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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1357916 
異議申立番号 異議2019-900075 
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-01-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-03-08 
確定日 2019-12-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第6105672号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6105672号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6105672号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成30年3月14日に登録出願,第3類「かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,靴クリーム,靴墨,せっけん類,歯磨き,身体用防臭剤,身体用消臭剤,化粧品,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として,同年11月21日に登録査定,同年12月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標等
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は,以下のとおりであり(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。),いずれも現に有効に存続しているものである。
ア 国際登録第1099096号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:MATELASSE
国際登録出願日:2011年(平成23年)9月23日
設定登録日:平成24年8月17日
指定商品 :第3類「Preparations for skin care, scalp care, hair care or nail care; preparations for use on the skin, scalp, hair or nails; soap, perfumery, essential oils, cosmetics; non-medicated toiletries.」
イ 登録第4976178号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:MATELASSEE(標準文字)
登録出願日:平成18年2月7日
設定登録日:平成18年8月4日
指定商品 :第14類「貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及び宝玉の模造品,貴金属製コンパクト,貴金属製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」
(2)申立人が,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標は,上記引用商標と申立人が使用する「MATELASSE」又は「マトラッセ」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)であって,申立人の業務に係る商品(バッグ,財布,時計,ベルト,アイシャドウ,携帯電話機のカバー等)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとするものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第46号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は,引用商標と外観及び称呼において類似するものであり,また,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は,引用商標及び使用商標とは,外観及び称呼において高い類似性を有するものであること,引用商標及び使用商標が,申立人の取扱いに係る「MATELASSE(マトラッセ)」ブランドの商標として,我が国において,1929年の発売以来90年の永きにわたって使用された結果,本件商標の登録出願時及び査定時において極めて高い周知著名性を獲得していたこと,引用商標及び使用商標の独創性が高いものであること,指定商品の需要者等の範囲が一致するものであること,及び需要者の普通の注意力その他の取引の実情から,その指定商品に使用した場合には,申立人の引用商標及び使用商標を想起・連想し,あたかも申立人又はその関連会社が取り扱う商品又はそのシリーズ商品であると錯覚して,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

4 当審の判断
(1)引用商標及び使用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証,同人の主張及び職権調査によれば,次の事実を認めることができる。
(ア)申立人は,「Gabrielle COCO CHANEL(ガブリエル ココ シャネル)」により創設され,被服,靴,かばん類,化粧品等の商品を製造販売するトータルファッションメーカーであって,我が国において広く知られている「CHANEL(シャネル)」ブランドを展開する会社である。
