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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1358864 
異議申立番号 異議2019-900160 
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-02-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-05-23 
確定日 2019-12-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第6138580号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6138580号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6138580号商標(以下「本件商標」という。)は,「EUG」の文字を標準文字で表してなり,平成30年10月8日に登録出願,第9類「プロジェクター」を指定商品として,同年12月3日に登録査定され,同31年4月19日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するとして引用する商標は,「EUG」の欧文字からなり(以下「引用商標」という。),中華人民共和国所在の申立人の業務に係る商品「プロジェクター」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとするものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
本件商標は,申立人が使用する引用商標と同一であり,本件商標の指定商品は,引用商標を使用する商品(プロジェクター)と同一である。
申立人は,2016年(平成28年)4月頃から引用商標の使用を開始し,本件商標の出願日より前の2017年(平成29年)5月頃には,引用商標は,申立人の商標として,取引者,需要者間に広く認識されているものである。
そうすると,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と同一又は類似の商標であり,かつ,その商品と同一又は類似の商品に使用するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性
ア 申立人提出の甲各号証,同人の主張及び職権調査によれば,以下の事実を認めることができる。
(ア)申立人は,引用商標「EUG」の文字を付した商品「プロジェクター」(以下「申立人商品」という。)を販売している(職権調査:申立人の中国語のウェブサイト https://eugprojector.1688.com/)。
(イ)2016年(平成28年)4月7日付けの「EUG LED LCD HD プロジェクター/projector 3500ルーメン 1280・・・」が「Amazon.co.jp」に出品された旨のメール(甲3)及び「EUGプロジェクター液晶フルHD 高解像度 映写機 3500lm 1080p対応 1280*800 HDM・・・」旨の商品が「amazon.co.jp」に掲載されていること(甲6)よりすると,申立人商品は,2016年(平成28年)4月頃から我が国において,販売されていたことが推認できる。
(ウ)「Amazon.co.jp」において,申立人商品のカスタマーレビューが51件あるものの(甲6,甲7),その数は多いものとはいえず,当該カスタマーレビューが申立人商品の周知性を示すものとは認め難い。
(エ)「広告運用管理画面」旨の図表には,2016年(平成28年)1月1日から2019年(令和元年)5月1日までの各月を横軸とした折れ線グラフとともに,「広告費¥548,248合計」「売上¥6,980,884合計」等の数字が記載されているものの(甲4,甲5),これらの金額は,どの者(何人)による何の商品に係る情報であるのか明らかではないことから,申立人商品に係る情報であることを推測できる証拠であるとはいい難く,申立人商品に係る広告費及び販売実績を客観的に示すものとはいえない。
イ 上記アの事実によれば,申立人は,我が国において,申立人商品を遅くとも2016年(平成28年)4月頃以降現在まで継続して取り扱っていることが推認できる。
しかしながら,申立人商品の販売数,売上高,市場におけるシェア,並びに広告宣伝の実績,規模及び広告費などは客観的に明らかではなく,例え上記金額が申立人商品に係る広告費及び販売実績を示すものとしても,その額が高いものとはいえない。
その他,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の需要者の間において周知性を獲得したことを示す具体的な証拠はない。
そうすると,引用商標は,本願商標の登録出願前に,申立人によって,商品「プロジェクター」に付して使用されていたとしても,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号の該当性について
引用商標は,上記(1)のとおり,我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができないから,本件商標が引用商標と同一又は類似であって,本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品が同一又は類似であるとしても,商標法第4条第1項第10号の要件を欠くものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-12-17 
出願番号 商願2018-126033(T2018-126033) 
審決分類 T 1 651・ 255- Y (W09)
T 1 651・ 25- Y (W09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浦崎 直之齋藤 健太 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 大森 友子
山根 まり子
登録日 2019-04-19 
登録番号 商標登録第6138580号(T6138580) 
権利者 WES株式会社
商標の称呼 イイユウジイ 
代理人 小原 弘揮 

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