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審決分類 審判 一部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W32
管理番号 1358843 
審判番号 無効2018-890079 
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-02-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2018-10-17 
確定日 2020-01-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第6047452号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第6047452号の指定商品中、第32類「清涼飲料,乳清飲料,果実飲料」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第6047452号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成29年8月18日に登録出願、第29類「肉製品,カレー,スープのもと,豚肉入りのなめ味噌,豆腐よう,加工水産物,ピーナッツ豆腐」、第30類「菓子,めん類」及び第32類「清涼飲料,乳清飲料,果実飲料」を指定商品として、同30年4月12日に登録査定、同年6月1日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が、本件商標の登録の無効の理由について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして引用する商標は、以下の登録商標であって、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第2063837号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和60年12月4日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年7月22日に設定登録され、その後、平成20年11月26日に、第30類「氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする指定商品の書換登録がされたものである。
2 登録第5430988号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成23年1月28日に登録出願、第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年8月12日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは「引用商標」という。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第43号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の利益について
請求人は、昭和61年から引用商標のロゴをコーポレートマークとして使用を開始し、現在に至るまで使用してきた結果、引用商標は、請求人の商標として周知著名な商標となっている。
このような状況下において、第三者が周知著名な引用商標と類似する本件商標を商標登録し、請求人の主要な商品と同じ指定商品である第32類「清涼飲料,乳清飲料,果実飲料」(以下「請求に係る商品」という場合がある。)に使用することは、取引者、需要者間に商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあり、請求人にとって不利益となるから、請求人は、本件審判を請求する利害関係を有する。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標
本件商標は、語頭部分の「a」の文字を青色で太く大きく書し、該「a」の文字の中央円形内に朱色の円を描き、「a」の太文字内の上部に沿って白抜きで「HIGH QUALITY」の欧文字を小さく横書きしてなるものである。
そして、「a」の太文字に続いて「s」「a」「h」「i」の各文字を「a」の文字よりやや小さく横書きし、上記文字全体を青色で表した構成からすれば、語頭の文字は「a」の文字を表し、全体として「asahi」の欧文字を青色の太字で表したと容易に認識させるものである。
このことは、語頭の「a」の文字の構成と第3文字目の「a」の文字の構成態様が同じであること、及び本件商標の「商標出願・登録情報」における称呼(参考情報)においても、「ハイクオリティアサヒ」、「アサヒ」、「ハイクオリティ」と3つの称呼しか採用しておらず、該青色の太文字部分からは何れも「アサヒ」の称呼を採用していることからも裏付けられる(甲4)。
また、「HIGH QUALITY」の文字部分は品質表示部分であり、本件商標は青色太字の「asahi」の文字部分から「アサヒ」の称呼を生じることは明らかである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲2及び別掲3の構成からなるところ、独特のロゴからなり、請求人が昭和61年に採用し、その翌年から請求人のコーポレートマークとして請求人の主力商品であるビールをはじめ、主要商品である清涼飲料、果実飲料などに長年にわたり使用してきた商標である。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 外観の類否について
本件商標と引用商標は、外観においてやや相違することは否定できない。