(イ)「matelasse」は「マトラッセ」と発音される「詰め物をした.キルト地の」の意を有するフランス語の単語であり(ディコ仏和辞典 株式会社白水社発行),同じつづりの語について服飾関係の辞書に,語の説明として,フランス語であり「〈詰めものをした〉〈綿入れにした〉〈キルティングをした〉の意味。」の記載がある(新・田中千代服飾事典 株式会社同文書院発行)。
(ウ)「VOCE」のウェブサイト(甲4)には,申立人の製造に係るアイシャドウ「シャネル/オンブル マトラッセ チャーミング」が2013年11月22日に発売され,アイシャドウ月間ランキング3位(2013年12月)及びクリスマスコフレ月間ランキング2位(2013年12月)と記載されるとともに,詰めものをしたような膨らみを有するダイヤ模様(以下「ダイヤ模様」という。)のアイシャドウの画像され,その下に「CHANEL」の文字の記載がある。そして,当該アイシャドウについて,「Numero Tokyo」のウェブサイト(甲5)には,「シャネルのアイコンとして永遠に愛されるマトラッセ模様を型押しした5色のアイシャドウ。」と紹介されている。
(エ)「なんぼや」のウェブサイト(甲15)には,「2016.06.29/シャネルのアイコンバッグ・マトラッセに世の女性は首ったけ」の見出しの下,「キルティングにココマークが可愛いマトラッセ!/マトラッセ(matelasser)とは,詰めものをする・綿入れをするという意味を持つフランス語が由来したネーミング。日本語では『ふくれ織り』をさした言葉です。」と記載されるとともに,ダイヤ模様のバッグの画像が掲載され,当該バッグ中央には,欧文字の「C」字状の曲線を左右対称に一部を交差させた図形(以下「CHANEL図形」という。)が顕著に表示されている。
(オ)「STYLE HAUS」のウェブサイト(甲18)には,「2017/09/14【保存版】憧れブランドNo.1シャネル!いつかは持ちたい人気のシャネルバッグ特集」の見出しの下,「【人気のシリーズ】ココハンドル」,「【話題のシリーズ】猫モチーフ」等のシリーズの一つとして,「【定番の人気シリーズ】マトラッセ」の項があり,「憧れのシャネルバッグといえば『マトラッセ』シリーズ。ダイヤ模様のキルティングと革ひもの編み込まれたチェーンが特徴です。」と紹介されるとともに,ダイヤ模様のバッグの画像が掲載され,当該バッグ中央には,CHANEL図形が顕著に表示されており,かつ,当該バッグの画像の右横には,「CHANEL シャネル」の文字が表示されている。
(カ)上記以外の証拠は,マトラッセ又はMATELASSE(Matelasse,matelasse)の文字の下に,ダイヤ模様の指輪,ダイヤ模様の携帯電話機用ケース,ダイヤ模様の時計,ダイヤ模様のバッグが掲載されているインターネット情報であるが,いずれも本件商標の登録出願の日(平成30年3月14日)後のものであり,登録査定の日(平成30年11月21日)以前のものが3件(甲8,甲20,甲21)あるのみである。
イ 上記の事実からすれば,申立人は,申立人の業務に係る商品「アイシャドウ」,「バッグ」等に「マトラッセ」の文字を使用していることが認められる(以下「マトラッセ」の文字を使用した申立人の業務に係る商品を「使用商品」という。)。
しかしながら,「マトラッセ」と発音される「matelasse」の文字は「詰めものをした,綿入れにした,キルティングをした」の意味を有するものとして服飾事典に載録された既成語であること,使用商品の紹介記事において,「マトラッセ」の文字が「詰めものをする・綿入れをするという意味を持つフランス語」や「ふくれ織り」を意味する語であることを説明する記載がみられること,使用商品は,いずれも「マトラッセ」の文字の上記意味に相応するダイヤ模様の商品であること,使用商品自体にCHANEL図形が顕著に表示されていること,使用商品の画像とともに我が国において広く知られている「CHANEL(シャネル)」の文字が表示されていることから,「マトラッセ」の文字は,使用商品が「マトラッセ」の文字の上記意味に相応するダイヤ模様であることを説明しているものとみるのが相当であって,当該文字に接する需要者をして自他商品の識別標識として強く印象付けられるものではないというべきである。
さらに,申立人は,1929年の発売以来使用した結果,引用商標及び使用商標が著名性を獲得した旨主張しているが,その主張を裏付ける証拠の提出はないものである。
その他,申立人は,申立人の業務に係る商品に引用商標及び使用商標を使用しているとする証拠(例えば,広告・宣伝の程度又は普及の程度)を提出していない。
そうすると,引用商標及び使用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,いずれも他人(申立人)の業務に係る商品を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,別掲のとおり,「METLLASSE」の欧文字を,その構成中の「A」をややデザイン化して表した態様からなるところ,当該文字は,辞書等に掲載されていないものであるから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるとみるのが相当であり,欧文字からなる造語の場合は,我が国において親しまれた英語又はローマ字の読みに倣って称呼されるものであるから,「メトラッセ」の称呼を生じるものである。
したがって,本件商標は,その構成文字に相応して「メトラッセ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標1は,上記2(1)アのとおり,「MATELASSE」の欧文字を書してなるところ,当該文字は「詰め物をした」等の意味を有するフランス語であるから,該文字に相応して「マトラッセ」の称呼を生じ,「詰め物をした」等の観念を生じるとするのが相当である。
したがって,引用商標1は,その構成文字に相応して,「マトラッセ」の称呼を生じ,「詰め物をした」等の観念を生じるものである。
