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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W3542
審判 全部申立て  登録を維持 W3542
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審判 全部申立て  登録を維持 W3542
審判 全部申立て  登録を維持 W3542
管理番号 1357905 
異議申立番号 異議2018-900193 
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-01-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-07-25 
確定日 2019-12-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6038171号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6038171号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6038171号商標(以下「本件商標」という。)は、「セイコーフレッシュフーズ」の文字を標準文字により表してなり、第35類及び第42類に属する別掲のとおりの役務を指定役務として、平成29年4月20日に登録出願され、同30年3月12日に登録査定、同年4月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第7号及び同第19号に該当するとして引用する商標は、申立人の業務に係る商品及び役務を表示する「セイコー」の片仮名又は「SEIKO」の欧文字からなるものである(以下、「セイコー」の片仮名からなる商標を「セイコー商標」、「SEIKO」の欧文字からなる商標を「SEIKO商標」、これらをまとめていうときは「申立人商標」という。)。
2 申立人が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、次の81件であり、それぞれ、「Seiko」の欧文字、「SEIKO」の欧文字、「セイコー」の片仮名、又は、「SEIKO」及び「セイコー」の文字を二段書きに表してなるものであり、登録出願日、設定登録日、書換登録日、更新登録日、指定商品及び指定役務は、商標登録原簿記載のとおりである。
(1)商標登録第200881号
(2)商標登録第1387121号
(3)商標登録第1811271号
(4)商標登録第1825534号
(5)商標登録第1836401号
(6)商標登録第1881031号
(7)商標登録第1895381号
(8)商標登録第1901755号
(9)商標登録第1941121号
(10)商標登録第1946045号
(11)商標登録第1946046号
(12)商標登録第1949908号
(13)商標登録第1949909号
(14)商標登録第1964940号
(15)商標登録第1979187号
(16)商標登録第1997404号
(17)商標登録第2030901号
(18)商標登録第2040302号
(19)商標登録第2045870号
(20)商標登録第2053961号
(21)商標登録第2062385号
(22)商標登録第2062386号
(23)商標登録第2085953号
(24)商標登録第2196855号
(25)商標登録第2217432号
(26)商標登録第2395686号
(27)商標登録第2441506号
(28)商標登録第3041068号
(29)商標登録第3055450号
(30)商標登録第3169865号
(31)商標登録第3214860号
(32)商標登録第4101630号
(33)商標登録第4101631号
(34)商標登録第4173833号
(35)商標登録第4246319号
(36)商標登録第4620626号
(37)商標登録第5373360号
(38)商標登録第5385096号
(39)商標登録第5385098号
(40)商標登録第5385099号
(41)商標登録第5385100号
(42)商標登録第5385101号
(43)商標登録第5385102号
(44)商標登録第5385103号
(45)商標登録第5385104号
(46)商標登録第5385105号
(47)商標登録第5385106号
(48)商標登録第5385107号
(49)商標登録第5385108号
(50)商標登録第5385109号
(51)商標登録第5385110号
(52)商標登録第5385111号
(53)商標登録第5385112号
(54)商標登録第5385113号
(55)商標登録第5385114号
(56)商標登録第5387643号
(57)商標登録第5390844号
(58)商標登録第5390846号
(59)商標登録第5390847号
(60)商標登録第5390849号
(61)商標登録第5390850号
(62)商標登録第5390851号
(63)商標登録第5390852号
(64)商標登録第5395295号
(65)商標登録第5395297号
(66)商標登録第5395300号
(67)商標登録第5395302号
(68)商標登録第5395304号
(69)商標登録第5395305号
