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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1356279 
異議申立番号 異議2018-900292 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-11-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-10-03 
確定日 2019-10-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第6064287号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6064287号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6064287号商標(以下「本件商標」という。)は、「MARTIN’S LANE」の文字を書してなり、平成29年11月14日に登録出願、第33類「洋酒,ぶどう酒その他の果実酒」を指定商品として、同30年6月21日に登録査定、同年7月20日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの登録商標をまとめていうときは、「引用商標」という。)。
(1)登録第154553号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「MARTINI」
登録出願日:大正11年11月22日
設定登録日:大正12年7月19日
書換登録日:平成17年9月14日
指定商品:第33類「アペリティフ(ビールを除く。),ベルモット,リキュール,発泡性の洋酒,発泡性のぶどう酒,ぶどう酒,その他の洋酒」
(2)登録第603000号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:昭和35年5月24日
設定登録日:昭和37年12月25日
書換登録日:平成16年10月13日
指定商品:第33類「ベルモット」
(3)国際登録第952994号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
国際登録出願日:2007年9月27日
(優先権主張:2007年6月1日 Liechtenstein)
設定登録日:平成21年2月6日
指定商品:第32類「Beers; mineral and aerated waters and other non-alcoholic drinks; fruit drinks and fruit juices; syrups and other preparations for making beverages.」及び第33類「Alcoholic beverages (except beers).」

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標及び引用商標は、最も需要者の注意をひくと考えられる構成要素の最初の部分において、「MARTIN」が共通する。そして、本件商標中、「MARTIN」に続く「’(アポストロフィ)」と、引用商標の「MARTIN」に続く「I」は、その形状が極めて近似している。
両商標は、ともにその構成の前半部分が同一の文字列、及び近似した記号又は文字で表記されていることから、本件商標と引用商標とは、一見して極めて近似した外観的特徴を有するものとして理解、認識される。
イ 本件商標を構成する「LANE」は、「車線、道路」等の意を有する英単語であるが、英語を母国語としてない我が国において、かかる意味合いが理解されているとはいえず、また、外来語として浸透しているといった事実も見出せない。してみれば、本件商標は、その構成全体が常に称呼されるとはいえず、本件商標からは、「マーティン」又は「マルティン」という称呼も生ずる。
他方、引用商標「MARTINI」は、イタリアの人名を表す語であり、「マルティニ」との称呼が生ずる。
そして、それぞれから生ずる称呼を比較すると、いずれも4音構成からなるものであり、そのうち、識別上最も重要な要素を占める最初の3音が共通し、また、語尾音「ン」と「ニ」は、鼻音又は鼻子音を基にした比較的弱く発音され、かつ弱く聴取される音である。
よって、本件商標及び引用商標は、称呼上も、必ずしも容易に識別できるとはいえない。
ウ 本件商標を構成する「MARTIN」と引用商標「MARTINI」は、いずれもラテン語の「MARTINUS」から派生した語(人名・地名)である(甲5)。よって、両語は、本来的に観念上同一であって、観念上類似することは明らかである。
エ 本件商標に係る指定商品と引用商標に係る指定商品
本件商標に係る指定商品は、「洋酒、ぶどう酒その他の果実酒」であって、引用商標に係る指定商品と同様、アルコール飲料(洋酒)に分類される商品であって、同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標1及び2とは、類似するものであって、いずれもアルコール飲料に属する商品について使用するものである。
してみれば、本件商標は、周知著名な引用商標1及び2に化体した名声、信用等にただ乗り、稀釈化し、不正の利益を得る目的、他人たる申立人等に損害を加える目的等の不正の目的をもって使用するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標と引用商標1及び2とが類似しないと仮定したとしても、商標権者による本件商標の使用により、申立人ないしその関連会社の業務を表象する引用商標の「MARTINI」ブランドが真っ先に想起される可能性が高いことは明らかであり、その場合には、あたかも、商標権者が申立人ないし関連会社と何らかの関連を有する者であるかのごとく誤認混同されるところを否定することはできない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
申立人は、その業務に係る商標として、引用商標1及び引用商標2について、周知著名商標であると主張しているので、以下検討し、判断する。
(1)引用商標1及び引用商標2について
