEAR LOTION(クリアローション)」がクリアな肌に仕上げることを目的とした商品(甲29)、あるいは、「clear(クリア)」が透明な商品(甲10)の意味を持って広く使用されている(甲2?甲32)。
さらに、本件商標の指定商品において、昭和40年代から「CLEAR(クリアー)」及び「クリア」の語が商標法第3条第1項各号の理由で拒絶されているように(甲33)、「CLEAR」の語が平易でなじみの深い英語であるとともに、上記のような意味合いで広く使用されている状況から、本件商標は、自他商品の識別力を有しない。
したがって、本件商標は、その指定商品に使用するときは、自他商品の識別標識として機能しないものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。

3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、上記1のとおり「CLEAR」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「澄んだ,透明な,曇りのない,きれいな」の意味を有するものである(甲1)。
(2)事実認定
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる(なお、提出された証拠において、掲載日又は出力日が明らかでないもの、本件商標の登録審決日以降に掲載されたものについては除く。)。
ア 株式会社ナリス化粧品の商品カタログ「FriendsFriends」(平成30年4月21日発行)の15ページに、「アンティミリ 薬用クリア ホワイト エッセンス (薬用 美白美容液)」の商品について、「贅沢な美白有効成分で透明感を手に入れる」等の記載があり、その商品容器の写真には、「intimilli」の文字の下に「medicated clear」及び「white essence」の文字が二段に表示されている(甲5)。
イ 「Amazon」の通販サイトには、以下の商品が掲載、紹介されている。
(ア)「ネイチャーコンク クリアローション200mL」が掲載され、商品紹介の欄に「ふきとり化粧水で透明感のあるクリアな肌に。」の記載があり、該商品の写真には、「NATURE CONC」の文字の下に「Clear Lotion」の文字が表示されている。登録情報の欄には「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2013/7/22」の記載がある(甲6)。
(イ)「アンドネイル ボタニカルクリアコート 10mL」が掲載され、商品紹介の欄には、「・・・爪にやさしく、つややかに保ちます。爽やかでシャープなマジョラムの香り。」の記載があり、該商品の写真には、「&nail」及び「Botanical Clear Coat」の文字が表示されている。登録情報の欄には「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2017/10/4」の記載がある(甲15)。
(ウ)「サラシア オーシャンナノ クリアゲルS60g(ジャータイプ)」が掲載され、該商品の写真には、「ocean nano」及び「Clear Gel」の文字が表示されている。登録情報の欄には「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2014/6/20」の記載がある(甲20)。
(エ)「アクネバリア 薬用プロテクトメイククリアN 100g」が掲載され、製品の特徴の欄に「・・・毛穴の奥のメイク汚れまでスッキリ落とす・・・」の記載、商品紹介の欄に「・・・しっかりと落としお肌を整えます。」の記載があり、該商品の写真には、「PROTECT MAKE CLEAR」の文字の下に「ACNE BARRIER」の文字が表示されている。登録情報の欄には「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2006/5/24」の記載がある(甲22)。
(オ)「Obagi(オバジ)オバジ アクティブベース クリアローション(化粧水)150mL」が掲載され、商品紹介の欄に「みずみずしく、優れた浸透感で角層深部までうるおいをあたえキメの整ったクリアな肌へ導きます。」の記載があり、該商品の写真には、「Obagi」の文字の下に「Active Base」及び「Clear Lotion」の文字が二段に表示されている。登録情報の欄には「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2016/3/11」の記載がある(甲32)。
ウ ロート製薬株式会社のニュースリリース(2012年2月2日)には、「『雪ごこち 美白クリア化粧水』登場!」の見出しの下、「従来の美白ケアだけでなく、毛穴ケアも取り入れる事で、潤って透明感のあるつるりとした肌を目指します。」、「美白化粧水市場は年々増加傾向にあります。・・・美白商品を使う方の『理想の肌』についてのヒヤリング調査では、『透明感のあるクリア肌』『ツヤのあるたまご肌』・・・『肌の質感』に関わる意見が多くあがってきました。」の記載がある(甲8)。