(70)商標登録第5395306号
(71)商標登録第5395307号
(72)商標登録第5395308号
(73)商標登録第5395309号
(74)商標登録第5395310号
(75)商標登録第5405328号
(76)商標登録第5409443号
(77)商標登録第5409444号
(78)商標登録第5409445号
(79)商標登録第5421291号
(80)商標登録第5552617号
(81)商標登録第6022493号
(1)及び(20)ないし(22)を除き、商標権は、現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめて「11号引用商標」という。)。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号、同第15号、同第16号、同第7号及び同第19号に該当するから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第66号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、申立人、その子会社、関連会社及びその他の関係会社等のグループ会社(以下、これらをまとめて「申立人等」という。)の著名な略称である「セイコー」の片仮名を含む商標であるところ、申立人等の承諾を得ていないにもかかわらず、その登録がなされている。
2 商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、申立人等の業務に係る商品・役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている「セイコー」の片仮名又は「SEIKO」の欧文字からなる申立人商標と同一又は類似の商標であって、かつ、本件商標の指定役務は、申立人商標が使用されている商品・役務と同一又は類似である。
3 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その商標登録出願の日前の商標登録出願に係る11号引用商標と同一又は類似の商標であって、本件商標の指定役務は、これらの11号引用商標の指定商品・役務と同一又は類似である。
4 商標法第4条第1項第15号について
申立人商標は、申立人等の業務に係る商標として、取引者・需要者に広く知られており、申立人商標と類似する本件商標がその指定役務に指定された場合、申立人等の商品・役務と出所の混同を生じるおそれがある。
5 商標法第4条第1項第16号について
本件商標構成中の「フレッシュフーズ」の文字部分は、「fresh foods(生鮮食品)」を片仮名で表したものであることから、本件商標を「生鮮食品の小売等役務」以外の指定役務に使用した場合、役務の質の誤認を生じるおそれがある。
6 商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
本件商標は、出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合に該当し、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標である。
また、本件商標は、申立人等の業務に係る商品・役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている申立人商標と同一又は類似の商標であり、申立人商標の周知・著名性に便乗して利益を得る又は申立人商標の周知・著名性を稀釈化(ダイリュージョン)させようとする不正の目的をもって出願されたものである。

第4 当審の判断
1 申立人商標の周知・著名性について
(1)申立人提出の証拠及び同人の主張によれば、次のとおりである。
ア 申立人について
申立人の名称は、「セイコーホールディングス株式会社」であり、その英語による表示は、「SEIKO HOLDINGS CORPORATION」である(甲3)。そして、申立人のグループ会社の多くは、「セイコー○○」又は「SEIKO○○」のように、その名称には「セイコー」の片仮名又は「SEIKO」の欧文字が含まれている(甲4の1、甲5及び甲6)。申立人等は、ウオッチ(腕時計)事業、電子デバイス事業、システムソリューション事業等の各種事業を行っている(甲4の1、甲5?甲7)。
イ 申立人商標の使用について
(ア)申立人等の製造、販売に係る時計(以下「申立人商品」という。)は、文字盤の見えやすい位置に「SEIKO」の文字が表示されている(甲11、甲12等)。
(イ)申立人等は、遅くとも昭和3年には、申立人商品について、「SEIKO」の欧文字及び「セイコー」の片仮名の使用をしていた(甲23の3、甲23の4)。
(ウ)申立人等は、平成24年から平成29年までの間に発行された全国紙の各新聞に、申立人商品に関する広告を掲載しており、その広告には、「SEIKO」の欧文字及び申立人商品の写真が表示されている(甲25)。
(エ)申立人等は、平成19年に全国紙及びスポーツ新聞に2007年東京マラソンの開催時の広告を掲載し(甲26)、また、平成30年の朝日新聞に広告を掲載した(甲27の1、甲27の2)。これらの広告には、「SEIKO」の欧文字及び申立人商品の写真が表示されている。
