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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
管理番号 1357895 
異議申立番号 異議2019-900061 
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-01-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-02-15 
確定日 2019-11-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第6105963号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6105963号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6105963号商標(以下「本件商標」という。)は、「開和」の文字を横書きしてなり、平成30年2月16日に登録出願、第41類「知的財産権教授」を指定役務として、同年10月17日に登録査定、同年12月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録について登録異議を申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
商標出願された「開和」は秋田市川元開和町の地名であり、周辺に川元小川町、川元松丘町、川元むつみ町、川元山下町があり、開和は単独でも地名として認識される。同地には開和商事という文具店も存在する。
また開和は日本書紀の推古天皇十五年に出現する古典語であり、商標として独占することは合法ではない。

3 当審の判断
申立人は、本件登録異議の申立てにおいて、本件商標の登録の取消理由について根拠条文を明示していないが、商標登録異議申立書の申立ての理由の記載からすれば、本件商標が商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第7号に該当することを理由にして、同法第43条の2第1号に基づき商標登録の取消しを主張しているものと善解することができるため、以下検討する。
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「開和」の文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、一般の辞書に載録されている熟語とはいえず、我が国において広く親しまれた特定の意味合いを理解させる語ともいえないものである。
(2)申立人が提出した証拠等について
甲第2号証によれば、秋田県秋田市に「川元開和町」があり、平成26年5月頃及び同28年5月頃に当該地に「株式会社開和商事」が存したことを認めることができる。なお、申立人の主張(添付書類等)によれば、上記市内に「川元○○町」(○○部分には、「開和」「小川」等の文字が入る)との地名が5か所ある。
また、甲第3号証ないし甲第5号証によれば、「日本書紀 推古天皇紀 十五年」及び「平成28年 決定版 人物日本史」とされる書物の文中に「陰陽」の文字に続いて「開和」の文字の記載があり、また、階段下の門柱と思われるものに「陰陽開和」の文字が表示されている。
しかしながら、「開和」の文字のみからなる地名は見あたらず、「開和」の文字のみで特定地域を指称すると認めることができる程の記述もない。
また、「開和」の文字を、一般に親しまれた特定の意味合いを理解させる語と認めることができる程の記述もない。
(3)商標法第3条第1項第3号及び同項第6号該当性について
ア 商標法第3条第1項第3号について
前記(2)のとおり、申立人の提出に係る証拠からは、「開和」の文字を含む地名が存することは認められるとしても、当該文字単独からなる地名が存することを示す証拠も、当該文字単独で役務の提供の場所を表示するものとして取引上一般的に用いられていることを示す証拠もなく、その他、当該文字が役務の提供の場所を表示するものであるというべき事実は発見できなかった。
以上によれば、本件商標は、その指定役務に係る需要者及び取引者をして、地名と認識されないものであり、ましてや、役務の提供の場所を表示するものとして認識されるものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
イ 商標法第3条第1項第6号について
前記(2)のとおり、申立人の提出に係る証拠からは、「開和」の文字が、本件商標の指定役務との関係において、自他役務の識別力がないといえる程に、取引上一般的に用いられている事実は見いだせず、その他、「開和」の文字について自他役務の識別力がないというべき事実は発見できなかった。
そうすると、本件商標は、特定人による独占的な使用を許容することができないものといえないことはもとより、これをその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものといえ、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものとはいうことができない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、開和は日本書紀にある古典語であり、商標として独占することは合法ではないなどと主張している。
しかしながら、申立人提出の証拠からは、本件商標をその指定役務について使用することが、社会公共の利益に反し、社会の一般道徳観念に反するものとはいえず、その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号並びに同法第4条第1項第7号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に、申立人の主張を最大限に善解しつつ検討しても、同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-11-11 
出願番号 商願2018-24828(T2018-24828) 
審決分類 T 1 651・ 16- Y (W41)
T 1 651・ 13- Y (W41)
T 1 651・ 22- Y (W41)
最終処分 維持  
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 山田 啓之
板谷 玲子
登録日 2018-12-14 
登録番号 商標登録第6105963号(T6105963) 
権利者 旭野 幸麿
商標の称呼 カイワ 

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