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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
審判 全部申立て  登録を維持 W1825
管理番号 1357914 
異議申立番号 異議2019-900149 
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-01-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-05-16 
確定日 2019-12-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第6123121号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6123121号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6123121号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成30年2月16日に登録出願、第18類「折り畳み式傘,晴雨兼用傘,ビーチパラソル,日傘」及び第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」(以下「本件商品」という。)を指定商品として、同31年1月21日に登録査定、同年2月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、次の(7)、(8)、(10)の3件(以下「11号引用商標」という。)であり、また、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標は、次の(1)?(10)の10件(以下「引用商標」という。)であって、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。なお、引用商標の態様は、別掲2のとおりである。
(1)登録第1716371号商標(以下「引用商標1」という。)は、昭和55年10月17日登録出願、第19類「紙製簡易買物袋,その他本類に属する商品」を指定商品として、同59年9月26日に設定登録され、その後、平成6年9月29日及び同16年6月29日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同18年3月1日に指定商品を第14類、第16類、第20類、第24類及び第28類に属する商標登録原簿記載の商品とする指定商品の書換登録がされ、加えて、同26年9月16日に第16類「紙製簡易買物袋,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札」及び第24類「織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),織物製トイレットシートカバー」のみについて、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第1849612号商標(以下「引用商標2」という。)は、昭和55年8月1日登録出願、第23類「眼鏡,その部品および附属品」を指定商品として、同61年3月26日に設定登録され、その後、平成8年7月30日、同18年2月28日及び同28年3月8日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同19年9月5日に指定商品を第9類「眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第1974801号商標(以下「引用商標3」という。)は、昭和57年2月18日登録出願、第29類「茶,コーヒー,ココア,清涼飲料,果実飲料,氷」を指定商品として、同62年8月19日に設定登録され、その後、平成9年6月10日、同19年7月24日及び同29年3月28日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同19年12月19日に指定商品を第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(4)登録第2091935号商標(以下「引用商標4」という。)は、昭和59年11月12日登録出願、第12類「自転車,その他本類に属する商品」を指定商品として、同63年11月30日に設定登録され、その後、平成10年9月29日、同20年7月29日及び同30年7月3日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同15年1月22日にその指定商品中、第12類「航空機並びにその部品及び附属品」について、一部放棄による本権の登録の一部抹消の登録がされ、加えて、同21年6月24日に指定商品を第6類「いかり,金属製ビット,金属製ボラード」、第9類「消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター」、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」、第13類「戦車」、第19類「ビット及びボラード(金属製のものを除く。)」及び第22類「ターポリン,帆」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(5)登録第2400549号商標(以下「引用商標5」という。)