(オ)申立人等は、平成25年から平成29年に発行した日本航空株式会社の機内誌「SKYWARD」及び平成25年から平成29年に発行した株式会社宝島社の30代女性向け雑誌「InRed」に申立人商品の広告を掲載した(甲28、甲29の1)。これらの広告には、「セイコーアストロン」又は「セイコールキア」の片仮名及び「SEIKO」の欧文字、並びに申立人商品の写真が表示されている。
(カ)申立人等は、平成29年に、「SEIKO」の欧文字及び申立人商品が表示されるテレビコマーシャルを相当程度の回数放映した(甲30、甲32の1?甲32の3)。
(キ)申立人等は、平成25年12月に各地の駅及びJR東日本車内(甲34の6)、同月に東京メトロ新宿駅(甲34の7)、平成27年12月に福岡(甲34の24)、平成28年12月に東京メトロの各駅(甲34の26)、同月に東京メトロ車内(甲34の30)、平成29年11月及び12月に東京メトロ各駅及び車内、阪急百貨店、JR東日本秋葉原駅、福岡地下鉄博多駅(甲34の33)、同年12月に各地の駅等(甲34の34)、平成27年9月に羽田空港(甲35の8)、平成28年2月に福岡空港(甲35の9)に、それぞれ広告を掲載した。これらの広告には、「SEIKO」の欧文字及び申立人商品の写真が表示されている。
(ク)世界陸上2001、同2005、同2009、同2013、同2015及び同2017において、その競技場内に設置されたタイマーの表示板等に、「SEIKO」の欧文字が表示されていた(甲37の1、甲37の4、甲37の5)。また、東京マラソン2015ないし同2018、大阪マラソン2014ないし同2017並びに名古屋ウィメンズマラソン2015、同2017及び同2018のパンフレットにおいて、申立人等の広告が掲載され、その広告には、「SEIKO」及び「OFFICIAL TIMER」の欧文字が表示されている(甲38の2、甲40、甲41)。
(ケ)平成19年8月28日及び同30年4月24日にテレビ東京で放送された「ガイアの夜明け」において、申立人等を「セイコー」と紹介している(甲60の1?甲60の3)。また、各種の新聞記事及び申立人等に関する書籍において、申立人等を「セイコー」と称している(甲59、甲61の4、甲61の5)。
(2)申立人商標の周知・著名性についての判断
上記(1)の認定によれば、申立人等は、遅くとも昭和3年から「SEIKO」の欧文字からなる商標を申立人商品に使用しており、SEIKO商標は、申立人商品の商標として、本件商標の登録出願時前から、大規模に広告宣伝されていた。
そうすると、申立人商標のうち、SEIKO商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものであり、その周知著名性の程度は高いものであるといえる。
しかしながら、上述の証拠中、「セイコー」の片仮名のみからなる商標については、ほとんどの場合、申立人商品について、SEIKO商標と同時に使用されているか、「セイコーアストロン」、「セイコールキア」、「セイコーウオッチ株式会社」のように他の文字と結合して使用されており、単独での使用例はわずかである。
また、テレビ東京の番組や新聞記事等において、申立人等の略称として「セイコー」の片仮名が表示又は記載されている例があるものの、申立人等を単独で紹介する記事中に「セイコーホールディングス」、「セイコーウオッチ」等、申立人等の名称や、「セイコープレサージュ」、「グランドセイコー」等、他の文字とともに記載されている例がほとんどあり、他社の商標や名称との比較において、「セイコー」の片仮名のみが単独で申立人商品の商標、あるいは申立人等の略称であること表示する記事は数件にとどまっている。
そうすると、申立人商標のうち、セイコー商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、大規模に使用され、申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものであると認めることはできず、その周知著名性の程度が高いものと認めることはできない。
したがって、申立人商標のうち、SEIKO商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものといえるものの、セイコー商標は、申立人商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたとはいえないものというのが相当である。
2 商標法第4条第1項第8号該当性について
「セイコー」の片仮名については、上記1(1)イのとおり、新聞記事等に、申立人を「セイコー」と省略しているものがあるが、記事としての文字数の制約や、簡潔性のために、省略しているものとみるのが妥当であり、申立人が、自身の会社を積極的に「セイコー」と省略し、宣伝広告等を広く行っているような事情はなく、また、「セイコー」は、「成功、精巧、製鋼、精鋼、精工」等にも通じる片仮名表記であることを鑑みれば、「セイコー」の片仮名は、申立人の略称として使用される場合があるとしても、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の著名な略称であったとは認められないものであるから、本件商標は申立人の著名な略称を含むものとみることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「セイコーフレッシュフーズ」の文字を表してなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさで表されており、外観上一体として把握し得るものであり、その構成文字全体より生ずる「セイコーフレッシュフーズ」の称呼は、多少冗長であるとしても、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、いずれかの文字部分のみが強く印象付けられるものではなく、その構成中の「フレッシュ」の文字が「新鮮なさま」の意味を有し、「フーズ」の文字が「食品」の意味を有するとしても、これらを結合した「フレッシュフーズ」の文字から生ずる意味合いは、いまだ漠然としたものであって、小売等役務に係る具体的な取扱商品を表示したものと理解させるとまではいえないものである。
