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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W09
審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 登録しない W09
審判 査定不服 観念類似 登録しない W09
管理番号 1356083 
審判番号 不服2019-3857 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-03-22 
確定日 2019-09-20 
事件の表示 商願2017-128626拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第9類「コンピュータソフトウェア,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,測定機械器具」を指定商品として,平成29年9月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,登録第5823784号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって,その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標について
ア 本願商標について
(ア)本願商標は,別掲1のとおり,上段に,灰色で描かれたやや右に傾いた目盛り付き温度計と思しき図形(図形内の一部を赤色と青色で着色されている。以下「上段部分」という。)を配し,中段に,左から灰色で描かれたP字状の図形,灰色の2つの直線を上部で結合し山形に表した図形,灰色のC字状の図形とC字を反転させた形状からなる図形とを上下に組合せその内部をS字状に着色した2つの図形(当該2つの図形は1つ目は内部を赤色で,2つ目は内部を青色で,それぞれ着色してなる。)を配してなり(以下「中段部分」という。),下段には,灰色の横長の楕円状の図形内に,白抜き文字で,「Parameter And Simulation System」の欧文字を配した図形(以下「下段部分」という。)から構成される結合商標である。
(イ)上段部分は,目盛り付き温度計と思しき図形からなるものの,内部に赤色と青色で着色されている部分を有する抽象的な図形であって,直ちに特定の事物を想起させるものではないから,上段部分からは,特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。
(ウ)中段部分は,下段部分と両端がそろえて配置されていることに加え,下段部分の「Parameter」,「And」,「Simulation」及び「System」の語頭のアルファベットが「P」,「A」,「S」及び「S」であり,下段の文字部分の各語の真上に,中段の文字のそれぞれが,均等に大きく配置されていることに鑑みると,下段の文字部分は,見る者に,あたかも中段の部分のルビとして付されたものという印象を与えるということができる。そして,複数の単語から構成される英語の熟語や名称については,その略称として,各単語の頭文字の大文字を並べたものを用いることが多いことに鑑みると,中段部分は,下段の各単語の頭文字である「P」,「A」,「S」及び「S」の欧文字を表示したものと認識されるというのが相当である。
そうすると,中段部分は,「PASS」の語が,「通過すること。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)等を意味する英語として,我が国においても広く親しまれている語であるから,「パス」の称呼及び「通過すること」等の観念をも生じるものである。
(エ)下段部分は,「Parameter」,「And」,「Simulation」及び「System」の語が,それぞれ,「助変数」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版),「および」,「模擬実験」及び「体系」(株式会社三省堂 大辞林)を意味する語であるから,各英単語の訳語から「助変数および模擬実験の体系」との観念及び各英単語から「パラメーターアンドシミュレーションシステム」の称呼を生じるものである。
(オ)本願商標の構成中,上段部分と中段部分及び下段部分とは,視覚的に分離して観察されることに加え,観念的なつながりも見いだすことはできないから,これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く,上段部分と中段部分及び下段部分がそれぞれ自他商品の識別力を有するものとみるのが相当である。
次に,中段部分及び下段部分についてみると,中段部分が下段部分に比べて赤色及び青色に着色される部分を有し,顕著に表されていることに照らすと,中段部分が本願商標に接する取引者,需要者をして,強く支配的な印象を与えるというべきであるから,中段部分を要部として抽出し,この部分のみを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することが許されるものである。
そして,「PASS」の語が,本願の指定商品との関係で,その商品の普通名称や品質等を表示するものであるなど,商品の出所識別標識としての機能を果たし得ないと見るべき事情は見当たらない。
以上よりすると,本願商標は,構成中の要部である「PASS」の文字部分に相応し,「パス」の称呼及び「通過すること」等の観念をも生じるものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標は,別掲2のとおり,上段には,青色で着色された半円と横長長方形を組み合わせた図形を配し,当該図形の上部には,円弧上に,青色で着色された「相談できる!納得できる!」の文字を配し,当該図形内には,人と車をモチーフにした図形を配し,当該図形の下には,白抜き文字で「街のカーウンセラー」の文字を横書きし,下段には,「PASS」(「P」は黄緑色,「A」は黄色,「S」は赤色,「S」は水色で,それぞれ着色されている。)の欧文字を横書きした,図形と文字との結合商標である。
