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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 登録しない W0942 審判 査定不服 外観類似 登録しない W0942 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W0942 審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W0942 |
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管理番号 | 1356998 |
審判番号 | 不服2019-6572 |
総通号数 | 240 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-12-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-05-20 |
確定日 | 2019-11-08 |
事件の表示 | 商願2018-98556拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第9類「測定機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」を指定商品及び指定役務として,平成30年8月1日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した商標は,以下のとおりである。 (1)登録第2438943号商標(以下「引用商標1」という。)は,「ゼータ」及び「ZETA」の各文字を上下二段に書してなり,平成元年7月10日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同4年7月31日に設定登録され,その後,平成14年12月25日に指定商品を第7類ないし第12類,第17類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされたものである。さらに,同24年3月21日に指定商品を第9類「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池,電線及びケーブル,配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,磁心,抵抗線,電極」とする,商標権の存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。 (2)登録第4524637号商標(以下「引用商標2」という。)は,「ZETA」の文字を標準文字で表してなり,平成12年9月5日に登録出願,第42類「警報設備・消火設備・避難設備・その他の消防用設備の設計,警報設備・消火設備・避難設備・その他の消防用設備の貸与,施設の防災に関する助言,施設の警備,身辺の警備,防犯・防火・防災・救急及び安全に関する設備機器の受託による研究開発,防犯・防火・防災・救急及び安全に関する設備機器の開発に関する助言,防犯・防火・防災・救急及び安全に関する設備機器の開発のための調査及び研究,盗難警報機の貸与その他の防犯機器の貸与,火災報知機・消火器の貸与その他の防火機器の貸与,防災機器の貸与,救急時用通報機器の貸与,警備及び警備保障に関する教育機器・教材の受託による研究開発,電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機を使用することにより機能するシステム(プログラムを含む)の設計・作成及び保守,電子計算機を使用することにより機能するシステム(プログラムを含む)の設計・作成及び保守の助言,電子計算機通信網の設計・作成及び保守,電子計算機通信網の設計・作成及び保守の助言,電子計算機システム監査,家庭用浄水器の貸与,不測の緊急事態時における対処法に関する助言,不測の緊急事態時における状況の調査及び情報の提供,急病その他の緊急時における緊急事態の通報及び救急活動,建物内における飲料水の検査,建物内における空気環境の測定,個人健康情報の集積・管理・提供,健康医療相談,健康医療相談の媒介又は取次ぎ,訪問診療の媒介又は取次ぎ,健康診断の媒介又は取次ぎ,医療機関の媒介又は取次ぎ,超音波診断装置の貸与その他の医療用機器・医療用什器備品の貸与,医療及び健康増進に関する企画・調査・研究,電送された医療用画像を判読することによる診断の支援,在宅医療の補助,病人の介護,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,気象情報の提供,求人情報の提供,ファッション情報の提供,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成及び保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,個人の身元又は行動に関する調査,身の上相談,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,植木の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,計測器の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」を指定役務として同13年11月22日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 以下,引用商標1及び引用商標2をあわせて,「引用商標」という。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標について ア 本願商標について 本願商標は,別掲のとおり,「ZETA」の文字を横書きしてなり,構成中の「A」の文字の上部に2つの円弧を扇状に表した図形を小さく配してなる,文字と図形との結合商標である。 そして,本願商標を構成する図形部分と文字部分とは,当該図形部分が,当該文字部分の右端の「A」の文字と一体となって何らかの特別な文字等を表すものとも認められないし,視覚上,文字部分と図形部分とに分離して看取し得るものである。 そして,本願商標の構成中の図形部分は,直ちに特定の事物を想起させるものではないから,特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。 