• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 W4144
管理番号 1356202 
審判番号 不服2019-8242 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-06-20 
確定日 2019-11-05 
事件の表示 商願2018-103416拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「スヌーピーカウンセリング」の文字を標準文字で表してなり、第41類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成30年8月14日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における平成30年11月6日付けの手続補正書により、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,心理学に関するセミナーの企画・運営又は開催,企業の人材育成に関するコンサルティング,カウンセリングに関するセミナーの企画・運営又は開催,心理学若しくは医学に関する講演・セミナー・シンポジウムの企画・運営又は開催,心理カウンセリングの知識の教授に関する研究会・研修会・講習会の企画・運営又は開催,企業・団体の人材育成に関する研修会もしくはセミナーの企画・運営又は開催,健康の維持・増進を目的とする健康管理に関するセミナーの企画・運営又は開催,求人・就職に関する講習会の企画・運営又は開催,心理カウンセリングの教授,就職試験における知識の教授,電子出版物の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」及び第44類「メンタルヘルスに関する指導及び助言,心理カウンセリングに関する情報の提供,心理療法によるカウンセリング,人間関係に関する心理カウンセリング,健康のための心理相談及び指導,健康のための心理相談および栄養指導,心理相談及び心理療法における生活指導,健康に関する情報の提供,心理療法又は精神療法によるカウンセリング,心理相談,心理学的診断」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『スヌーピーカウンセリング』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『スヌーピー』の文字は、米国の漫画家チャールズ・M・シュルツ氏原作による漫画『ピーナッツ(原題:Peanuts)』に登場するビーグル犬のキャラクターとして、我が国においても広く知られた『スヌーピー(Snoopy)』を容易に認識させるものである。そして、『スヌーピー』をモチーフとした様々なグッズやサービスが、その版権を管理するピーナッツ・ワールドワイド・エルエルシー又は同社とライセンス契約を結んだ関係者である株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツにより提供されており、また、2017年のキャラクター関連商品の小売市場において、『スヌーピー』に関連した商品が3位を獲得する等、当該キャラクター及びその名称である『スヌーピー』の文字が漫画の分野に限らない幅広い商品・役務の分野において、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されている実情がある。そうすると、その構成中に周知著名な商標と認められる『スヌーピー』の文字を有してなる本願商標を、その指定役務に使用するときは、その役務があたかも前記会社又は同会社と組織的又は経済的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)「スヌーピー」の文字の周知性について
原査定は、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由として、ビーグル犬のキャラクターとして知られた「スヌーピー」が登場する、米国の漫画家チャールズ・M・シュルツ氏原作による漫画「ピーナッツ」の版権を管理するピーナッツ・ワールドワイド・エルエルシー又は同社とライセンス契約を結んだ株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツが、様々なグッズやサービスに使用しているとする「スヌーピー」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)を引用している。
しかしながら、当審における職権による調査及び当審において提出された刊行物等提出書によれば、引用商標は、米国の漫画家チャールズ・M・シュルツ氏による漫画「ピーナッツ」に登場するビーグル犬のキャラクターの名称として知られており、2016年に「スヌーピーミュージアム」と称する美術館が開館し、名古屋や銀座において「スヌーピーミュージアム展」、「スヌーピー in 銀座 2018(2019)」の名称でイベントが開催され、「日本のスヌーピー公式サイト」とされるウェブサイトが開設されていることが認められるものの、上記の美術館やイベント等は、その入場者数などの具体的な規模等が不明であり、ウェブサイトも具体的な閲覧数が不明である。
また、引用商標の使用期間や引用商標が使用された商品及び役務についても判然とせず、引用商標の使用状況が明確であるとはいえないものであるから、その周知性の程度を推し量ることができない。