(イ)上段部分の図形中に白抜きされた「街のカーウンセラー」の文字は,構成中の「カーウンセラー」の文字が既成語ではなく,同じく上段部分の青色で着色された半円と横長長方形を組み合わせた図形も直ちに特定の事物を想起させるものでもないことから,当該図形及び文字からは,いずれも特定の観念を生じないものとみるのが相当である。他方,当該図形の上部に配された「相談できる!納得できる!」の文字,及び,当該図形中の人と車をモチーフにした図形からは,「相談できること。納得できること。」「人と車」等の観念を生じるものである。そして,上段部分を構成する「相談できる!納得できる!」及び「街のカーウンセラー」の各文字から,「ソーダンデキルナットクデキル」及び「マチノカーウンセラー」の称呼を生じるものである。
(ウ)下段部分は,各欧文字の色が異なるものの「PASS」の文字を横書きしたものとみるのが自然であり,該文字に相応し,「パス」の称呼及び「通過すること」等の観念をも生じるものである。
(エ)引用商標の構成中,下段の「PASS」の文字が,その上段部分に比して大きく顕著に表されて外観上看者の注意を引くことに加えて,上段部分の各構成文字・図形と文字種や色彩を異にし,上段部分と下段部分との間に観念的な関連性も見いだせないことからすれば,それらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず,下段に大きく表された「PASS」の欧文字部分が視覚上強い印象を与えるものであることに照らすと,引用商標に接する取引者,需要者が,「PASS」の文字部分のみに着目し,その文字部分から生じる称呼及び観念をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
そして,「PASS」の語が,引用商標の指定商品との関係で,その商品の普通名称や品質等を表示するものであるなど,商品の出所識別標識としての機能を果たし得ないと見るべき事情は見当たらない。
以上よりすると,引用商標は,構成中の要部である「PASS」の文字部分に相応し,「パス」の称呼及び「通過すること」等の観念をも生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標,それぞれの要部である本願商標の中段部分の「PASS」の文字と引用商標の下段部分の「PASS」の文字とを比較すると,本願商標の「PASS」の文字がややデザイン化された態様であり,両部分の色彩が異なることから,外観上においての差異があるものの,両者はつづりを同一にし,「パス」の称呼及び「通過すること」等の観念を同一にするものであるから,これらを総合して全体的に考察すれば,両者は,相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
したがって,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標と認められる。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否
本願の指定商品中「コンピュータソフトウェア,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,測定機械器具」は,引用商標の指定商品中「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム」と同一又は類似する商品であること明らかである。
オ 小括
以上によれば,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,かつ,本願商標は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張
ア 請求人は,他の登録例を挙げて,本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張するが,商標の類否の判断は,対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ,上記登録例は,商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり,本願商標と引用商標については,上記(1)においてした判断のとおりであるから,上記登録例をもってその判断が左右されることはない。
よって,請求人の上記主張は,採用できない。
イ 請求人は,実際の取引の実情において,本願商標と引用商標とは,その市場において何ら共通するところがなく,取引者・需要者において商品の出所混同を生じない旨主張している。
しかしながら,商品の類否の判断においては,その指定商品全般の一般的・恒常的な取引の実情を考慮すべきであって,請求人の主張するような個別の事情によって,その指定商品の範囲を限定的に解釈することはできず,商品の類否の判断にあたっても特段考慮すべきものとはいえない。
よって,請求人の上記主張は,採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するから,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標(色彩は原本参照。)



別掲2 引用商標(色彩は原本参照。)





審理終結日 2019-07-12 
結審通知日 2019-07-17 
審決日 2019-07-30 
出願番号 商願2017-128626(T2017-128626) 
審決分類 T 1 8・ 26- Z (W09)
T 1 8・ 253- Z (W09)
T 1 8・ 252- Z (W09)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 山根 まり子
大森 友子
商標の称呼 パスパラメーターアンドシミュレーションシステム、パス、パラメーターアンドシミュレーションシステム、パラメーターアンドシミュレーション、パラメーター 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
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