• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W28
審判 全部申立て  登録を維持 W28
審判 全部申立て  登録を維持 W28
管理番号 1356273 
異議申立番号 異議2018-900101 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-11-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-25 
確定日 2019-07-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第6029347号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6029347号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6029347号商標(以下「本件商標」という。)は,「mBot」の欧文字を横書きした構成よりなり,平成29年8月22日に登録出願,第28類「ゲーム用具,業務用ゲーム機,ゲームおもちゃ,ゲーム機用コントローラー,おもちゃ,積み木(おもちゃ),おもちゃの乗物,教育用おもちゃ,おもちゃの時計,トランプ,チェス用具,遊戯用ボール,ボディビル用具,ダンベル,アーチェリー用具,体操用具,ローラースケート靴,釣り具,ドローン(おもちゃ),おもちゃのロボット」を指定商品として,同30年3月9日に登録査定,同月23日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第5999196号商標(以下「引用商標」という。)は,「embot」の欧文字を標準文字で表してなり,平成29年1月6日に登録出願,第28類「ロボットおもちゃ,セットおもちゃ」及び第9類,第16類,第41類,第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年11月24日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法4条1項11号に該当するものであるから,同法43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲1?4を提出した。
(1)本件商標と引用商標の類否
本件商標は,その構成文字に相応して「エムボット」の称呼を生じる。また,これよりは特定の観念は生じない。
他方,引用商標は,その構成文字に相応して「エンボット」ないし「エムボット」の称呼を生じる。また,これよりは特定の観念は生じない。
そうすると,両商標は観念において比較することができないとしても,称呼において「エムボット」の称呼を共通にすることが明らかである。
また,引用商標から「エンボット」の称呼を生じるとした場合,本件商標とは第2音の「ム」と「ン」において相違するが,共に唇を閉ざしたまま発音するため響きが弱く区別し難い上,相違音の位置も中間であるから,明確には聴取し難く,両者は全体の語調,語感が極めて近似するというべきである。
外観についてみると,4文字からなる本件商標「mBot」と5文字からなる引用商標「embot」とは,そのうちの4文字について,つづり字を共通にするものであり,相違する部分は冒頭の「e」の有無という微差にすぎない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,小文字か大文字かの違いはあるとしても,両商標を時と所を異にして離隔的に観察するときは,外観上近似した印象,記憶,連想等を生じさせるおそれがあるというべきである。
(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本件商標の指定商品中の第28類「ゲーム用具,業務用ゲーム機,ゲームおもちゃ,ゲーム機用コントローラー,おもちゃ,積み木(おもちゃ),おもちゃの乗物,教育用おもちゃ,おもちゃの時計,遊戯用ボール,ドローン(おもちゃ),おもちゃのロボット」と引用商標の指定商品中の第28類「ロボットおもちゃ,セットおもちゃ」とは,同一又は類似するものである。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは,称呼において共通又は相紛らわしく,外観において近似する商標であり,その指定商品も同一又は類似するものであるから,商品の出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標である。
したがって,本件商標は,商標法4条1項11号に該当する。

4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は,「mBot」の欧文字4字をゴシック体で横書きした構成からなるものであって,2文字目の「B」のみを大文字で,その余の文字は全て小文字で表してなるものである。
「mBot」の欧文字は,一般の辞書類には載録のない語であるから,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。したがって,本件商標からは,特定の観念を生じないものと認められる。また,本件商標は,その構成文字に相応して,「エムボット」の称呼を生ずるとみるのが自然である。
(2)引用商標について
引用商標は,「embot」の欧文字5字を標準文字で表した構成からなるものであって,全て小文字で表してなるものである。
「embot」の欧文字は,一般の辞書類には載録のない語であるから,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。したがって,引用商標からは,特定の観念を生じないものと認められる。
そして,特定の意味を有さない欧文字からなる造語にあっては,我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みに倣って,称呼されるとみるのが一般的であるところ,引用商標は,その構成文字に照らして,英語読みで称呼されるものとみるのが自然である。引用商標の語頭部分の「em」については,例えば,英語の「emblem(エンブレム)」「emperor(エンペラー)」「emboss(エンボス)」など「em」の文字部分を「エン」と発音する例にならい,「エン」と読まれていることからすれば,引用商標からは,「エンボット」の称呼が生じるとみるのが自然である。
この点に関し,申立人は,引用商標からは,「エムボット」の称呼をも生ずる旨主張するが,上記のとおり,引用商標から生じる自然な称呼は,「エンボット」であると認められる。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否を検討すると,外観については,両商標は,「mBot(mbot)」のつづりを共通にするものの,いずれも欧文字4字ないし5字という比較的短い文字数からなるにもかかわらず,語頭において「e」の欧文字の有無,さらに,本件商標は,2文字目のみが大文字の「B」で強調した印象を与えるものであるから,明らかに相違し相紛らわしいとはいえない。したがって,本件商標と引用商標とは,外観上,類似しない。
本件商標から生じる「エムボット」の称呼と引用商標から生じる「エンボット」の称呼とを比較すると,両者は,第2音において「ム」と「ン」の差異を有するところ,両者の差異音はいずれも鼻音の弱音であって前音に吸収され易いため,明瞭に聴取し難い音となることから,それぞれ全体を一連に称呼した場合,全体の音感,語調が近似し,互いに類似するものといえる。
そして,両商標は,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念については比較することができない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,称呼が類似するとしても,その外観において明らかに相違し,観念においては比較し得ないから,全体的に観察して非類似というべきである。
(4)小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標と類似するものとは認められないから,その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものを含むとしても,商標法4条1項11号には該当しない。
(5)申立人の主張に対し
申立人は,引用商標に係る出願の審査段階では,本件商標と引用商標とが類似する商標であると認定された旨主張するが,そのことをもって,両商標に係る上記認定,判断が左右されるものではないから,申立人の当該主張は採用できない。
(6)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法4条1項11号に違反してされたものではないから,同法43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-03-22 
出願番号 商願2017-109337(T2017-109337) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W28)
T 1 651・ 262- Y (W28)
T 1 651・ 263- Y (W28)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山本 敦子 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 木村 一弘
田村 正明
登録日 2018-03-23 
登録番号 商標登録第6029347号(T6029347) 
権利者 深セン市創客工場科技有限公司
商標の称呼 エムボット、ボット、ビイオオテイ 
代理人 和田 阿佐子 
代理人 特許業務法人RIN IP Partners 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