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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W03
審判 査定不服 外観類似 登録しない W03
審判 査定不服 観念類似 登録しない W03
管理番号 1358786 
審判番号 不服2019-1779 
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-07 
確定日 2019-12-23 
事件の表示 商願2017-135600拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「LIQUID ROUGE BIJOU」の欧文字と「リクィッドルージュビジュー」の片仮名を上下二段に書してなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成29年10月13日に登録出願、その後、本願の指定商品については、同30年10月3日受付の手続補正書により、第3類「せっけん類,歯磨き,液体状の口紅,液体状の頬紅,その他の液体状の紅,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4725394号商標(以下「引用商標」という。)は、「Bijou」の欧文字と「ビジュ」の片仮名を上下二段に書してなり、平成15年1月29日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料類」を指定商品として、同年11月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「LIQUID ROUGE BIJOU」の欧文字と「リクィッドルージュビジュー」の片仮名を上下二段に書してなるところ、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを表したものと理解されるものである。
また、本願商標の構成中の「LIQUID」及び「リクィッド」の文字は「液体、流体」の意味を、「ROUGE」及び「ルージュ」の文字は「べに、口紅」の意味を、「BIJOU」及び「ビジュー」の文字は「(装身用の)宝石」の意味をそれぞれ有する一般によく知られた語(いずれも「コンサイスカタカナ語辞典」株式会社三省堂 第4版)であるところ、「LIQUID」及び「ROUGE」の文字を一連に表した「LIQUID ROUGE」の文字、また、その読みを片仮名で表記した下段の「リクィッドルージュ」に通じる「リキッドルージュ」又は「リクイドルージュ」の文字は、原審の拒絶査定において示した例(別掲1)に加えて別掲2において示す例のように、液体状の口紅や液状口紅といった商品を表す語として一般に広く使用されているものである。
そうすると、本願商標は、その指定商品中に上記商品と同様の「液体状の口紅,液体状の紅」を含むものであるから、その構成中の「LIQUID ROUGE」及び「リクィッドルージュ」の文字部分は自他商品の識別標識としての機能が極めて弱いか、又はその機能を果たさないものである一方、「BIJOU」及び「ビジュー」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有する要部として理解され、この部分をもって商取引に資されることも決して少なくないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成文字全体から生ずる「リクィッドルージュビジュー」の称呼のほか、その構成中の要部である「BIJOU」及び「ビジュー」の文字部分に相応して、「ビジュー」の称呼及び「(装身用の)宝石」の観念をも生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「Bijou」の欧文字と「ビジュ」の片仮名を上下二段に書してなるところ、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを表したものと理解されるものであるから、引用商標からは、「ビジュ」の称呼を生じ、上記(1)と同様、「(装身用の)宝石」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標の要部である「BIJOU」及び「ビジュー」の文字部分と引用商標とを対比すると、外観において、本願商標の要部である「BIJOU」の欧文字部分と引用商標の「Bijou」の欧文字部分とは、大文字と小文字の差異があるものの、そのつづりを共通にするものであって、互いに近似した印象を与えるものである。
また、称呼においては、本願商標の要部から生じる「ビジュー」の称呼と引用商標から生じる「ビジュ」の称呼とは、語頭音を含めた「ビジュ」の音を共通にし、異なるところは語尾における長音の有無のみであるから、両者をそれぞれ一連に称呼するときには、音調、音感が近似し、互いに相紛れるおそれがあるものと判断するのが相当である。
さらに、本願商標の要部と引用商標とは、「(装身用の)宝石」の観念を同一にするものである。
してみれば、本願商標の要部である「BIJOU」及び「ビジュー」の文字と引用商標とは、外観において互いに近似した印象を与え、称呼において相紛らわしく、観念を共通にするものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標とは相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品中、第3類「液体状の口紅,液体状の紅」は、引用商標の指定商品中、第3類「化粧品」と同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標と引用商標とは類似するものであって、その指定商品も同一又は類似のものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
請求人は、本願商標を構成する「LIQUID ROUGE」「リクィッドルージュ」の文字部分は、必ずしも「液体状の口紅」「液体状の紅」なる最終商品を直接的に表示する文字ではないことから、本願商標は「LIQUID ROUGE BIJOU/リクィッドルージュビジュー」全体を一体として認識されるものであり、本願商標の構成態様から「BIJOU」「ビジュー」の文字部分を抽出して、引用商標「Bijou/ビジュ」と類否判断しなければならない格別の理由も存しない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標の指定商品に含まれる「液体状の口紅,液体状の紅」との関係からすれば、本願商標の構成中の、「BIJOU」の欧文字部分及びその読みを表示する「ビジュー」の片仮名部分が強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であって、該文字部分をもって取引にあたる場合も決して少なくないものといえるから、本願商標から該文字部分を要部として分離、抽出し、他人の商標と比較することも許されるものといえる。
また、請求人は、「ROUGE」「ルージュ」などの文字が含まれている過去の商標登録例を挙げ、「ROUGE」「ルージュ」の文字は他の自他商品識別力を有する文字と結合した場合は、その他の文字のみから生じる識別力とは全く別異の識別力が生じる商標を構成するため、本願商標も全体を一体として認識されるものである旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げる商標登録例は、商標の構成態様を本願商標と異にするものであって、本願とは事案を異にするというべきものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるものであるところ、本願商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、類似の商標であるから、請求人の挙げた商標登録例があるからといって、それらが上記判断を左右するものではない。
したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 原審において示された用例
(1)「MiMC」のウェブサイトにおいて、「ミネラルリキッドルージュ Mineral Liquid Rouge」の見出しの下、「するりと伸びて、まるでティントのように色づく新しいテクスチュアのリキッドルージュが誕生しました。美容液成分とミネラルを混ぜ合わせてつくったオイルベースのルージュが、驚くほどにぴたっと密着。もたつかないから、素唇が美しいかのような自然な仕上がりに。一人一人異なる「生まれながらの唇」を生かしながら、しっかりと発色して、あなたの美しい表情を引き出します。」の記載がある。
(https://www.mimc.co.jp/products/detail474.html)
(2)「Voce」のウェブサイトにおいて、「ミス エレガンス リクィッド ルージュ」の見出しの下、「セクシーでとろけるようなグロスカラー。とろりつやり、ツルンとした唇に仕上げます。」の記載がある。
(https://i-voce.jp/cosme/detail.html?cosme_id=0013332)