は、昭和59年11月12日登録出願、第13類「サツカーシユーズ及びトラツクシユーズ用レンチ,その他の手動工具(研磨用器具,ブラシ類を除く)」を指定商品として、平成4年4月30日に設定登録され、その後、平成14年3月19日及び同24年3月13日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年4月21日に指定商品を第8類「サッカーシューズ及びトラックシューズ用レンチ,その他の手動工具(皮砥,鋼砥,砥石を除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(6)登録第2428528号商標(以下「引用商標6」という。)は、平成元年10月26日登録出願、第20類「家具,その他本類に属する商品」を指定商品として、同4年6月30日に設定登録され、その後、同14年6月11日及び同24年5月22日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年9月15日に指定商品を第14類「貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて」、第20類「家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,食品見本模型,人工池,葬祭用具」及び第24類「織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(7)登録第2602055号商標(以下「引用商標7」という。)は、平成3年9月30日登録出願、第22類「はき物,その他本類に属する商品」を指定商品として、同5年11月30日に設定登録され、その後、同15年6月24日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同17年2月2日に指定商品を第6類、第14類、第18類、第21類、第22類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載の商品とする指定商品の書換登録がされ、加えて、同25年9月10に第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」、第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」のみについて、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(8)登録第2680732号商標(以下「引用商標8」という。)は、平成3年9月30日登録出願、第24類「運動具,その他本類に属する商品」を指定商品として、同6年6月29日に設定登録され、その後、同16年2月10日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同17年8月31日に指定商品を第6類、第9類、第15類、第18類、第19類、第20類、第21類、第22類、第24類、第25類、第27類、第28及び第31類に属する商標登録原簿記載の商品とする指定商品の書換登録がされ、加えて、同26年2月12日に第9類「運動用保護ヘルメット,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,メトロノーム,レコー」、第20類「揺りかご,幼児用歩行器,マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピングバッグ」、第21類「コッフェル」、第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴,仮装用衣服」、第27類「体操用マット」及び第28類「運動用具,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,釣り具」のみについて、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(9)登録第2721876号商標(以下「引用商標9」という。)は、昭和58年10月14日登録出願、第3類「くつ油,保革油,その他本類に属する商品」を指定商品として、平成9年5月30日に設定登録され、その後、同19年5月22日及び同29年2月21日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同20年3月19日に指定商品を第3類「塗料用剥離剤,靴墨,靴クリーム,つや出し剤」及び第4類「靴油,保革油」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(10)登録第3328661号商標(以下「引用商標10」という。)は、平成6年12月20日登録出願、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、同9年7月4日に設定登録され、その後、平成19年3月13日及び同29年2月14日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証(枝番号を含む。なお、特に断らない限り、証拠番号には枝番号を含み、表記にあたっては、「甲1」のように省略して記載する。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号の理由
ア 引用商標の周知著名性
