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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W091641
審判 全部申立て  登録を維持 W091641
審判 全部申立て  登録を維持 W091641
審判 全部申立て  登録を維持 W091641
審判 全部申立て  登録を維持 W091641
管理番号 1358880 
異議申立番号 異議2019-900157 
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-02-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-05-20 
確定日 2020-01-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第6124929号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6124929号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6124929号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成30年4月27日に登録出願、第9類、第16類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同31年1月24日に登録査定、同年2月22日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5941152号商標(以下「引用商標」という。)は、「DISCWORLD」の欧文字を標準文字で表してなり、平成27年11月12日に登録出願、第9類、第16類、第25類、第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同29年4月21日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第7号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、引用商標と同一又は類似であって、その指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務について使用される商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標は、1990年代のイギリスのベストセラー作家の一人であり、その著作は、日本語を含む36言語に翻訳され、2007年12月には5,500万部の売り上げを達成した、故テリー・プラチェット氏の代表作の一つである書籍シリーズ「DISCWORLD」としてイギリス本国を中心として広く知られ、我が国においても、その事実が知られている、引用商標と同一又は類似であり、又は、引用商標を構成する「DISCWORLD」の文字を顕著に含むので、申立人の周知商標と同一又は類似であって、その指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務について使用される商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、申立人の資産であるばかりでなく、いわばイギリス国民の財産ともいうべきものであり、故テリー・プラチェット氏及び申立人と何らの関係がない商標権者に登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するので、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査(インターネット情報、新聞記事情報など)によれば、2015年に亡くなったイギリスの作家「テリー・プラチェット(Terence David John Pratchett)」氏は、1983年に出版された小説「The Colour of magic」をはじめとする、「DISCWORLD」シリーズといわれる小説の作者であること、1983年に出版された上記小説(邦訳「ディスクワールド騒動記」)は我が国でも発売されたこと、及びテリー・プラチェット氏に係る我が国の新聞記事において「同氏は『ディスクワールド』シリーズの小説で知られている」旨紹介されていることが認められ、また、同シリーズは1998年頃までに、日本語を含む27言語に翻訳されたこと、23タイトルが発売されたこと、世界各国で1,800万部程度発売されたこと、及び1998年の欧州連合における売上総額は32.6億円であったこと、「DISCWORLD」シリーズに基づくコンピュータゲームが創作・販売されたことなどがうかがえる(甲3、甲5、甲8、甲9)。
しかしながら、「DISCWORLD」シリーズの我が国における販売実績、我が国を含む各国における「DISCWORLD」の文字からなる商標の具体的な使用方法・態様、及び申立人と故テリー・プラチェット氏との関係を示す証左は見いだせず、また、証拠(甲3)の記載内容は20年前のものであり、その記載内容が事実であったとしても、本件商標の登録出願時及び登録査定時の状況を裏付けるものということはできない。
してみれば、「DISCWORLD」シリーズという小説が我が国の需要者の間にある程度知られているといえるとしても、「DISCWORLD」の文字からなる引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人及び故テリー・プラチェット氏(以下、両者を合わせて「申立人等」という。)の業務に係る商品及び役務であることを表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲のとおりの構成からなるものであって、その構成態様から、一見して、赤色の「DISC」の欧文字(以下「文字部分」という。)と、赤色の輪郭内に黄色やオレンジ色などの小さな四角形をモザイク状に表した円図形の上部に緑色の「JWI」の欧文字、下部に青色の「WORLD」の欧文字を配した部分(以下「図形部分」という。)を組み合わせたものと把握、認識されるとみるのが自然である。
そして、本件商標は、文字部分と図形部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められないものであって、文字部分と図形部分は、いずれも独立して自他商品・役務識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当である。
また、図形部分の構成中の「JWI」及び「WORLD」の文字は、赤色の輪郭内に黄色やオレンジ色などの小さな四角形をモザイク状に表した円図形に重なるように、外観上まとまりよく一体的に表されており、かつ、これを構成する各語に軽重の差を見いだすことができないものであって、いずれかの構成文字を抽出しなければならない特段の事情も見いだせないものであるから、図形部分は、該円図形及びその構成文字全体をもって一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成全体からは「DISC」、「JWI」及び「WORLD」の構成文字に相応し「ディスクジェイダブリューアイワールド」の称呼を、文字部分からは「DISC」の文字に相応し「ディスク」の称呼を、及び図形部分からは「JWI」及び「WORLD」の文字に相応し「ジェイダブリューアイワールド」の称呼を、それぞれ生じるものである。
