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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
管理番号 1357915 
異議申立番号 異議2018-900378 
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-01-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-12-17 
確定日 2019-12-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第6082400号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6082400号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6082400号商標(以下「本件商標」という。)は、「RUBY」の文字を標準文字で表してなり、平成29年11月28日に登録出願、第30類「ココア,ココア飲料製造用調製品,ココア飲料,チョコレート,チョコレート製品(チョコレート菓子、チョコレート飲料),チョコレート飲料製造用調製品,チョコレート飲料,ビスケット,菓子,砂糖菓子,クッキー,洋菓子,ウエハース,タフィー,プディング,キャンデー,チューインガム(医療用のものを除く。),パン,ペストリー,デザート(菓子),氷菓,シャーベット,冷凍菓子,冷凍ケーキ,アイスクリーム,フローズンデザート,フローズンヨーグルト,穀物の加工品,朝食用穀物食品(シリアル),コーンフレーク,シリアルバー,即席穀物加工品,穀物調整品,穀物を使用したスナック菓子」を指定商品として、同30年9月7日に登録査定、同月21日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、その指定商品(以下「申立てに係る商品」という。)について、商標法第3条第1項第3号、及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第77号証を提出した。
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本件商標「RUBY」及びその片仮名音訳である「ルビー」の語は、指定商品の分野(菓子その他の食品及び飲料)を取り扱う業界をはじめ幅広い分野において、赤色又は赤色がかったピンク色の色彩を表す語として広く使用され、需要者の間においてもそのような意味合いが一般に定着している。
また、本件商標に係る指定商品の分野を取り扱う業界において、ある一定の特徴を有するカカオ豆から作られたチョコレートは、ルビーチョコレートと呼ばれ、また、本件カカオ豆もルビーカカオ豆と呼ばれて、本件商標の登録査定時において我が国で広く普及し定着していたものである。
さらに、本件商標の登録査定日からわずか5か月ほどの間で、ルビーチョコレートは、新たなチョコレートのカテゴリーとして、わが国の取引者、需要者の間により一層広まり、定着したものである。
よって、本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標を、商品の色彩すなわち品質又は商品の原材料を表示したものにすぎないと認識するため、本件商標は、その登録査定時はもちろん、近い将来においても、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものであったということができる。そして、本件商標は、赤色又は赤色がかったピンク色の色彩を有する商品や、原材料にルビーチョコレートを使用した商品の取引に際し、必要適切な表示として何人もその使用を欲し、また現に使用されるものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でない。
また、本件商標を、その指定商品のうち赤色又は赤色がかったピンク色の色彩を有する商品以外の商品や、原材料にルビーチョコレートを使用しない商品に使用するときは、商品の品質や原材料について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり「RUBY」の文字を標準文字で表してなるところ、「RUBY(ruby)」の文字は、「紅玉、ルビー、ルビー色」等(「研究社 新英和大辞典」(株)研究社発行)(甲3)の意味を有し、宝石の一種類や色彩を表すものとして、一般に親しまれた語であることから、申立人も主張するように本件商標からは「(宝石としての)ルビー」又は「ルビー色」程の意味合いを認識させる。
(2)「RUBY(ルビー)」の文字の使用について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
ア RUBY(ルビー)」の文字が各種商品分野において色彩を表示する文字としての使用(なお、提出された証拠において、掲載日又は出力日が明らかでないもの、本件商標の登録査定日以降に掲載されたものについては除く。)
(ア)「えん食べ」と称するウェブサイトにおいて、「ルビー色が美しい”ザクロ”のジェラート、ジェラテリア マルゲラに」(平成27年8月14日付け)との記載があり(甲8)、また、他のサイトにおいて、ジャムについても同様に色彩を表す文字としての記載がある(平成29年1月18日付け 甲13)。
(イ)「愛知県産業技術研究所 食品工業技術センター」のプレスリリースにおいて、「『ルビー色のみりんと酢』の商品化を達成しました。」(平成19年10月26日付け)との記載があり(甲10)、また、他のサイトにおいて、他の食酢についても同様に色彩を表す文字としての記載がある(平成25年3月20日付け 甲12)。
