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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W4143
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W4143
管理番号 1358765 
審判番号 不服2018-4189 
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-27 
確定日 2019-12-26 
事件の表示 商願2016- 42274拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「餃子フェス」の文字を標準文字で表してなり、第41類及び第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成28年4月13日に登録出願され、その後、指定役務については、審判請求と同時に提出された同30年3月27日手続補正書によって、第41類「書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),電子出版物の提供,餃子に関する文化的イベントの企画・運営又は開催,餃子に関する文化的イベントの企画・運営又は開催に関する情報の提供」及び第43類「餃子を主とする飲食物の提供」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、『餃子フェス』の文字を標準文字で表してなるところ、商標全体として、『餃子に関する催し物』程の意味合いを容易に認識させるものである。そして、何軒かの餃子店が集まり、それらの餃子が提供される催し物が、『餃子フェス』及び『餃子フェスティバル』と称されている実情が認められる。そうすると、本願商標を、その指定役務中、例えば、『文化的イベントの企画・運営又は開催,文化的イベントの企画・運営又は開催に関する情報の提供,飲食物の提供』等に使用しても、これに接する需要者等は、『餃子に関する催し物』に関連した役務であるということを認識するにすぎず、本願商標は、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の『文化的イベントの企画・運営又は開催,文化的イベントの企画・運営又は開催に関する情報の提供,飲食物の提供』に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。また、出願人は、本願商標は、出願人によって使用された結果、広く需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができる旨を主張しているが、提出された証拠によっては、本願商標が使用をされた結果、広く需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるもの(商標法第3条第2項)に至っていると認めることはできない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成30年9月19日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めるとともに、商標法第3条第2項の適用に関する証拠の追加がある場合には提出されたい旨通知した。

第4 証拠調べの結果に対する請求人の意見(要旨)
本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、本願商標は、出願人が使用をした結果、広く需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるもの(商標法第3条第2項)に至っていると認められるべきである。
審判請求書において、東京3回、大阪1回、仙台1回、熊本1回の計6回の開催実績があること、及び出願人による継続した周知化活動の実施について証拠を添付して主張しているが、審判請求後においても、2018年5月2日から5月6日に大阪城公園(大阪府)で開催したイベントでは、167,000人の来場者があり、同年8月25日、26日に代々木公園(東京都)で開催したイベントでは、90,000人の来場者があった。また、同年10月31日から11月4日にかけては、中野四季の森公園(東京都)での開催も予定している。
そのうち、上記大阪城公園で開催されたイベントに関する証拠を提出する。
このような継続したこのイベントの開催、及び周知化活動の実施により、現在においては、「餃子フェス」は、出願人が開催するイベントの名称として、審判請求時よりもさらに周知化が進んでいる。