本件商標の出願時及び登録時において、引用商標が、申立人の業務に係るスポーツシューズ、被服及びバッグ等のスポーツ用品・スポーツウェア(以下「申立人商品」という)を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものであることは、これまで何度となく主張立証しており、引用商標の著名性は過去の異議決定等で認定されてきたものであり、顕著かつ公知の事実といえる。
イ 商標の同一又は類似
本件商標は、全体をもって略横長の長方形の枠内にはめ込まれたような印象を与える。一方、引用商標は、全体をもってあたかも略横長の長方形の枠内にはめ込まれたような印象を与えるものである(甲15)。
両商標の外観を対比してみると、仔細な部分において差異は認められるものの、全体の印象、特徴は似通っている。とくに、周知著名な引用商標を、本件商標と同様に斜体(右斜め17度)で表示にしたものと本件商標とを見比べてみると、各文字のフォントデザインが共通していることも相まって、外観上、商標全体の特徴がとても近似していることが確認できる。
また、欧文字4文字のうち、「P」「U」「m」の3文字を個別に対比してみるに、フォントデザインが共通していることから、その外観的特徴はいずれも共通している。
また、本件商標の最後の文字「S」は、下端が、左方向に長く線状に描かれているが、スポーツやアパレル業界において、欧文字からなる商標の下に、構成文字とつながって線状の図形を描くことは比較的行われている。
このため、当該事情に馴染みある通常の注意力を有する我が国の需要者であれば、本件商標の構成文字「S」の下端が左方向に長く線状に描かれている部分をみて、独自の出所標識と認識することはないものと判断されてしかるべきである。そうすると、通常の欧文字「A」と「S」であれば、文字自体が顕著に異なるものの、「S」の曲線部分が太い縦線と横線により描かれた本件商標の態様においては、外観上も、引用商標中の「A」と近似した印象を与える。
また、本件商標の欧文字部分から生ずる称呼「プム」又は「プムス」と引用商標から生ずる称呼「プーマ」とを対比すると、2音又は3音という短い音構成において、語尾音は異なるものの、「ム」と「マ」は同じマ行の音からなり、語頭音「プ」が一致していることから、称呼上も両商標は看者の印象・記憶に共通した印象を与える。
さらに、引用商標からは、「申立人の周知著名な商標」の意味合いが生じるのに対し、本件商標からは明確な意味合いが生じないため、両商標には観念上、明確な差異が認められない。
本件商標の指定商品は、引用商標が長年使用されてきた申立人商品と同一、又は用途・目的・品質・販売場所等を同じくし、関連性の程度が極めて高く、商標やブランドについて詳細な知識を持たず、商品の選択・購入に際して払う注意力が高いとはいえない一般消費者を需要者とする点でも共通するだけでなく、衣類や靴等では、商標をワンポイントマークとして小さく表示する場合も少なくなく、その場合、商標の微細な点まで表されず、需要者が商標の全体的な印象に圧倒され、些細な相違点に気付かないことも多いことを考慮すると(甲16)、本件商標がワンポイントマークとして使用されたスポーツウェアが、周知著名な引用商標が数多く並ぶスポーツ用品店に陳列された場合、これを目にした通常の注意力を有する本件商品に係る需要者であれば、その外観の相紛らわしさ、印象の酷似性により、両商標を誤認する可能性は高いものといえる(甲17)。
そうすると、引用商標の周知著名性、引用商標の書体の特徴、本件商品における取引の実情や需要者の注意力を総合的に勘案すると、最後の4文字目に相異点を有するとしても、その相異点が商標全体として看者の印象・記憶に影響を及ぼす程のものではなく、外観及び称呼における共通点を凌駕するものではないことから、両商標は類似すると判断されてしかるべきである(甲15ないし甲21)。
ウ 商品の同一又は類似
本件商品「折り畳み式傘,晴雨兼用傘,ビーチパラソル,日傘,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」はいずれも、引用商標7、同8及び同10に係る指定商品と同一又は類似している。
エ 小括
本件商標と引用商標7、同8及び同10とは称呼及び外観において看者の印象・記憶に共通した印象を与えるだけでなく、本件商品と引用商標に係る指定商品とは同一又は類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号の理由
ア 本件商標と引用商標との類似性の程度
本件商標と引用商標とは、外観において看者の印象・記憶に共通した印象を与える。また、両商標には観念上、明確な差異が認められないことから、商標全体の類似性の程度は、総じて低くはない。
イ 引用商標の周知著名性及び独創性の程度
引用商標は、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係る申立人商品(スポーツシューズ、被服及びバッグ等のスポーツ用品・スポーツウェア)を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものであることは、特許庁において、顕著かつ公知の事実と認められている。また、引用商標は、各文字が縦線を太く、横線を細く、各文字の線を垂直に表すようにし、そして、角部分に丸みを持たせた縦長の独特の太く四角い書体で表され、全体をもってあたかも略横長の長方形の枠内にはめ込まれたような印象を与える特徴を備えており(甲15)、その独創性は高い。
ウ 本件商品と申立人商品との関連性