さらに、引用商標が、原審説示のように上記漫画の版権を管理するピーナッツ・ワールドワイド・エルエルシー又は同社とライセンス契約を結んだ株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツの業務に係る商品又は役務を表示するものとして、本願商標の登録出願時及び査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めるに足る事実を発見することができず、加えて、上記会社が本願の指定役務の分野に進出する蓋然性、可能性も見いだせなかった。
そうすると、引用商標は、米国の漫画家チャールズ・M・シュルツ氏原作による漫画「ピーナッツ」に登場するビーグル犬のキャラクターの名称として知られているとしても、特定の者の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
(2)本願商標と引用商標との類似性の程度について
本願商標は、「スヌーピーカウンセリング」の片仮名からなるところ、構成中の「カウンセリング」の文字は、「個人のもつ悩みや問題を解決するため、助言を与えること。」の意味を有する語(株式会社岩波書店「広辞苑第6版」)であり、本願の指定役務との関係において、自他役務の識別力が弱い語であるといえる。
そうすると、本願商標は、その構成中の「スヌーピー」の文字が自他役務の識別標識としての機能を果たし得る要部として認識され、当該文字部分をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、本願商標の要部と引用商標とは、その構成文字を共通にするものであり、外観において同一又は類似するものであって、ともに「スヌーピー」の称呼を生じるものであるから、本願商標と引用商標とは、その類似性の程度は高いものといえる。
(3)本願の指定役務と引用商標の使用に係る商品及び役務の関連性の程度、取引者及び需要者の共通性について
本願の指定役務は、上記1のとおり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,心理学に関するセミナーの企画・運営又は開催,企業の人材育成に関するコンサルティング,カウンセリングに関するセミナーの企画・運営又は開催,心理学若しくは医学に関する講演・セミナー・シンポジウムの企画・運営又は開催,心理カウンセリングの知識の教授に関する研究会・研修会・講習会の企画・運営又は開催,企業・団体の人材育成に関する研修会もしくはセミナーの企画・運営又は開催,健康の維持・増進を目的とする健康管理に関するセミナーの企画・運営又は開催,求人・就職に関する講習会の企画・運営又は開催,心理カウンセリングの教授,就職試験における知識の教授,電子出版物の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」及び第44類「メンタルヘルスに関する指導及び助言,心理カウンセリングに関する情報の提供,心理療法によるカウンセリング,人間関係に関する心理カウンセリング,健康のための心理相談及び指導,健康のための心理相談および栄養指導,心理相談及び心理療法における生活指導,健康に関する情報の提供,心理療法又は精神療法によるカウンセリング,心理相談,心理学的診断」であるのに対し、引用商標の使用に係る商品及び役務は、上記(1)のとおり、その使用状況が判然としないものであるから、両者における商品及び役務の関連性の程度や取引者及び需要者の共通性について比較することができない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(1)ないし(3)のとおり、本願商標と引用商標とは類似性の程度は高いといえるものの、本願の指定役務と引用商標の使用に係る商品及び役務の関連性の程度、取引者及び需要者の共通性については比較することができず、引用商標は、米国の漫画家チャールズ・M・シュルツ氏原作による漫画「ピーナッツ」に登場するビーグル犬のキャラクターの名称として知られているとしても、当該キャラクターが登場する漫画「ピーナッツ」の版権を管理するピーナッツ・ワールドワイド・エルエルシー又は同社とライセンス契約を結んだ株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツの業務に係る商品又は役務を表示するものとして、広く認識されているということはできず、また、上記会社が本願の指定役務の分野に進出する蓋然性、可能性も見いだせない。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が、ビーグル犬のキャラクターが登場する漫画「ピーナッツ」の版権を管理するピーナッツ・ワールドワイド・エルエルシー又は同社とライセンス契約を結んだ株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツを連想、想起することはなく、その役務が同社又は同社と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2019-10-23 
出願番号 商願2018-103416(T2018-103416) 
審決分類 T 1 8・ 271- WY (W4144)
最終処分 成立  
前審関与審査官 阿部 達広竹之内 正隆 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 小俣 克巳
木住野 勝也
商標の称呼 スヌーピーカウンセリング、スヌーピー 
代理人 原田 貴史 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