しかしながら、両商標は、「Asahi」の綴り字を同じくするものであり、特に本件商標と引用商標2とは、共に青色文字からなるという共通点を有するから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を同じくし、混同を生じやすいということができる。また、実際に請求人は、本件商標と同じく青色をコーポレートカラーとして長年使用し続けている。
さらに、仮に外観が相違する場合であっても、引用商標は、周知著名な商標であること、両商標の指定商品は同一又は類似すること、加えて清涼飲料、果実飲料等の需要者層は子供から大人までの一般消費者であり、商標等に比較的注意を払う専門家とは異なるものである。
以上のことから、本件商標と引用商標とは、外観においてやや相違するとしても、本件商標を請求に係る商品に使用した場合、引用商標と商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標であるというべきである。
イ 称呼の類否について
本件商標は、上記(1)のとおり、全体として「アサヒ」に通じる「asahi」の文字を表したものと容易に認識されるから、「アサヒ」の称呼を生じるといえる。
他方、引用商標は、「Asahi」の文字からなるから、「アサヒ」の称呼を生じることは明らかである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、共に「アサヒ」の称呼を共通にする称呼上類似の商標といわざるを得ない。
ウ 観念の類否について
本件商標からは、特定の観念を生じないから、引用商標との観念については、比較できない。
エ 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、その外観において相違するとしても、共に「アサヒ」の称呼を共通にし、引用商標の周知著名性、両商標の指定商品の同一性、商品の需要者層の同一性等を総合的に判断すれば、本件商標は、引用商標と商品の出所について、誤認混同を生じるおそれのある類似商標である。
また、このことは、審決例(甲5?甲11)からも是認される。
3 商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、請求人の周知著名な商標であり、被請求人が本件商標を請求に係る商品に使用した場合、商品の出所について、誤認混同を生じさせるおそれがある。
(1)引用商標の周知著名性について
請求人は、昭和61年に引用商標のロゴをコーポレートマークとして使用を開始し、今日まで主力商品であるビールのほか主要な商品である清涼飲料、果実飲料等に使用してきた。
また、請求人及び関連会社の事業分野は、酒類事業、飲料事業、食品事業に限らず、物流事業、飲食事業、自動販売機事業など多岐の分野にわたって事業展開を行い、引用商標を使用しており、引用商標が周知著名な商標であること明らかである(甲12?甲41)。
(2)出所の混同について
引用商標は、請求人が主力商品であるビールをはじめ、主要な商品である清涼飲料などに使用した結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時はもとより、それ以前から周知、著名な商標となっている。
そして、本件商標は、引用商標とその外観においてやや相違するとしても、「アサヒ」の称呼を共通にする類似の商標であることに加え、引用商標の著名性や本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類似性及び需要者の共通性、その他取引の実情などに照らし、総合的に判断すれば、本件商標を請求に係る商品に使用した場合、請求人の業務に係る商品と商品の出所について混同を生じるおそれがあることは明らかである。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第32類「清涼飲料,乳清飲料,果実飲料」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)外観について
本件商標の外観は、語頭の文字「a」がオレンジ色の円という図形的な要素と「HIGH QUALITY」との文字要素を含んでいる点、欧文字「sahi」と比してひと際目立つ態様で表されている点、また、文字部分が全体的に角の取れた丸みを有する書体で表されている点に特徴を有する。
一方、引用商標は、その独特なロゴの書体も一見して請求人の周知著名なコーポレートマークと理解できる程度のものであり、本件商標とはその外観において著しく相違するものである。
よって、本件商標と引用商標は、外観において非類似の商標である。
(2)称呼について
本件商標は、その語頭の文字が、その後の「sahi」の文字に比べてひと際目立つように大きく表されていること、その内部にオレンジ色の円が描かれていること、また、「HIGH QUALITY」の文字が重ねて表されていること等の理由により、これが欧文字「a」を表したものであることは、本件商標に接する需要者、取引者をして直ちに看取されない。
特に、本件商標が使用される指定商品の価格帯やその需要者層を考慮すると、商標等については高い注意が払われずに一見した印象で判断される場合が多く、語頭の文字は何らかの図形を表したものと認識されるケースが多く、現在では、被請求人の主力商品の多くにおいて本件商標のロゴの下に平仮名「あさひ」を併記して使用しているのが実情である(乙1の1?15)。
以上を考慮すると、本件商標からは、「サヒ」あるいは、「ハイクオリティサヒ」などの称呼が生じると判断するのが合理的である。
なお、「特許情報プラットホーム」の「称呼(参考情報)」において、「アサヒハイクオリティ、アサヒ、ハイクオリティ」との称呼が記載されているが、一般需要者において必ずしもこのように称呼することを担保するものではないことはいうまでもない。
他方、引用商標は、その構成より「アサヒ」の称呼が生じる。
してみると、本件商標と引用商標は、その称呼において共通しない非類似の商標である。
(3)観念について
本件商標は、「サヒ」の称呼が生じる場合は特定の観念が生じず、仮に「アサヒ」との称呼が生じる場合には、太陽を表したオレンジ色の円の図形ともあいまって、「朝日、朝昇る太陽」との観念が生じる。