以上のことから、証拠調べ通知書において通知された事実があり、仮に本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、本願商標は、出願人が使用をした結果、広く需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるもの(商標法第3条第2項)に至っていると認められるべきである。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨について
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(昭和53年(行ツ)第129号、最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁)。
また、この趣旨に照らせば、当該商標が指定商品(指定役務)の品質(質)等を表すものとして、審決時に取引者、需要者に広く認識されている場合はもとより、将来を含め、取引者、需要者にその商品(役務)の品質(質)等を表すものと認識される可能性があって、これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときは、その商標は、同号に該当すると解するのが相当である。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「餃子フェス」の文字を標準文字で表してなるところ、「餃子」の文字は、「中国料理。小麦粉をこねて薄く伸ばした皮に、挽肉・野菜を包んで焼き、または茹で、あるいは蒸したもの。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)の意味を有し、「フェス」の文字は、「お祭り。にぎやかな催し物。祭典。」等の意味を表す「フェスティバル」の略語(「コンサイスカタカナ語辞典(第4版)」株式会社三省堂)として知られるものであることから、本願商標からは、全体として「餃子に関する催し物」程の意味合いが容易に認識されるものである。
そして、様々な工夫を凝らして来場者に餃子を提供する催し物が「餃子フェス」「餃子フェスティバル」のように称されて、開催されている(別掲1:証拠調べ通知の1参照)。
また、「食」をテーマにしたイベントが各地で開催されており、各種の料理、飲料を提供する催し物が、例えば「ラーメンフェス」「ビアフェス」のように、「○○フェス」のような形式で称されて開催されていたり、各種の料理、飲料をテーマにした催し物の総称のように使用されている(別掲1:証拠調べ通知の2参照)。
このような状況からすれば、本願商標をその指定役務中、第41類「餃子に関する文化的イベントの企画・運営又は開催,餃子に関する文化的イベントの企画・運営又は開催に関する情報の提供」及び第43類「餃子を主とする飲食物の提供」(以下「本件役務」という。)に使用しても、これに接する需要者等は、「餃子に関する催し物」程の意味合いを容易に理解し、当該役務が、例えば、「餃子を提供するイベント」のような「餃子に関する催し物」であること、すなわち、単に役務の質(内容)を表示したにすぎないものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識しないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標法第3条第2項について
請求人(出願人)は、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する商標であっても、請求人(出願人)による使用の結果、需要者が出願人の業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものである旨主張し、「餃子フェス開催実績を示す資料」、「第1回ないし第5回の紹介実績を示す資料」、「第1回ないし第5回のプロモーション実績を示す資料」及び「2018年5月2日から5月6日に大阪城公園(大阪府)で開催したイベントに関する開催概要・来場者数・出店店舗・紹介実績・広告実績を示す資料」を提出しているので、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するに至ったものであるかについて、以下判断する。
(1)商標法第3条第2項の趣旨について