そうすると、本件商標は、その構成全体をもって、特定の意味合いを生ずることのない一種の造語として認識されるというのが相当である。
以上より、本件商標は、その構成文字全体に照応して、「セイコーフレッシュフーズ」の称呼のみを生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
(2)11号引用商標
11号引用商標は、前記第2のとおり、「Seiko」及び「SEIKO」の欧文字、「セイコー」の片仮名、又は、「SEIKO」及び「セイコー」の文字を二段書きに表してなるもののいずれかであり、それぞれその構成文字に相応して「セイコー」の称呼を生ずる。
また、「Seiko」又は「SEIKO」の欧文字は、上記1(2)のとおり、SEIKO商標が申立人商品を表示するものとして、周知・著名性を有することから、「Seiko」又は「SEIKO」の欧文字を有する商標は、「申立人等の業務に係る時計のブランドとしての『SEIKO』」の観念を生ずる。
一方、「セイコー」の片仮名については、「セイコー」と表音する語は、「成功」、「精巧」、「製鋼」等、複数存在するものの、特定の意味のみを認識すべき特段の事情は見いだせないことから、「セイコー」の片仮名よりなる商標は、特定の観念が生ずるとはいえないものである。
(3)本件商標と11号引用商標の類否
本件商標と11号引用商標は、上記(2)のとおりの構成からなるものであるから、その構成文字数の相違等により、それぞれ、外観において、十分に区別し得るものである。
次に、本件商標から生じる「セイコーフレッシュフーズ」の称呼と、11号引用商標から生じる「セイコー」の称呼を比較すると、両者は「フレッシュフーズ」の音の有無という明瞭な差異を有するから、両者をそれぞれ一連に称呼したときは、相紛れることなく容易に聴別し得るものである。
さらに、本件商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、11号引用商標は、「申立人等の業務に係る時計のブランドとしての『SEIKO』」の観念を生ずるか、又は特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念において紛れるおそれがないか、又は比較することができないものである。
以上のことからすれば、本件商標と11号引用商標とは、観念において紛れるおそれがないか、比較することができないものであって、外観及び称呼において明確に区別できるものであり、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であると判断するのが相当である。
(4)申立人の主張について
申立人は、「本件商標は、指定役務の多くがいわゆる小売等役務であるところ、生鮮食品がその取扱商品に該当するものであり、日経テレコンの企業検索によれば、小売等役務の事業者等においては、その『フレッシュフーズ』の文字を他の文字に付加して業種を表すことが普通に行われていることを踏まえると(甲64)、『フレッシュフーズ』の文字部分は、役務の出所識別標識としては、識別力がないか、極めて弱い文字部分である」旨主張している。
しかしながら、「フレッシュフーズ」の文字が「新鮮な食材」程の意味合いを想起させ、青果店等の店名等の一部に用いられる場合があるとしても、
当該文字は、我が国の一般的な辞書等に、特定の意味を有する成句として広く載録されているものではない。
また、職権をもって調査するも、「生鮮食品の小売等役務」を含む本件商標の指定役務の分野において、「フレッシュフーズ」の文字が役務の具体的な質や小売等役務の具体的な取扱商品等を表すものとして、一般に使用されている事実及び取引者、需要者が、役務の質等を表すものと認識し得るという特段の事情も見いだせず、その構成中の「フレッシュフーズ」の文字部分について、取引上、普通に使用されているなどの、本願商標が自他役務識別標識としての機能を有しないというべき事情は、見いだすことはできない。
してみれば、本件商標は、「セイコー」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものとみることはできず、一連一体のものとして認識されるものというべきであるから、申立人の主張を採用することはできない。
(5)小括