エ 株式会社アイビー化粧品の「BEAUTY CATALOGUE 2012-2013」には、「スキンケア 美白ケア」のページに「クリア フォーム」が掲載され「クリーム状の泡で不要な油分や細かい汚れを取り除き、さっぱり洗い上げます。」の記載がある。また、「クリア クレンジング」が掲載されている(甲18)。
オ 株式会社ナリス化粧品の「Yes,With You 2013.4-2014.3 ナリス 総合カタログ」には、「スキンケア」のページに「ナリス クリア スキン ローション」が掲載され、「老化角質をおだやかに取り除き、なめらかで透明感のある肌に。」の記載がある(甲25)。
カ 「実践!美髪へのサイエンスケア@ヌースフィット」とするブログには、「2012-08-20 09:37:01」、「カラーバターならトリートメントしながらカラーリングできる!」の見出しの下、「■ヌースフィット」、「クリアバタープレミアム200g/900g(無色)」及び「クリア/200g」の表示とともに、商品写真が掲載され、その商品の蓋に「無色」と表示されている(甲14)。
(3)判断
上記(2)アないしオによれば、「CLEAR」及び「クリア」の文字は、「Lotion」、「Gel」及び「クレンジング」等の文字とともに、本件商標の指定商品とは異なるスキンケア商品に使用されているものであり、かつ、「CLEAR」の文字のみで特定の意味合いを表すものとして使用されているものとは認められない。
次に、上記(2)カによれば、ヘアートリートメントと思しき商品に「クリア」の文字が「無色」の意味で使用されている事実(甲14)が認められるが、提出されたわずか1件の証拠をもって、「CLEAR」の文字が、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないといえるほどに、取引上一般的に使用されていると認めることはできない。また、当審において職権をもって調査したが、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、「CLEAR」の文字が、広く一般に使用されている事実は発見できず、さらに、当該文字が、本件商標の指定商品について、特定の意味合いをもち、商品の具体的な品質等を表示するものとして使用されて、需要者に商品の品質表示として認識されていると認めるに足る事実も見いだせない。
そうすると、本件商標は、その指定商品について、特定の意味合いを表すものとして広く一般に使用されていたとはいえない。
また、当審において職権をもって調査したが、本件商標は、その指定商品について、商品の宣伝広告や企業理念・経営方針等を表示する標章として使用されているという事実も発見できない。
以上のことからすれば、本件商標は、その登録審決時において、自他商品を識別する機能を有するものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえないと判断するのが相当である。
その他に、本件商標が、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とすべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
(4)申立人の主張について
申立人は、本件商標と同様の「クリア」及び「CLEAR」の文字からなる商標について、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとして、「拒絶文字商標集〈第4類〉昭和58年度版」(日本化粧品工業連合会発行)(甲33)を根拠に挙げて、本件商標についても、これらの審査例と異なる取扱いをすべき特段の事情はない旨主張している。
しかしながら、商標が商標法第3条第1項各号に該当するか否かの判断は、商標の構成態様や指定商品との関係に基づいて、判断時(査定時又は審決時)の取引の実情などを考察しつつ、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本件商標と上記審査例は指定商品や判断時期も異なることから、請求人が挙げた過去の審査例によって、本認定は左右されないというべきである。
したがって、申立人の主張は採用できない。
(5)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2020-01-21 
出願番号 商願2015-100097(T2015-100097) 
審決分類 T 1 651・ 16- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 澤藤 ことは和田 恵美小田 昌子 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 小松 里美
半田 正人
登録日 2018-12-07 
登録番号 商標登録第6104184号(T6104184) 
権利者 ユニリバー エヌ ヴイ
商標の称呼 クリア 
代理人 達野 大輔 

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