登録出願に係る商標が、商標法第3条第2項の要件を具備し、登録が認められるか否かは、実際に使用している商標及び商品若しくは役務、使用開始時期、使用期間、使用地域、当該商品又は役務の供給量、並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、出願商標が使用された結果、判断時である査定時又は審決時において、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものと認められるか否かによって決すべきものであると解される。そして、同項は、本来的に自他商品又は自他役務の識別力がなく、特定人の独占にも馴染まない商標について、特定の商品又は役務に使用された結果として自他商品又は自他役務の識別力を有するに至ったことを理由に商標登録を認める例外規定であり、実際に商品又は役務に使用された範囲を超えて商標登録を認めるのは妥当ではないとされ、登録により発生する権利が全国的に及ぶ更新可能な独占権であることを考慮すると、厳格に解釈し、適用されなければならないとされている(知財高裁平成18年(行ケ)第10054号 平成18年6月12日)。同項を適用するには出願商標と使用商標とは同一でなければならず、また、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識できない地域や地方がある場合も同項に該当するということはできないと判示されている(東京高裁平成10年(行ケ)第74号 平成10年11月26日、東京高裁平成11年(行ケ)第101号 平成12年4月13日)。
(2)本願商標の商標法第3条第2項該当性について
ア 上記(1)の観点を踏まえて、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて、請求人の提出した証拠及び主張を検討すると、以下の事実が認められる。
イ 請求人は、以下の(ア)ないし(カ)に挙げる「餃子フェス」と称するイベントを開催したとして、開催実績・紹介実績・広告実績等を示す資料を提出するとともに、これら以外にも、2017年10月28日、29日に熊本、2018年8月25日、26日に代々木公園(東京都)、同年10月31日から11月4日に、中野四季の森公園(東京都)で開催の旨主張している。
(ア)第1回目 2016年10月12日?10月16日 中野四季の森公園(東京都)
(イ)第2回目 2017年3月17日?3月20日 駒沢オリンピック公園(東京都)
(ウ)第3回目 2017年5月3日?5月7日 大阪城公園(大阪府)
(エ)第4回目 2017年9月14日?9月18日 仙台市榴岡公園(宮城県)
(オ)第5回目 2017年11月22日?11月26日 国営昭和記念公園(東京都)
(カ)第6回目 2018年5月2日?5月6日 大阪城公園(大阪府)
ウ 請求人の提出に係る証拠をみるに、当該イベントの開催にあたっては、公共交通機関の車内広告、駅、コンビニ店頭、街頭などへのチラシ、ポスター及びデジタルサイネージの設置、Web媒体を介した広告、新聞広告等の広告を通じて周知化活動を行っていたことはうかがえるところ、これらの広告、ポスター、デジタルサイネージ等には、別掲2のとおりの標章(以下「使用標章」という。)が使用されている。
また、審判請求書における「イベント事後レポート」や「パブリシティ実績/告知展開」と題されたテレビ画面を映したとおぼしきもの、及び当審における意見書中の「開催概要」において、「餃子フェス」の文字の記載は一部見受けられるものの、その数は、さほど多いものではない。
さらに、「イベント事後レポート」や「開催概要」が、当該イベントの広告等に関して、どのように使用されていたものであるのかは明らかでなく、「パブリシティ実績/告知展開」と題されたテレビ画面についても、そのテレビ放送の全容は不明である。
エ 請求人は、当該イベントの来客数について、第1回は80,000人、第2回は111,000人、第3回は200,000人、第4回は56,800人、熊本での特別開催は10万人越え、第5回は80,000人、第6回目は167,000人、2018年8月の中野四季の森公園での開催は90,000人である旨主張しているが、提出された証拠からは、これらを客観的に裏付ける資料は見いだせない。
オ 以上からすると、当合議体は、請求人の開催したイベントにおいて、「餃子フェス」の文字の記載は一部見受けられるものの、本願商標は、未だ自他役務識別力を獲得するまでには至っていないと判断する。その理由は、以下に述べるとおりである。
(ア)全国的な周知性を獲得していないこと
請求人は、 2016年10月12日から10月16日にかけて、中野四季の森公園(東京都)において、「餃子フェス」というイベントを開催し、その後、東京、大阪、仙台、熊本において、同様のイベントを開催したこと、そして、その広告宣伝用に、使用標章を付したポスター、デジタルサイネージ等を使用したことはうかがえるものの、請求人に係る当該イベントは、東京、大阪、仙台、熊本における開催であって、全国にわたって開催されているものではなく、かつ、その開催数も、3年間の間に10回にも満たないものである。