一方、引用商標は、請求人のコーポレートマークとして周知著名であるから、「アサヒビール株式会社」、「(請求人のブランドである)アサヒビール」との観念が生じる。
よって、本件商標と引用商標は、観念においても非類似の商標である。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれをとっても別異の商標であり、仮に、本件商標から「アサヒ」の称呼が生じ、その称呼において一致するとしても、外観及び観念において著しく相違するものである。
そして、本件商標の指定商品は、上記第1のとおりであるところ、取引者、需要者が本件商標の商品を購入する際には、単に称呼のみで商品を購入するのでなく、例えば、ラベルに表された文字の外観から連想、識別して取引に当たることも少なくないため、本件商標と引用商標がそれぞれの指定商品に使用されたとしても、取引者、需要者がその出所について誤認混同を生じるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であることは明らかであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、これをその指定商品に使用しても、該商品が請求人若しくは請求人と経済的、組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について誤認を生ずるおそれがあるものではない。
参考として、称呼が同一の場合でも、外観及び観念が異なるため非類似とされた審決例を挙げる(乙2?乙4)。
3 まとめ
以上に述べたとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものでないから、同法第46条第1項第1号により無効とされるべきものではない。

第5 当審の判断
請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係を有する者であることについては、当事者間に争いがないので、本案に入って審理する。
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の著名性について
請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。
ア 請求人は、ビール、焼酎、清涼飲料等に引用商標(色彩のみ異なるものを含む。以下同じ。)をコーポレートマークとして使用している(甲12)。
イ 引用商標が1986年(昭和61年)から「ビール、清涼飲料」等に使用されているとして「日本有名商標集」(2004年、2012年?2018年(2015年を除く。))に掲載されている(甲14?甲20)。
ウ 引用商標が請求人の業務に係るビール及び清涼飲料等に使用され、新聞、雑誌、テレビCM等において広告宣伝されている(甲21?甲36)。 エ 引用商標は、インターブランドジャパンによる「Best Japan Brands 2018」によれば、国内第9位である(甲37)。
オ 業界動向 SEARCH.COMによれば、請求人は、清涼飲料業界の売上高ランキング(平成27-28年)で第3位である(甲38)。
カ ITmedia ビジネスオンラインによれば、請求人は、国内飲料品メーカーの自販機の台数で第3位(2016年)であって、自販機の上部に引用商標が表示されている(甲39、甲40)。
キ 登録査定後の「2018年8月31日」の日付のウェブサイト(careerpark.jp)ではあるものの、飲料メーカーのシェアにおいて、請求人のグループ会社は、「清涼飲料水」で第3位(12.9%)である(甲41)。
ク 小括
上記アないしキによれば、請求人は、別掲2及び別掲3の構成態様からなる引用商標を自己の業務に係る「ビール、清涼飲料」等について昭和61年から使用を開始し、宣伝広告を継続して行っていることがうかがえること及びその売上高、飲料メーカーにおけるシェア等を考慮すると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国おいて、請求人を表示する商標として、需要者の間に広く認識されていた商標と認められるものであり、また、一般にも広く知られ著名な商標となっていたと認め得るものである。
(2)本件商標と引用商標との類似性の程度について
ア 本件商標
本件商標は、上部及び左側下部が円形で右側下部が直線で表された円様の図形(以下「円様図形」という)を青色で太く大きく書し、その中央部に上方に向けて濃淡を付けたオレンジ色のグラデーションが施された円を配し、更に、円様図形内の上部に沿って白抜きで「HIGH QUALITY」の欧文字を小さく書してなる図形部分とその右側に円様図形と同じ色で、「S」、円様図形と同じ構成態様のもの、「h」及び「i」を配してなるものであるところ、2番目に位置する円様図形と同じ構成態様のものは、これ以外が全て小文字の欧文字であること、文字をデザイン化して表すことが広く一般に行われていること、及び上部及び左側下部が円形で右側が直線的に表されているその特徴から、「a」の文字をデザイン化して表したものと容易に看取、理解されるものであり、本件商標の構成中の右側部分は、「sahi」の文字を表したものと認識されるものである。
また、円様図形と右側の文字部分はいずれも同じ色からなるものであり、当該円様図形と文字部分の2番目に位置する「a」の文字と看取、理解されるものが同じ構成態様であることからすれば、左側に大きく表された円様図形は、「a」の文字を表したものと看取、理解されるものといえ、円様図形及びこれに続くものは、その全体として「asahi」の欧文字を表したと認識されるというのが相当である。
そして、本件商標は、その構成中の「HIGH QUALITY」の文字部分は、「高品質」ほどの意味合いを表すものであって、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものであるから、自他商品の識別機能を有する「asahi」の文字に相応して「アサヒ」の称呼が生じ、当該文字に該当する語として、地名、姓名の一を意味する「旭」及び「朝昇る太陽」の意味を有する「朝日」の語があることからすれば、直ちに特定の意味合いを想起させるとまではいえないものである。