別掲2
(1)2007年8月31日付け「日刊工業新聞」(18ページ)において、「カネボウ化粧品、ミニサイズの液状口紅を11月発売」の見出しの下、「カネボウ化粧品は30日、セルフ販売のメークブランド『ラヴーシュカ』から、ミニサイズの液状口紅『リキッドルージュ』(全12色)を11月1日に発売すると発表した。ラヴーシュカで特にニーズの高い液状口紅を、携帯に便利なミニサイズにした。」の記載がある。
(2)「カネボウ化粧品」のウェブサイトにおいて、「KANEBO カネボウ リクイドルージュ」の見出しの下、各種の液体状の口紅が掲載されている。
(https://www.kanebo-cosmetics.co.jp/products/2068425)
(3)「イヴ・サンローラン・ボーテ公式オンラインブティック」のウェブサイトにおいて、「リキッドルージュ」の見出しの下、各種の液体状の口紅が掲載されている。
(https://www.yslb.jp/makeup/makeup-lips/makeup-lip-stain/)
(4)「クレ・ド・ポーボーテ」のウェブサイトにおいて、「リキッドルージュ」の見出しの下、各種の液体状の口紅が掲載されている。
(https://www.cledepeau-beaute.com/jp/products-makeup-lip-liquidrouge/)
(5)「シュウ ウエムラ公式オンラインショップ」のウェブサイトにおいて、「リキッド ルージュ」の見出しの下、各種の液体状の口紅が掲載されている。
(https://www.shuuemura.jp/?c_cd=colormake_liquidrouge)
(6)「レ・メルヴェイユーズ ラデュレ」のウェブサイトにおいて、「LIQUID ROUGE\リキッドルージュ」の見出しの下、各種の液体状の口紅が掲載されている。
(http://www.lm-laduree.com/products/lip/liquid_rouge/)



審理終結日 2019-10-25 
結審通知日 2019-10-28 
審決日 2019-11-08 
出願番号 商願2017-135600(T2017-135600) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W03)
T 1 8・ 263- Z (W03)
T 1 8・ 261- Z (W03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 早川 真規子小林 稜 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 小田 昌子
石塚 利恵
商標の称呼 リクイッドルージュビジュー、リキッドルージュビジュー、ルージュビジュー、ビジュー 
代理人 柿本 邦夫 

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