また、当該イベントに係る宣伝広告も、開催地域を中心とするものがほとんどである。
さらに、当該イベントの来客数についても、請求人が主張する来客数を客観的に裏付ける証拠も見いだせない。
(イ)他人による「餃子フェス」の使用があること
本願商標は、「餃子フェス」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲1の1のとおり、本件役務を取り扱う業界において、請求人(出願人)以外の者によって、「餃子」をテーマにした催し物が「餃子フェス」又は「餃子フェスティバル」のように称されて開催されている実情がある。
(ウ)本願商標と使用標章が一致しないこと
本願商標は、「餃子フェス」の文字を標準文字で表してなるところ、請求人の開催したイベントにおいて、「餃子フェス」の文字の記載は一部見受けられるものの、使用されているものの多くは、デザイン的要素や色彩が加味された使用標章である。
「餃子フェス」の文字が有する意味合い及び別掲1の1に挙げるような「餃子フェス」の語の他人の使用状況を踏まえると、「餃子フェス」の文字のみからなる本願商標が需要者・取引者に与える印象の程度は、デザイン的要素や色彩が加味された使用標章の印象の程度に比して、著しく弱いものといわざるを得ない。
そうすると、請求人が主催する当該イベントにおいて、需要者が自他役務識別標識として認識するのは、「餃子フェス」の文字のみよりなる本願商標というよりは、むしろ、デザイン的要素や色彩が加味された使用標章であるというべきであり、「餃子フェス」の文字は、本件役務の内容を表したものと理解されるにとどまるものというべきである。
(エ)上記(1)に挙げた商標法第3条第2項の趣旨からすると、同項は、本来的に自他商品又は自他役務の識別力がなく、特定人の独占にも馴染まない商標について、特定の商品又は役務に使用された結果として自他商品又は自他役務の識別力を有するに至ったことを理由に商標登録を認める例外規定であり、登録により発生する権利が全国的に及ぶ更新可能な独占権であることを考慮すると、厳格に解釈し、適用されなければならないものであるから、請求人が、2016年10月以降、東京、大阪、仙台、熊本において、当該イベントを開催し、その広告宣伝を行っていたとしても、「餃子フェス」の文字のみからなる本願商標が、需要者に自他役務識別標識として認識されていたと認めるに足りる程の証拠は見いだせないというべきであって、本願商標が、請求人(出願人)による使用の結果、需要者が請求人(出願人)の業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものであるということはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備しない。
3 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、「原査定においては、(1)証拠に示された使用商標は、図案化された文字及び図形からなるものが使用されている場合もあること、(2)使用の開始時期が平成28年10月前後であり、短期的かつ単発的に開催される催し物という性格も相まって、使用期間は極めて短いこと、(3)使用地域も東京と大阪にとどまっていることを理由に、意見書に添付した証拠のみでは、本願商標が使用をされた結果、広く需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものに至っていると認めることはできないと判断したが、(1)『餃子フェス』の文字のみからなる商標も使用しており、その他のイベントをみても、イベントの開催や告知に当たって図案化された文字及び図形からなるロゴを同時に使用しているケースは数多くあるが、イベント名を示す文字商標が広く認識され識別力を獲得している例は多々ある、(2)『餃子フェス』は、それぞれの開催期間は短期ではあるものの、イベントの開催前後も含めた出願人による使用、及びこれに起因する各種メディアによる紹介、SNSなどを媒介としたインターネット上での情報の拡散などにより、需要者の間で出願人が使用する商標として広く知られ、十分な識別力を獲得している、(3)審判請求時における開催地域は東北と九州にまで及んでおり、使用地域の拡大は顕著なものとなったとし、東京、大阪、仙台、熊本という大都市での開催実績は、その宣伝効果や口コミ効果などを考えると、日本国内での『