上記のとおり、本件商標は、11号引用商標とは非類似の商標であるから、その指定役務と11号引用商標の指定商品及び指定役務との類否について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第10号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、「セイコーフレッシュフーズ」の文字を標準文字により表してなるところ、上記3(1)のとおり、その構成文字全体に相応して、「セイコーフレッシュフーズ」の称呼のみを生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
(2)申立人商標
申立人商標は、前記第2のとおり、「SEIKO」の欧文字又は「セイコー」の片仮名からなるものであり、それぞれその構成文字に相応して「セイコー」の称呼を生じ、また、「SEIKO」の欧文字は、上記1(2)のとおり、SEIKO商標が申立人商品を表示するものとして、著名であることから、「申立人等の業務に係る時計のブランドとしての『SEIKO』」の観念を生ずる一方、「セイコー」の片仮名については、「セイコー」と表音する語は、「成功」、「精巧」、「製鋼」等、複数存在するものの、特定の意味のみを認識すべき特段の事情は見いだせないから、特定の観念が生ずるとはいえないものである。
(3)本件商標と申立人商標の類否
本件商標と申立人商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであるから、外観、称呼及び観念を踏まえて比較すれば、上記3(3)と同様に、両商標は、観念において紛れるおそれはないか、比較することはできないものであって、外観及び称呼において明確に区別できるものであり、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本件商標の指定役務と申立人商品との類否
本件商標の指定役務は、前記第1のとおり、第35類及び第43類に属する役務であるところ、申立人商標のうち、SEIKO商標が申立人商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとしても、申立人商品と本件指定役務とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であるとか、商品と役務の用途が一致する等ということはできず、両者は非類似のものと判断するのが相当である。
(5)小括
上記のとおり、本件商標は、申立人商標とは非類似の商標であり、また、その指定役務と申立人商品とは、非類似のものであることから、申立人商標の周知性について言及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)申立人商標の周知・著名性
申立人商標は、上記1(2)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、SEIKO商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものといえるが、セイコー商標については、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
(2)本件商標と申立人商標との類似性の程度
本件商標と申立人商標とは、上記4(3)のとおり、非類似の商標とみるのが相当であり、類似性の程度は低いというべきである。
(3)本件商標に係る指定役務と申立人商品の関連性
本件商標の指定役務中「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と「時計」とは、「時計」がファッションの一部として受け止められることがあり、「ファッション関係のブランドが冠された腕時計」があるとしても、役務の提供場所と商品の販売場所が異なり、同一事業者によって行われているのが一般的でもないことから、両者の関連性の程度が高いものとはいえない。
また、「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」において、「時計」が販売されることがあるとしても、デパート等のいわゆる総合小売と時計の製造,販売とは、その業種において全く異なるものであり、密接な関連性があるとはいえない。
その他、本件商標に係る指定役務と申立人商品の関連性が高いと判断すべき特段の事情は見いだせない。
(4)申立人商標の独創性の程度
申立人商標を構成する「SEIKO」又は「セイコー」の文字は、既成の日本語である「成功」、「精巧」、「製鋼」等、「セイコー」と称呼する種々の語をローマ字表記、又は片仮名表記したにすぎないものであり、その独創性の程度は高いとはいえない。
(5)申立人等は、電子デバイス事業、システムソリューション事業の分野を中心に多角経営を行っている。
(6)小括
上記(1)ないし(5)によれば、申立人商標のうち、セイコー商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであって、かつ、その独創性の程度も高いとはいえないものである。また、本件商標と申立人商標の類似性の程度は決して高いとはいえず、かつ、本件商標の指定役務と申立人商品とは、関連性の程度が高いということもできないものである。
してみれば、申立人商標のうち、SEIKO商標が申立人商品を表示するものとして、周知・著名であり、申立人等が電子デバイス事業の分野を中心に多角経営を行っているとしても、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標は、これをその指定役務について使用しても、その役務が他人(申立人等)又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
