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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W28
審判 全部申立て  登録を維持 W28
審判 全部申立て  登録を維持 W28
管理番号 1357065 
異議申立番号 異議2019-900137 
総通号数 240 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-12-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-05-08 
確定日 2019-11-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第6121823号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6121823号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6121823号商標(以下「本件商標」という。)は,「HSETIY」の文字を標準文字で表してなり,平成30年10月29日に登録出願,第28類「おもちゃ」を指定商品として,同年12月28日に登録査定,同31年2月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する標章
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において,本件商標が商標法第4条第1項第7号,同項第10号及び同項第19号に該当するとして引用する標章(以下「引用標章」という。)は,「HSETIY」の文字よりなり,「CLASS 28:Dolls;Wind-up walking toys」(参考訳:人形,歩行型ゼンマイおもちゃ)等を指定商品とする米国商標登録第5437265号(以下「引用標章1」という。)及び別掲のとおりの構成からなり,「スライム玩具」(以下「本件商品」という。)に使用すると主張する標章(以下「引用標章2」という。)である。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第7号,同項第10号及び同項第19号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第28号証(なお,甲各号証の表記にあたっては,「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第19号について
ア 本件商標と引用標章との類似性
本件商標は,欧文字「HSETIY」からなり,引用標章も欧文字「HSETIY」からなり,本件商標と引用標章は「フセティー」の称呼を同一にし,かつ外観及び観念を共通にする同一のものである。
イ 引用標章の周知性・著名性
申立人は,日本,米国その他の国で本件商品を製造・販売する「Dongguan xiaosonglipin youxiangongsi」(以下「ドンガン社」という。)(甲3)の代表者の妻であり,商標「HSETIY」につきドンガン社にライセンス許諾をしており(甲27),商標「HSETIY」を実際に使用し,周知なものにしたのは,このドンガン社である。
ドンガン社は,引用標章を中国及び米国においては2017年9月1日から,日本においては2017年10月7日から使用しており(甲5?20),引用標章は,本件商標の出願時及び登録査定時においてドンガン社の業務に係る商品を表示するものとして日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されている商標であった。
不正の目的
本件商標は,日本を含む諸外国において周知な引用標章と同一又は極めて類似するものである。
次に,引用標章は,造語よりなるものであり,「HSETIY」という欧文字6文字の組み合わせは非常にユニークであり,商標データベース(甲28)においても,5件しかなく(内4件が申立人又はドンガン社が商標権者等であり,残る1件が本件商標である。),「HSETIY」は,構成上顕著な特徴を有する。
さらに,本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)のオンラインショップ等において販売されている商品「HSETIY」は,ドンガン社の商品である(甲21,24)。
ドンガン社がAmazonのマーケットプレイスにおいて本件商標権者から受けたメッセージでは,「HSETIY」の本来の商標権者であるドンガン社に対して本件商標権者が商品の販売中止を請求している行為がうかがえる。
以上により,本件商標権者は,「HSETIY」商標及びその商品がドンガン社の商標及びその商品であることを知りながら本件商標を登録し,不正に取得した本件商標の商標権に基づき,申立人及びドンガン社の正当な営業を妨害しようとする意図がうかがえるから,本件商標は,他人である申立人及びドンガン社の周知な商標を不正の目的をもって使用するものと推認される。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
前記(1)アのとおり,本件商標は引用標章と同一である。
引用標章は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されており,本件商標は,その商品又はこれらに類似する商品について使用をするものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第7号について
