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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W34
管理番号 1356280 
異議申立番号 異議2019-900130 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-11-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-04-26 
確定日 2019-10-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第6118635号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6118635号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6118635号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成30年1月31日に登録出願、第34類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同31年1月7日に登録査定され、同年2月1日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第6095120号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第9類、第11類及び第34類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成30年4月27日
優先権主張 アンドラ公国 2017年(平成29年)11月23日
設定登録日 平成30年11月2日
(2)登録第6073270号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品 第9類、第11類及び第34類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成30年3月15日
優先権主張 大韓民国 2017年(平成29年)11月15日
設定登録日 平成30年8月17日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は、先端が丸みを帯びた同幅の縦3本の太線又は円柱状の図形を等間隔に配置し、中央のみやや短い太線(又は円柱)と円により表し、全体を明るい青で着色した図形により構成される。
(2)引用商標について
引用商標1は、先端が丸みを帯びた同幅の縦3本の太線又は円柱状の図形を等間隔に配置し、中央の太線(又は円柱)のみ二つに分割して表し、右から左にかけて濃淡色で表した図形により構成される。
引用商標2は、先端が丸みを帯びた同幅の縦3本の太線又は円柱状の図形を等間隔に配置し、左から右にかけて濃淡色で表した図形により構成される。
(3)商標法第4条第1項第11号について
ア 商標の類似性
(ア)本件商標と引用商標を比較すると、色彩は異なるものの、いずれもa)先端が丸みを帯びた、b)同幅の縦3本の太線又は円柱状の図形を、c)等間隔に配置した基本的構成において共通する。中央の太線(又は円柱)の態様は、本件商標はやや短い線と円、引用商標1は二つに分割して、引用商標2は切れ目なく表されているが、すべて先端は角のない丸・円形で統一され、かつ3本の太線が同じ幅でほぼ上下(高さ)が揃っているという視覚的に顕著な特徴が一致する。
そうすると、本件商標と引用商標は、一見してa)先端が丸・円形で、b)同幅の縦3本の太線(又は円柱)が、c)等間隔に並置された図形として認識され、その着想や構図、特徴を同じくするため、看者に外観上酷似した印象を与える。したがって、本件商標と引用商標を時と所を異にして隔離的に観察した場合、互いに相紛れるおそれがある。
特に、本件指定商品の分野において、喫煙者がこれら商品や包装に付された各商標(図形)を直接対比して、あるいはその細部まで正確に観察・記憶しているとは通常考えにくい。むしろ簡易迅速が求められる商品選択、購入の場においては、商標全体から受ける印象や一見して明らかな特徴の記憶によって商品(出所)を識別していることも多い。
(イ)本件のように図形のみからなる商標の類否判断について、東京高裁判決(平成12年(行ケ)第147号。甲4)では、「取引者・需要者が、図柄によって構成される商標について、必ずしも、図柄の細部まで正確に観察し、記憶し、想起してこれによって商品の出所を識別するとは限らず、商標全体の主たる印象によって商品の出所を識別する場合が少なくない。これは、我々の日常の経験に照らして明らかである」と判示している。
また、特許庁の審決(例えば、甲5)に照らしても、本件商標と引用商標は、互いに混同を生ずるおそれが高い類似の商標といえる。
(ウ)さらに、商標の類否判断においては、「対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同が生ずるおそれがあるか否かによって決すべき」であり、その場合、「商品の取引の実情を明らかにしうる限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当」との基準が確立されている(最高裁判決「氷山印」事件)。
引用商標2は申立人が販売する加熱式たばこ「IQOS」の専用たばこ「HEETS」に関して使用されている商標である(甲6)。「IQOS」は、平成26年11月より日本で販売を開始した商品であり、発売当初より爆発的な人気を博し、遅くとも平成28年12月までに日本国内において300万台以上販売され、IQOSに完全に移行したユーザー(喫煙者)は約100万人に達し(甲7)、また、日経トレンディが発表する「2016年ヒット商品ベスト30」において第3位にランキングされるなど(甲8)、遅くとも平成28年度には喫煙者に著名な申立人の商標(ブランド)となるに至っている。
引用商標2が使用されている「HEETS」は、この「IQOS」専用のたばことして、ヨーロッパや韓国をはじめとする世界38か国で販売され、人気を博している商品である。「HEETS」は、例えば、韓国においては2017年6月頃より販売が開始され、発売当初より人気を博し、発売直後の2017年第3期(7月?9月)で韓国たばこ市場の2.5%のシェア、2017年第4期に5.5%、2018年第1期に7.3%のシェアを獲得するなど、大きな成功をおさめている(甲9)。
