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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W34
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W34
審判 査定不服 観念類似 登録しない W34
管理番号 1356915 
審判番号 不服2018-2007 
総通号数 240 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-13 
確定日 2019-10-28 
事件の表示 商願2016-134074拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標について
本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,第34類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成28年11月28日に登録出願され,その後,指定商品については,平成29年7月21日受付の手続補正書により,第34類「紙巻たばこ,たばこ,パイプ用たばこ,たばこ製品,代用たばこ(医療用のものを除く。),葉巻たばこ,シガリロ,ライター,マッチ,喫煙用具,紙巻たばこ用紙,紙巻たばこ用筒,たばこ用フィルター,たばこ紙巻き器,紙筒にたばこを挿入するための機器,電子たばこ,電子たばこ用液体,加熱して使用することを目的とするたばこ製品,紙巻たばこ及びたばこ用の電気式の加熱装置」と補正されたものである。

2 引用商標について
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第4658792号商標(以下「引用商標」という。)は,「SIGNATURE」の欧文字を標準文字により表してなり,第34類「たばこ」を指定商品として,平成14年9月5日に登録出願,同15年4月4日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,濃紺色で塗りつぶした縦長長方形内の上部中央に「SIGNATURE」の欧文字を茶色で横書きしてなり,かなり間を空けて,同長方形内の中央部分に,図形と文字との組合せ部分(以下「図柄部分」という。)を配した構成からなる結合商標である。図柄部分は,茶色の太線で大きく表された円輪郭内(内部は黒地である。)に,「NO.」,「555」及び「STATE EXPRESS」の各文字(「555」の数字は,他の文字に比して大きく表されている。)を茶色で三段に横書きした部分(以下「本願円図形」という。)と,本願円図形の上部に,紋章風の図形とをまとまりよく配した構成からなる。また,紋章風の図形部分は,王冠,円内に「SE」の文字を結合しモノグラム状に表した図形,2匹の仮想動物風の図形及び「SEMPER」及び「FIDELIS」の各欧文字の記載がある2本のリボン状の図形等からなり,図形部分は茶色,文字部分は縦長長方形と同じ濃紺色である。
本願商標の構成中,上部中央の「SIGNATURE」の欧文字部分は,「署名,サイン」の意味を有する語である。また,紋章風の図形部分の構成中,「SEMPER」及び「FIDELIS」の欧文字は,それぞれ,「常に」及び「忠実」の意味を有するラテン語であるとしても,両語は,それぞれ,我が国において馴染みの無い語であって,特定の意味合いを直ちに想起させるものではないから,当該文字部分に相応して,「センパーフィデリス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものといえる。さらに,本願円図形については,その構成中の「NO.」及び「555」の文字部分から「555番」の意味合いを生じるものの,「STATE」(「状態,様子」の意)及び「EXPRESS」(「急行電車,速達(便)」の意)の文字部分からは,直ちに特定の意味合いを生じないものと解される。よって,本願円図形からは,全体として「ナンバーゴゴゴステートエキスプレス」,「ナンバースリーファイブステートエキスプレス」及び「ナンバーゴヒャクゴジューゴステートエキスプレス」の称呼が生じ,特定の観念は生じないものである。
そうすると,「SIGNATURE」の欧文字部分は,他の構成部分とは著しく離れて配置され,視覚上,明確に分離して把握されること,及び他の構成部分と観念的に密接な関連性を有しているとはいえないことから,当該欧文字部分は,他の構成部分とは分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえない。そして,当該欧文字部分は,他の構成部分に比べて小さめに書されているとしても,本願商標の構成中,上部中央に配置され,十分判読可能なものであること,及び本願商標の指定商品と何ら関連性を持つ語ではないことから,自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきである。
以上からすると,本願商標の「SIGNATURE」の欧文字部分は,構成上独立して見る者の注意をひく要部の一であるといえるから,引用商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきであり,当該欧文字部分に相応して「シグナチャー」の称呼及び「署名,サイン」の観念を生じる。
(2)引用商標について
引用商標は,「SIGNATURE」の欧文字を標準文字で表してなるものであるから,これより,「シグナチャー」の称呼が生じ,「署名,サイン」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標の要部である「SIGNATURE」の欧文字部分と引用商標とを対比すると,両者は,そのつづりを共通にすることに加え,一般的な書体で横書きに表されている点を共通にするため,外観上,酷似する。