(ウ)「和歌山県庁」のウェブサイトにおいて「『和歌山県産ウメ「つゆあかね」のソーダ』が『カフェコムサ』で販売されます!」(平成29年4月28日付け)との記載があり(甲9)、また、他のサイトにおいて、紅茶についても同様に色彩を表す文字としての記載がある(平成30年8月2日付け 甲14)。
(エ)「SHUGAR MARKET」と称するウェブサイトにおいて「きれいなルビー色が魅力的!食前酒としておすすめの『紀州 赤い梅酒』を紹介します!」(平成28年3月13日付け)との記載があり(甲18)、また、他のサイトにおいて、ビールについても同様に色彩を表す文字としての記載がある(平成26年1月25日付け 甲19、平成29年8月10日付け 甲20)。
(オ)「BBCニュース」のウェブサイトにおいて「『オズの魔法使』盗まれたルビー色の靴見つかる 13年ぶり」(平成30年9月5日付け)との記載があり(甲28)、また、他のサイトにおいて、鞄についても同様に同様に色彩を表す文字としての記載がある(平成28年10月8日付け 甲29)
(カ)「MYLOHAS」と称するウェブサイトにおいて「ルビー色のザクロソースが輝く、豚肉のオーブン焼き【南イタリア美人レシピ】」(平成28年12月17日付)との記載があり(甲32)、また、他のサイトにおいて、クラッシュゼリー、ジャム、シソジュースのレシピにおいても同様に、色彩を表す文字としての記載がある(平成27年に1件、同28年に2件、同29年に1件、同30年に1件がそれぞれ記載。甲33?甲38)。
イ 本件商標登録査定日(時)前において、商品「チョコレート」の分野における「RUBY(ルビー)」の文字の使用
(ア)「OPENLAB Review」と称するウェブサイトにおいて、「80年ぶりの新色!スイスのメーカーが『ルビー色のチョコレート』の開発に成功」(日付不明)の見出しのもと、「スイスのチョコレートメーカー、バリーカレボー社が、ルビー色のチョコレートの開発に成功したことを、2017年9月5日に発表した。」との記載がある(甲40)。
(イ)「All About NEWS」と称するウェブサイトにおいて「ルビーチョコレートを世界で初めて商品化!日本と韓国で同時販売」(平成30年1月18日付け)の見出しのもと、「みんな注目のチョコレートが、1月19日(金)から『キットカット ショコラトリー』店舗と、オンライン通販サイトで、スペシャルなキットカット『サブリム ルビー』として登場。独占販売となります。」との記載がある(甲41)。
(ウ)「ライブドアニュース」のウェブページにおいて「世界初となるルビーチョコレートの製品化 なぜ日本市場を選んだ?」(平成30年1月21日付け)の見出しのもと、「バリーカレボー社が、世界初となる『ルビーチョコレート』を製品化した」、「ダーク、ミルク、ホワイトに次ぐ『4種類目』のチョコレートだという。」及び「キットカット、世界初『ルビー』チョコの狙い」との記載がある(甲42)。
(エ)「NewsWalker」と称するウェブサイトにおいて「遂に解禁!世界が注目する『ルビーチョコレート』を大解剖!その魅力を聞いてきた」(平成30年2月1日付け)「2月1日(木)から14日(木)までのバレンタイン期間限定で『キットカット ショコラトリー 銀座本店』では、天然ピンク色の世界初のチョコレート・ルビーを使った新感覚の”飲む"スイーツを、提供する。」との記載がある(甲43)。
(オ)「NIKKEI TRENDY NET 日経トレンディネット」のウェブサイトにおいて「ネット騒がす2つの“第4のチョコ” ルビーとブロンド『新カテゴリーのチョコ』続々と登場」(平成30年2月13日付け)の見出しのもと、「ネスレ日本がバリー・カレボーとルビーチョコレートの6カ月間の独占販売契約を締結し、バレンタインデーに向けて世界で初めて製品化した(略)」との記載がある(甲44)。
(カ)「マイナビニュース」の新聞記事において「カカオ『だけ』でピンク色を実現‐ルビーチョコ、日本で本格展開」(平成30年6月29日付け)の見出しのもと、「(略)、ルビーチョコレートが、開発元のチョコレートメーカー・バリーカレボーより、日本市場で本格展開される(7月19日より予約開始、10月発売予定)。」との記載がある(甲45)。
(キ)「日経MJ(流通新聞)」のウェブサイトにおいて「ルビー色の製菓用チョコ」(2018年(平成30年)8月3日付け)の見出しのもと、「バリーカレボージャパン(群馬県高崎市)が輸入するベルギーの製菓用チョコレートの有力ブランド『カレボー』のルビーチョコレート『RB1』」との記載がある(甲51)。
(ク)「日本食糧新聞」において「ローソン、ルビーチョコ使用で商品開発 第1弾はロールケーキ」(平成30年8月29日付け)見出しのもと、「ローソンは9月25日、ルビーチョコレートを使用したロールケーキを発売する。(略)カカオ豆由来の成分によって見た目はピンク色、味わいはベリーのような風味がある。」との記載がある(甲46)。
ウ 本件商標の登録査定時(日)後における「RUBY(ルビー)」の文字の使用
(ア)「日本経済新聞電子版」において「ピンク色と酸味が魅力 ルビーチョコが続々商品化」(2018(平成30年)年10月19日付け)の見出しのもと、「スイスに本社を置くチョコレートメーカーのバリーカレボが開発し、(略)。日本では2018年に1月にネスレ日本が6カ月間の独占販売契約を締結し、(略)。そのルビーチョコレートが、この秋一気に拡大する。著名なパティシエや大手菓子メーカーなどがルビーチョコレートを使った商品を開発。」との記載がある(甲53)。
(イ)雑誌、ウェブサイト等において、菓子メーカー、洋菓子店、ホテル、飲食店等により、ルビーチョコレートを使用したチョコレート・ケーキ・スイーツメニュー等が販売又は提供されたとする記事が掲載されている。なお、これら記事の掲載日又は出力日はいずれも登録査定日以降である(甲54?甲77。)。
(3)上記(2)によれば、「RUBY(ルビー)」の文字は、本件商標の登録査定日前から、菓子、ジャム、食酢、アルコール類、調理用のレシピにおいて色彩を表す文字として使用されていることは認められる。