日本でも、「IQOS」ユーザーを中心に、「HEETS」は日本発売前から度々紹介されており(甲10)、その結果、「HEETS」に使用されている引用商標1についても、遅くとも本件商標の出願時には喫煙者の間で申立人の標章として広く知られたものとなるに至っている。なお、「HEETS」はこのような日本の喫煙者における需要の高まりを受け、平成30年10月より日本でも販売が開始されている。
(エ)以上のとおり、引用商標2は喫煙者に広く知られた商標であることからすれば、引用商標2と基本的な構成や特徴が一致する本件商標が使用された場合、喫煙者は、本件商標が使用されている商品を申立人の商品と誤解する可能性が高いものとなることは明らかである。
したがって、取引の実情を踏まえても、本件商標は、引用商標2の類似商標にあたる。
イ 指定商品の同一・類似性
本件商標の指定商品は、引用商標の第9類及び第34類の指定商品と同一又は類似するものであること明らかである。
ウ 結語
以上述べたとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、両端が丸みを帯びた肉太の縦線2本の間に、円と、両端が丸みを帯びた左右の縦線より短い肉太の縦線とを上下に配置し、明るい青色で表してなるものであり、特定の称呼及び観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は、別掲2のとおり、両端が丸みを帯びた肉太の縦線2本の間に、それらの半分程度の長さの両端が丸みを帯びた肉太の縦線2本を上下に配置し、左から右にかけて濃くなるように灰色で表してなるものであり、特定の称呼及び観念を生じないものである。
イ 引用商標2は、別掲3のとおり、両端が丸みを帯びた肉太の縦線3本を、左の1本を黒色で表し、右にかけて灰色が薄くなるように表してなるものであり、特定の称呼及び観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標と引用商標1を比較すると、両商標は外観において、左右に配置された両端が丸みを帯びた肉太の縦線は共通するものの、中央部において、前者は円と肉太の縦線で表されているのに対し、後者は肉太の縦線2本で表されているという差異を有するから、この差異が比較的シンプルな構成からなる両商標の外観全体から受ける視覚的印象に与える影響は大きく、両者を離隔的に観察しても、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
また、両商標は、色彩を異にしていることも併せみれば、更に相紛れるおそれのないものといえる。
そして、両商標は、いずれも称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念において比較できないものである。
そうすると、本件商標と引用商標1は、外観において相紛れるおそれがなく、称呼及び観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
イ 本件商標と引用商標2を比較すると、両商標は外観において、本件商標が肉太の縦線2本、円及び肉太の縦線からなるのに対し、引用商標2は肉太の縦線3本からなるという差異を有するから、この差異が比較的シンプルな構成からなる両商標の外観全体から受ける視覚的印象に与える影響は大きく、両者を離隔的に観察しても、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
また、両商標は、色彩を異にしていることも併せみれば、更に相紛れるおそれのないものといえる。
そして、両商標は、いずれも称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念において比較できないものである。
そうすると、本件商標と引用商標2は、外観において相紛れるおそれがなく、称呼及び観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
ウ 小括
上記のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標であるから、両商標の指定商品が類似するとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(4)申立人の主張について
申立人は、引用商標は同人が販売する加熱式たばこ「IQOS」の専用たばこ「HEETS」に使用され喫煙者の間で周知となっているなどとして、その証拠を提出するとともに過去の審判決例を挙げ、本件商標は引用商標と類似する旨主張している。
しかしながら、申立人提出の証拠によっては、引用商標2が加熱式たばこ「IQOS」の専用たばこ「HEETS」に使用されていることは認められるものの(甲10)、引用商標が周知であると認め得る証左は見いだせず(引用商標1は使用されている事実さえ確認できない。)、また、申立人が挙げる審判決例は本件と事案を異にするものであるし、もとより商標の類否判断は査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、指定商品の取引者・需要者の認識を基準に比較される商標について個別具体的に判断されるべきものであるから、それら審判決例によっては、上記判断を覆し得ない。
したがって、申立人のかかる主張は採用することができない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情は見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)(色彩は原本参照。)


別掲2(引用商標1)


別掲3(引用商標2)



異議決定日 2019-10-15 
出願番号 商願2018-12516(T2018-12516) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W34)
最終処分 維持 
前審関与審査官 齋藤 健太浦崎 直之 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 板谷 玲子
木村 一弘
登録日 2019-02-01 
登録番号 商標登録第6118635号(T6118635) 
権利者 ケイティー アンド ジー コーポレイション
商標の称呼 リル、リール、エルアイエル 
代理人 山口 現 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 秋山 朋子 
代理人 和田 信博 
代理人 飯田 遥 
代理人 村瀬 純一 
代理人 田中 克郎 
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