餃子フェス』の周知化に大きく寄与している」として、「出願人によるイベントの開催、ウェブサイトの運営や広告宣伝などによる継続的な使用、各種メディアによるイベントの紹介、SNS等による情報の拡散などにより、本願商標は、使用をされた結果、広く需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるもの(商標法第3条第2項)に該当する」旨主張し、さらに、当審における意見書において、「継続したイベントの開催及び周知化活動の実施により、現在においては、『餃子フェス』は、出願人が開催するイベントの名称として、審判請求時よりもさらに周知化が進んでいるから、本願商標は、出願人が使用をした結果、広く需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるもの(商標法第3条第2項)に至っている」旨主張している。
しかしながら、上記2のとおり、商標法第3条第2項の趣旨からすると、同項は、本来的に自他商品又は自他役務の識別力がなく、特定人の独占にも馴染まない商標について、特定の商品又は役務に使用された結果として自他商品又は自他役務の識別力を有するに至ったことを理由に商標登録を認める例外規定であり、登録により発生する権利が全国的に及ぶ更新可能な独占権であることを考慮すると、厳格に解釈し、適用されなければならないものであるところ、審判請求書における「イベント事後レポート」や「パブリシティ実績/告知展開」と題されたテレビ画面を映したとおぼしきもの、及び当審における意見書中の「開催概要」において、「餃子フェス」の文字が記載されてはいるものの、その数は、さほど多いものとはいえず、かつ、「イベント事後レポート」や「開催概要」が、当該イベントの広告等に関して、どのように使用されていたものであるのかは明らかでなく、「パブリシティ実績/告知展開」と題されたテレビ画面についても、そのテレビ放送の全容は不明である。
また、前記2(2)のとおり、請求人に係る「餃子フェス」と称するイベントは、東京、大阪、仙台、熊本における開催ではあるものの、全国にわたって開催されているものではなく、かつ、その開催数も、3年間の間に10回にも満たないものであり、当該イベントに係る宣伝広告も、開催地域を中心とするものがほとんどである。
さらに、当該イベントの来客数についても、請求人が主張する来客数を客観的に裏付ける証拠も見いだせない。
加えて、請求人は、「その他のイベントをみても、イベントの開催や告知に当たって図案化された文字及び図形からなるロゴを同時に使用しているケースは数多くあるが、イベント名を示す文字商標が広く認識され識別力を獲得している例は多々ある」と主張するのみで、その事実を立証していない。
そうすると、請求人が、2016年10月以降、東京、大阪、仙台、熊本において、「餃子フェス」と称するイベントを開催し、その広告宣伝を行っていたとしても、本願商標が、需要者に自他役務識別標識として認識されていたと認めるに足りる程の証拠は見いだせないことから、「餃子フェス」の文字に接する需要者が、これを請求人に係る役務の出所識別標識として理解するものであるとはいい難く、当該イベントの内容を表示したものとして理解するにとどまるものというべきである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、同条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

【別掲1】
証拠調べ通知
1 「餃子」をテーマにした催し物が「餃子フェス」「餃子フェスティバル」のように称されて開催されている事例(下線は合議体が付与。)
(1)「浜松経済新聞」のウェブサイトにおいて、「浜松・鍛冶町のザザシティで『餃子フェス』 全国のギョーザを週替わりで食べ比べ」の見出しの下、「浜松・鍛冶町のザザシティ中央館(浜松市中区鍛冶町)で現在、イベント『餃子(ギョーザ)フェス』が開催されている。主催は、『しかけ』(中略)ウェブマーケティングを主体にイベントの受注業務も行う同社。今までにも宮崎県で商店街を貸し切った『ストリート餃子フェス』や、京都の旅館で『餃子の食べくらべ』などを行ってきた。今回、同館から『浜松餃子や静岡のご当地ギョーザだけでなく全国のギョーザを食べてみたい』という依頼があり企画。全国のギョーザを食べ比べられるイベントとして開催にこぎ着けた。」との記載がある(https://hamamatsu.keizai.biz/headline/2088/)。