そして、本件商標の登録査定日前である、平成29年9月頃にバリーカレボー社(スイス在)(以下「カレボー社」という。)がルビー色をしたチョコレート(以下「ルビーチョコレート」という。)の商品化に成功したことを発表し、平成30年1月頃に商標権者(又はその関連会社)が、カレボー社と6カ月間の独占販売契約を締結し、我が国においてルビーチョコレートを使用した商品の販売を開始したとされ、その独占契約終了後は、本件商標の登録査定日後である平成30年9月下旬頃に、商標権者以外の者によりルビーチョコレートを使用したケーキが販売されて、その後、同様にチョコレート・ケーキ・スイーツメニューが一般に販売又は提供されるようになったことがうかがえる。
しかしながら、本件商標の登録査定日(時)において、「RUBY(ルビー)」の文字が、各種商品の色彩を表す文字として使用されている事実は、個人ブログや料理メニューにおける使用を考慮しても、散見される程度にとどまるというべきであり、申立てに係る商品の色彩を表す文字として需要者に認識されていたとはいい難い。
また、「RUBY(ルビー)」の文字が、申立てに係る商品、特に「チョコレート」の色彩又はチョコレートの新たなカテゴリーを表す文字として使用されていたとされる証拠は8件程度で、その内容も、ルビーチョコレートの商品開発やその説明に関するもの、商標権者(又はその関連会社)による我が国で初めてルビーチョコレートを原材料とする菓子の販売に関するもの、商標権者以外の者(1社)による本件商標の登録査定日以降の商品の販売についての告知などであることからすれば、これらの記事内容をもって、「RUBY(ルビー)」の文字が、ルビーチョコレートの色彩又はチョコレートの新たなカテゴリー等を指称する語として、本件商標の登録査定日(時)において、需要者の間で認識されていたということはできない。
そして、当審において職権をもって調査するも、本件商標の登録査定時において、「RUBY(ルビー)」の文字が、チョコレートをはじめ申立てに係る商品を取り扱う業界において、その商品の品質や原材料を表示するものとして広く一般に使用されていた事実を発見することはできず、さらに、当該文字が、需要者に商品の品質表示として認識されていたとすべき事情は見いだせない。
(4)以上のことから、本件商標は、その登録査定時において、申立てに係る商品の品質等を表示するものとはいえず、自他商品を識別する機能を果たし得るものというべきであるから、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にはあたらないと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、その登録査定時において、上記1(4)のとおり、申立てに係る商品の品質等を表示するものとして需要者に認識されず、自他商品を識別する機能を果たし得るものというべきであるから、本件商標を、申立てに係る商品に使用しても商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないと判断するのが相当である。
その他に、本件商標が、申立てに係る商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるとすべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、申立てに係る商品に使用しても、商品の品質の
誤認を生じるおそれがある商標とはいえないから、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
3 申立人の主張について
申立人は、本件商標は、その登録査定時はもちろん、近い将来においても、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものということができ、また、商品の取引に際し、何人もその使用を欲し、また現に使用されるものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でない旨主張する。
しかしながら、商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断は、査定時(又は審決時)であるところ、本件商標は、その登録査定時において、自他商品を識別する機能を果たし得ることは、上記1(4)のとおりであり、加えて、提出された証拠から、本件商標が、その登録査定時において、申立てに係る商品の取引に際し、誰もが必要な商標であると認めるに足る証拠は見いだせない。
したがって、申立人の主張は採用できない。
4 結語
以上のとおり、本件商標は、その指定商品(申立てに係る商品)について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-12-10 
出願番号 商願2017-156863(T2017-156863) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W30)
T 1 651・ 13- Y (W30)
最終処分 維持 
前審関与審査官 中島 光 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 岩崎 安子
小田 昌子
登録日 2018-09-21 
登録番号 商標登録第6082400号(T6082400) 
権利者 ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
商標の称呼 ルビー 
代理人 黒川 朋也 
代理人 工藤 莞司 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 魚路 将央 
代理人 水谷 綾乃 
代理人 田中 克郎 
復代理人 小林 奈央 
復代理人 廣中 健 
代理人 太田 雅苗子 
代理人 宮川 美津子 
代理人 長谷川 芳樹 
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