本件商標が引用標章と同一又は類似であり,引用標章は日本国内及び外国において周知・著名な商標である。
よって,本件商標権者は,引用標章が本件商標の指定商品に我が国において商標登録されていないことを奇貨として,先取り的に商標登録出願し商標権を取得したものとみるのが相当である。
してみれば,本件商標権者が本件商標を商標登録出願し商標権を取得した行為は,公正な商取引の秩序を乱すおそれがあり,ひいては公の秩序を害するおそれがあるものである。
したがって,本件商標は,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」であり,商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)引用標章の周知性について
ア 申立人の提出に係る甲各号証及び申立人の主張によれば,以下のとおりである。
(ア)申立人は,本件商品を製造・販売するドンガン社(甲3)の代表者の妻であり,商標「HSETIY」についてドンガン社にライセンス許諾をしている(甲27)(申立人の主張)。ただし,上記各甲号証は,外国語(中国語及び英語)であって訳文の提出がないため,その内容は明らかでない。
(イ)申立人を商標権者とする引用標章1は,「人形,歩行型ゼンマイおもちゃ(参考訳)」等を指定商品とする米国における登録商標であるが,その指定商品中に本件商品を見出すことはできない(甲2)。
(ウ)引用標章2が,ドンガン社の取扱いに係る本件商品に使用されていることがうかがえるが,当該商品の写真の撮影日,撮影場所,撮影者等は明らかでない(甲4)。
(エ)我が国の「amazon」のオンラインショップにおいて,引用標章1と同一の綴りからなる標章(以下「HSETIY標章」という。)を使用する本件商品が,2017年9月10日から2018年4月14日まで(取り扱い開始日)に7回取り扱われており,その内の2回については引用標章2が包装箱に付されていることを確認することができる(甲5)。また,それら商品は,ドンガン社の販売に係るものであると認められる(ただし,甲5の23頁に掲載のある商品については,同社との関係は明らかでない。)(甲5,6)。
また,米国においては,米国の「amazon」のオンラインショップにおける売上げ及び注文(抜粋)を示すとする証拠(甲17,18)によれば,2017年9月1日からHSETIY標章を使用する本件商品が取り扱われていたことはうかがえるが,当該証拠は一部の抜粋であるため,取扱期間は明らかでない。
(オ)我が国の「amazon」のオンラインショップの,ねんど(おもちゃの粘土)の売れ筋ランキングにおいて,HSETIY標章を使用する本件商品が,第2位にランクされているが,「ランキングは1時間ごとに更新されます。」の記載があり,第2位にランクされた時期も明らかでない(甲14)。
(カ)「日本におけるHSETIY売上高」と題する書面によれば,その売上高は,2017年が3,078,605元(約4千8百万円),2018年が47,688,662元(約7億4千7百万円)とされるが(甲20),当該証拠は,表形式の一枚紙であり,その記載内容を裏付ける証拠の提出はないから,客観性が認められず,直ちに上記売上高を認めることはできない。なお,我が国の「amazon」のオンラインショップにおける売上げを示すとする証拠(甲10,11,13)によっては,上記売上高を認めるに足りない。
また,米国の「amazon」のオンラインショップにおける売上げ及び注文(抜粋)を示すとする証拠(甲17,18)によっては,米国における売上高を把握することができず,上記証拠のみによってその売上高が大きいものとも認めることはできない。なお,上記売上げに係る証拠(甲17)には,一部にHSETIY標章を使用する商品か否かが明らかでないものも含んでいる。
イ 前記アからすると,ドンガン社が本件商品に引用標章を使用していることがうかがえるとしても,その使用開始時期は2017年(平成29年)9月頃であり,使用期間は短いものである。
また,本件商標の登録出願日前に本件商品に引用標章を使用した証拠は,日本においてはamazonのオンラインショップ(甲5)に7回程度掲載されたもののみであり,その掲載回数はさほど多いものとはいえないばかりか,販売数なども明らかではない。また,米国においては掲載回数も不明であり,販売数なども明らかではない。
その他,我が国及び外国における,引用標章が使用された商品についての市場シェアなどの販売実績並びに引用標章に係る広告宣伝の費用、方法、回数及び期間などについては、その事実を量的に把握することができる証拠は何ら提出されていない。
そうすると,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用標章が,申立人又はドンガン社の業務に係る商品を表示するものとして,我が国又は外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第19号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,「HSETIY」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成文字に相応して「フセティー」の称呼を生じ,また,該文字が一般の辞書類に掲載がなく特定の意味を有する成語として親しまれているものでもないから,特定の観念は生じないというのが相当である。