(2)「ディスカバー宮崎」のウェブサイトにおいて、「宮崎ストリート餃子フェス」の見出しの下、「開催日 2月17日(土) 16:00?18:30(受付開始 15:30) 会場 一番街アーケード」「主催 合同会社Qurumu 一般社団法人焼き餃子協会」「世帯当たりの餃子消費額が全国トップクラスの宮崎。畜産や農業の盛んな宮崎では、様々な美味しい餃子が作られています。そんな宮崎の美味しい餃子を、一番街のアーケードの下で、みんなで焼いて、みんなで食べましょう!そして、「宮崎の餃子は日本一うめっちゃが!」と、みんなで世界に発信しましょう!」との記載がある(https://www.discover-miyazaki.jp/event/item_12310.html)。
(3)「KitchHike」のウェブサイトにおいて、「ソーシャル餃子フェス第6回高輪」の見出しの下、「『ソーシャル餃子フェス』とは、全国からお取り寄せした逸品餃子を、みんなで焼いて食べまくるイベントです。」「主催者について 餃子は「食」で「交」わると書きます。餃子は老若男女に愛される料理であり、気軽に様々な味を楽しめるパーティ向きの料理です。お取り寄せできる餃子が全国に1500種類以上ありますが、ほとんどそれは知られていません。なので、全国の逸品餃子をご紹介し、召し上がって頂いてファンを増やすために『餃子ジョッキー(GJ)』として活動しています。北海道から沖縄まで、全国から様々な餃子をお取り寄せ、それを参加するみんなで一緒に焼きまくって食べまくるイベント『ソーシャル餃子フェス』を開催しています。また、日本の『焼き餃子』という文化を世界に広めていくために、2018年1月には『一般社団法人焼き餃子協会』を立ち上げました。」との記載がある(https://kitchhike.com/jp/popups/5af5b1a8528beb4920ea09f7)。
(4)「餃界人.com」のウェブサイトにおいて、「愛知県豊川市で地域初の餃子フェス『大餃子まつり』が9月30日、10月1日初開催」の見出しの下、「愛知県豊川市の豊橋中日ハウジングセンターで2017年9月30日(土)、10月1日(日)の2日間、地域初の餃子フェスである『大餃子まつり』が開催されます。」との記載がある(https://www.gyokaizine.com/archives/2017/09/28/102343)
(5)「イベントチェッカー」のウェブサイトにおいて、「横浜赤レンガ倉庫『宇都宮餃子祭り2018』4月20日?23日まで。メニュー・値段も「[食のイベント]」の見出しの下、「2018年4月20日(金)から4月22日(日)までの3日間、神奈川県横浜市の横浜赤レンガ倉庫で「第5回 宇都宮餃子祭りin YOKOHAMA」が開催されます。横浜赤レンガ倉庫に、宇都宮餃子の人気店が一堂に会する餃子フェスの5回目。 毎回多くの餃子ファンが訪れ、会場が熱気につつまれます。」との記載がある(https://event-checker.blog.so-net.ne.jp/utsunomiya-gyoza-yokohama2015)。
(6)「girlswalker」のウェブサイトにおいて、「東京駅で餃子フェス開催 31種類のユニーク餃子を食べに行こう!」の見出しの下、「足立梨花とBOYS AND MENの田村侑久がW主演することで話題の地方創生映画『キスできる餃子』が2018年6月22日(金)に全国公開されることを記念して、5月21日(月)?6月10日(日)の期間限定で東京駅構内の商業施設「グランスタ」など8施設にて、「宇都宮餃子会」監修による「○○できる餃子フェア」が開催されます。」との記載がある(http://girlswalker.com/archives/140941)。
(7)「RETRIP」のウェブサイトにおいて、「餃子フェス」の見出しの下、「RETRIPには『餃子フェス』に関するまとめ記事が17件掲載されています。『餃子フェス』に関するまとめ記事はRETRIP[リトリップ]で。」との記載があり、各地で開催された「餃子フェス」「餃子博」「餃子祭り」等が紹介されている(https://retrip.jp/tags/13163/)。
(8)「Net IB NEWS」のウェブサイトにおいて、「観光資源・宇都宮餃子レポート(3)?全国に先駆けグルメで街おこしに成功」の見出しの下、「官と民が一体となって93年、餃子フェスティバルの開催にこぎつける。自前でそろいのTシャツを作り、餃子会会員のボランティアで運営した初の餃子フェスティバルは、盛況に終わり、市民にも受け入れられる。」との記載(https://www.data-max.co.jp/2012/09/03/post_16448_is_1.html)及び「地域ブランドNEWS」のウェブサイトにおいて、「第36回:宇都宮餃子」の見出しの下、「93年には市内の38店による「宇都宮餃子会」が発足した(現在は約80店)。餃子フェスティバルなどの開催や、宇都宮駅の「餃子の像」の設置といった、行政と民間が連携した取り組みがテレビ番組などに頻繁に取り上げられ、全国的な人気となった。」との記載がある(http://tiiki.jp/news/06_column/101.html)。
