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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1359789 
異議申立番号 異議2019-900124 
総通号数 243 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-03-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-04-19 
確定日 2020-02-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第6117252号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6117252号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6117252号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、2017(平成29)年11月2日に中華人民共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成30年4月19日に登録出願、第35類「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告,販売を目的とした、各種通信媒体による商品の紹介,事業の管理及び組織に関する指導及び助言,自動販売機の貸与,スポンサー探し,販売用スタンドの貸与,輸出入に関する事務の代理又は代行,職業のあっせん,コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守,マーケティング,経理事務の代行,他人の商品及びサービスのライセンスに関する事業の管理,ウェブサイト経由による事業に関する情報の提供,商品・役務の買い手及び売り手のためのオンライン市場の提供,事業所の移転の助言」を指定役務として、同年12月27日に登録査定、同31年1月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第71号証(なお、甲各号証の表記にあたっては、「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。
(1)申立人及び申立人の関連企業について
申立人は、2016年9月12日に設立された中国企業であり、中国で著名な総合生活用品小売店「名創優品」(片仮名表記「メイソウ」、英語表記「MINISO」)(甲2?甲4)の創業者の一人であって中国の小売業界で知られた起業家、A氏が率いる賽曼グループ企業のうちの一つである。
「名創優品」は、日本をイメージとし「今の生活が好き!だから、名創優品」「Love Life, Love MINISO」をコンセプトに掲げ、中国に2,000店舗以上を構え、世界の86の国と地域に店舗を有する。現在店舗数は全世界で合わせて3,600店舗以上にのぼる(甲4)。
A氏が率いるグループ企業には、申立人企業以外に、広東葆揚投資管理有限公司などがある。
(2)申立人らの「NOME」ブランドの概要
申立人及びその関連企業(以下「申立人ら」という。)は、「名創優品」に続いて、北欧をイメージとした新しい生活用品総合ブランド「NOME」を展開している(甲5?甲7)。「NOME」は、「NO」と「ME」の組み合わせであり、「NO」は過去への決別を、「ME」は自分自身を意味する。すなわち全体で「過去にさよならをし、新しい生き方を探求する」という願いが込められている。商品は、男性用衣料、女性用衣料、化粧品類、生活用品、男性・女性用履物、かばん類、アクセサリー、食品、デジタル用品、の9部門にわたり、広くカバーしている(甲8)。申立人らが展開する「NOME」は、現在中国に200店舗以上を有する(甲6)。中国以外では、少なくともオーストラリア、ブラジル、カナダ、シンガポール、アメリカ合衆国、エジプト、ドイツ、日本、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムの世界各国の店舗で「NOME」ブランドの商品が販売されている(甲9?甲21)。
(3)申立人らの「NOME」ブランドのためのプロジェクトの進行
申立人らの「NOME」ブランドは、最初、2015年の賽曼グループの幹部らによる月例会議において、幹部らが新しいブランドの検討を始めたことに由来する(甲22?甲24)。
「NOME」のデザインは、2015年12月8日を完成日として中国で著作権登録されており、当該著作権は、A氏に移転されている(甲29、甲30)。申立人は、A氏から商標の使用や権利の保護等について委任されている(甲31)。
「NOME」のロゴは申立人ら賽曼グループにより遅くとも2015年末には創作されたものである。
(4)商標権者による「NOME」の剽窃的出願及び使用
商標権者は、2016年6月21日設立の中国の企業であり、代表者はB氏である(甲70)。B氏は、他に広州▲そう▼門実業有限公司、広州諾米品牌管理有限公司(甲71)などの代表者でもある。
申立人らが新規ブランド「NOME」のプロジェクト進行させていた中、B氏は、広州▲そう▼門実業有限公司の代表者として、▲がい▼呀呀飾品連鎖股▲ふん▼有限公司の元副社長アシスタント兼法務部マネージャーであったC氏(2012年6月18日入社、中国の弁護士資格を有する)(甲44?甲48)と法的諮問契約をし、広州▲そう▼門実業有限公司とその関連会社である広州快慢品牌管理有限公司に関する法律業務を、C氏に依頼していた(甲43、甲49?甲51)。そのような中で、B氏は、C氏との雑談などの中で、申立人らが進行中の新しい北欧ブランド「NOME」について知るに至った(甲43)。
申立人らの新しい北欧ブランドについて知ったB氏は、名創優品公司(▲がい▼呀呀飾品連鎖股▲ふん▼有限公司)や広東葆揚投資管理有限公司の従業員を引き抜き、自身が法定代表人を務める広州諾米品牌管理有限公司などに入社させた(甲52)。そして、「NOME」が申立人らが新しく立ち上げようとしているブランドの名称であることを知りながら、2017年11月2日中国で商標登録出願を行い、2018年5月2日、我が国で本件商標の商標登録出願を行った。さらに、上海などにおいて「NOME」の店舗をオープンさせた(甲53)。