イ 引用標章
(ア)引用標章1
引用標章1は,「HSETIY」の欧文字を表してなるところ,その構成文字に相応して「フセティー」の称呼を生じ,また,該文字が一般の辞書類に掲載がなく特定の意味を有する成語として親しまれているものでもないから,特定の観念は生じないというのが相当である。
(イ)引用標章2
引用標章2は,別掲のとおり,緑色と黄色からなる四角形内に,白色で縁取りされた一部に装飾を伴う緑色の楕円形を配し,該楕円形内に白色で縁取りされた緑色の「HSETIY」の文字を表した構成よりなるところ,上記の図形と文字とは,特別な関連性を有するものではないから,それぞれ独立して自他商品の識別標識として機能を果たす要部と認識されるところ,該図形部分は我が国において特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないことから,図形部分からは,特定の称呼及び観念は生じないものと判断するのが相当である。
また,文字部分は,「HSETIY」の欧文字を表したものであるところ,該文字は,前記(ア)と同様の理由から,「フセティー」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用標章との類否
本件商標は,前記アのとおり,「HSETIY」の文字からなり,他方,引用標章は,前記イのとおり,「HSETIY」の文字又は「HSETIY」の文字部分を要部とするものからなるところ,いずれも,同一のつづりからなるものであるから,両者は,外観において近似した印象を与えるものである。
次に,称呼においては,本件商標と引用標章は,共に「フセティー」の同一の称呼を生じるものである。
さらに,本件商標と引用標章とは,共に観念を生じないものであるから,観念において比較することはできない。
そうすると,本件商標と引用標章とは,観念において比較することができないものの,外観上近似するものであり,同一の称呼を生じるものであるから,これらを総合的に勘案すれば,両者は相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
エ 小括
本件商標は,前記ウのとおり引用標章と類似の商標であって,本件商標の指定商品と引用標章の使用された本件商品とは,同一又は類似の商品ということができる。
しかしながら,引用標章は,前記(1)イのとおり本件商標の登録出願時及び登録査定時において,他人である申立人又はドンガン社の業務に係る商品を表示するものとして,日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることができないものである。
また,引用標章が日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認められないことからすると,本件商標が,引用標章の信用,名声,顧客吸引力等を毀損させるおそれがあるなど不正の目的をもって使用をするものであると認めることもできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同項第19号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は,本件商標の出願は,引用標章が我が国において商標登録されていないことを奇貨として先取り的に行われたものといえ,本件商標権者の行為は,公正な商取引の秩序を乱すおそれがあり,ひいては公の秩序を害するおそれがあるものである旨主張している。
しかしながら,前述のとおり,引用標章は,申立人又はドンガン社の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,また,本件商標が,引用標章の信用,名声,顧客吸引力等を毀損させるおそれがあるなど不正の目的をもって使用をするものであると認めることもできないものである。
そして,申立人が提出した証拠からは,本件商標の出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠く等の事実は見当たらず,本件商標をその指定商品について使用することが,社会の一般道徳観念に反するものともいえず,その他,本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であると認めるに足りる証拠の提出はない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号,同項第10号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲 引用標章2(色彩は原本参照)



異議決定日 2019-11-11 
出願番号 商願2018-134702(T2018-134702) 
審決分類 T 1 651・ 255- Y (W28)
T 1 651・ 22- Y (W28)
T 1 651・ 222- Y (W28)
最終処分 維持 
前審関与審査官 内田 直樹小林 大祐 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 板谷 玲子
山田 啓之
登録日 2019-02-15 
登録番号 商標登録第6121823号(T6121823) 
権利者 WES株式会社
商標の称呼 フセティイ、フセティー、エッチセットアイワイ、エイチセットアイワイ 
代理人 安達 友和 
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