(9)「宇都宮で来月『餃子まつり』??4、5日の2日間」の見出しの下、「思う存分、餃子(ぎょうざ)を楽しんで??。宇都宮市内の餃子店で組織する宇都宮餃子会などは来月4、5日の2日間、「うつのみや餃子まつり 2000」を開催する。まつりは、宇都宮の名物として定着している餃子をテーマにすることで、同市のPRしようと、昨年から始まった。昨年は2日間で約2万人の人出があった。メーンは同市中央公民館南側のまちかど広場で開く『餃子フェスティバル』。」との記事がある(2000/10/26 毎日新聞)。食に関するテーマを限定した催し物が広く行われていることを示す証拠

2 料理、飲料をテーマにした催し物が「○○フェス」のように称されて開催されている事例(下線は合議体が付与。)
(1)「こくちーずPRO」のウェブサイトにおいて、「【2018】有名店のラーメンと出会えるラーメンフェス」の見出しの下、有名店のラーメンが何種類も食べ比べできるのが、ラーメンフェスの魅力。ラーメンの人気投票などのイベントもたくさんあるので楽しみです。」との記載がある(https://www.kokuchpro.com/special/d875a17bfbd9500730a15b485be109f7/)。
(2)「FASHION PRESS」のウェブサイトにおいて、「女性特化型ラーメンフェス『ラーメン女子博 in 大阪 2018』大阪・長居公園で開催」の見出しの下、「女性に特化した女性のためのラーメンフェス『ラーメン女子博 in 大阪 2018』が、2018年9月27日(木)から10月8日(月・祝)まで、大阪・長居公園にて開催される。」との記載がある(https://www.fashion-press.net/news/32419)。
(3)「食楽web」のウェブサイトにおいて、「絶対食べるべき一杯はこれ! 今週末の 『KANAGAWAラーメンフェス』で狙いたい激旨ラーメン5選」の見出しの下、「神奈川県産の食材を使った15種類のラーメンの中で、ナンバーワンを決めるイベント『KANAGAWAラーメンフェス2018-SPRING-』が、3月17日(土)?18日(日)に横浜赤レンガ倉庫で開催されます。熱烈なファンの多い横浜家系ラーメンはもちろん、ラーメンWalker2017年全国1位に輝いた名店も参戦します。今回は、当イベントを運営する『株式会社ふんどし』の担当者に、特に注目の5店舗のラーメンを伺いました。どのラーメンもおいしいそうで迷う! という人はぜひ参考にして至高の一杯を堪能してください。」との記載がある(https://www.syokuraku-web.com/news/13988/)。
(4)「Makuake」のウェブサイトにおいて、「BSフジ東京会議発!名店の絶品カレーが集うカレーフェス開催!」の見出しの下、「『小山薫堂 東京会議』発!名店の絶品カレーが同時に食べられるカレーフェスをdancyu祭内で出店します!」との記載がある(https://www.makuake.com/project/tokyokaigi/)。
(5)「公益社団法人日本青年会議所中国地区協議会 中国地区コンファレンス2018in鳥取」のウェブサイトにおいて、「たからいち 中国5県のご当地カレー集結!カレーフェスin鳥取 CURRY FESTIVAL in TOTTORI」の見出しの下、「美味しく味わえる中国5県のご当地カレーが勢揃い 日本で独自の発展を遂げ、老若男女問わず愛される国民食『カレー』。地域に根付いているカレーには、地域独特の文化や名物が凝縮され、特徴的な美味しさがあります。『中国5県 カレーフェス in 鳥取」は、そんな、あなたのまだ知らないご当地カレーの魅力を身近に感じることができます。」との記載がある(https://www.tottori-jc.jp/chugoku-conference/)。
(6)「西日本ハンバーガー協会」のウェブサイトにおいて、「【11/18(土曜)、19(日曜)に開催】「ハンバーガーフェス in イオンモール京都5条」は会場もイオンモール館内もハンバーガーに染まる2日間に!」の見出しの下、「11/18(土曜)、19(日曜)に開催の「ハンバーガーフェス in イオンモール京都5条」は、西日本ハンバーガー協会が総力をあげて行う究極のハンバーガーイベント! 全国の人気ハンバーガー店20店舗に加え、ハンバーガースイーツ、ハンバーガーお笑い、ハンバーガージャグリング、ハンバーガーアイドルと盛りだくさんの内容です。」との記載がある(http://www.nnhbk.com/wp/?p=2625)。