一方,本願商標の構成中,「ZETA」の文字部分は,「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」(株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典 第4版)を意味するものとして,我が国において親しまれた英語であるから,その構成文字に相応して,「ゼータ」の称呼及び「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を生じるものと認められる。 そうすると,本願商標は,これを構成する図形部分と文字部分とが,視覚上,分離して看取し得るものであり,両者に観念上の結びつきはないことからすると,これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められない。 以上の事情を考慮すると,本願商標は,文字部分と図形部分のそれぞれが独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものであるから,当該文字部分を要部として抽出し,この部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるということができる。 したがって,本願商標は,その要部である文字部分に相応して「ゼータ」の称呼及び「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を生じるものと認められる。 イ 引用商標1について 引用商標1は,「ゼータ」及び「ZETA」の各文字を上下二段に書してなるところ,上段の「ゼータ」の片仮名は,下段に横書きされた「ZETA」の文字部分の読みを示したものと理解するのが自然である。 したがって,引用商標1は,「ゼータ」の称呼及び下段の「ZETA」の文字に相応し,本願商標と同様に「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を生じるものと認められる。 ウ 引用商標2について 引用商標2は,「ZETA」の文字を標準文字で表してなるものであるから,本願商標と同様に「ゼータ」の称呼及び「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を生じるものと認められる。 なお,引用商標2の称呼について,請求人は,「ジータ」「ゼイタ」との称呼が生じる旨主張するが,「ZETA」の文字は,我が国において親しまれた英語といえるから,引用商標2は,「ゼータ」の称呼のみが生じるというのが相当である。 エ 本願商標と引用商標1の類否について 本願商標と引用商標1とを比較すると,両商標の外観は,その構成全体としては相違するものの,本願商標の要部である「ZETA」の文字部分と引用商標1の「ZETA」の文字部分を比較すると,両者はつづりを共通にするから,互いに近似した印象を与えるものといえる。 また,両商標は,これらより生じる「ゼータ」の称呼及び「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を共通するものである。 してみれば,本願商標と引用商標1とは,外観において,差異を有するものとしても,本願商標と引用商標1の「ZETA」の文字部分において互いに近似した印象を与え,「ゼータ」の称呼を共通にし,「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を同一にするものであるから,互いに紛らわしい類似の商標というべきである。 オ 本願商標と引用商標2の類否について 本願商標と引用商標2とを比較すると,両商標の外観は,その構成全体としては相違するものの,本願商標の要部である「ZETA」の文字部分と引用商標2とを比較すると,両者はつづりを共通にするから,外観が近似し,これより生じる「ゼータ」の称呼及び「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念が同一であるから,互いに紛らわしい類似の商標というべきである。 カ 本願の指定商品と引用商標の指定商品・指定役務の類否について (ア)本願の指定商品中「電気磁気測定器,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム」は,引用商標1の指定商品中「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気磁気測定器」と同一又は類似する商品であること明らかである。 (イ)本願の指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」は,引用商標2の指定役務中「電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機を使用することにより機能するシステム(プログラムを含む)の設計・作成及び保守,電子計算機を使用することにより機能するシステム(プログラムを含む)の設計・作成及び保守の助言,電子計算機通信網の設計・作成及び保守,電子計算機通信網の設計・作成及び保守の助言,電子計算機システム監査,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成及び保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」と同一又は類似する役務であること明らかである。 カ 小括 以上によれば,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,かつ,本願商標は,引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用するものである。 したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するから,登録することはできない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 |
審理終結日 | 2019-09-10 |
結審通知日 | 2019-09-11 |
審決日 | 2019-09-25 |
出願番号 | 商願2018-98556(T2018-98556) |
審決分類 |
T
1
8・
264-
Z
(W0942)
T 1 8・ 263- Z (W0942) T 1 8・ 262- Z (W0942) T 1 8・ 261- Z (W0942) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 安達 輝幸 |
特許庁審判長 |
早川 文宏 |
特許庁審判官 |
山根 まり子 大森 友子 |
商標の称呼 | ゼータ、ジータ、ゼタ |
代理人 | 田久保 泰夫 |