ア 申立人の主張及び同人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)申立人は、バカルディジャパン株式会社(以下「バカルディジャパン社」という。)を通じて、日本においてスパークリングワインやヴェルモットを販売しており、例えば、スパークリングワインについて、「MARTINI BRUT」(マルティーニブリュット)や「MARTINI ROSE」(マルティーニロゼ)等の表示とともに、引用商標2を付したワインボトルが紹介されている(甲8)。また、2011年には、日本国内の販売体制を強化するために、サッポロビール株式会社とバカルディジャパン社が業務提携したところ、サッポロビール株式会社がバカルディジャパン社から日本国内販売を受託したブランドの一として、引用商標2の表示とともに、「マルティーニ 世界販売量・販売金額 No.1イタリアンスパークリングワインブランド」の記載がある(甲9)。
(イ)「PR TIMES」のウェブサイトにおいて、「世界No1 イタリアンスパークリングワイン“マルティーニ”を気軽に体験できる『ネオ屋台村スーパーナイト by MARTINI』を実施」(2013年3月19日)の見出しの下、引用商標2が付された特設ブースの写真が掲載され、また、「マルティーニの紹介」の欄には、「今年創業150周年を迎えるワイン、ヴェルモット、リキュールカンパニー。1993年にバカルディグループと合併し世界中にネットワークをもつ多国籍企業として成長。ヴェルモットでは圧倒的なシェアでのNo.1ブランドであり、イタリア産スパークリングワインでも世界No.1の売り上げを誇る。」の記載がある(甲10)。
(ウ)マルティーニ創業150周年記念として、2013年に登場したとされる記念ロゴが配されたグラスには引用商標2が付されているほか、2014年に創業150周年を記念してリニューアルされたワインボトルには引用商標1及び引用商標2が付されている。また、150周年を迎える「マルティーニ」のロゼをイメージした腕時計を、セイコーウォッチ株式会社が2013年4月に数量限定販売した際の広告写真に、腕時計とともに、引用商標2を付した「MARTINI ROSE」のワインボトルが掲載されている(甲15?19)。
(エ)「東京ミッドタウン」のウェブサイトにおいて、「MIDTOWN BLOSSOM 2016.3.18FRI-4.17SUN」の見出しの下、「MARTINI Blossom Lounge」、「スタイリッシュな空間で春の訪れを愉しむ屋外ラウンジ。世界No.1イタリアンスパークリングワイン、マルティーニとともに・・・」の記載があり、協賛の欄に「マルティーニ」の文字とともに、引用商標2が表示されている(甲11)。
(オ)「バカルディジャパン社」のウェブサイトにおいて、「MARTINI Garden Lounge」(2017年5月17日?28日 場所:日比谷公園)の見出しの下、「芝生エリアに設営された完全予約制のプレミアムシートでは、世界No.1イタリアンスパークリングワイン『マルティーニ』・・・等を提供し、都会の真ん中で上質なパーティー気分が味わえる空間となりました。」の記載とともに、引用商標2が付されたラウンジ及びワインボトルの写真が掲載されている(甲12)。
また、「OZmall」のウェブサイトにおいて、「マルティーニ ガーデンラウンジ」の見出しの下、「会場内の特別席『マルティーニ ガーデンラウンジ』の、イタリアンスパークリングワインとフードがセットになったお得な予約チケットをOZが限定販売!」の記載とともに、会場は日比谷公園である旨、また、開催日は2017年5月19日?28日である旨が記載され、引用商標2が付されたワインボトルの写真が掲載されている(甲13)。
(カ)上記(ア)ないし(オ)において、引用商標2と共に引用商標1が、スパークリングワインやイベント等に使用されている。
(キ)「バカルディジャパン社」のウェブサイト(2019年1月13日紙出力)に掲載された「マルティーニをさがせ!」と称するキャンペーンは、応募締切が2018年12月20日と記載されていることから、該キャンペーンは本件商標の登録査定日以降に行われたものである(甲14)。
イ 上記アによれば、以下の事実が認められる。
申立人の業務に係るスパークリングワインのボトルには引用商標2が付され、さらに引用商標1又は「マルティーニ」の文字を冠したスパークリングワインが販売されている。
また、申立人は、2011年に日本国内の販売体制を強化したほか、2013年及び2014年には、マルティーニ創業150周年記念として、引用商標1及び引用商標2を付したパッケージリニューアル等を行い、2013年以降に行われた申立人の業務に係るスパークリングワイン販売促進の各種イベントにおいて、引用商標1及び引用商標2を広告物等に使用している。
そうすると、引用商標1及び引用商標2は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、その商品の需要者の間に一定程度認識されていたというべきである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「MARTIN’S LANE」の文字を書してなるところ、同書、同大で外観上まとまりよく表されており、該構成文字全体から生じる「マーティンズレーン」の称呼は、よどみなく称呼し得るものといえる。
また、本件商標を構成する「MARTIN’S LANE」の文字は、辞書等に掲載が認められないものであって、特定の観念を生じないというべきである。
イ 引用商標について
引用商標1は、前記2(1)のとおり、「MARTINI」の文字からなり、その構成文字に相応して、「マルティーニ」の称呼を生じるものである。また、引用商標2は、別掲1のとおり、四角形の枠内に描かれた円図形を背景とした黒色横長四角形内に「MARTINI」の文字を白抜きで表してなるところ、その構成中の「MARTINI」の文字は、中央に書されて、需要者の注意をひきやすいといえることから、引用商標2は、自他商品の識別標識としての機能を有する「MARTINI」の文字を要部とし、その構成文字に相応して、「マルティーニ」の称呼を生じるものである。さらに、引用商標3は、別掲2のとおり、瓶様の図形内にラベルのような図形を配し、その図形の上部において、黒色横長四角形内に「MARTINI」の文字を白抜きで表してなるところ、その構成中の「MARTINI」の文字は、中央に書されて、需要者の注意をひきやすいといえることから、引用商標3は、当該文字を要部とし、その構成文字に相応して、「マルティーニ」の称呼を生じるものである。そして、引用商標1を構成する、又は、引用商標2及び引用商標3の要部である「MARTINI」の文字は、一種の造語を表したものと理解される場合が多いといえ、特定の観念を生ずることのないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、それぞれ、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、本件商標が「MARTIN’S LANE」の文字からなるのに対して、引用商標は、「MARTINI」の文字からなる、又は、当該文字を要部とすることから、本件商標と引用商標中の「MARTINI」の文字部分とは、後半部分における「’S LANE」と「I」という明らかな差異を有し、外観上、明確に区別し得るものである。