(7)「日本ビアジャーナリスト協会」のウェブサイトにおいて、「『第1回 寿司フェス』、スプリングバレーブルワリー東京で2/28(日)まで開催中!」の見出しの下、「東京・代官山のスプリングバレーブルワリー東京(以下、SVB東京)で、クラフトビールとグルメ回転寿司のコラボイベント「第一回寿司フェス」が2/28(日)まで開催されている。国内クラフトビール5社と回転寿司3店舗がタッグを組み、寿司と寿司を引き立てるビールの組み合わせを考案。日本独自の発想で開発、新しい和食文化を創造する取り組みと展開が狙いだ。」との記載がある(https://www.jbja.jp/archives/12148)。
(8)「Let’s ENJOY TOKYO」のウェブサイトにおいて、「ビールイベント&ビアフェス」「オクトーバーフェストを代表とする人気のイベントをご紹介。国内外のクラフトビールが楽しめるフェスから、ビール好き以外も楽しめる肉フェス、世界のグルメが堪能できるイベントまで一挙ご紹介。」「レッツ編集部が厳選!注目のビアフェス&イベント」「9月開催のビールフェス&イベント」「10月開催のビールフェス&イベント」「11月開催のビールフェス&イベント」との記載がある(https://www.enjoytokyo.jp/feature/beer/event/)。
(9)「BeerFes」のウェブサイトにおいて、「日本最大級、最も歴史があり、ビールの多様性が体験できるイベント」の記載、「ビアフェス東京」「ビアフェス大阪」「ビアフェス沖縄」「ビアフェス名古屋」「ビアフェス横浜」の記載がある(http://beerfes.jp/)。
(10)「大阪ワイナリー協会」のウェブサイトにおいて、「おおさかワインフェス2018in柏原」の見出しの下、「今年も開催します!! 5年目を迎える関西最大級の造り手のよるワインフェス!! 関西の10ワイナリーと飲食店約30店舗を味わう1日です!!」との記載がある(https://www.osaka-winery.com/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E6%83%85%E5%A0%B1-1/)。
(11)「LoveWine」のウェブサイトにおいて、「ワインショップソムリエ秋の六本木・THE・ワインフェス2018」の見出しの下、「ワイン仲間が全国から集う食の総合ビル。そのビル内に店舗を構える「ワインショップソムリエ」のワインイベントです。世界の選りすぐりのワイン50種類以上が飲み放題!世界各国のスパークリング・赤・白・ロゼ・甘口をフリーテイスティングで楽しむことができます。」との記載がある(https://love-wine.jp/wineevent/tokyo/wsommelier-winefes/)。
(12)「SAKETIMES」のウェブサイトにおいて、「東京・有楽町に31酒蔵、100銘柄が集結!『日本酒フェス2017』レポート」の見出しの下、「1月27日(金)・28日(土)にJR有楽町駅前の東京交通会館で『日本酒フェス2017』が開催されました。このイベントは、日本各地の日本酒を知ってもらい、盛り上げたいという趣旨で開催されたもの。31の酒蔵が参加し、100銘柄以上の日本酒の飲み比べをすることができました。日本酒好きにとって、これほどたくさんの酒蔵が集まるイベントは、とても貴重でうれしい機会です。イベントでは様々なお酒を味わえるほか、日本酒や酒造りについて疑問に思っていた点を直接たずねることもできます。」との記載がある(https://jp.sake-times.com/special/report/sake_g_nihonsyufes2017)。


【別掲2】
使用標章(色彩は、審判請求書参照)

審理終結日 2019-10-28 
結審通知日 2019-10-29 
審決日 2019-11-14 
出願番号 商願2016-42274(T2016-42274) 
審決分類 T 1 8・ 17- Z (W4143)
T 1 8・ 13- Z (W4143)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 小林 正和藤田 和美 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 冨澤 美加
鈴木 雅也
商標の称呼 ギョーザフェス、フェス 
代理人 藤田 壮一郎 
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