本件商標は、申立人らが創出したものと同一である(甲28、甲29)。加えて、「NOME」が北欧ブランドであることや、「探索新生活」というブランドコンセプトについても、甲28の5枚目にあるように、申立人らが創出したものである。それにもかかわらず、商標権者らは、申立人らのブランドの名称、デザイン、コンセプトなどをそのまま剽窃し、使用したのである。
(5)申立人らによる「NOME」ブランドの開店
申立人らは、2018年6月8日、「NOME」の本店、上海環球港旗艦店を開店した(甲7)。新聞晨報の2018年6月8日付け新聞には、上海環球港旗艦店のオープンを知らせる新聞広告が掲載され、新聞晨報のオンライン版にも同様の広告が掲載された(甲56、甲57)。
また、「NOME」上海環球港旗艦店のオープンに関しては、新聞晨報の記事で、その盛況ぶりが報告されている(甲58、甲59)。申立人らは、上海環球港旗艦店に続き、次々に店舗を出店し、2018年6月から年末の半年間で183店舗を開店した。その半年間で売上げは、1億7,227万人民元以上にのぼった(甲63)。現在の店舗数は200以上にのぼる(甲6)。
甲60?甲62は、出店のためのフランチャイズ契約の一例である。これらの契約は、「諾米設計(広州)有限公司」の名義でなされているが、これは申立人の委任に基づくものである(甲55)。
なお、申立人は、中国及び世界各国で商標「NOME」について商標登録出願を行っており、タンザニア(甲64、甲65)、台湾(甲66)、ドイツ(甲67)、メキシコ(甲68)において登録商標を有し、ミャンマー(甲69)において「NOME」の権利者であることを宣言しており、申立人らと広東普斯投資有限公司、広州諾米品牌管理有限公司とは中国を含め世界各国で商標権等に関し係争中である。
(6)商標法第4条第1項第7号に該当するものであること
上述のように、申立人らが進行していた新しいブランドのプロジェクトについて知ったB氏が、「NOME」が申立人らの新しいブランドに係る商標であることを知った上で、それと同一の商標を2017年11月2日に中国において商標登録出願をし、優先権を主張して我が国で本件商標を出願し、登録を受けたものである。さらには、ビジネスモデル、デザイン、コンセプト、ブランディングなどをそのまま剽窃し、使用したものであり、信義則に反し社会的に到底容認できないものである。
したがって、本件商標の出願の経緯には、社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないものである。
このように、本件商標は、登録に至る出願の経緯において妥当性を欠くものがあり、申立人の引用商標が周知・著名であったか否かにかかわらず、本件商標は「公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標」に該当するというべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第7号について
申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、商標権者の代表者であるB氏は、▲がい▼呀呀飾品連鎖股▲ふん▼有限公司の元副社長アシスタント兼法務部マネージャーであったC氏と法的諮問契約を行い、自身が経営する広州▲そう▼門実業有限公司とその関連会社である広州快慢品牌管理有限公司に関する法律業務をC氏に依頼していたこと、B氏とC氏は、日常交流や雑談の中で、▲がい▼呀呀飾品連鎖股▲ふん▼有限公司が2015年に準備している北欧新ブランドの業務モデルなど内容について話した事情はうかがえる。
しかしながら、そのことによって、本件商標の出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあるとはいえない。
また、申立人は、当該北欧新ブランドを知ったB氏が▲がい▼呀呀飾品連鎖股▲ふん▼有限公司や申立人の関連会社である広東葆揚投資管理有限公司の従業員を引き抜き、「NOME」が申立人らが新しく立ち上げようとしているブランドの名称であることを知りながら、本件商標の商標登録出願を行った旨主張している。
しかしながら、仮に申立人の主張するような事情があったとしても、B氏が当該北欧新ブランドを知った経緯や従業員を引き抜いたこと自体に社会的相当性を欠く事情は見いだせない。
さらに、商標権者及びB氏が、申立人に対して、例えば本件商標を金銭的な交渉材料に利用して不当な利益を得ようとしていたとか、事業の遂行を妨害し損害を加えようとしているといったような不正の目的をもって、本件商標の登録出願を行ったことなどを裏付ける具体的な事実は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあるとはいえず、その登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないものであるともいえない。
その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足る事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しないものであり、その登録は、同項の規定に違反してされたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 本件商標


異議決定日 2020-01-24 
出願番号 商願2018-50843(T2018-50843) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W35)
最終処分 維持 
前審関与審査官 町田 圭輔濱田 佐代子 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 山田 啓之
木村 一弘
登録日 2019-01-25 
登録番号 商標登録第6117252号(T6117252) 
権利者 広東普斯投資有限公司
商標の称呼 ノメ、ノーミー、エヌオオエムイイ 
代理人 奥野 彰彦 
代理人 SK特許業務法人 
代理人 伊藤 寛之 
代理人 ▲吉▼川 俊雄 
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