そうすると、本件商標は「アサヒ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標1は、別掲2のとおり「Asahi」の文字をデザイン化してなるものであり、また、引用商標2は、別掲3のとおり、引用商標1と同じ構成態様からなる「Asahi」の文字を青色で表してなるものであって、その構成文字に相応して「アサヒ」の称呼を生じ、また、上記(1)のとおり、請求人の業務に係る「ビール、清涼飲料」等を表示するブランドとして、需要者の間に広く認識されていることから、「請求人がビール及び清涼飲料等に使用するAsahiブランド」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標の対比
本件商標と引用商標とを比較してみるに、両商標は、いずれも同じ綴りの「asahi」及び、「Asahi」の文字をデザイン化してなるものであって、「アサヒ」の称呼を共通にするものの、両商標は、それぞれ文字がデザイン化され、また、本件商標の語頭の「a」の文字の中央部に上方に向けて濃淡を付けたオレンジ色のグラデーションが施された円を配してなるものであることなどその構成態様の差異から、外観においては、その印象が異なるものであり、さらに、特定の観念を生じない本件商標と「請求人がビール及び清涼飲料等に使用するAsahiブランド」の観念を生じる引用商標とは、観念において相紛れるおそれのないものであることから、その類似性の程度は高いとはいえないものである。
(3)引用商標の独創性の程度について
引用商標は、上記(2)イのとおり、「Asahi」の欧文字をデザイン化してなる特徴的な態様からなるものであって、独創性の高いものといえるところ、「Asahi」の文字自体は、これに該当する語として、地名、姓名の一を意味する「旭」及び「朝昇る太陽」の意味を有する「朝日」の語があることからすれば、その文字自体は、独創性が高いとまではいえないものである。
(4)商品の関連性の程度について
請求に係る商品である「清涼飲料,乳清飲料,果実飲料」と請求人の業務に係る商品「清涼飲料」とは、同一又は類似の商品であるから、その関連性の程度が高いものであること明らかである。
(5)取引者、需要者の共通性について
請求に係る商品と請求人の業務に係る商品は、上記(4)のとおり同一又は類似の商品であり、その関連性の程度が高いものであるから、取引者、需要者を共通するといえる。
(6)出所の混同のおそれについて
上記(1)ないし(5)によれば、本件商標と引用商標は、類似性の程度が高いとはいえないものであり、「Asahi」の文字それ自体は、その独創性が高いとはいえないものの、両商標は、いずれも同じ綴りの「asahi」及び「Asahi」の文字からなるものであって、引用商標の著名性の程度は本件商標の登録出願時及び登録査定時において極めて高いこと、また、請求に係る商品と請求人の業務に係る商品との関連性の程度が高いこと、及び取引者、需要者が共通することなどに照らし、請求に係る商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば、本件商標は、これを本件商標権者が、その指定商品中、請求に係る商品に使用したときは、これに接する需要者が、当該商品が請求人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものというべきである。
(7)小括
したがって、本件商標は、その指定商品中の第32類「清涼飲料,乳清飲料,果実飲料」について、商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 被請求人の主張について
被請求人は、本件商標は、その語頭の文字が、その後の「sahi」の文字に比べてひと際目立つように大きく表されていること、その内部にオレンジ色の円が描かれていること、また、「HIGH QUALITY」の文字が重ねて表されていること等の理由により、これが欧文字「a」を表したものであるとは、本件商標に接する需要者、取引者をして直ちに看取されない旨主張する。
しかしながら、本件商標の語頭に位置するものが「a」の文字であると認識されるものであることは、上記1(2)アのとおりであるから、被請求人の上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。なお、請求人は、上記理由のほか、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨主張しているが、請求人の主張及び提出に係る証拠によっては、上記理由に該当するものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号により、その指定商品中、「結論掲記の指定商品」について、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1
本件商標(色彩は原本参照。)


別掲2
引用商標1



別掲3
引用商標2(色彩は原本参照。)


審理終結日 2019-11-08 
結審通知日 2019-11-12 
審決日 2019-11-27 
出願番号 商願2017-115779(T2017-115779) 
審決分類 T 1 12・ 271- Z (W32)
最終処分 成立 
前審関与審査官 駒井 芳子押阪 彩音 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 半田 正人
中束 としえ
登録日 2018-06-01 
登録番号 商標登録第6047452号(T6047452) 
商標の称呼 アサヒハイクオリティ、アサヒ、ハイクオリティ 
代理人 特許業務法人 小野国際特許事務所 
代理人 特許業務法人はなぶさ特許商標事務所 
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