6 商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、前記第1のとおり、「セイコーフレッシュフーズ」の片仮名からなるところ、「フレッシュフーズ」の文字は、我が国の一般的な辞書等に、特定の意味を有する成句として広く載録されているものではなく、当該文字全体が、我が国で特定の意味を表す親しまれた日本語であるということはできない。
また、職権をもって調査するも、「生鮮食品の小売等役務」を含む本件商標の指定役務の分野において、「フレッシュフーズ」の文字が役務の具体的な質や小売等役務の具体的な取扱商品等を表すものとして、一般に使用されている事実及び取引者、需要者が、役務の質等を表すものと認識し得るという特段の事情も見いだせない。
してみれば、本件商標をその指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者が、その役務の具体的な質等を表示するものとして認識するとはいえず、役務の質について誤認を生じさせるおそれもない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
7 商標法第4条第1項第7号及び同第19号該当性について
本件商標は、上記4(3)のとおり、申立人商標と非類似の商標であって、別異の商標というべきものである上、前記5(3)のとおり、本件商標の指定役務と申立人商品とは関連性が高くないことからすれば、商標権者がこれをその登録異議の申立てに係る指定役務について使用しても、取引者、需要者をして申立人商標を連想又は想起させるものということはできない。
そうすると、本件商標は、申立人商標の信用にただ乗りし、申立人に損害を与えるなどの目的で登録出願されたものと認めることはできない。
さらに、本件商標が、その出願及び登録の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
また、商標法第4条第1項第19号は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」と規定されている。
そうすると、本件商標は、上記4(3)のとおり、申立人商標とは非類似の商標であり、商標法第4条第1項第19号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ない。
また、本件商標権者が、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
8 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第10号、同第15号、同第16号、同第7号及び同第19号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲:本件商標の指定役務
第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おむつの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,二輪自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自転車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,燃料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,写真機械器具及び写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
第42類 「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」

異議決定日 2019-11-29 
出願番号 商願2017-55618(T2017-55618) 
審決分類 T 1 651・ 252- Y (W3542)
T 1 651・ 253- Y (W3542)
T 1 651・ 23- Y (W3542)
T 1 651・ 22- Y (W3542)
T 1 651・ 263- Y (W3542)
T 1 651・ 222- Y (W3542)
T 1 651・ 251- Y (W3542)
T 1 651・ 261- Y (W3542)
T 1 651・ 272- Y (W3542)
T 1 651・ 262- Y (W3542)
最終処分 維持 
前審関与審査官 古橋 貴之馬場 秀敏 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 小俣 克巳
鈴木 雅也
登録日 2018-04-27 
登録番号 商標登録第6038171号(T6038171) 
権利者 株式会社セイコーフレッシュフーズ
商標の称呼 セイコーフレッシュフーズ、セーコーフレッシュフーズ、セーコーフレッシュ、セーコー、フレッシュフーズ、フレッシュ、フーズ 
代理人 篠田 貴子 
代理人 小野寺 隆 
代理人 林 栄二 
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