本件商品のうち、「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は、引用商標の周知著名性が需要者に広く認識されている申立人商品(スポーツシューズ,被服及びバッグ等のスポーツ用品・スポーツウェア)に含まれる、同一の商品といえる。また、その他の本件商品「折り畳み式傘,晴雨兼用傘,ビーチパラソル,日傘」についても、申立人は、業として引用商標を付したスポーツ用日傘を製造販売している(甲5)。このため、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度は極めて高い。
エ 取引者及び需要者の共通性その他取引の実情
本件商品には、日常的に利用される性質の商品が含まれ、スポーツ関連商品を含む本件商標が使用される商品の主たる需要者は、スポーツの愛好家を始めとして、広く一般の消費者を含むものということができる。そして、このような一般の消費者は、必ずしも商標やブランドについて正確又は詳細な知識を持たない者も多数含まれているといえ、商品の購入に際し、メーカー名やハウスマークなどについて常に注意深く確認するとは限らず、小売店の店頭などで短時間のうちに購入商品を決定するということも少なくないと考えられることから、商品の選択・購入に際して払う注意力が高いとはいえない一般消費者を需要者とする点でも共通する(甲15?甲17)。
さらに、衣類や靴等では、商標をワンポイントマークとして小さく表示する場合も少なくなく(甲15?甲17)、その全体的な配置や印象が引用商標と比較的類似していることから、ワンポイントマークとして使用された場合などに、本件商標は、引用商標とより類似して認識されるとみるのが相当である。
混同を生ずるおそれ
上記の事情を総合すると、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、スポーツやアパレル関連の商品分野において、高い著名性を有していたことに照らせば、両商標の具体的構成に差異が存在するとしても、引用商標と外観において類似し、称呼上の印象も近似していると認められる本件商標が申立人商品と同一又はこれと深く関連する本件商品に付して使用された場合、また、これをワンポイントマークとして使用された場合などには、一般消費者の注意力などをも考慮すると、これに接する取引者、需要者は、顕著に表された独特な欧文字4字の外観構成に着目し、周知著名となっている引用商標を連想、想起して、当該商品が申立人又は申立人との間に緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性について
請求人の主張及び提出した証拠並びに当審における職権調査によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 請求人は、1948年設立のスポーツ用品・スポーツウェア等を製造販売するドイツ連邦共和国の企業で、ヨーロッパやアメリカ等にも展開する世界的な企業であって、我が国においては、1972年から、日本国内における代理店としてコサ・リーベルマン株式会社が、請求人の業務に係る商品のうち、靴、バッグ、アクセサリーについての事業を展開し、2003年5月1日に、請求人の日本法人であるプーマジャパンが同事業を承継した。
そして、ウェアについては、国内のライセンシーであるヒットユニオン株式会社が製造・販売していたが、2006年1月に、日本において引用商標を付したアパレル関連商品を生産する、請求人の日本法人であるプーマ・アパレル・ジャパンが設立され、同社がヒットユニオン株式会社から営業権を譲り受けた。2010年に、プーマ・アパレル・ジャパンとプーマジャパンは合併し、現在のプーマジャパンとなった。
イ 引用商標は、本件商標の登録出願前から我が国で発行された多数のカタログ(甲6の1ないし甲6の4、甲7の1及び甲7の2、甲8)や雑誌(甲10、甲11)において、Tシャツ、スウェットシャツ、ジャケット、帽子、スポーツシューズ等に付して掲載されている。
ウ 2013年版スポーツ産業白書によると、スポーツ用品メーカー(スポーツ関連売上高10億円以上)として、「プーマジャパン(株)」が6番目に記載され、該売上高は、2010年に約419億円、2011年に約434億円、2012年(見込)に約442億円、2013年(予測)に約446億円と堅調に推移し、「アスレチックウエア国内出荷金額」で3位、「サッカー・フットサルウエア国内出荷金額」で2位となっている。
以上の事実によれば、請求人は、「PUmA」の文字をプーマ社のブランドとしてスポーツ用品・スポーツウェアに使用し、我が国においては、1972年から靴、バッグ、アクセサリー等について、製造・販売してきたこと、かつ、引用商標を付したTシャツ、スウェットシャツ、ジャケット、帽子、スポーツシューズ等を、少なくとも2012年には、各雑誌において掲載してきたことが認められ、また、2010年ないし2013年における「プーマ」ブランドの売上高も堅調に推移しており、「アスレチックウエア国内出荷金額」及び「サッカー・フットサルウエア国内出荷金額」においても上位を占めているところである。
してみれば、引用商標は、本件商標の登録出願時には既に、同人の業務に係るスポーツシューズ、スポーツウェア等を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されて周知・著名な商標となっており、それは本件商標の登録査定時及びそれ以降も、継続していたと認められるものである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、構成中の「m」の文字及び「s」の文字の間に「’(アポストロフィ)」の符号があり 、「s」の文字の下端が「p」の縦線の手前まで横一直線で延伸されているものの、構成各文字が同じ文字種、書体で表されていることから、構成全体をもって「pum’s」と、まとまりよく一体的に表されているものと認識され、該文字に相応して、「パムズ」、「パムス」、「プムズ」又は「プムス」の称呼を生じるものである。また、該文字は、既成語からなるものではなく、我が国において一般に親しまれている語とは認められないものであるから、一種の造語として認識され、直ちに特定の観念を生じるものではない。