さらに,両者は,「シグナチャー」の称呼及び「署名,サイン」の観念を共通にするものである。
そうすると,本願商標の要部と引用商標とは,「シグナチャー」の称呼及び「署名,サイン」の観念を共通にし,また,その外観においても酷似しているから,両者は,相紛らわしい商標であり,互いに類似する商標というべきである。
したがって,本願商標は,引用商標とは類似の商標である。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の補正後の指定商品中「紙巻たばこ,たばこ,パイプ用たばこ,たばこ製品,代用たばこ(医療用のものを除く。),葉巻たばこ,シガリロ,電子たばこ,電子たばこ用液体,加熱して使用することを目的とするたばこ製品」は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上によれば,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,かつ,本願商標の指定商品には,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は,本願商標中の「SIGNATURE」の語は,「署名」という意味のほかに,「特徴的な,特製の,お勧めの,自慢の,とっておきの」などの意味を有するため,自他識別力が極めて弱い語であるから,この部分を抽出し,引用商標と類否の比較をすることは,合理的な類否判断の方法ではない旨主張する。
しかしながら,「SIGNATURE」の語は,我が国においては,「署名,サイン」の意味のほかに,「特徴的な,特製の,お勧めの,自慢の,とっておきの」などを意味するものとして一般的に認識,理解されているとはいえず,そうである以上,当該語は,本願商標の指定商品の関係において自他識別力が極めて弱い語であるとはいえない。
イ 請求人は,本願商標の構成中,「SIGNATURE」の語は,本願商標の上部に非常に小さい文字で書されており,中央部分に書されているロゴ部分(図柄部分ないし本願円図形)と比較すると,約20分の1程度の大きさであるにすぎないから,本願商標に接した需要者は,本願商標の主たる識別標識部分は中央のロゴ部分であると認識するのが自然である旨主張する。
しかしながら,結合商標においては要部が複数生じることもあるのであり,本願商標において図柄部分ないし本願円図形が要部となるとしても,そのことによって直ちに「SIGNATURE」の欧文字部分が要部とならなくなるものではない。
ウ 請求人は,「STATE EXPRESS 555」の文字は,請求人が使用する有名ブランドであるから,本願商標に接した需要者・取引者は,当該ブランドに係る商品であることを容易に認識するはずであり,「SIGNATURE」の部分に特別な識別標識的な意味を見いだすとは考え難い旨主張する。
しかしながら,請求人は,「STATE EXPRESS 555」というブランドが,請求人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国において,周知・著名性を獲得していたと認めるに足りる客観的証拠(市場占有率,顧客の数,宣伝広告の範囲と回数など)を提出していないから,本願商標の構成中,「555」及び「STATE EXPRESS」部分が,請求人の商標として,需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。
エ 請求人は,既登録例を挙げて,本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張するが,商標の類否の判断は,対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ,上記登録例は,商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり,本願商標については,上記(4)においてした判断のとおりであるから,該登録例をもってその判断が左右されることはない。
オ よって,請求人の上記主張はいずれも採用できない。
(7)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するから,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標。色彩については原本を参照。)



審理終結日 2018-09-19 
結審通知日 2018-09-21 
審決日 2018-10-05 
出願番号 商願2016-134074(T2016-134074) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W34)
T 1 8・ 261- Z (W34)
T 1 8・ 262- Z (W34)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
庄司 美和
商標の称呼 シグナチャー、シグネチャー、エスイイセンパーフィデリス、センパーフィデリス、ゼンパーフィデリス、ナンバーゴゴゴステートエキスプレス、ナンバーゴヒャクゴジューゴステートエキスプレス、ナンバースリーファイブステートエキスプレス、ゴゴゴステートエキスプレス、ゴヒャクゴジューゴステートエキスプレス、スリーファイブステートエキスプレス、ゴゴゴ、ゴヒャクゴジューゴ、スリーファイブ、ステートエキスプレス 
代理人 中山 真理子 
代理人 達野 大輔 
代理人 竹中 陽輔 

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