次に、本件商標から生じる「マーティンズレーン」の称呼と、引用商標中の「MARTINI」の文字部分から生じる「マルティーニ」の称呼とは、全体の音の構成及び数において明らかに相違し、称呼上、聴別し得るものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、それぞれ特定の観念を生じないから、観念上、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものとしても、外観及び称呼において明らかに異なるものであるから、両商標が需要者に与える印象、記憶等を総合してみれば、それぞれを同一又は類似の商品について使用するときでも、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標1及び引用商標2について
引用商標1及び引用商標2は、上記(1)イのとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係るスパークリングワインを表示するものとして、取引者、需要者の間に一定程度認識されていたといえる。
イ 本件商標と引用商標1及び引用商標2との類似性について
本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、上記(2)ウのとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標であるから、その類似性の程度は低いというべきものである。
ウ 需要者の共通性について
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、その需要者も共通にするものである。
エ 出所の混同のおそれについて
引用商標1及び引用商標2は、上記アのとおり、申立人の業務に係るスパークリングワインを表示するものとして、本件商標の指定商品の分野の取引者、需要者の間に一定程度認識され、上記イのとおり、それら商品に係る取引者、需要者も共通するものであるとしても、上記(2)ウのとおり、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標であり、全体としての視覚的印象、記憶において、看者に全く別異のものとして認識されるものであるから、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして、引用商標1及び引用商標2を連想、想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
なお、申立人は、アルコール飲料の商品陳列時において、商品の包装(缶やボトル等)に付された構成文字全体を視認できないことが多々あり、また、アルコール飲料が取引される場所である飲食店では、商標の構成全体をもって取引に資されるだけでなく、その一部をもって取引に資されることも少なくないことから、引用商標の要部である「MARTINI」の文字と共通する「MARTIN」の文字を有する本件商標について、申立人の「MARTINIブランド」を想起し、誤信されるおそれがある旨主張している。
しかしながら、申立人が主張するアルコール飲料に関する取引の実情については、具体的な内容を裏付ける証拠は提出されていないことに加え、本件商標は、引用商標の要部と共通する「MARTIN」の文字に続くのは、「’S LANE」の文字であって、一連一体のものと看取されるのが相当であり、これらが省略されるとする事情も見いだせないから、申立人の主張は採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標1及び引用商標2は、上記(1)イのとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係るスパークリングワインを表示するものとして、取引者、需要者の間に一定程度認識されているとはいえるものの、上記(2)ウのとおり、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは非類似の商標である。
そして、請求人の提出に係る証拠によれば、本件商標権者による本件商標の使用が引用商標1及び引用商標2に蓄積された名声や信用にフリーライドし、それらを毀損させるものというべき事実は見いだし難いばかりでなく、他に、本件商標は不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的をもって使用をするものであることを具体的に示す証拠はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標2)


別掲2(引用商標3)



異議決定日 2019-10-08 
出願番号 商願2017-149463(T2017-149463) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W33)
T 1 651・ 261- Y (W33)
T 1 651・ 222- Y (W33)
T 1 651・ 271- Y (W33)
T 1 651・ 263- Y (W33)
最終処分 維持 
前審関与審査官 駒井 芳子上山 達也 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 石塚 利恵
金子 尚人
登録日 2018-07-20 
登録番号 商標登録第6064287号(T6064287) 
権利者 マーク アンソニー グループ インコーポレイテッド
商標の称呼 マーティンズレーン、マーチンズレーン、マーティンズ、マーチンズ、マーティン、マルティン、マーチン、マルチン、レーン 
代理人 岩瀬 吉和 
代理人 北口 貴大 
代理人 永岡 愛 
代理人 三好 秀和 
代理人 城山 康文 
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