イ 11号引用商標
11号引用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、「PUmA」の文字は、各文字が縦線を太く、横線を細く、そして、角部分に丸みを持たせた独特の縦長の書体で表され、全体をもってあたかも横長の四角枠内に隙間なくはめ込まれたような印象を与えるものであるから、これに接した需要者に、引用商標全体として、一体の構成からなるものとの印象を与えるものである。
また、11号引用商標からは、その構成文字に相応して「プーマ」及び「ピューマ」の称呼を生じ、ネコ科の哺乳類である「ピューマ」及び申立人のブランドである「プーマ」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と11号引用商標との類否
本件商標と11号引用商標とを比較すると、外観においては、その構成態様及び構成文字に照らせば、明らかに相違するものである。
また、称呼においては、本件商標から生じる称呼と11号引用商標から生じる称呼とは、構成音において明らかな差異を有するから、それぞれ一連に称呼するときは全体の語調、語感が異なり、明瞭に聴別することができるものというべきである。
さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないから、「ピューマ」及び申立人のブランドとしての「プーマ」の観念を生じる11号引用商標とは、観念においても相紛れるおそれはない。
そうとすれば、両商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
エ 小括
以上のとおり、本件商標は、11号引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似するものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(1)のとおり引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認められるものであるが、上記(2)のとおり本件商標は、引用商標と相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
(4)申立人の主張について
ア 申立人は、本件商標と引用商標は、全体をもってあたかも略横長の長方形の枠内にはめ込まれたような印象を与えるから、全体の印象、特徴は似通っており、斜体(右斜め17度)で表示したものと本件商標とを見比べてみると、各文字のフォントデザインが共通していることから、外観上、商標全体の特徴がとても近似している旨主張している。
しかしながら、本件商標は、略横長の長方形の枠内にはめ込まれたような印象を与えるものではなく、両者は、商標全体としての構成態様において明らかに相違するものであるから、外観上、十分に区別し得るものであり、互いに紛れるおそれはないというべきである。
したがって、申立人の主張は採用することができない。
イ 申立人は、衣類や靴等では、商標をワンポイントマークとして小さく表示する場合も少なくなく、その場合、商標の微細な点まで表されず、需要者が商標の全体的な印象に圧倒され、些細な相違点に気付かないことも多いことを考慮すると、その外観の相紛らわしさ、印象の酷似性により、両商標を誤認する可能性は高い旨主張する。
しかしながら、本件商標は、「m」の文字の次に「’(アポストロフィ)」の符号を有している上、語尾に位置する「s」の文字の下端が語頭に位置する「p」の縦線の手前まで横一直線で描かれることにより、「um’」の文字及び符号を挟み込んでいるような態様であり、引用商標の特徴的な態様とは全く別のものとして看取されるものであるから、異なる印象を与えるものである。
したがって、仮に、ワンポイントマークとして使用され小さく表示されることがあるとしても、両商標はその外観上の差異が明瞭に看て取れるものであり彼此混同するとはいえないから、この点をいう申立人の主張は採用することはできない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標)


異議決定日 2019-12-03 
出願番号 商願2018-24844(T2018-24844) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W1825)
T 1 651・ 271- Y (W1825)
T 1 651・ 261- Y (W1825)
T 1 651・ 262- Y (W1825)
最終処分 維持 
前審関与審査官 松田 訓子深田 彩紀子 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 板谷 玲子
木村 一弘
登録日 2019-02-22 
登録番号 商標登録第6123121号(T6123121) 
権利者 株式会社プロ・フィットスポーティング
商標の称呼 パムズ、パムス、パム、プム、ピイユウエム 
代理人 三上 真毅 
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