さらに、観念については、本件商標の構成全体及び図形部分は、我が国において特定の事物を表したもの又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の観念は生じないものである。
また、「DISC」の文字部分は、「円盤。円版。」等の意味を有する外来語「ディスク」(「広辞苑(第六版)」岩波書店)として知られているものの英語表記であるから、その構成文字に相応して「ディスク」の称呼を生じ、「ディスク(円盤など)」の観念を生じるものである。
イ 引用商標
引用商標は、上記2のとおり「DISCWORLD」の欧文字からなるものであって、該文字に相応し「ディスクワールド」の称呼を生じ、構成文字全体としては、辞書等に載録のないものであり、特定の意味合いを有することのない造語の一種として認識されるものであるから、これより特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標を比較すると、本件商標の構成全体、文字部分及び図形部分のそれぞれと引用商標とは、上記のとおり、外観はその構成態様の差異により相紛れるおそれのないものであること明らかであり、前者の称呼「ディスクジェイダブリューアイワールド」、「ディスク」及び「ジェイダブリューアイワールド」と後者の称呼「ディスクワールド」とは、いずれも語調語感が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものである。
また、引用商標が特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 申立人の主張について
(ア)申立人は、本件商標の構成中には各文字の色、書体、大きさが異なる「DISC」、「WORLD」及び「JWI」の3つの文字部分が含まれ、「DISC」と「WORLD」の文字が視覚上一体的に構成されているのに対し、「JWI」の文字は「DISC」及び「WORLD」のいずれの文字とも視覚上一体的に看取することができない別個の標章といえる、及び色相学上の補色関係からも、円図形の黄色やオレンジ色とコントラストの強い青色で描かれた「WORLD」の文字が、看者の注意を強く惹き、瞬時に理解、把握され記憶に留まるといえるなどとして、本件商標は、その構成文字部分のうち「JWI」の部分を除いた「DISCWORLD」の文字部分が、看者の注意を強く惹き、強く支配的な印象を与え、要部として把握できる旨主張している。
また、申立人は、「DISCWORLD」の文字は同人がその知的財産を管理する故テリー・プラチェット氏のベストセラー書籍(小説)シリーズ名として使用を継続し、英国、欧州諸国で周知となっており、その事実が我が国においても知られていることから、「故テリー・プラチェット氏のベストセラー書籍(小説)シリーズ名」に関連する商品及び役務を想起、連想する旨主張している。
(イ)しかしながら、本件商標には、「DISC」、「WORLD」及び「JWI」の文字が含まれているといえるものの、本件商標は、上記アのとおり、一見して、「DISC」の文字部分と、「JWI」と「WORLD」の文字を含む図形部分とを組み合わせたものと把握、認識されるとみるのが自然である上、「DISC」と「WORLD」の各文字は、その書体、大きさ及び色彩が異なるものであるから、「DISC」及び「WORLD」の両文字が一体のものとして理解されるとみるのは極めて不自然である。
また、上記(1)のとおり、「DISCWORLD」の文字からなる引用商標は、他人(申立人等)の業務に係る商品及び役務であることを表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。
さらに、申立人が故テリー・プラチェット氏の書籍(小説)シリーズ名として「DISCWORLD」の文字を使用していること、及び申立人が同氏に係る知的財産を管理していることについて確認することのできる証拠も見いだせない。
したがって、申立人のかかる主張はいずれも採用できない。
オ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、商品及び役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人等の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(2)のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標である。
そうすると、商品及び役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第7号該当性について
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人等の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであって、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標は相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても、取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させることのないものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、引用商標の出所表示機能を希釈化させる、引用商標の名声にただ乗りする、申立人などの名声を毀損させるなど、不正の目的があるものということはできない。
さらに、本件商標が、その出願及び登録の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号及び同第11号のいずれにも該当するものでなく、その登録は同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)(色彩は原本参照。)


異議決定日 2020-01-06 
出願番号 商願2018-57143(T2018-57143) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W091641)
T 1 651・ 22- Y (W091641)
T 1 651・ 261- Y (W091641)
T 1 651・ 25- Y (W091641)
T 1 651・ 263- Y (W091641)
最終処分 維持 
前審関与審査官 竹之内 正隆佐藤 純也 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 鈴木 雅也
冨澤 美加
登録日 2019-02-22 
登録番号 商標登録第6124929号(T6124929) 
権利者 株式会社JAPAN WELLNESS INNOVATION
商標の称呼 ディスコジェイダブリュウアイワールド、ジェイダブリュウアイワールド、ジェイダブリュウアイ、ワールド、ディスコワールド 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 田中 克郎 
代理人 右馬埜 大地 
代理人 石田 昌彦 
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