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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W25 審判 査定不服 外観類似 登録しない W25 審判 査定不服 観念類似 登録しない W25 |
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管理番号 | 1357864 |
審判番号 | 不服2019-3688 |
総通号数 | 241 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-01-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-03-19 |
確定日 | 2019-12-02 |
事件の表示 | 商願2017-150378拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第1類、第4類、第12類及び第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成29年11月15日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同31年3月19日付け手続補正書により、第25類「被服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服,履物」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、次の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの登録商標をまとめていうときは、「引用商標」という。)。 (1)登録第2566518号の2商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:別掲2のとおり 登録出願日:平成3年2月18日 設定登録日:平成5年8月31日 分割移転日:平成9年5月12日 書換登録日:平成16年10月13日 指定商品:第21類「靴べら,靴ブラシ,靴磨き布」、第25類「短靴,長靴,運動靴,サンダル靴,スリッパ,防寒靴,作業靴,メリヤス製靴,幼児靴,婦人靴,地下足袋,靴中敷き,靴保護金具,かかと,半張り底,内底,スリッパ底」、第26類「靴ひも,靴ひも代用金具」 (2)登録第5664779号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:別掲3のとおり 登録出願日:平成25年8月19日 設定登録日:平成26年4月18日 指定商品及び指定役務:第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」、第28類「業務用テレビゲーム機,その他の遊園地用機械器具,家庭用テレビゲーム機,携帯用液晶画面ゲーム機,その他のおもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,スロットマシン,パチンコ器具,その他の遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具」を含む第9類、第14類、第20類、第24類、第34類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 3 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は、別掲1のとおり、上段に大きく「ENDLESS」の文字を、下段に小さく「Challenge to the Future」の文字を表し、上下段の文字部分の間に波線状の図形を配してなるところ、上下段の文字部分は、文字種及び文字の大きさが異なり、それらが相互に重なり合うことなく配置されていることに加え、上下段の間には、区切り線のような印象を与える波線状の図形が配されていることから、それぞれが、視覚上、分離して看取されるものである。 また、上段の「ENDLESS」の文字は、「終わりのない、永遠の」の意味を有する英語として広く親しまれているものであり、下段の「Challenge to the Future」の文字は、「未来への挑戦」程の意味合いを理解させるものであるところ、本願商標の構成文字全体として、特定の熟語的意味合いを形成する等、「ENDLESS」及び「Challenge to the Future」の文字を常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならないとする特段の事情は認められず、本願商標全体から生じる「エンドレスチャレンジトゥーザフューチャー」の称呼も、冗長である。 そうすると、本願商標は、外観、観念、称呼のいずれの点からしても、密接な関連性がなく、常に一体として把握されなければならない特段の事情も見いだせないから、「ENDLESS」の文字と「Challenge to the Future」の文字とを分離して観察することが、取引上、不自然であると思われるほどに不可分的に結合しているものとはいえない上、その構成中、上段に大きく表されて、自他商品を識別する機能を有する「ENDLESS」の文字が、商品の出所識別標識として、取引者、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるものといえるから、当該文字を要部として抽出し、これと引用商標とを比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるものというべきである。 したがって、本願商標は、その構成中の「ENDLESS」の文字に相応して、「エンドレス」の称呼及び「終わりのない、永遠の」の観念を生じるものである。 (2)引用商標 引用商標1は、別掲2のとおり、「Endless」の文字を横書きしてなり、引用商標2は、別掲3のとおり、「ENDLESS」の文字を横書きしてなるものであるところ、それぞれ、その構成文字に相応して、「エンドレス」の称呼及び「終わりのない、永遠の」の観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否 本願商標の要部である「ENDLESS」の文字と引用商標との類否を検討すると、両者は、外観において、書体が相違し、本願商標の要部である「ENDLESS」の文字と引用商標1の「Endless」の文字とは大文字と小文字の差異があるものの、いずれも、つづり字を共通にするものであり、その称呼において、両者は「エンドレス」の称呼を共通にし、観念において、両者は「終わりのない、永遠の」の観念を共通にするものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観において差異を有するとしても、本願商標の要部との比較において、引用商標とは、外観においてつづり字を共通にし、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらを総合して、取引者、需要者に与える印象を考察すれば、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 (4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否 本願の指定商品は、引用商標1の指定商品中、第25類「短靴,長靴,運動靴,サンダル靴,スリッパ,防寒靴,作業靴,メリヤス製靴,幼児靴,婦人靴,地下足袋,靴中敷き,かかと,半張り底,内底,スリッパ底」と、また、引用商標2の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子」及び第28類「運動用具」と同一又は類似のものである。 (5)小括 以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (6)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標の書体について「颯爽とした、スピード感あふれる」印象を看者に与える一方、引用商標1の書体は「重厚」な印象を看者に与え、引用商標2の書体は「おもちゃ箱をひっくり返したような面白い」印象を看者に与えるものであるから、本願商標と引用商標とは全く異なる印象を看者に与え、これらの差異が視覚的印象に与える影響は大きく、離隔的に観察しても、外観上、相紛れるおそれはない旨主張する。 しかしながら、本願商標や引用商標が、書体の差異のみで顕著な識別力を有するものとは認められないから、この点をもって、外観上、相紛れるおそれはないということはできない。 したがって、請求人の上記主張は採用できない。 イ 請求人は、本願商標を付した商品は、レースファンに向けたチームスタッフジャンパーやレーシングシューズであり、通常の小売店での販売はされず、インターネット販売やレース場での販売が中心となるため、これら商品の購買層は、レースファンに限定される一方、引用商標1の商標権者はイタリアの靴職人であり、引用商標2の商標権者はコンピュータ関連機器、アミューズメント機器の製造販売業をしており、それぞれ自動車レーシング関連とは全く異なる業界であるから、本願商標と引用商標とは取引者、需要者が全く異なっており、本願商標を付した商品と引用商標を付した商品は、市場において出所混同を生じることなく併存することは明白である旨主張する。 しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではないと判示されている(昭和49年4月25日 最高裁昭和47年(行ツ)第33号)。 そして、請求人の主張に係る取引の実情は、取引における一場面を抽出した特殊的、限定的なものというべきであり、商標の類否判断に考慮すべき一般的、恒常的な実情ということはできないから、本願商標の上記判断が左右されるものではない。 したがって、請求人の上記主張は採用できない。 (7)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標 ![]() 別掲2 引用商標1 ![]() 別掲3 引用商標2 ![]() |
審理終結日 | 2019-10-02 |
結審通知日 | 2019-10-03 |
審決日 | 2019-10-16 |
出願番号 | 商願2017-150378(T2017-150378) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(W25)
T 1 8・ 261- Z (W25) T 1 8・ 263- Z (W25) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小林 稜、早川 真規子 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 石塚 利恵 |
商標の称呼 | エンドレスチャレンジトゥーザフユーチャー、エンドレスチャレンジトゥーザヒューチャー、エンドレス、チャレンジトゥーザフユーチャー、チャレンジトゥーザヒューチャー |
代理人 | 特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所 |