引用商標2は,上記2(1)イのとおり,「MATELASSEE」の欧文字を書してなるところ,当該文字は辞書等に掲載されていないものであるから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるとみるのが相当であり,欧文字からなる造語の場合は,上記アと同様に,「マテラッセエ」の称呼を生じるものである。
したがって,引用商標2は,その構成文字に相応して「マテラッセエ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
(ア)本件商標と引用商標1との類否
a 外観について
本件商標と引用商標1とは,それぞれ別掲及び上記2(1)アのとおりの構成からなるところ,両者は文字つづりを異にしていることに加え,本件商標がややデザイン化されたものであることから,外観上,相紛れるおそれはないものである。
b 称呼について
本件商標から生じる「メトラッセ」と引用商標1から生じる「マトラッセ」の称呼とは,両者は称呼の識別上重要な要素である語頭において,「メ」と「マ」の音に差異を有するものであって,該差異音は子音[m]を共通にするも,母音「e」と「a」が相違し,共に4音という短い音構成である称呼全体に与える影響は少なくなく,両者をそれぞれ称呼するときは,称呼上,明瞭に聴別し得るものである。
c 観念について
本件商標は特定の観念を生じないものであるのに対し,引用商標1は「詰め物をした」等の観念を生じるから,両者は観念において相紛れるおそれはない。
(イ)本件商標と引用商標2との類否
a 外観について
本件商標と引用商標2とは,それぞれ別掲及び上記2(1)イのとおりの構成からなるところ,両者は文字つづりを異にし,語尾における「E」の文字の有無という差異を有することに加え,本件商標がややデザイン化されたものであることから,外観上,相紛れるおそれはないものである。
b 称呼について
本件商標から生じる「メトラッセ」と引用商標2から生じる「マテラッセエ」の称呼とは,両者は称呼の識別上重要な要素である語頭において,「メ」と「マ」の音に差異を有し,第2音において「ト」と「テ」の差異を有するものであって,語尾において「エ」の音の有無という差異を有するから,両者をそれぞれ称呼するときは,称呼上,明瞭に聴別し得るものである。
c 観念について
本件商標と引用商標2とは,共に特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することができない。
(ウ)してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(エ)したがって,本件商標は,引用商標と非類似の商標であるから,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似の商品であるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標は,別掲のとおりの構成からなるものであり,使用商標は,引用商標1と同じ文字つづりからなる「MATELASSE」の欧文字及びその読みである「マトラッセ」の片仮名からなるものであるから,本件商標と使用商標「MATELASSE」とは文字つづりを異にしていること,本件商標と使用商標「マトラッセ」とは構成文字及び構成態様が異なること,本件商標がややデザイン化されたものであることからすると,本件商標と使用商標とは,外観上,相紛れるおそれはないものである。
また,上記(2)ウと同様の理由により,称呼において明瞭に聴別し得るものであって,観念において相紛れるおそれはないものであるから,本件商標と使用商標とは,互いに紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異のものというべきであるから,両者の類似性の程度は低いものである。
イ 本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との関連性,需要者の共通性
本件商標の指定商品には,化粧品を含むものであるから,申立人の業務に係る化粧品,バッグとは,性質,用途において密接な関連性を有するものであって,需要者も共通するといえる。
ウ 出所の混同のおそれについて
上記(1)イのとおり,使用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,取引者,需要者の間に広く認識されていたとはいえない。
そして,本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品とは,密接な関連性を有し,需要者が共通するとしても,本件商標と引用商標は,上記アのとおり,別異の商標というべきであり,両者の類似性の程度は低いものである。
そうすると,本件商標は,本件商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が,使用商標を連想又は想起するようなことはないというべきであり,当該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 本件商標


異議決定日 2019-12-11 
出願番号 商願2018-30407(T2018-30407) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 263- Y (W03)
T 1 651・ 271- Y (W03)
最終処分 維持 
前審関与審査官 旦 克昌 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 平澤 芳行
渡邉 あおい
登録日 2018-12-07 
登録番号 商標登録第6105672号(T6105672) 
権利者 株式会社ハーベス
商標の称呼 メトラッセ 
復代理人 池田 万美 
復代理人 佐藤 俊司 
代理人 田中 克郎 
代理人 稲葉 良幸 
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